1: 2008/08/07(木) 04:46:45.36 ID:kis7WzdO0
真紅「・・・怖いと聞いたからみんなを呼んでくるのだわ」

7: 2008/08/07(木) 05:52:41.78 ID:vWpDc+V+0
真紅「……いえ、やめておいた方がいいわね」

真紅「雛苺と金糸雀は泣き出すだろうし、
   翠星石も騒がしくするに決まっているわ」

真紅「あとは蒼星石だけど……」

真紅「……」

真紅「多分、あの子の契約者がホラーだから楽しめないでしょうね。
   それなのに誘うのも悪いわ」

真紅「ジュンは……」

真紅「……」

真紅「きっと馬鹿にするから黙っておくのだわ」

8: 2008/08/07(木) 05:56:45.62 ID:vWpDc+V+0
真紅「あとはのりだけど、まだ帰ってきていないし……」

真紅「……」

真紅「だ、駄目よ! 一人で見るなんて危険すぎるわ!」

真紅「……どうしたらいいのかしら」

フワッ

水銀燈「あらぁ真紅、何か困っていることでもあるのぉ?」

真紅「水銀燈!?」

水銀燈「ふふっ、貴方が困っている顔を見るのは面白いわぁ」

真紅「良いところに来たわね水銀燈」

水銀燈「?」

真紅「とにかく、入って頂戴」

10: 2008/08/07(木) 06:01:17.21 ID:vWpDc+V+0
真紅「紅茶で良かったかしら?」

水銀燈「……何? 気持ち悪いわねその態度」

真紅「これからDVDを見るのだもの。飲み物は必要でしょう?」

水銀燈「はぁ? 何を言ってるの真紅」

真紅「この『ひぐらしのなく頃に』は怖いらしいわ」

水銀燈「そんなことを聞いてるんじゃないわよ!」

真紅「なら、何を聞いているのかキチンと言って頂戴」

水銀燈「どうして私があんたなんかと一緒に
    仲良くDVDを見なきゃいけないのよ!」

11: 2008/08/07(木) 06:05:12.91 ID:vWpDc+V+0
真紅「怒鳴らないで頂戴。耳が痛いわ」

水銀燈「私は真紅、あんたをジャンクにしに来たのよ!」

真紅「水銀燈……」

水銀燈「……やる気になったかしら真紅?」

真紅「あなた、怖いの?」

水銀燈「……はぁ?」

真紅「この『ひぐらしのなく頃に』を見るのが怖いのかと聞いているの」

水銀燈「そんなわけあるはずないじゃない!」

真紅「じゃあ一緒に見ましょう」

水銀燈「……」

13: 2008/08/07(木) 06:09:35.24 ID:vWpDc+V+0
水銀燈「誤魔化すつもり?」

真紅「いいえ。今は貴方と戦うよりも、このDVDを見る気分なだけよ」

水銀燈「……なら、また出直してくるわぁ」

真紅「水銀燈、貴方逃げる気?」

水銀燈「……はっ、逃げる? この私が?」

真紅「ええ、そうよ。このDVDを見るのが怖くて逃げ出すんでしょう?」

水銀燈「っ! そんなわけないじゃなぁい!」

真紅「なら、一緒に見ましょう」

水銀燈「……私がそんなもので怖がると思ったら大間違いよ」

真紅(ちょろいのだわ)

