1: 2024/05/01(水) 17:14:55 ID:d95k2s/U00
リクエストいただいておりましたこずさやです

3: 2024/05/01(水) 17:15:39 ID:d95k2s/U00
さやか「梢先輩、今日はとても勉強になりました」

梢「ふふっ。それはよかったわ」ニコッ

夕方。
部活会議に出席したわたしたちはそのまま寮へと向かっていた。
今日は、練習は自由練習。
ではなぜ梢先輩だけではなくわたしも部活会議に出席したのかと言えば…

4: 2024/05/01(水) 17:17:30 ID:d95k2s/U00
――――――――――前日練習前――――――――――

梢「さやかさん、少しいいかしら?」

さやか「はい。何でしょうか?」

梢「明日の午後、時間あるかしら?」

さやか「明日は練習がありますが」

梢「実は、明日の午後部活会議があって私はそこに出席するから全体練習ではなくて自由練習にしようと思っているの。それで、その会議にさやかさんにも是非私と一緒に出てもらいたいと思っているの」

さやか「わたしが、部活会議ですか?」

梢「どうかしら?別に無理にとは言わないけれども」

さやか「分かりました。出席させていただきます」

梢「ふふっ。私の都合に付き合わせてもらってありがとうね」ニコッ

――――――――――――――――――――――――――

5: 2024/05/01(水) 17:19:01 ID:d95k2s/U00
といったことがあって。
正直わたしが部活会議の場にいてもいいものだろうかとか色々考えてしまったけど、終わってみれば他の部活も部長に連れられて参加していた子がいたので、場違いにはならなかったと一安心。
ところで何故梢先輩はわたしを部活会議に誘ったのだろう…

ふとした疑問を梢先輩にぶつけてみる。

さやか「あの、梢先輩。」

梢「何かしら?」

さやか「どうしてわたしを?」

梢「ふふっ。そうね。私も3年生。そろそろ次の部長のことも考えないといけないわ」

さやか「といいますと?」

6: 2024/05/01(水) 17:19:37 ID:d95k2s/U00
梢「さやかさん、あなたに私の次の部長を、やってもらいたいのだけれど」

え、えぇ~
わたしが、部長ですか??
そんなこと微塵も考えてなかったわたしは梢先輩の言葉にただただ驚くばかりだ。

梢「ふふっ。そんなに驚くことではないでしょう」

さやか「いや驚きますよ。よりによってわたしがですか」

梢「私が体調崩して寝込んだ時にさやかさんには色々やってもらって。その時思ったの。
さやかさんには次を任せることができると。」

さやか「…」

梢「どうかしら?」

7: 2024/05/01(水) 17:20:31 ID:d95k2s/U00
さやか「梢先輩にそう評価していただいていることは大変光栄なことですが、まだ二年生になったばかりですので…」

梢「ふふ。そうね。ごめんなさいね。」

さやか「いや、あの。でも梢先輩にそう思っていただけていることは本当に嬉しいんですよ」

それは紛れもなくわたしの本心だ。
こんな風に言われたら誰だって嬉しいに決まっている、はず。

さやか「二年生、かあ…」ボソッ

梢「さやかさん?」

独り言のつもりだったけれど、梢先輩に聞かれてしまった。

さやか「あ、すみません。ただ、こういった話が出てくるということはわたし、二年生になったんだなあと改めて思いまして」

梢「ええ。そうね。さやかさんがクラブに入ってきてから1年。早いものね…」

8: 2024/05/01(水) 17:21:50 ID:d95k2s/U00
さやか「はい。今思えばあの頃のわたしは、とても小さな存在だったと思います。スクールアイドルがどんなものなのかもよく分かっていませんでした。」

梢「そんなあなたたち1年生が、2年生になり後輩を迎えることになる。私からしても感慨深いものがあるわね」

なんとなくしみじみとした気分になる。
すると梢先輩がわたしに尋ねて来る。

梢「1年生といえば、今年も3人の1年生が入部してくれたのだけれど。さやかさんから見てDOLLCHESTRAの小鈴さんはここまでどうかしら?」

9: 2024/05/01(水) 17:23:37 ID:d95k2s/U00
さやか「そうですね。些細なことでもひた向きに頑張ろうとする姿がなんだか応援したくなってしまう、そんな子ですね。繊細な面もありますけど、それ含めて可愛い子がDOLLCHESTRAに入ってきてくれて良かったな、と思います」

梢「そうね。小鈴さんはとても可愛らしい子だと思うわ。この間のSparkly Spotのセリフのところとか、ばっちり決まってて入部したてとは思えなかったわね」

さやか「ありがとうございます。」

あれ、何でわたしがお礼を言っているんだろう。
でも、小鈴さんのことを褒められるのは自分のことのように嬉しい。

10: 2024/05/01(水) 17:24:30 ID:d95k2s/U00
梢「ふふっ。でも、スリーズブーケの吟子さんだって、負けないくらい可愛らしいわよ」

