1: 2024/05/10(金) 22:18:55 ID:zp5VkkFo00
さやか「日野下がいいです」

2: 2024/05/10(金) 22:20:06 ID:zp5VkkFo00
梢「え、えぇっと…村野か乙宗の二択で……」

さやか「夕霧」

梢「さ、さやかさん?」

さやか「大沢もいいですね、最悪藤島でもいいかもしれません……あ、大賀美さやかも似合いそう」

梢「そうではなくて、村野か……」

さやか「徒町、百生、安養寺……どうでしょうか?」

4: 2024/05/10(金) 22:20:59 ID:zp5VkkFo00
梢「あ、えっと、その」

さやか「場を持たせるための会話ならしなくてもいいですよ、用事もないようなのでわたしは自室に帰りますから」スクッ

梢「ま、待ってちょうだい…お願い」

さやか「考えて考えて絞り出した意味不明な質問、挙げ句の果てに懇願ですか……はぁ」

梢「さやかさん……お、怒って…いる?」

さやか「何をですか?」

梢「約束を……破ったから…」

5: 2024/05/10(金) 22:21:50 ID:zp5VkkFo00
さやか「別にいいですよ、わたしは梢先輩にとってその程度の関係なんですもんね」

梢「ち、違うの、違うのよ」

さやか「……」

さやか「わたし、ずっと待ってました」

さやか「梢先輩のお部屋で、ひとりでずっと」

梢「ごめんなさい、先生から進路の話で呼び止められて、そのまま面談が入ってしまったの……」

さやか「一言でも連絡が欲しかったです」

6: 2024/05/10(金) 22:22:54 ID:zp5VkkFo00
梢「本当にごめんなさい、先生との話だったからスマートフォンも出せなくて……終わってすぐ走ったのだけれど」

