54: 2009/03/21(土) 02:45:27.40 ID:TYHun0bNO
キョン「……飽きちゃったのか?」

長門「………………」

キョン「ほら、長門。図書室にあったけど新刊だぞ?」

長門「………………」

長門「………………」プイッ

キョン「な、なんだと……?」

55: 2009/03/21(土) 02:48:37.02 ID:TYHun0bNO
キョン「ほほぉ~~なるほど、それでそれで?」ペラ

キョン「うわっ!!まさかそんな……」

キョン「なるほどなー、ためになるなぁ……」

キョン「…………」チラッ

長門「………………」ポケー

キョン「くそっ!!」

56: 2009/03/21(土) 02:52:54.34 ID:TYHun0bNO
キョン「長門、実はな、この本を読んだ奴は幸せになるんだ」

長門「……なぜ?」

キョン「なぜかはわからんが、そういう噂だ」

長門「根拠がない。信憑性もない。そのような事例は発生しえない」

長門「…………けど」

長門「あなたが読んで」

キョン「お、おれ?」

長門「幸せの定義は不明。理解できない。けど、……」

長門「あなたがそうなってほしいと、私は思う」

キョン「うぐぅっ!!」

57: 2009/03/21(土) 02:57:00.37 ID:TYHun0bNO
長門「………………」ポケー

キョン「……なんとしても、だ」

キョン「意地でも長門に本を読ませたい」

キョン「ほーら、新聞なんてどうだ?」

長門「形状をかえただけ。私は読む、と言う行為を行いたくない」

キョン「好きな食物を食いまくって、すぐに飽きて食わなくなる奴っているなぁ」

59: 2009/03/21(土) 03:01:26.33 ID:TYHun0bNO
キョン「長門、速読って知ってるか?」

長門「…………知ってる」

キョン「実はな、谷口は速読の達人なんだ」

谷口「うすっ!!」

キョン「400ページの本を、こいつは一気に読む」

谷口「はっ!!」ペララララララララララ!!!!

谷口「犯人はヤスだな」

キョン「どうだ、長門は谷口よりも早く、本を読めるか?」

長門「………………」

長門「………………?」

60: 2009/03/21(土) 03:04:40.69 ID:TYHun0bNO
長門「理解できない」

キョン「ん?」

長門「私が彼に勝って、えられるものが何もない」

長門「勝負する理由が見当たらない」

キョン「………………」

谷口「………………」

長門「…………ちなみに私は細かくページ数や行、文字をすべて記憶している」

キョン「帰って良いぞ、谷口」

谷口「え、あ……うん…………」

61: 2009/03/21(土) 03:07:12.56 ID:TYHun0bNO
キョン「なぁ長門、本を読まないなら、団活の間や家では何をしているつもりだ?」

長門「………………」

キョン「………………」

長門「………………」

キョン「………………」

長門「………………腹式呼吸」

キョン(なんとかしないと!!)

62: 2009/03/21(土) 03:10:14.48 ID:TYHun0bNO
ガチャ

みくる「こんにちは~」

キョン「あぁ、こんにちは、朝比奈さん。今出ていきますので」

みくる「すみません……」


パタン

みくる「さてっと……んゅ?」

長門「………………」ジーッ

みくる「………………」

長門「………………」ジーーッ

みくる(き、着替えにくい……)