さやか「そうですね。とても着物が似合っていると思います。スリーズブーケの雰囲気に似合っていると思います。Reflection in the mirrorとっても素敵でした」

梢「ええ、とっても。吟子さんが来てくれるにあたって花帆がとっても頑張ってくれたのよね。そして、その花帆に協力してくれたさやかさんをはじめとするクラブみんなのおかげで、こうして新しい出会いが出来た… さやかさん、花帆を助けてくれて、本当にありがとうね。あとで他のみんなにもお礼をしなくちゃいけないわね」

さやか「いえいえ。わたしは何もしていないですよ。花帆さんの力ですよ」

梢「ふふっ。今回の花帆は本当によく頑張ったと思うわ。さやかさんと同じように、花帆も成長しているのね。吟子さんは1年前の花帆みたいね」

さやか「1年前の花帆さんですか…」

梢「ええ。花帆も言っていたけれど。非常に伸びしろを感じるわ。」

さやか「DOLLCHESTRAも、スリーズブーケも新入部員に恵まれましたね」

11: 2024/05/01(水) 17:26:15 ID:d95k2s/U00
梢「ええ。もちろん、みらくらぱーく!にも姫芽さんが入って可愛らしさが増したわね」

さやか「はい。姫芽さんは可愛い、楽しいがコンセプトのみらくらぱーく!にとても合っていると思いますね。何より大好きなみらくらぱーく!に入れて本当に良かったと思います」

こずさや「「ふふっ」」

いつの間にか寮の玄関前に到着しており、わたしたちはそこで新入生談議に花を咲かせていた。新入生の話をするのはとても楽しい。

さやか「梢先輩」

梢「何かしら?さやかさん」

さやか「わたし、改めて思ったんです。後輩たちをこのスクールアイドルクラブで輝かせてあげないといけないなって」

梢「さやかさん…」

12: 2024/05/01(水) 17:28:42 ID:d95k2s/U00
そう。
上級生になったからには後輩たちをきちんとしたスクールアイドルに育てていく義務がある。
1年前、綴理先輩が、梢先輩が、そして慈先輩がわたしたちにしてくれたように。

さやか「小鈴さんのこと、聞いていますか?」

梢「まだ詳しくは分からないわ。自己紹介動画や日々の発言から、そうね。何かあったのではないかとは感じているわ。さすがにデリケート過ぎて本人には聞けないのだけれど」

13: 2024/05/01(水) 17:30:11 ID:d95k2s/U00
さやか「そうなんです。小鈴さん、やたらと自分のことを要らない子と言うんです。過去の話も少し聞いています。でも、それは違う、要らない子なんかではないということを教えてあげたいんです。」

梢「…」

さやか「縁あってDOLLCHESTRAに入ってきてくれたからこそ、彼女には報われてほしいんです。過去のことは過去のこと。未来はまた別ってことを。」

梢「そうね… 私も何か手伝えることがあればなんでもするわ。何かあったらいつでも相談してちょうだいね」

さやか「ありがとうございます」

梢「やはり、みんな大きくなったわね。花帆も、さやかさんも、瑠璃乃さんも。なんだか寂しいような、嬉しいような」

さやか「ふふっ。なんですかそれ」

23: 2024/05/01(水) 22:30:37 ID:3TTH8h7.Sr
梢「さやかさんも、1年後にはこの気持ちわかると思うわ」フフッ

え~何ですか何なんですか。
気になり過ぎですよ梢先輩。

さやか「あの、梢先輩」

梢「何?」

さやか「わたし、梢先輩のような立派な先輩になりたいです」

梢「あら、私はそんなに立派ではないわ」

24: 2024/05/01(水) 22:32:37 ID:3TTH8h7.Sr
さやか「いえ、わたし、梢先輩の代わりに部長業務を代行した時に思ったんです。自分の練習、更には後輩のフォローをやりつつこんなことまでしていたなんて凄いなって。」