14: 2008/08/07(木) 06:15:00.73 ID:vWpDc+V+0
真紅「さあ、始まるわよ」

水銀燈「……ふん」

真紅「……このOP、雰囲気が出てるわね」

水銀燈「こんなものに真剣になるなんて、真紅のお馬鹿さぁん」

真紅「まだ本編が始まっていないわよ水銀燈」

水銀燈「ふん! そんなの見ればわかるわよ」

真紅「なら、どうして席を私の隣に移したのかしら」

水銀燈「……そ、それはあんたの隙をつくためよ」

真紅「そう。あまりくっつかないでね」

15: 2008/08/07(木) 06:18:36.77 ID:vWpDc+V+0
水銀燈「ふん、ただの仲良しごっこを見せられても面白くないわぁ」

真紅「このゲーム。今度皆とやってみようかしら」

水銀燈「えっ?」

真紅「どうしたの水銀燈」

水銀燈「べ、別になんでもないわよ」

真紅「なら、どうしてそんなにトランプを気にしているのかしらね」

水銀燈「気にしてなんかいないわよ! 変な言いがかりはよしなさぁい!」

真紅「そう。それならいいのだけれど」

17: 2008/08/07(木) 06:23:34.70 ID:vWpDc+V+0
水銀燈「やはり敗者は無様ねぇ」

真紅「そうね」

水銀燈「私達のゲームは、命を賭けたもの。
    あんた達がしている馴れ合いのお遊びは見てて退屈だわぁ」

真紅「なるほど。罰ゲームをつけるとゲームが盛り上がるのね。
   今度皆に提案してみるのだわ」

水銀燈「ふん! 仲が良くて結構ね真紅!」

真紅「ええ、そうね」

水銀燈「……」

真紅「この罰ゲーム。きっと盛り上がるに違いないわ」

18: 2008/08/07(木) 06:28:38.73 ID:vWpDc+V+0
水銀燈「何なのこの女。ジャンクの山を漁りだしたわよ」

真紅「そうね」

水銀燈「あんたもいつかこうなるのよ、真紅」

真紅「でも、それは今ではないわ」

水銀燈「ふん」

真紅「何を探しているのかしら」

水銀燈「さあねぇ。きっと未来の真紅じゃなぁい?」

真紅「そうね」

水銀燈「真紅。貴方真剣に見……っ!?」

『はは、驚かせてしまってすまないね』

水銀燈「謝って済む問題じゃないわ!」

20: 2008/08/07(木) 06:33:28.40 ID:vWpDc+V+0
『腕が一本見つかってないんだろう?』

水銀燈「そういえば、真紅の腕も取れたことがあったわねぇ」

真紅「水銀燈。まだ怖い場面ではないわよ」

水銀燈「あら真紅。誤魔化すつもりなのぉ?」

真紅「そんなに強く手を握ったら痛いと言っているの」

水銀燈「そ、それはあんたの手をまた取るために決まってるじゃなぁい!」

真紅「そう。とりあえず一話も終わったし、紅茶を煎れなおしてくるわ」

水銀燈「あらあら、まるで給仕ねぇ!」

真紅「水銀燈。いいから手を離して頂戴」

24: 2008/08/07(木) 06:39:50.81 ID:vWpDc+V+0
水銀燈「それにしても、
    どうしてこんな低俗なものを見る気になったのよ」

真紅「水銀燈。貴方、座って待つということが出来ないの?」

水銀燈「ふん! 私はあんたに借りを作りたくないだけよ!」

真紅「なら、二階から私のティーセットを持ってきて頂戴」

水銀燈「誰があんたの言う事なんか聞くもんですか!」

真紅「なら、ここでお湯が沸くのを見ていて頂戴」

水銀燈「真紅、私を一人にするとこの家がどうなるかわからないわよ」

真紅「……仕方ないわね。一度火を止めて一緒に二階に行きましょう」

水銀燈「あらあら、心配性ねぇ」

27: 2008/08/07(木) 06:46:20.50 ID:vWpDc+V+0
真紅「さあ、二話を見ましょう」

水銀燈「どうしてこんなものを見るなんて、本当に理解できないわぁ」

真紅「水銀燈。近いわ」

水銀燈「こ、これはあんたを逃がさないためよ真紅」

真紅「暑いし、紅茶を飲む時危ないわ」

水銀燈「私から逃げようっていうの? そんな甘い考えは捨てなさぁい!」

真紅「別にいいけれど」

水銀燈「ようやく諦めがついたようね」

29: 2008/08/07(木) 06:52:31.81 ID:vWpDc+V+0
水銀燈「あらあら、今度はお祭? 本当に仲良しごっこが好きねぇ」

真紅「……やっと離れてくれたわね」

水銀燈「この距離でも、捕まえるのには問題ないとわかったからよ」

真紅「そう。なら常にこの距離を保って頂戴」

水銀燈「そうやって少しずつ距離をあけて逃げるつもりね真紅!」

真紅「離して水銀燈。お茶が飲めないわ」

水銀燈「逃げないと約束しなさい真紅!」

真紅「安心なさい。私は逃げも隠れもしないわ」

水銀燈「……それならいいんだけど」

32: 2008/08/07(木) 07:01:11.79 ID:vWpDc+V+0
水銀燈「ねぇ真紅」

真紅「何?」

水銀燈「このお祭、中止すべきだと思わなぁい?」

真紅「この村にとっては重要なことなんでしょうね。そうもいかないのよ」

水銀燈「ふん、毎年人が氏んでるっていうのに気楽な人間たちねぇ」

真紅「水銀燈、少し離れて頂戴。私は逃げないから」

水銀燈「ふん! さっきは上手く騙されたけれど、
    よく考えたらあんたの言うことは信じられないわ」

真紅「とりあえず、腕を絡めるのはよして」

水銀燈「そうやって逃げるつもりなんでしょう真紅!」

35: 2008/08/07(木) 07:08:20.59 ID:vWpDc+V+0
水銀燈「……」

真紅「これで二話が終わったわね。中々見ごたえがあるのだわ」

水銀燈「そ、そう? 私は本当にくだらないと思うけど」

真紅「紅茶のお代わりは?」

水銀燈「そうねぇ。それじゃあ煎れに行きましょうか」

真紅「私一人で十分よ水銀燈」

水銀燈「ふん! あんたを一人にすると紅茶に何を入れるかわからないもの!」

真紅「そんな姑息な真似はしないわ」

水銀燈「あら、どうかしらねぇ」

真紅「なら、先に私が毒見をすればいいのかしら」

水銀燈「……えっ?」

37: 2008/08/07(木) 07:13:32.51 ID:vWpDc+V+0
真紅「紅茶を煎れてきて、先に私が飲む。
   これで何も入れていないと証明が出来るはずよ」