63: 2009/03/21(土) 03:14:26.16 ID:TYHun0bNO
>>58 ノシ

ガチャ

みくる「キョンくん……」

キョン「あぁ、着替えおわりましたか」

みくる「おわりましたけど、その……長門さんが……」

キョン「長門がどうしたんですか?」

みくる「いつもは、本を読んでいたのに、今日は読んでなくて、その、視線が……」

キョン「なんでも、本を読むのに飽きたらしいです」

みくる「あ、飽きるものなんですかぁ?」

キョン「よくわかりません」

64: 2009/03/21(土) 03:18:39.10 ID:TYHun0bNO
古泉「おや、お二人とも、どうしました?」

キョン「じつはな、カクカクシカジカ」

古泉「なるほど。別に、良いんじゃないですか?」

キョン「いや、そうなんだが……」

古泉「では、お暇な長門さん、ゲームでもどうです?」

長門「………………」コクッ

キョン「おまえじゃ勝てん」

みくる「あ、お茶いれなきゃ」

キョン「むぅ……俺が暇になってしまった」

65: 2009/03/21(土) 03:22:07.09 ID:TYHun0bNO
長門「………………」パチ

古泉「ウグッ!!!!」

みくる「わぁ~~、オセロ、真っ黒になりましたね」

古泉「まさか、すべて、裏返るなんて……」

みくる「長門さんすごいですねぇ」

長門「どら焼、食べる」

みくる「あ、はぁい。どうぞ」

長門「はむはむ」




キョン「………………」

66: 2009/03/21(土) 03:25:11.04 ID:TYHun0bNO
長門「王手」

古泉「ぐぐぐ…………」

みくる「古泉くん、王さましか残りませんでしたね……」

古泉「全滅……全滅?」

長門「ずずずっ……おかわりを申請」

みくる「はい、どうぞ」コポポ

長門「ずずっ…………茶柱」

みくる「わぁっ!!すごいですねぇ!!」






キョン「………………」

68: 2009/03/21(土) 03:29:55.63 ID:TYHun0bNO
長門「すべて取得」

古泉「何故……神経衰弱で、ボクの出番前に勝負が付くのか……」

みくる「どうやったんですかぁ?」

長門「カードの傷など、事前に覚えた」

古泉「…………」

みくる「ふぇ~。……あ、長門さん、お口にアンコついてますよ」

長門「………………?」

みくる「とってあげますね。よいしょ……っと。ん、綺麗になりました」

長門「感謝する」





キョン「…………本でも、読むか」

70: 2009/03/21(土) 03:34:58.45 ID:TYHun0bNO
みくる「…………い

パシィッ!!!!

みくる「ふぇ!!…………さ

シュパシィッ!!

古泉「…………」

長門「…………次を」

古泉「かるたでまさか音速を見るとは思いませんでした」

みくる「えっと、……ま

パシィッ




キョン「……………」ペラ

71: 2009/03/21(土) 03:42:12.66 ID:TYHun0bNO
バタン!!!!

