1: 2013/07/16(火) 20:52:29 ID:lvnS2vFE
※サシャがアルミンを舐めまわすだけのSSです。

アルミン「サシャ、今日は倉庫の掃除当番だろう?
     夕食までに終わらせなくて良いの?」

サシャ 「あ、忘れてました!すぐにやります!」

アルミン「僕も手伝うよ」

サシャ 「ありがとうございます!」
進撃の巨人(34) (週刊少年マガジンコミックス)
2: 2013/07/16(火) 20:54:12 ID:lvnS2vFE


倉庫内

サシャ 「そういえば、人間って美味しいんですかね?」

アルミン「なんで、そんなことを?」

サシャ 「巨人も、人間を食べるのは、美味しいからではないかと」

アルミン「サシャらしい見解だね」

4: 2013/07/16(火) 20:54:59 ID:lvnS2vFE
サシャ 「それで、どうなんでしょうか」

アルミン「うーん、巨人が味覚を持っているなんて話は聞いたことがないし、
     もし、味覚があれば、せめて服ごと食べたりはしないんじゃないかな」

サシャ 「それも、そうですね。味なんて、分から無いんでしょうね」

5: 2013/07/16(火) 20:55:37 ID:lvnS2vFE
アルミン「味は、個人差が大きいんじゃないかな。美味しい人もいれば、そうで無い人も」

サシャ 「人によって、味が違うんですか?」

アルミン「骨と皮の老人よりは、肉付きの良い若い人のほうが、味は良いだろうね」

6: 2013/07/16(火) 20:56:11 ID:lvnS2vFE
サシャ 「女子供だと、肉が柔らかくて美味しい、とかですか」

アルミン「生々しいけど、そんな感じだと思うよ」

サシャ 「なるほど……」チラッ

アルミン「どうしたの?」

7: 2013/07/16(火) 20:56:49 ID:lvnS2vFE
サシャ 「そう言われてみれば、アルミンは柔らかくて美味しそうですね」ジー

アルミン「やめてよ。そんな目で見ないで」ガクブル

サシャ 「冗談ですよ。冗談」ジー

アルミン「目が、笑って、無い」

8: 2013/07/16(火) 20:57:19 ID:lvnS2vFE
サシャ 「アルミンは、今日はもう、お風呂入りましたか?」

アルミン「入ったけど……何で?」

サシャ 「ちょっと、指とか舐めてみても良いですか?」

アルミン「全然、冗談じゃないじゃないか!?」

9: 2013/07/16(火) 20:57:51 ID:lvnS2vFE
サシャ 「そうですね、指は汗をかくから、しょっぱいだけですよね」

アルミン「そういう問題じゃないからね!?」

サシャ 「例えば、そう、耳がいいですね」

アルミン「良くないよ、何で話を進めてるの!」

10: 2013/07/16(火) 20:58:24 ID:lvnS2vFE
サシャ 「ちょっとだけ!先っちょだけでいいですから!」

アルミン「ダメ!!」フルフル

サシャ 「男の子なのに、ケチですねぇ」

アルミン「ケチとかそういう問題じゃないからね?」

12: 2013/07/16(火) 20:58:56 ID:lvnS2vFE
サシャ 「それなら、交換しましょう!私の耳を舐めても良いですよ!」チラッ

アルミン「そんなこと出来ないよ///」マッタクモウ

サシャ 「えー」

アルミン「ほら、掃除は終わったから、もう戻るよ。ご飯の時間になっちゃう」スタスタ

13: 2013/07/16(火) 20:59:27 ID:lvnS2vFE
サシャ 「じゃあ、本あげます!」

アルミン「」ピクン

サシャ 「外の世界の本です」

アルミン「詳しい話を、聞かせて貰おうか」キリッ

14: 2013/07/16(火) 21:00:06 ID:lvnS2vFE
サシャ 「前に、気まぐれに古本屋で、お料理の本を買ったんです。
     でも、見たこと無い食材ばかりで、仕舞い込んでたんですけど」