水銀燈「で、でも卑怯なあんたのことだから
    人工精霊を使ってカップに何かするかもしれないじゃなぁい?」

真紅「そう思うのなら、貴方はカップを見張っていればいいでしょう」

水銀燈「嫌よ! 私は真紅を見張るわ!」

真紅「……」

水銀燈「な、何よぉ!?」

真紅「まあ、いいのだけれどね」

39: 2008/08/07(木) 07:20:09.70 ID:vWpDc+V+0
真紅「ジュンが買ってきてくれた苺大福が残っていて良かったわ」

水銀燈「何よコレは」

真紅「本当は別のものが良かったのだけれど、この際仕方ないわね」

水銀燈「……ふん、私の分はあるのかしら?」

真紅「もちろんよ。お客様にはおもてなしをするのが当然でしょう」

水銀燈「良い心がけね真紅」

真紅「とりあえず離れて頂戴水銀燈。DVDのリモコンが取れないわ」

水銀燈「メイメイ」

41: 2008/08/07(木) 07:30:08.84 ID:vWpDc+V+0
水銀燈「なぁにこの男、感じの悪い喋り方ねぇ」

真紅「そうね。探偵ではなさそうだわ。クンクンはもっと紳士だったもの」

水銀燈「それに、暴力的だわぁ」

真紅「痛いわ水銀燈。肩をそんなに強く掴まないで」

水銀燈「のこのこ車に乗り込むなんて、
    nのフィールドに誘い込まれるようなものよ!」

真紅「落ち着きなさい。あの男はただの人間よ」

水銀燈「そ、そうね。ただの人間よね」

真紅「多分だけれど」

水銀燈「っ!? 真紅、私を騙すつもりだったの!?」

45: 2008/08/07(木) 07:36:44.43 ID:vWpDc+V+0
水銀燈「へぇ、面白いことを言うわねこの人間は」

真紅「今までの事件には、部活メンバーが絡んでいるのね」

水銀燈「やはり人間は信用するに値しないわぁ」

真紅「いえ、これはきっと何かあるのだわ」

水銀燈「あらあら、簡単に信用するなんて真紅のお馬鹿さぁん!」

真紅「貴方はこの刑事の言うことを簡単に信用するのね」

水銀燈「……も、もちろんそこまで信用なんかしてないわよ!」

48: 2008/08/07(木) 07:46:11.12 ID:vWpDc+V+0
水銀燈「ちょっとぉ! どうして刑事と電話してるのよぉ!」

真紅「声が大きいわ水銀燈」

水銀燈「だってそうでしょう?
    この人間、仲間を信用していないじゃなぁい!」

真紅「まあ、それは人間なら仕方のないことだと思うわ」

水銀燈「こ、これじゃあ何か起こりそうじゃないのよ」

真紅「起こるわよ」

水銀燈「聞いてないわよ真紅!」

真紅「この制服、露出が多いけれど可愛いわね」

水銀燈「聞きなさいよぉ!」

51: 2008/08/07(木) 07:50:42.97 ID:vWpDc+V+0
水銀燈「ガラスを割るなんて……なんて女なのアイツは」

真紅「まるで尾崎ね。それに、翠星石もよく割っていたわ」

水銀燈「野蛮ね。野蛮すぎるわぁ」

真紅「水銀燈、苺大福は食べないのかしら?」

水銀燈「そうねぇ……あとにするわぁ」

真紅「そう」

52: 2008/08/07(木) 07:56:45.48 ID:vWpDc+V+0
水銀燈「何、何なのよコイツらの目はぁ……」

真紅「くっつかないで頂戴。暑いわ」

水銀燈「どうして行動を知ってるのよぉ!」

真紅「……苺大福が食べにくいのだわ」

『むぐっ!?』

水銀燈「ど、どうしたっていうのよぉ」

『……は、針?』

水銀燈「~~~っ! 真紅! あんたまさか!」

真紅「……モグモグ。美味しいわね」

55: 2008/08/07(木) 08:03:25.08 ID:vWpDc+V+0
水銀燈「そうよ、そう! 自分の身は自分で守るの!」

真紅「でも、レディーから身を守るために武器を持ち出すなんて野蛮だわ」

水銀燈「そんな場合じゃないじゃなぁい!?」

真紅「やめて水銀燈。私の腕はバットではないわ。
   それと、もう少し離れて頂戴」

水銀燈「駄目よ! いつ誰が裏切るかわからないもの!」

真紅「落ち着いて水銀燈。貴方はあの少年ではないのよ」

水銀燈「い、言われなくてもわかってるわ」

59: 2008/08/07(木) 08:11:23.12 ID:vWpDc+V+0
真紅「……とりあえず三話まで見終わったわね」

水銀燈「ほ、本当に下らないわねぇ」

真紅「あら、そうかしら」

水銀燈「ええ、そうよ!」

真紅「なら、続きを見るのはやめる?」

水銀燈「……待ちなさい真紅。あんた、
    私が怖いと思ってると勘違いしてるんじゃなぁい?」

真紅「誰もそんなことは言ってないのだわ」

62: 2008/08/07(木) 08:17:24.96 ID:vWpDc+V+0
水銀燈「いいえ! 言わなくてもわかるわよ!」

真紅「貴方は続きが見たいの? 見たくないの?」

水銀燈「……あ、あんたが見たいなら仕方ないから付き合ってあげるわよ」

真紅「私はどちらでも構わないのだけど」

水銀燈「……」

真紅「貴方はどうしたいの?」

水銀燈「こ、怖くないと証明するために最後まで見るわよ!」

真紅「なら、とりあえず離れて頂戴」

水銀燈「逃げる気!?」

真紅「落ち着きなさい水銀燈」

65: 2008/08/07(木) 08:23:39.60 ID:vWpDc+V+0
水銀燈「ちょっとぉ……何なのよこの黒い影はぁ……」

真紅「今の手は女ね」

水銀燈「……ゴクリ」

『あの、すぐ戻りますから』

水銀燈「や、やめなさいよお馬鹿さぁん……」

真紅「水銀燈。見えないから離れて頂戴」

『ガタンッ!』

水銀燈「ひうっ!?」

ぎゅうっ!

真紅「見えないわ。見えないのだわ水銀燈」

67: 2008/08/07(木) 08:30:07.09 ID:vWpDc+V+0
『どうして? どうして嘘をつくのかな?……かな』

水銀燈「なんで知ってるのよこの人間はぁ……」

ぎゅうう!

真紅「痛いし見えないわ水銀燈!」

水銀燈「何でなのよぉ……!」

『嘘だよっ!』

水銀燈「ひいっ!?」

ぎゅうううっ!!