ハルヒ「ヤマー!!みんな元気ー!!!!」

古泉「…………」

ハルヒ「古泉くん元気ないわねー。キョン、あんたいじめたの?」ガバァ

長門「っ!!!!」ギュゥゥ

キョン「………………」ペラ

ハルヒ「ユキー、なんの本読んでるの?」

キョン「俺だ。空間と場所の概念の違いについて」

ハルヒ「あれ、キョンが有希の場所で本読んでる……じゃあキョンは……」

長門「私……」

ハルヒ「おぉ!!なんかちっちゃくてふかふかでいい匂いと思ったら、有希がこっちね」

ハルヒ「いつも座ってる場所だけで人を判断してたわ」

キョン「おまえは……」

73: 2009/03/21(土) 03:45:49.65 ID:TYHun0bNO
ハルヒ「有希ー」ムギュムギュ

有希「……圧迫」

ハルヒ「改めて有希を抱き締めてみると、みくるちゃんとはまた違うものを感じるわね」

みくる「そういうもねですか?」

ハルヒ「うーん、有希も侮れないわね。えい、ほっぺ」ウニュー

有希「…………ふぇ」

ハルヒ「かーわいー!!有希かわいー!!!!」

74: 2009/03/21(土) 03:49:28.02 ID:TYHun0bNO
ハルヒ「ほっぺにゅー」ウニュー

長門「…………」

ハルヒ「有希、その状態で『学級文庫』って言ってみて!!」ニマニマ

キョン「何をバカな……」

長門「『学級文庫』…………」ウニュー

ハルヒ「……あれ?もう一回!!」

長門「『学級文庫』」

ハルヒ「あ、あれ?」

75: 2009/03/21(土) 03:52:02.30 ID:TYHun0bNO
ハルヒ「有希、私にも!!私にもうにゅーってして!!」

長門「…………うにゅー」

ハルヒ「がっきゅううんこ!!がっきゅううんこ!!」

ハルヒ「あれー!!??なんで????」




古泉「バイトがはいりましたので……でわ」

キョン「い、今のでか……」

76: 2009/03/21(土) 03:57:36.86 ID:TYHun0bNO
ハルヒ「ところで有希、今日は本読まないの?」

長門「読まない。本を読むという行為に飽きた」

ハルヒ「え、じゃぁ、もう本は読まないの?」

長門「読まない」

ハルヒ「ダメよ!!おとなしい系読書美少女が、SOS団からいなくなるなんて、許さないわ!!」

長門「………………」

長門「………………」プイッ

79: 2009/03/21(土) 04:02:24.27 ID:TYHun0bNO
ハルヒ「読みなさい!!」

長門「…………やー」

ハルヒ「くっ!!可愛いわね!!」

みくる「涼宮さん……」

キョン「どうやら、利害が一致したらしい」

ハルヒ「あんたたち……」

みくる「三人で、長門さんを読書美少女にもどしましょう!!」

キョン「おれらは仲間だ、ハルヒ!!」

81: 2009/03/21(土) 04:07:28.95 ID:TYHun0bNO
>>80 かわいいは正義。

ハルヒ「こうなりゃ、私、有希放っておいて本読んじゃおー」

みくる「わ、わたしもー」

キョン「おーれも!!」

ハルヒ「………………」ペラ

みくる「………………」ペラ

キョン「………………」ペラ

長門「………………」

83: 2009/03/21(土) 04:11:07.05 ID:TYHun0bNO
長門「………………」キョロキョロ

三人「………………」ペラ

長門「………………」

三人「………………」ペラ

長門「………………」ジーーッ

キョン(ふふふ、見てるな)

ハルヒ(みんなが本を読んでいたら一人孤立してしまう)

みくる(孤立しないためには本を読まなきゃならない)

ハルヒ(完璧な作戦よ!!)

85: 2009/03/21(土) 04:13:37.90 ID:TYHun0bNO
ハルヒ(これぞ、アマテラス、天の岩屋作戦!!)

キョン(長門は今や一人引きこもるアマテラス状態)

みくる(わたしたち全員が本を読めば、本が気になるはず)

キョン(さぁ長門、本が気になるだろ?)


テテテテ……

長門「………………」ジーーッ

キョン(きた!!)

86: 2009/03/21(土) 04:17:49.74 ID:TYHun0bNO
長門「………………」スッ

うにゅー

キョン「…………ふぇ?」

ハルヒ(な、なんですってぇぇぇぇ!!)ペラ

みくる(キョンくんのほっぺを、うにゅーって!!)ペラ

キョン「な、……ながと?」

長門「…………『学級文庫』」

キョン「……へ?」

長門「『学級文庫』…………」

88: 2009/03/21(土) 04:24:18.46 ID:TYHun0bNO
キョン「…………がっ」

キョン「…………がっきゅううんこ……」

長門「………………」

長門「………………」キラーン

ハルヒ(い、今の目、みくるちゃん、見た!?)ペラ

みくる(勝ち誇ってました!!私は言えるもんって勝ち誇ってました!!)ペラ

ハルヒ(というか、有希から誰かにちょっかいかけるなんて、初めて見たわ!!)ペラ

みくる(誘きだすために踊っていたら、目の前でブレイクダンスを華麗に披露された気分です……)ペラ

テテテテ……

みくる「…………はっ!?」

長門「………………」ジーーッ

89: 2009/03/21(土) 04:29:35.55 ID:TYHun0bNO
みくる「………………」ペラ

長門「………………」ジーーッ

みくる「………………」ペラ

長門「………………」ジーーッ

みくる「………………」ペラ

長門「………………」ジーーッ

テテテテ……

みくる(………………)ペラ

みくる(何もないんですかぁぁぁ!!??)

90: 2009/03/21(土) 04:33:26.04 ID:TYHun0bNO
長門「………………」

キョン(ハルヒの前にたった……)

みくる(どうでるねかな……)

長門「………………」スッ

うにゅー

キョン(またか!!)

みくる(涼宮さん!!)

長門「……『学級文

ハルヒ「うんこ」




キョン・みくる「っ!!!!!!」

92: 2009/03/21(土) 04:38:44.43 ID:TYHun0bNO
長門「………………?」

ハルヒ「うんこ…………」

キョン(あいつ、乙女を捨てやがった!!)

みくる(あぁ、涼宮さん……そこまでの覚悟が……)


ハルヒ(恥を捨てなさい、ハルヒ。団員のアイデンティティーがなくなるというなら)

ハルヒ(わたしのプライドなんて捨ててでもそれを守るわ!!)


そういいつつも


古泉「ぶはぁぁっ!!」

森「古泉!!……くっ、今日の神人は手強い……」

93: 2009/03/21(土) 04:41:49.52 ID:TYHun0bNO
ハルヒ「………………」

長門「………………」

キョン(どうだ、長門!?)