アルミン「それが、外の世界の、食材……?」

サシャ 「多分ですよ? 海の食材?とかの種類があって」

アルミン「いや、まさか。でも、盲点だった……」

16: 2013/07/16(火) 21:00:42 ID:lvnS2vFE
サシャ 「私とアルミンが、二人とも知的好奇心を満たす。交換条件です」

アルミン「……わかった」

サシャ 「本当ですか?」

17: 2013/07/16(火) 21:01:14 ID:lvnS2vFE
アルミン「僕はじっとしてるだけだからね。ここに、こうやって立ってるだけ。
     それから、痛みを感じたら直ぐにお仕舞いだからね!」

サシャ 「それは勿論、痛いことなんかしませんよ~」ドゥフフ

18: 2013/07/16(火) 21:01:48 ID:lvnS2vFE
※以下は全て知的探究心に基づく体感的な実験行為です。

前に回りこんできたサシャは、ニマニマと嬉しそうな笑みを浮かべている。

右手を、そっと耳のあたりに差込むんで、髪の毛を梳いた。

「アルミンは髪の毛サラサラですね。羨ましいです。何か特別なことしてるんですか?」

「別に、何もして無いよ。それより、早く終わらせてね」

19: 2013/07/16(火) 21:02:30 ID:lvnS2vFE
ムゥと不満げな吐息を漏らして、もう一度指を差し込む。

女の子に顔を触られるのは、初めてかもしれない。

少しだけ、緊張する。

そっと、耳に掛かった髪の毛を持ち上げられた。

外気に触れた耳が涼しい。

20: 2013/07/16(火) 21:03:03 ID:lvnS2vFE
指先でクニクニと耳たぶを弄ばれる。くすぐったい。

「軟骨」
「え?」
「いただきます」

急に顔を近づけて、露出した耳を、唇で挟み込んだ。

21: 2013/07/16(火) 21:03:39 ID:lvnS2vFE
ハム、っと咥えた音の聞こえた次の瞬間、膝の力が抜ける。

「ひぃぃぃぃいいい」
「はいほうふへふは?」(大丈夫ですか?)

心配はするが、口を離す気は無いようだ。一緒にしゃがみこんで、耳噛みを続行する。

22: 2013/07/16(火) 21:04:13 ID:lvnS2vFE
ガクガクと膝が小刻みに震え、ペタンと床に座り込む。

ハムハムハムハムハムハム
「やぁめぇてぇぇぇ」

ハムハムハムハムハムハムハムハム
(唇で挟むだけじゃ、良く分からないですね。ちょっとだけ歯で)

23: 2013/07/16(火) 21:04:45 ID:lvnS2vFE

コリッ

「ひゃああああん」
(これは! 中々、面白い食感かもしれませんよ)

コリコリコリ
「……!……!」
(やっぱり、舌で舐めないと、味は良く分からないです)

24: 2013/07/16(火) 21:05:22 ID:lvnS2vFE

チロリ
「あっ……あぁっ!!」
(味は、殆ど無いですね)

チュパァ

ジュルル

25: 2013/07/16(火) 21:05:53 ID:lvnS2vFE
「ちょっと、涎垂れちゃいましたね……痛くないですか?」

トローン

アルミン「」ハァハァ

サシャ 「あの、アルミン? 平気ですか? 顔が真っ赤ですよ?」

アルミン「ん、へーき……」ハァハァ

サシャ 「続けても、大丈夫ですか? 涎出てますよ?」

26: 2013/07/16(火) 21:06:23 ID:lvnS2vFE
アルミン「んぐ……ん、へーきだから……」

サシャ 「いいんですね?」

アルミン「ん……」

27: 2013/07/16(火) 21:06:53 ID:lvnS2vFE
座り込んだまま、そっと顎を上げて目を閉じる。

さっき、耳を咥えられた瞬間、耳から脊髄に雷が落ちた衝撃を受けた。

その後のことは、覚えていない。

30: 2013/07/16(火) 21:07:26 ID:lvnS2vFE
小刻みに震える様子を不審に持ったのか、髪の毛を持ち上げた後、
顔を寄せても、すぐに口に入れなかった。