真紅「痛い! 痛いわ水銀燈!」

水銀燈「~~~っ!」

真紅「っ!……ほ、ホーリエ! 一旦止めて頂戴!」

68: 2008/08/07(木) 08:36:35.47 ID:vWpDc+V+0
水銀燈「……」

真紅「……水銀燈」

水銀燈「……何よ」

真紅「私は逃げないから安心してと言っているでしょう?
   どうしてあんな真似をしたのか説明して頂戴」

水銀燈「あ、あれは……そ、そう!
    真紅の隙をついてジャンクにしようとしただけよぉ」

真紅「嘘なのだわっ!」

水銀燈「ひっ!?……い、いきなり大声を出さないで!」

真紅「……とにかく、しがみつくなら腰にして頂戴」

水銀燈「ふ、ふん! 腰でも逃げられないから、
    それで許してあげるわぁ」

71: 2008/08/07(木) 08:44:51.30 ID:vWpDc+V+0
『……開けてよ』ガン!ガン!

水銀燈「駄目よぉ……開けたら駄目ぇ……!」

『帰れーーーっ!』
ガンッ!
『あうっ!?』

真紅「中々やるじゃないの、この人間」

水銀燈「でも……す、少し痛そうねぇ」

真紅「身を守るためだもの。仕方のないことだわ」

水銀燈「あ、謝ってるじゃなぁい! 少し可哀想になってきたわぁ・・・…」

74: 2008/08/07(木) 08:52:16.54 ID:vWpDc+V+0
真紅「そうね。あの刑事に相談するのは正解だと思うわ」

水銀燈「へ、部屋の電気くらいつけなさいよねぇ……」

真紅「エコじゃないかしら」

『ん?』

水銀燈「っ!?」

ぎゅうっ!

真紅「……まるでコルセットね」

水銀燈「ど、どうして雨の中……」

『ごめんなさい』

水銀燈「わ、私が許すから帰りなさいよぉ!」

真紅「痛い。痛いわ水銀燈」

76: 2008/08/07(木) 09:01:38.02 ID:vWpDc+V+0
真紅「とうとう物語の核心に切り込んだわね」

『ゴォーン!』

水銀燈「ば、バットはボールを打つためのものよ!」

真紅「そうね。地面を打つためのものではないわ」

水銀燈「や、やっぱり人間は野蛮ねぇ」

真紅「それと、私も抱きしめるためのドールではないの」

水銀燈「この目……絶対何人か頃している目よぉ……!」

真紅「聞いちゃいないのだわ。……だわ」

水銀燈「い、今何か言った真紅!?」

真紅「いいえ。何も」

78: 2008/08/07(木) 09:07:51.89 ID:vWpDc+V+0
真紅「……いよいよ対決ね」

『キラーン!』

水銀燈「『なんで鉈なんか……」』

真紅「消えたわ。隠れたのかしら」

水銀燈「ひっ!」

ぎゅうう!

真紅「一応言ってはみるけれど、痛いわ水銀燈」

水銀燈「瞬間移動するなんて、
    人間じゃないのよこいつ……!」

真紅「……やっぱり無駄だったみたいね」

82: 2008/08/07(木) 09:16:11.33 ID:vWpDc+V+0
『アッハハハハ! アハハハ! アハハハハハ!』

水銀燈「やめなさいよやめなさいよぉ、なんで笑うのよぉ……!」

真紅「これは……中々ね。声のトーンが下がっていて」

水銀燈「オヤシロ様なんてないわよぉ、オヤシロ様なんて嘘よぉ……!」

真紅「水銀燈。それはオバケの歌よ」

水銀燈「そ、そう! 逃げるのよ!」

真紅「これは……まずい選択じゃないかしら」

水銀燈「な、何!? 何者なのコイツらはぁ!」

真紅「ここに来て新しいキャラ? 不自然ね」

84: 2008/08/07(木) 09:22:09.15 ID:vWpDc+V+0
真紅「部屋に?」

水銀燈「そ、そうよぉ! 悪い夢だったのよぉ!」

真紅「本当にそうかしら。それに……監督?」

水銀燈「か、監督と言ったら野球の監督に決まってるじゃなぁい!
    真紅のお馬鹿さぁん!」

真紅「……」

水銀燈「な、何か言いなさいよぉ!」

『アッハハハハ! アハハハハハ!』

水銀燈「ひっ!?」

真紅「……だから、痛いのだけど水銀燈」

水銀燈「『罰ゲーム!?」』

真紅「……」

86: 2008/08/07(木) 09:29:59.07 ID:vWpDc+V+0
真紅「これは何の注射なのかしら……」

水銀燈「やめ、やめなさいよぉ……!」

真紅・水銀燈「!」

真紅「これは……」

水銀燈「ひっ!? う、腕が……」

真紅「家が囲まれて?」

水銀燈「こ、この家は囲まれてないわよね!? ねえっ!?」

真紅「塀と、少しばかりの緑に囲まれているのだわ」

水銀燈「っ!……そ、それなら安心ねぇ」

91: 2008/08/07(木) 09:37:57.97 ID:vWpDc+V+0
真紅「どうやら上手く逃げ出せたようね」

水銀燈「ほ、頬に血がついてるじゃなぁい……!」

真紅・水銀燈「……」

真紅「そうね、助けを求めるのは正解なのだわ」

水銀燈「は、早く助けに来なさいよぉ!」

真紅「つけてくる? さっきの男達かしら」

水銀燈「オヤシロ様なんてないわよぉ、オヤシロ様なんて嘘よぉ……!」

真紅「……後ろに?」

水銀燈「駄目! 絶対に駄目よぉ! 振り向いたら駄目ぇ!」

ぎゅうううっ!