長門「……それは、求めてない」

ハルヒ「クブゥッッ!!!!」

キョン「ハルヒー!!!!」

みくる「涼宮さーん!!」




古泉「がふっ…………」

森「こいずみー!!」

94: 2009/03/21(土) 04:48:13.89 ID:TYHun0bNO
キョン「ハルヒ、大丈夫か!?」

ハルヒ「キョン……わたしの亡骸は……海の見える丘に……」

みくる「すずみやさーーん!!!!」

長門「どら焼…………」

キョン「ハルヒ、おまえの意志、継いだぜ!!」

みくる「絶対読書美少女をとりもどします」

長門「お茶のおかわりを申請」

みくる「あ、はーい」

キョン「あ、俺にも、お願いします」

ハルヒ「わたしもー」

みくる「今いれまーす」

95: 2009/03/21(土) 04:56:27.39 ID:TYHun0bNO
ハルヒ「次はこれよ!!飛び出す絵本!!」

キョン「懐かしいな、あかずきんちゃんか」

みくる「可愛らしいイラストですねぇ」

ハルヒ「ほら有希、おいで」

長門「………………」ツーン

ハルヒ「む、こっちを見ないわね。いいわ、私たちだけで。さ、開くわよ」

ペラ

ピョーン

あかずきん「きゃー、そとの世界よー」


三人「………………」

97: 2009/03/21(土) 04:59:00.65 ID:TYHun0bNO
あかずきん「きゃー、巨人がいるわー」

あかずきん「きゃーきゃー」

ハルヒ「…………とびだした」

キョン「飛び出す絵本……」

みくる「とびだし…………え?」


長門「…………ちがった?」

キョン「おまえか!!今すぐやめろ!!」

長門「ぽへみあんらぷそでぃー」

キョン「わかったから!!」

98: 2009/03/21(土) 05:02:47.58 ID:TYHun0bNO
ハルヒ「幻覚が、幻覚がみえるの……」ブツブツ

あかずきん「またねー」

長門「さよなら」

ハルヒ「本にもどって、とびだし、あかずきん、幻覚」ブツブツ

キョン「い、いやー最近の絵本はすげーもんが飛び出すなぁ!!」

みくる「そ、そーですねー!!びっくりしちゃいましたぁ!!」

長門「ハイテク」

ハルヒ「ブツブツブツブツ」

キョン「帰ってこいハルヒ!!!!」



森「帰ってこい古泉!!」

古泉「お、お花畑が……」

100: 2009/03/21(土) 05:08:18.57 ID:TYHun0bNO
ハルヒ「記憶がないわ」

キョン「そうか?気のせいだろ」

みくる(長門さん……記憶操作を……)

ハルヒ「に、しても。有希、まだ本を読む気にならない?」

長門「1mmも読む気がしない」

ハルヒ「はぁ……無理なのかしら……」

バタン

鶴屋「やぁやぁみんな楽しそうだねー!!」

みくる「鶴屋さん」

鶴屋「みくるー、遊びに来たよー。おやゆきんこ、めずらしいね、本を読んでないよ?」

長門「飽きた」

鶴屋「飽きちゃったのかー。じゃあ仕方ないっさねー!!」

101: 2009/03/21(土) 05:18:37.34 ID:TYHun0bNO
ハルヒ「しょうがないじゃダメよ!!」

鶴屋「うぉぅ、ハルにゃんどうしたんだい?」

ハルヒ「鶴屋さん、実は、カクカクシカジカなのよ!!」

鶴屋「え、ごめん、ちゃんと説明してくれないかな?」

ハルヒ「………………」




古泉『今行くぞ神人!!』

森「ダメだ!!まず肉体にもどれ!!」

104: 2009/03/21(土) 05:35:00.53 ID:TYHun0bNO
鶴屋「なるほど。事情は飲み込めたよ」

鶴屋「うーん、でも何もいい案が浮かばないねぇ」

ハルヒ「頑張って!!有希のためよ」

みくる「鶴屋さん!!」

キョン「鶴屋さん!!」

長門「頑張って……」

キョン「そこで他人事になるなよ……」

長門「………………?」

105: 2009/03/21(土) 05:38:51.43 ID:TYHun0bNO
鶴屋「うーんうーん」ぷしゅー

ハルヒ「……なんか、鶴屋さんから煙り出てない?」

みくる「た、大変!!鶴屋さんは考えすぎてあたまがくるくるぱーになると、
   ちゅるやさんになっちゃうんです!!」

ハルヒ「……え、今なんて?」

鶴屋「むがぁぁだめだぁぁ!!」

ぼひゅぅん!!!!