さやか「2時間遅れでしたね」

梢「ごめんなさい」

さやか「…進路のお話なら仕方がないです、わかってます……わかってますけど……寂しかったです」

梢「さやかさん……」

さやか「……わたしのわがままなので梢先輩は気にしなくてもいいです、勝手に拗ねて明日には勝手に機嫌を直しますから」

さやか「ごめんなさい、面倒ですよねわたし」

7: 2024/05/10(金) 22:23:59 ID:zp5VkkFo00
梢「……そういうところもそっくりね私たち」

さやか「わたしと梢先輩は別のベクトルです」

梢「ああ、面倒だとは思われているのね」

さやか「当たり前です、実際そうですから」

梢「その…面倒な先輩から面倒なお願いがあるのだけれど、少しだけ聞いてくれないかしら」

さやか「まあ……手短になら」

梢「償わせて…ほしいの」

さやか「ですから別に気にしていませんってば」

梢「だったらこれは私のわがまま、あなたが勝手に拗ねているというのなら私も勝手に償うの」

さやか「勝手に償うって意味がわからないです」

8: 2024/05/10(金) 22:24:43 ID:zp5VkkFo00
さやか「でも…」

梢「理由があったとはいえ私がさやかさんを傷つけたのよ?私自身が償いたいの」

さやか「……」

梢「少しでもさやかさんの気が楽になればと…」

さやか「様」

梢「さやか…様」

さやか「……お茶が飲みたいです」

9: 2024/05/10(金) 22:26:07 ID:zp5VkkFo00
梢「こ、紅茶でいいでしょうか?」

さやか「今日は甘めのがいいです、ミルクも多めで」

梢「…はいっ!かしこまりましたさやか様、すぐにお茶をご用意いたします」

さやか「梢先輩の分も一緒に淹れてください」

梢「はい、すぐテーブルに並べますから」

さやか「お菓子も食べたいです……おばさまから送っていただいたフィナンシェがいいです」

梢「はい、食べるのが楽しみだと仰っていましたものね……今度母に言って別の味も送ってもらいます」

さやか「……それとやっぱり様はなしで、なんだか他人行儀で嫌です、普通に甘やかしてください」

梢「ええ、わかったわ」

10: 2024/05/10(金) 22:27:47 ID:zp5VkkFo00
~~~

梢「はい、あーん」

さやか「あー……っ……もぐもぐ…」

梢「ふふ、美味しい?」

さやか「……」コクッ

さやか「んくっ……やはりおばさまが選んでくださるものにハズレはないですね」

梢「お母様ったらさやかさんに贈るものだと特に張り切って選ぶから……ああそうだ、今度の休日はうちに来ない?」

12: 2024/05/10(金) 22:30:27 ID:zp5VkkFo00
梢「キッチンをリフォームしたから新しい料理を色々と作っているようなの、さやかさんにも食べさせたいと聞かなくって」

さやか「おばさまの手作り……ぜひ!」

梢「そう答えてくれると思って……はいっ」スッ

さやか「新幹線の……しかもグリーン車のチケット!」

梢「ふふんっ!私がスマートフォンからインターネット予約をして一人で発券までしたのよ」

さやか「す、すごい……!あ、お金を……」

13: 2024/05/10(金) 22:32:07 ID:zp5VkkFo00
梢「そのことは気にしないで、今月のお小遣いは2人の交通費も含めて貰っていたから……その代わり」

梢「私を褒めてくれても…いいのだけれど?」ススッ

さやか「わかりました……では」

さやか「梢先輩凄いです、偉いです、大好きです♡頑張りましたね♡はなまるですっ♡」ナデナデ

梢「~~~~♡」キュンキュンッ

梢「……なんて気持ちがいいのかしら」

梢「実はさやかさんに撫でられる小鈴さんや花帆さんが少し羨ましかったの、ほら私って大きいでしょう?」

さやか「そうですね………………色々と」ジーッ

梢「だから撫でにくいのかなあ…なんて思っていて、せっかくだからこの機会におねだりをしてみました♡」

14: 2024/05/10(金) 22:32:50 ID:zp5VkkFo00
さやか「ふふっ言ってくださればいつでも撫でますよ」

梢「言わなくちゃ……ダメかしら」

さやか「はいっ!おねだりをする梢先輩は可愛いので」

梢「そ、そうなのかしら……でもさやかさんが言うのならそうなのでしょうね、あなたはそういう嘘はつかないもの」

梢「ふぅ……あの、さやかさん……あの…ね?」

さやか「どうしたんですか、そんなに言い淀んで」

梢「先ほどの質問なのだけれど……」

さやか「ああ、あれって本気だったんですね……だったらわたしが乙宗姓になります」

15: 2024/05/10(金) 22:33:48 ID:zp5VkkFo00
梢「ええっと、私は村野でも構わないのだけれど」

さやか「いえ、乙宗の血はわたしたちで終わりになってしまうので、せめて名前だけでもと」

梢「そういうことなら村野だって……」

さやか「うちには姉がいますし、結婚を見据えてお付き合いをしている方もいるようですから」

梢「まあ、結婚式にはぜひ呼んでちょうだい」

さやか「もちろん………結婚、結婚かぁ………」

梢「私たちにはまだ少し早いわね」

16: 2024/05/10(金) 22:34:38 ID:zp5VkkFo00
さやか「はい、早いですけど……でも」

さやか「……今からわがままを言います」

梢「いくらでも」

さやか「梢先輩とわたし、あと10ヶ月くらいしか一緒の高校に通うことができないんです」

梢「そうね」

さやか「だから1分1秒も無駄にしないでください、ずっとわたしの手を握っていてください」

梢「はい」

さやか「あなたは花帆さんと吟子さんのユニットパートナーでもありますが……わたしの恋人でもあります」

梢「もちろんよ」

17: 2024/05/10(金) 22:36:16 ID:zp5VkkFo00
さやか「だから、その自覚を持って……隣にいてください、ここがあなたの居場所です、定位置です」

さやか「1日に1回は名前を呼んでください、キスをしてください、抱きしめてください、想ってください」

さやか「1日でも離れる時はわたしに痕を残してください、あなたに痕を残させてください」

梢「はい」

さやか「……そういう行為をする時はわたし以外を想像して発散するのは禁止です……できるだけわたし自身を誘ってください」ギュッ

梢「はい」ギュッ

さやか「いつか、わたしと……結婚してください」

梢「あなたが高校を卒業したらすぐにでも」

18: 2024/05/10(金) 22:37:49 ID:zp5VkkFo00
さやか「わたし、面倒で重いですね……」

梢「ふふっ、私としては初めから軽いお付き合いをしているつもりはないのだけれど?」

さやか「むぅ…重いっていうのを否定してください」

梢「重くていいじゃない、さやかさんよりも私のほうがずっとずっと重いかもしれないわよ?」

さやか「たとえば?」

梢「パートナーシップ制度とか、場合によっては海外移住とか、お墓の問題なんかも考えているわ」

19: 2024/05/10(金) 22:38:29 ID:zp5VkkFo00
梢「将来的に養子を受け入れて育てる選択肢もあるし、お墓に関しては墓じまいしてもいいかもしれないわ」

梢「何はともあれお互い成人してからでないと法的手続きは何もできないのだけれど」

さやか「お墓……そこまでは考えてなかったです」

梢「これから何十年も一緒に考えていく問題なんだもの、今から考え始めても遅いくらいよ」

さやか「そうですね……くすっ」

20: 2024/05/10(金) 22:39:16 ID:zp5VkkFo00
梢「ふふっ、やっぱりさやかさんは笑顔が素敵ね」

さやか「あら、拗ねた顔はお嫌いですか?」

梢「もうっ、そうは言ってないでしょう」

さやか「ふふっ…あははっ」

梢「ほんとうに、愛おしい子……」ギュッ

21: 2024/05/10(金) 22:40:56 ID:zp5VkkFo00
さやか「梢先輩、今すぐわたしにキスをして」

梢「……んっ」

さやか「………ちゅ……っ」

梢「……っはぁ……ど、どうかしら」

さやか「……ふーん、ずいぶんと優しいキスをするようになったんですね先輩は」

梢「舌を入れても…いいの?」

さやか「普段もそんなふうに許可を取ってからにして欲しいものです、部屋でも外でもお構いなしなんですから」

梢「そうね、許可も取らず私の本能のままに……」

さやか「でもわたしは今そういう気分になってしまっていたので、確認よりも強引にしてほしかったです」

梢「……でも今日くらいは確認をさせてもらうわね?これ以上あなたにキスをすると抑えが効かなくなりそうなの」

梢「このままめちゃくちゃにしてもいい?」

さやか「……どうぞ」

梢「失礼します……」グイッ

さやか「ふふっ、はじめての時みたい………ちゅぷっ」ドサッ

ギシッ──

22: 2024/05/10(金) 22:42:52 ID:zp5VkkFo00
~~~