真紅「痛い! 痛いわ水銀燈!」

94: 2008/08/07(木) 09:43:52.19 ID:vWpDc+V+0
『ドンッ!』

水銀燈「ひっ!」

真紅「痛っ!」

『怖いのは分ります!』

水銀燈「嘘よぉ! 絶対にわかるわけないわぁ!」

真紅「……」

水銀燈「ひいっ!? 血……血がぁ……!」

真紅「メモが切り取られて?」

水銀燈「ど、どうしてまとめの段階に入ってるのよぉっ!」

99: 2008/08/07(木) 09:53:19.41 ID:vWpDc+V+0
水銀燈「終わった……の?」

真紅「そうね。お疲れ様水銀燈。とりあえず離してもらえる?」

水銀燈「っ!」

ばっ!

水銀燈「ま、まぁ面白かったんじゃなぁい?」

真紅「そう。水銀燈は気に入ったみたいね」

水銀燈「終わったのが本当に残念だわぁ! まぁ、続きがあっても
    私を怖がらせることは出来ないと思うけどねぇ!」

真紅「あら、続きならあるわよ?」

水銀燈「……えっ?」

真紅「貴方が気に入ったのなら、見ましょうか」

水銀燈「……」

水銀燈「……えっ?」


おわり

101: 2008/08/07(木) 09:54:16.45 ID:G0XYeQV+0
えっ?

102: 2008/08/07(木) 09:54:51.37 ID:FKWJxl030
嘘だっ!

161: 2008/08/07(木) 17:43:18.16 ID:vWpDc+V+0
真紅「……」

真紅「水銀燈、遅いわね」

真紅「一度契約者の様子を見に戻ると言っていたけれど、
   どこで油を売っているのかしら」

真紅「……」

真紅「一人で続きを見るしかないようね。
   それに、あの程度だったら問題はないでしょうし」

ガチャッ

翠星石「あれ? 何やってるですか?」

蒼星石「こんにちは真紅」

真紅「あら、丁度良いところに来たわね二人共」

163: 2008/08/07(木) 17:47:53.67 ID:vWpDc+V+0
翠星石「丁度良いって、何がですか?」

真紅「DVDを見ようと思っていたのよ。良かったら貴方達もどう?」

蒼星石「DVD? それって面白いのかい?」

真紅「水銀燈は堪能していたようだったわ」

翠星石「す、水銀燈が来てたんですか!?」

蒼星石「堪能って……一緒に見てたのかい?」

真紅「ええ。それはそれは仲良く見ていたわよ」

166: 2008/08/07(木) 17:56:07.94 ID:vWpDc+V+0
翠星石「真紅と水銀燈が仲良く見るようなもんですか……」

蒼星石「……多分だけど、かなり面白いんだと思うよ」

真紅「どうするの? 少し怖いけれど、
   水銀燈は区切りがつく所まで見たわよ」

蒼星石「水銀燈はどこに行ったのかな」

真紅「さあね」

翠星石「きっとビビって逃げ出したに決まってますよ!」

真紅「あら、貴方は自信がありそうね翠星石」

翠星石「あったり前ですぅ! 子供騙しに怖がるような翠星石じゃありませぇん!」

蒼星石「そうだね。子供騙しとまでは言わないけど、
    そんなに怖いものでもないと思うな」

真紅「……なら、二人共見るということね?」

168: 2008/08/07(木) 18:02:05.91 ID:vWpDc+V+0
真紅「紅茶で良かったかしら?」

翠星石「気がききますね」

蒼星石「ありがとう真紅」

真紅「いいえ。この程度、大した事ではないわ」

翠星石「まあ、水銀燈とは違って翠星石は優雅に紅茶を飲みながら
    『ひぐらしのなく頃に』を楽しませてもらいますか」

蒼星石「うわぁ、この紅茶美味しいね。良い葉を使ってる」

真紅「……それじゃあ、再生するわね」

翠星石「……」

蒼星石「……」

翠星石・蒼星石「ブーーーッ!!」

真紅「っ!? 汚いわよ貴方達!」

172: 2008/08/07(木) 18:08:33.21 ID:vWpDc+V+0
翠星石「ひいっ、ひええ! ひょえええ~~~っ!?」

蒼星石「レンピカ! 早く止めて! すぐ止めて!」

真紅「……仕方がないわね」

  ・  ・  ・

JUM「指輪が熱い。……何が起こってるんだ!?」

  ・  ・  ・

翠星石「す、すすす、すぃ、スィド、すぃすぃ~~~っ!」

蒼星石「レンピカ! レンピカ! レンピカ! レンピカ!」

真紅「落ち着きなさい二人共」

ピッ

翠星石・蒼星石「~~~っ!」

真紅「……やれやれなのだわ」

173: 2008/08/07(木) 18:16:13.32 ID:vWpDc+V+0
翠星石「な、なんなんですかアレはぁ!?」

蒼星石「ねえ、止めてくれた? 止めてくれた真紅?」

真紅「今のはかなり“くる”わね」

翠星石「狂ってます……! あの人間達くるくるですぅ……!」

蒼星石「ねえ、もう目を開けても平気かい?」

真紅「……これじゃあ先が思いやられるわ」

真紅「貴方達、もう見るのはやめにする?」

176: 2008/08/07(木) 18:20:33.92 ID:vWpDc+V+0
翠星石「あんなもんの続きを見る気になる真紅はおかしいですよ!」

真紅「あら、そうかしら」

蒼星石「そうだよ! だって、おじいさんより怖かったもん!」

真紅「そうかしら。私はどちらも同じくらいだと思うわ。
   それと、本音が漏れているわよ蒼星石」

翠星石「行きましょう蒼星石! 付き合ってられません!」

蒼星石「そ、そうだね。僕はこれ以上は遠慮させてもらうよ」

真紅「……」

真紅「逃げるのね。それならそれで、私は構わないわ」

翠星石・蒼星石「!?」

178: 2008/08/07(木) 18:27:42.76 ID:vWpDc+V+0
翠星石「だ、だぁれが逃げるですってぇ!?」

真紅「貴方達に決まっているじゃないの。
   水銀燈はそんな真似はしなかったわよ」

蒼星石「そりゃあ、水銀燈と僕達とじゃ違うに決まってるじゃないか」

真紅「水銀燈が逃げなかったものから、貴方達は逃げる」

蒼星石「そ、それは……でも……」

真紅「そんな体たらくを見たら、お父様はどう思うでしょうね」

翠星石「……わ、わかりましたよ! 見ればいいんでしょう! 見れば!」

蒼星石「ちょ、ちょっとだけだよ? 怖くなったら目をつぶるからね?」

真紅(ちょろいのだわ)