ちゅるや「にょろーん……」

ハルヒ「み、未知の生命体?」

みくる「いえ、ちゅるやさんですよ?」

ハルヒ「…………キョン。私がおかしいの?」

キョン「よかったじゃないか。おまえの探していた不思議だ」

106: 2009/03/21(土) 05:51:48.53 ID:TYHun0bNO
長門「…………おいで」

ちゅるや「おぉぅ、スモークチーズがあるのかいっ?」

長門「さぁてね」

ちゅるや「にょろーん……」

長門「たかいたかい……」

ちゅるや「おぉっ、これはたのしいねっ」



ハルヒ「キョン、私、私……」

キョン「平穏っていいものだろ?」

107: 2009/03/21(土) 06:00:55.76 ID:TYHun0bNO
ハルヒ「ふぅ、冷静になれ、わたし☆」

キョン「よしよし、落ち着いたな」

みくる「あれ、ちゅるやさんは……?」 

キョン「ほんとうだ。どこに……」

長門「もぐもぐ………………」

三人「………………」

長門「………………もぐもぐ」

ハルヒ「……うそ、でしょ?」

みくる「き、きっとどら焼ですよ……」

長門「………………あ、小骨」

ハルヒ「      」フラ



古泉『……さようなら、森さん』

森「……古泉……うぅっ」グスッ

108: 2009/03/21(土) 06:02:48.19 ID:TYHun0bNO
蒼「おはようございます、六時を回りました!!」

翠「さっさと朝飯を作るです!!」

109: 2009/03/21(土) 06:12:07.75 ID:TYHun0bNO
朝倉「お困りのようね、皆さん」

キョン「朝倉!!!!」

みくる「な、何しにきたんですかぁ?」

朝倉「あなた方の悩みを解決しによ」

キョン「わからん、おまえが俺たちの悩みを解決してどうなる?」

朝倉「だぁってぇ、長門さんが可愛らしいんですもの」

キョン「ですよねー」

朝倉「ねー♪」

111: 2009/03/21(土) 06:20:56.46 ID:TYHun0bNO
朝倉「はい、じゃあこれ持って」

キョン「…………本だな」

朝倉「長門さーん、キョンくんが、一緒に本を読まないかって」

キョン「……朝倉、それはもうやったのだが」

長門「読む」

キョン「なんだと!?なぜだ!!」

112: 2009/03/21(土) 06:24:04.57 ID:TYHun0bNO
みくる「あ、そっかぁ」

朝倉「ホルスタインさんは気付いたみたいね」

みくる「ほるす……」

キョン「え、どういうことですか?」

みくる「キョンくん、一緒に、なんですよ」

キョン「………………ん?ってこら、長門、一つの椅子に二人は狭い」

長門「……大丈夫」

キョン「いや、おまえは大丈夫かもしれんが……えぇい、まぁいい、読むぞ」

キョン「タイトルは…………」

長門「ウォーリーを探せ…………」

キョン「………………」

113: 2009/03/21(土) 06:29:59.78 ID:TYHun0bNO
長門「…………ここと、ここ」

キョン「だからな、長門。ウォーリーは一人なんだ」

長門「………………いない」

キョン「いや、ウォーリーはいるんだよ」

長門「………………」

長門「………………?」

キョン「何だか困ったような目に見えるのが俺の気のせいじゃないなら、そんな目で見ないでくれ」

朝倉「あーほほえましー」

みくる「なんだかお父さんと娘みたいな……」


115: 2009/03/21(土) 06:33:13.54 ID:TYHun0bNO
夕方

キョン「もうこんな時間か」

みくる「帰りましょうか」

朝倉「おつかれさまー」



帰り道

みくる「あ、霊柩車……」

キョン「あまり見て気分のよいものじゃないですね」

長門「………………殉職」

キョン「ん?なんだって?」

長門「なんでもない」

117: 2009/03/21(土) 06:35:07.96 ID:TYHun0bNO
みくる「じゃぁ、わたしはここで」

キョン「また明日」

みくる「また明日」




長門「………………本」

キョン「ん?」

長門「読んだほうがいい?」

キョン「………………う~ん」

118: 2009/03/21(土) 06:38:22.98 ID:TYHun0bNO
長門「あなたは、わたしが本を読むことを望んでいた。それは、なぜ?」

キョン「………………」

キョン「正直に言うとだな、どんな結果でも良かったんだ」

キョン「おまえが、読書以外に好きなことを、興味を持つことも悪くないと思ったしな」

キョン「読書していてもしていなくても、長門は長門だからな」

長門「………………では、何故あの時は本を読ませようと?」

キョン「んぐっ……そ、それはだな……」

120: 2009/03/21(土) 06:43:02.45 ID:TYHun0bNO
長門「………………」ジーーッ

キョン(真っすぐに見ないでくれ……)