慈「おっじゃまー、頼まれてた機材持ってきたぞー」

綴理「きたぞー」

ガチャッ

さやか「まっ♡やぁっ♡やめっ♡♡」

梢「やめないっ♡」

慈「やっばいときに来ちゃった…」

綴理「わー凄いね」

梢「あら、ありがとう2人とも……そうね」

梢「機材はそこのテーブルの上に置いてちょうだい、後でこの子に見てもらう……からっ♡」

さやか「ん゛~~~~~~~っ♡♡♡」

さやか「はぅ♡…あっ♡お゛っ♡……♡」

慈「……うす」

23: 2024/05/10(金) 22:46:36 ID:zp5VkkFo00
綴理「さや、明日の朝ごはんとお弁当はいらないからね、こずといっぱい仲良しをしてていいよ」

梢「だ、そうよ♡ほら♡あなたも2人にお礼を言いなさい♡……言えっ♡♡♡」

さやか「あ゛っ♡…ありがぁっ♡とぉ♡…っぁ…ありがとうございます♡♡……ありがとうございますっ♡」

慈「うわ、プレイのダシにしやがったよコイツら」

綴理「……ボクたちもする?」

慈「しない!明日はデートなんだから早めに寝るの!ほらっ帰るよ綴理!」グイッ

綴理「おー」


梢「2人は帰ったけれど、あなたも部屋に戻る?」

さやか「やぁっ♡もっと♡もっと♡梢先輩といるっ♡」ギュッ♡

梢「いつまで?」

さやか「先輩が…氏ぬまでっ!わたしも氏ぬまで一緒です!だからっ♡もっと可愛がってください♡ね?ね?まだ足りないんです♡」

梢「はぁ……」

梢「本当にこの子は…………私もおかしくなりそう♡」

24: 2024/05/10(金) 22:49:03 ID:zp5VkkFo00
おしまい
13日の蓮ノ休日配信も楽しみですね

引用: 【SS】梢「村野梢と乙宗さやか、どちらがいい?」