179: 2008/08/07(木) 18:34:34.68 ID:vWpDc+V+0
翠星石「……ゲーム大会みたいですね」

蒼星石「僕はこういうほのぼのしてる方が好きだな」

真紅「“まずは”日常というわけね」

翠星石「おやぁ? このビビってる奴、ちょっとジュンに似てますね」

蒼星石「あはは! ホントだ!」

真紅「今度、ジュンにカルタを買ってきてもらいましょうか」

翠星石「その時は翠星石のトロンベが炸裂するですよ!」

蒼星石「みぃ、って言ったら皆に効くかな」

真紅「翠星石、トロンベは竜巻よ。
   それと蒼星石、少なくとも私達には効かないわよ」

181: 2008/08/07(木) 18:39:36.04 ID:vWpDc+V+0
真紅・翠星石・蒼星石「!?」

真紅「何故、何故なの?」

翠星石「どうして『ひぐらしのなく頃に』……」

蒼星石「……雛苺が出てるんだろう」

真紅「これは、あとで聞いてみる必要がありそうね」

翠星石「あ、雛苺は帽子人間のもんになったみてーですね」

蒼星石「うん。でもこの緑色の髪の女の子、ちょっと寂しそうだよ」

真紅「……これは、何かの伏線のようね」

188: 2008/08/07(木) 18:49:46.83 ID:vWpDc+V+0
翠星石「なんかこの緑人間変な奴ですねぇ」

蒼星石「そうだね。こんな嘘、すぐバレるに決まってるじゃないか」

真紅「まさか、双子の貴方達からそんな言葉が聞けるとは思ってなかったわ」

翠星石「失礼ですね真紅は。蒼星石ならともかく、
    翠星石はあんなイヤらしい恰好はしないですぅ」

蒼星石「ぼ、僕だってしないよ! 何を言い出すの翠星石!」

真紅「静かにして頂戴二人共」

190: 2008/08/07(木) 18:55:59.68 ID:vWpDc+V+0
真紅「ようやく一話を見終わったわね」

翠星石「それにしても、双子の見分けがつかないなんてコイツは駄目人間ですね」」

蒼星石「でも、あれだけそっくりなら仕方ないと思うけどな」

真紅「あの集団統率力……不自然すぎるわ」

翠星石「きっとジュンなら一発で見抜くに決まってますぅ!」

蒼星石「面白そうだね。今度入れ替わって試してみようか」

翠星石「おおっ! さすが蒼星石、ナイス提案ですぅ!」

真紅「とりあえず、紅茶を煎れなおしてくるわね」

193: 2008/08/07(木) 19:02:17.83 ID:vWpDc+V+0
翠星石「い~っひっひっひ! は、腹がよじれるですぅ~!」

蒼星石「も、もう、翠星石ったら」

翠星石「……名付けるなら“マッチョジュン”ですねぇ」

蒼星石「ま、マッチョジュンくん……あ、あはははは!」

真紅「……あら、またこの刑事?」

翠星石「なんですかこの狸人間は。妙にイラつく喋り方ですねぇ」

蒼星石「うん。ちょっと信用ならない感じがするね」

195: 2008/08/07(木) 19:08:39.64 ID:vWpDc+V+0
翠星石「ど、どうしてコイツらこんな事をするんですか」

蒼星石「そ、そうだよ。勝手に入るなんて駄目に決まってるのに」

真紅「……入ったわ」

翠星石・真紅・蒼星石「っ!?」

翠星石「お、驚かすなです! この金ピカ!」

蒼星石「ねえ、もう平気? ねえ」

真紅「暑いし痛いから離れて頂戴。
   それに、どうして私を挟み込むように抱き合うの貴方達は」

196: 2008/08/07(木) 19:12:24.55 ID:vWpDc+V+0
no title
これの真ん中に真紅が挟まってると思いねえ

199: 2008/08/07(木) 19:18:38.29 ID:vWpDc+V+0
翠星石「な、なんて恐ろしいことを言うんですかこの人間はぁ……!」

蒼星石「ぼ、僕、しばらくウィンナー食べられないよ……」

真紅「解剖道具を調理道具を表現するのは変わっているわね。
   そういえば、今晩は花丸ハンバーグかしら」

翠星石「ま、まさかのりは翠星石達を!?」

蒼星石「やめてよ翠星石! 脅かさないでよ!」

真紅「そんなこと、あるわけがないじゃない。……多分」

翠星石・蒼星石「ひいっ!?」

200: 2008/08/07(木) 19:24:05.57 ID:vWpDc+V+0
翠星石「マッチョジュンが氏にました……」

蒼星石「喉をかきむしってだなんて……」

真紅(これは……水銀燈と見た時と同じね)