キョン「………………」

キョン「………………はぁ、わかったよ……」

キョン「俺の個人的なわがままだ」

長門「わが、……まま?」

キョン「そう。俺はな、長門」

キョン「窓辺で光を浴びて、ゆっくりした時間のなかで本を読むおまえの姿を見ていたかっただけた」

長門「………………それは、つまり

キョン「あー長門!!そこのラーメン屋で飯でも食うか!!な!!そうなれば行くぞ長門!!」ダダダッ

長門「………………」

長門「………………」コクッ

122: 2009/03/21(土) 06:45:27.06 ID:TYHun0bNO
夜の学校






ハルヒ「ぶはぁっ!!氏ぬかと思った!!」

ハルヒ「…………あれ、みんなは?」

ガタガタッ

ハルヒ「ひぃっ!!」

ハルヒ「こ、こわいよー!!くらいよー!!キョンー!!有希ーみくるちゃーん!!」

ハルヒ「ドアが開かないよー!!うわぁぁぁぁぁぁん!!!!!!」

123: 2009/03/21(土) 06:48:16.46 ID:TYHun0bNO
キョン「やっぱ麺屋三四郎はうまいな」

長門「豚トロチャーシュー……」

キョン「てつやとか、うまいと思わん」

長門「塩ラーメン」

キョン「うまいか、長門」

長門「美味」

キョン「よかったな」

長門「………………」コクコク

124: 2009/03/21(土) 06:50:22.61 ID:TYHun0bNO
みくる宅

みくる「本っておもしろいんですねー」

みくる「すっかりはまっちゃいました」

みくる「とりあえず今日図書室から借りてきた、田園交響楽を……」

みくる「あ、そうだ、ココアのみながら読もうっと」

125: 2009/03/21(土) 06:53:33.04 ID:TYHun0bNO
翌日

ねーきいたー?文芸部室の幽霊。

聞いた聞いた!!こわいねー。


谷口「おいキョン!!俺は特訓したぞ!!あのあと、一字一句すべて暗記することに……

キョン「や、もう解決したから」

谷口「………………」

国木田「そんな才能あるのに、なんでバカなの?」

谷口「俺が聞きたいです」

126: 2009/03/21(土) 07:07:24.77 ID:TYHun0bNO
キョン「さ、部活に行くか」

長門「あなたと読む本を選んできた」

キョン「なんだ、一緒に読むのか」

長門「そう」

キョン「………………ま、いいか」

ガチャン

ハルヒ?「あばぁぁぁぁぁあああ!!!!!!」

キョン「うわあぁぁぁあああああああああ!!!!!!!!!!」

長門「*♯∽¬ΕΗヰ………………(高速詠唱)」

ハルヒ?「ぎょぉぉおおおおん!!!!!!」

キョン「ぎゃぁぁあああああああああ!!!!!!」

長門「∽ヰ→♯ヵΟζκκ………………」ガタガタブルブル



おわり

129: 2009/03/21(土) 07:14:24.74 ID:TYHun0bNO
ONE MORE EXTRA STAGE
【戦士の屍のマーチ】


森「おねがいします……古泉を、古泉を……」

?「彼は人ではなくなるが、それでも?」

森「いいんです……古泉が、彼がまたわたしの前にいてくれるなら……」

?「…………では、彼を闇より引きずり出す」

森「古泉、わたしは……わたしは……」

森「もう一度、君と……」




続かない

130: 2009/03/21(土) 07:18:28.00 ID:4tzAJ0mjO
小泉w

164: 2009/03/21(土) 09:07:27.01 ID:TYHun0bNO
さるさんが攻めてきました。
これまでのようです。さようなら、また、どこかで。

172: 2009/03/21(土) 10:35:15.32 ID:TYHun0bNO
多分大丈夫です。

引用: 長門「もう本を読むのは飽きた」