梢「さやかさん…」

さやか「しかもそれを顔に出さないところが尊敬します。わたし、そんな風になりたいんです!」

梢「ありがとうね、さやかさん。嬉しいわ。だけれど、あなたももう立派な先輩よ」

さやか「いえ。まだ何もやってないですよわたし?」

梢「そんなことないわ。もうすでに小鈴さんのことよく見てあげてるわよ。細かいことかもしれないけれど、そのような一つ一つのフォローであったりがとても重要なの」

梢先輩はさらに続ける。

梢「だから、さやかさんはもう立派な先輩よ。何も心配することないわ」ニッコリ

さやか「梢先輩…」

26: 2024/05/01(水) 22:43:44 ID:3TTH8h7.Sr
梢「それに。」

そう言って梢先輩はわたしのほうを見る。

梢「これは花帆にも言ったのだけれど。何も全部私の真似をする必要はないのよ?」

さやか「?」

梢「花帆には花帆の、さやかさんにはさやかさんのやり方があるはずよ?焦らずにじっくりと向き合っていけばいいと思うわ」

さやか「…」

27: 2024/05/01(水) 23:00:48 ID:3TTH8h7.Sr
梢「さやかさんの小鈴さんの想う気持ちは私にも十分に伝わっているわ。本人にもきっと届くはずよ。」

さやか「梢先輩…ありがとうございます。」

梢「私もね。さやかさんから学んでいることも多いのよ」

さやか「えぇ!?それは恐縮です…」

梢「綴理の扱いだとかね。」

さやか「あははは…まあそれは…」

梢「後は、あなたがいなかったら今の私や綴理はなかったと思うわ。感謝しているわ。ありがとうね」

さやか「それは先輩方お二人の力であって…」

28: 2024/05/01(水) 23:03:52 ID:3TTH8h7.Sr
梢「いいえ。さやかさんのおかげなの。私達もさやかさんに救われているのよ。さやかさんにしかないいいところも沢山あるわ。自信をもって!ね?」

さやか「なんだか梢先輩にそう言われると自信が出てきました。」

梢「ふふっ。その意気よ。さっきも言ったけれど、困ったときはいつでも力になるから、相談してね」

さやか「はい。ありがとうございます」

梢「じゃあ、そろそろ部屋に戻るわね」

わたしたちは寮の玄関前で随分と話し込んでしまっていたようだ。
辺りはすっかり暗くなっていた。
わたしも急いで部屋に戻って、夕飯の支度をしなければ。

29: 2024/05/01(水) 23:30:10 ID:3TTH8h7.Sr
さやか「はい。先輩、本日はどうもありがとうございました」ペコリ

梢「私のほうこそ、付き合ってもらってありがとうね」

さやか「ではおやすみなさい」

梢「ええ、おやすみなさい」

わたしは、わたしのやり方でいい。
梢先輩からはっきり言ってもらって心が軽くなった。
縁あって出会えた可愛い後輩に、わたしなりのやり方で向き合っていこう。

そう心の中でわたしは誓った。





おしまい

30: 2024/05/01(水) 23:33:25 ID:3TTH8h7.Sr
お読みいただきありがとうございました。
過去作です~

慈 「梢を照れさせたい」

慈「コホッコホッ」 梢「慈?」

慈「梢にかまわれたい」

梢「可愛くありたい」

慈「梢の素顔が知りたい!」

【ラブライブ】さやかほの日常の一コマ

慈「花帆ちゃんさやかちゃんと仲良くなりたい」

SS こずめぐがいちゃいちゃする話

SS 花帆「梢センパイの一番になりたい」

SS 梢「花帆さんと相合傘がしたいのだけれど…」

SS 蓮ノ大三角のとある休日の話

SS 蓮ノ大三角の誕生日会

SS ゆうぽむ、めぐるりの短編2本立て

SS こずめぐの新年会

SS 慈 「大好きだよ、梢」

SS 花帆「さやかちゃんの何ですかって定期的に聞きたくなるよね」

SS こずさや~~!!!

SS 慈「愛してる」 梢「!?!?///」

SS ゆうぽむ短編

SS 瑠璃乃「マイシスター梢!」 梢「瑠璃乃、お姉ちゃん??

SS 蓮ノ空1年’sのお話

かほさちSS

SS 大三角から沙知先輩へのプレゼント

SS 梢「花帆に鬼と呼ばれたいのだけれど…」

ゆうぽむSS

SS 綴理「さやのほっぺ、もちもちだね」さやか「//」

SS さやるりのちょっとしたお話

SS すみれ 「かのんを褒め頃しにしてみせるわ」

SS 慈「綴理を褒め頃しにした結果」

SS 梢「慈の、ASMR?」

SS みらくらぱーく!二人の世界

SS つづるりの休日


31: 2024/05/01(水) 23:35:46 ID:3TTH8h7.Sr
最近なかなか筆が進まず、リクエスト頂いたのに遅くなってしまってすみませんでした。
次回はもう1つ頂いている104期のストーリー書きますのでお待ちくださいませ

32: 2024/05/01(水) 23:56:34 ID:bdmAfPcQ00
乙でした
梢の後継者といったらさやか、凄くわかります

引用: SS さやか「梢先輩のようになりたい」