翠星石「ま、まさかジュンも体を鍛えたらこうなってしまうんでしょうか?」

蒼星石「! 駄目だよそんなの! すっごく血が出てたよ!?」

翠星石「……ジュンが引きこもりで助かりました」

蒼星石「……そうだね。ちょっと外出は控えて貰おうか」

真紅「それにしても、この雄は情けないわね。
   レディーに責任を押し付けるなんて」

真紅「……とりあえず、半分見終わったわね」

203: 2008/08/07(木) 19:31:59.97 ID:vWpDc+V+0
翠星石「まあ、大したことありませんね」

蒼星石「そうだね。最初だけだったかなぁ」

真紅「……貴方達、それは私を離してから言って頂戴」

翠星石「こ、これは……そう! 今日はちょっと姉妹愛に目覚めただけですぅ!」

蒼星石「そ、そうそう! 真紅も僕達の可愛い妹だしね」

真紅「頬をスリスリするのはやめなさい貴方達!」

翠星石「何照れてるんですか。ほれほれ~!」

蒼星石「真紅が照れるなんて珍しいなあ。楽しいや!」

真紅「……情けない姉達ね」

233: 2008/08/07(木) 20:30:04.46 ID:vWpDc+V+0
翠星石「……なんか、どんどん余裕がなくなってきましたね」

蒼星石「ねえ真紅。もう最初のゲーム大会みたいな楽しいのはないのかい?」

真紅「わからないわ。私も見るのは初めてだもの。
   それに、余裕がないのは私もよ」

翠星石「し、真紅もビビってやがるんですか? な、情けないですねぇ~!」

蒼星石「あるよ、きっとあるよ。楽しい場面がきっとあるって!」

真紅「貴方達がこうやって私を挟み込むから、
   余裕をもって座れないと言っているの」

翠星石「で、電話が通じないですって……?」

蒼星石「何かあったのかな?」

真紅「狭いわ。離れて頂戴二人共」

235: 2008/08/07(木) 20:35:10.45 ID:vWpDc+V+0
翠星石「ひいぃぃぃ~っ!」

蒼星石「何、何々、何なのさ!」

がくがくっ!

真紅「揺らさないで! 揺らさないで頂戴!」

翠星石「コイツ狂ってます! 頭がクルクルです~!」

蒼星石「ねえ、もう大丈夫かな!? ねえ真紅!」

真紅「痛いわ! やめて!」

240: 2008/08/07(木) 20:40:46.29 ID:vWpDc+V+0
翠星石「……よ、ようやく正気に戻ったようですね」

蒼星石「……目を開けても大丈夫?」

真紅「落ち着いてくれて助かったわ。
   この人間も、私も」

翠星石「これはきっとオヤシロ様の祟りに違いねーですよ!」

蒼星石「そうだね。ただの人間がこんな恐ろしい事出来るはずないよ。
    きっと、何かに取りつかれてたんだ」

真紅「……本当にそうなのかしら」

翠星石「そうに決まってます!」

蒼星石「脅かさないでよ真紅!」

248: 2008/08/07(木) 20:46:01.99 ID:vWpDc+V+0
翠星石「何を……言ってるんですかこの狸人間は……」

蒼星石「えっ? 失踪して……えっ?」

真紅「いよいよこの物語の核心に迫ってきたわね」

翠星石「あっ、電話です」

蒼星石「待って。混乱してきちゃったよ」

真紅「ここで問い詰めるのが吉と出るか、凶と出るか……」

『ふ……ふふっ……』

翠星石・蒼星石「……ゴクリ」

『アハハハ! アハヒャヒャヒャヒャヒャ!』

翠星石・蒼星石「~~~っっっ!?」

251: 2008/08/07(木) 20:51:02.00 ID:vWpDc+V+0
翠星石「すす、スィスィスィ……す、すすす!」

蒼星石「レンピカ! レンピカ! レンピカ! レンピカ!」

ガラッシャーン!

真紅「落ち着きなさい二人共! もう三話のEDだから!」

翠星石「な、なな、なんなんですかぁっ!」

蒼星石「反則だよ……これじゃあ目をつぶっても意味ないじゃないかぁ……!」

むぎゅう~っ!

真紅「く、苦し……!」

253: 2008/08/07(木) 20:57:17.20 ID:vWpDc+V+0
翠星石・蒼星石「……」

真紅「ちょっぷ」

スコン!

翠星石「あたっ!」

蒼星石「いたっ!」

真紅「……全く、貴方達のおかげでジュンに負担をかけてしまったじゃない」

翠星石「す、すってす……」

蒼星石「ご、ごめんよ……」

真紅「私ではなく、後できちんとジュンに謝りなさい。いいわね?」

翠星石「……わかりました」

蒼星石「……はい」

  ・  ・  ・

JUM「また指輪が熱くなった! あ、アイツらの身に危険が……!?」

255: 2008/08/07(木) 21:03:22.64 ID:vWpDc+V+0
真紅「さあいよいよ最後ね」

翠星石「ぷぷぷ! コイツ、怒られてますぅ~!」

蒼星石「怒られる前に、気付くのが当然だよね」

真紅「……もう何も言わないわ」

翠星石「それにしても、この帽子人間は中々見所のある奴ですね!」

蒼星石「うん。推理力はくんくんに近いものがあるんじゃないかな」

真紅「でも、少し迂闊すぎるわね。
   相手の領域に踏み込むなんて愚は、くんくんは絶対にしないわ」

257: 2008/08/07(木) 21:09:17.58 ID:vWpDc+V+0
翠星石「こ、この屋敷は絶対に何かありますよ!」

蒼星石「やめてよ翠星石!」

真紅「さっきも刑事の車に簡単に乗り込んだし……。
   勇気と蛮勇、信頼と盲信を履き違えているわね」

翠星石「あ、あんまり直接的な聞き方をするなです……」

蒼星石「そうだよ……。もっと慎重に聞k」

『ふ……ふふっ……』

翠星石「な、なんで笑い出すんですかぁ!?」

『アハハハハハハ!』

蒼星石「『参った! 参った降参だよ!」』

260: 2008/08/07(木) 21:15:16.99 ID:vWpDc+V+0
『園崎本家、当主跡継ぎ・・・…魅音でございます』

真紅「冷静さを取り戻したようね」

翠星石「ろ、ろろ、ローゼンメイデン第三ドール、翠星石ですぅ!」

蒼星石「ぼ、僕はローゼンメイデン第四ドールの蒼星石!」

真紅「……冷静さを取り戻していないようね」

真紅「……それにしても、この人間が語ることは興味深いわ」

翠星石「お、おやおやぁ? なんかさっきまでとは……」

蒼星石「! きっと、これからまた仲良くしだすんだよ!」

翠星石「それです蒼星石!」

261: 2008/08/07(木) 21:18:48.28 ID:vWpDc+V+0
翠星石「なぁ~んかイチャつきはじめましたね」

蒼星石「いいよ、これで良いよ、最高だよ」

真紅「待ちなさい。地下室に入っていくわよ」

翠星石「はあ? そんなの捕まえてた妹を開放するために決まってるじゃねーですか」

蒼星石「そうだよ。それ以外の目的なんてあるはずないって」

真紅「……だと、いいのだけれど」

264: 2008/08/07(木) 21:25:36.24 ID:vWpDc+V+0
翠星石・蒼星石「!?」

ぎゅうっ!

真紅「……いたたっ」

翠星石「恐ろしいです……コイツはとんでもねー極悪人です……」

蒼星石「どうして……なんでさ……」

ぎゅううっ!

真紅「……あいたたたっ」

翠星石「そ、蒼星石、私はこんな真似絶対にしませんからね!」

蒼星石「う、うん……」

翠星石「ど、どうして目を逸らすですか!?」

蒼星石「いや、うん。な、なんとなくかな……はは」

265: 2008/08/07(木) 21:32:55.88 ID:vWpDc+V+0
翠星石「く、釘? コイツ、日曜大工でもするつもりですか?」

蒼星石「そ、そうだ。それがいいよ!」

真紅「いえ、これは多分……」

翠星石「ぬ、ぬわぁんですってぇ!?」

蒼星石「あー! あー! 何も聞こえないよ! 何も見えないよ!」

真紅「お願いだから離れて頂戴。
   見えないし、うるさくて聞こえないのだわ」

翠星石「あ、ありゃ? なんかちょっとエOチな雰囲気に……」

蒼星石「えっ、本当かい!?」

真紅「聞こえているじゃないの。離れて頂戴」

270: 2008/08/07(木) 21:38:55.48 ID:vWpDc+V+0
翠星石「け、結局何も起こらなかったじゃないですか」

蒼星石「あ、ははは、拍子抜けしちゃったね」

真紅「……ようやく離れてくれたわね」

翠星石「まぁ、こんなの全然怖くなかったですぅ!」

蒼星石「あれ? なんか緑の髪の女の子が……」

真紅「あら、正気に戻ったのかしら」

翠星石「なるほど。ここからハッピーエンドになるわけですね!」

蒼星石「そっか! 僕、やっぱりハッピーエンドの方が好きだな!」

真紅「あら? 何か様子が……」

273: 2008/08/07(木) 21:44:05.79 ID:vWpDc+V+0
真紅「これは……まずいわね」

翠星石「だ、大丈夫ですよ! ここでこのダサ人間が抱きしめれば……」

蒼星石「そ、そうだよ! 愛の力できっと……」

『ザクッ』

翠星石・蒼星石「『あ……」』

『うふ……うふへははははは、間に合ったー!』

翠星石「あ……へ……?」

蒼星石「う、うわーん! 目をつぶるのも耳を塞ぐのも間に合わなかったー!」

ぎゅううっ!

真紅「痛い! 痛いわ!」

276: 2008/08/07(木) 21:55:30.14 ID:vWpDc+V+0
翠星石「け、結局……これですか」

蒼星石「うう、見なければ良かったよ」

真紅「待ちなさい。まだ続きがあるわ」

翠星石「! こ、こいつ生き延びてたんですか!」

蒼星石「いいよ! 本当にいい! 生きててくれてありがとう!」

真紅「ほら貴方達。踊っていないで、きちんと最後まで見なさい」

翠星石「そうですね!」

蒼星石「うん! 本当に良かったよ!」

『……ガシッ!』

翠星石・蒼星石「~~~~~~っっっ!!!?」

278: 2008/08/07(木) 21:59:24.59 ID:vWpDc+V+0
翠星石「こ、こここ怖くなんてありませんでしたねぇ!」

蒼星石「う、うん! ぼぼっ、僕、全然平気だったな!」

真紅「貴方達も水銀燈も、こういうのには強いのね」

翠星石「と、当然ですぅ! 翠星石は誇り高きローゼンメイデンですから!」

蒼星石「こ、これなら、おかしな時のおじいさんの方が怖かったかな!」

真紅「なら、続きを見ましょうか。まだ終わりじゃないのよ」

翠星石「……」

蒼星石「……」

翠星石・蒼星石「えっ?」


おわり

279: 2008/08/07(木) 22:01:10.87 ID:LtHrY+HpO
えっ?

280: 2008/08/07(木) 22:02:05.53 ID:0x4U6BXf0
なん・・・だと?

281: 2008/08/07(木) 22:02:49.05 ID:vWpDc+V+0
疲れた
続きは誰か頼む

引用: 真紅「ひぐらしというものを見てみるのだわ」