サシャの吐息が聞こえる。目を閉じているから、耳元だと、こんなにも呼吸音を意識してしまう。

31: 2013/07/16(火) 21:08:00 ID:lvnS2vFE

スゥ

ハァ

スゥ

「みみまでぇ、まっか、ですよぉ?」

声が、ゆっくりと、再生される。

音を味覚で味わえるなら、きっとサシャの声は甘ったるい蜜のような味に違いない。

耳に、絡みつく。とろける、甘み。

32: 2013/07/16(火) 21:08:31 ID:lvnS2vFE

ハァ

スゥ

「あるみん?」

「!」ゾクゾク

名前を呼ばれた。背筋に何かが走る。冷たい汗が出る。

目が開く、火花が出そうだ。耳が熱い。

脳は沸騰している。心臓の鼓動が、暴走する。

33: 2013/07/16(火) 21:09:03 ID:lvnS2vFE
「いきますよぉ?」

来る。分かってるけど、どうにも出来ない。奥歯がカタカタ鳴る。

力が入らない、座っているのに、膝が震える。

第三者が見たら、病人だと思うに違いない。

34: 2013/07/16(火) 21:09:40 ID:lvnS2vFE
目を塞ぎ、手は震え、それでもサシャは食らい付く。

チュバッ

「!!!!??????」

耳を丸ごと!?

35: 2013/07/16(火) 21:10:11 ID:lvnS2vFE
クチュ

チュパ

チュルル

「…!……!!」ビクンビクン

耳を舐めまわす音が、肉を伝わって流し込まれる。

自分には、そんな常軌を逸した趣味は無かったはずだ。

ただ、もう、否定できない。舌が這い回る音が、酷く淫猥に感じる。

36: 2013/07/16(火) 21:10:45 ID:lvnS2vFE

レロ

ハム

舐め回した耳を、柔らかい唇で挟み込む。

体温が上がっているからか、最初よりも耳が柔らかく折れ曲がる。

咀嚼するように、ゆっくりと揉みほぐす。

37: 2013/07/16(火) 21:11:16 ID:lvnS2vFE
ムニムニ

ハムハム

耳は真っ赤に熱くなっているはずなのに、サシャの口はそれよりも、なお熱い。

フゥ

息継ぎの音が漏れる。

38: 2013/07/16(火) 21:11:50 ID:lvnS2vFE
ハァ

サシャの吸い込む全てが聞こえる。

ピチャ

サシャの発する全てが聞こえる。

40: 2013/07/16(火) 21:12:22 ID:lvnS2vFE
耳を中心に、頭がぼぅっとしてきた。心地良さすら感じる。

自然と、目が薄く開く。目元から、水が零れた。

いつの間に涙が出ていたらしい。目じりに溜まった汗かもしれない。

気づけば、自分の口内をだらしなく外界に晒していた。慌てて閉じる。

41: 2013/07/16(火) 21:12:53 ID:lvnS2vFE
横目で、サシャの顔を見る。凄く近い。

首筋から、顎のラインが見える。耳を食む度に、首の筋が動く。

それに合わせて、水気のある音を、耳に流し込まれる。

42: 2013/07/16(火) 21:13:23 ID:lvnS2vFE
ジュッ

「んっ………!」

ジュプ

良い匂いがする。サシャもお風呂に入ったんだろうか。

口の端が吊り上る。笑っている。

小さく開く。赤い、長い、舌が、蟲惑的に、動く。

43: 2013/07/16(火) 21:13:54 ID:lvnS2vFE
「痛かったら言ってくださいね?」

「え?」

ズブ

熱い、圧迫感。

44: 2013/07/16(火) 21:14:46 ID:lvnS2vFE
「い゛っ!?」

何が起きたか、分からなかった。

ただ、耳の奥、頭の中で、音がする。

水に濡れた艶かしい舌の動く音。

45: 2013/07/16(火) 21:15:17 ID:lvnS2vFE

「だめ、さしゃ……!」

ブチュ

「そこ、きたない……からっ」

ズチュ

46: 2013/07/16(火) 21:15:58 ID:lvnS2vFE
舌が引き抜かれる、顔が離れる、視線を向けられる。

「はぁ……」

甘い、吐息。

離れたはずなのに、耳元のように感じる。

目が離せない。見つめ合う。呼吸が荒い。

心臓の音が煩い、熱に浮かされる。サシャの瞳が潤んでいる。

いつものサシャではない。上気した頬が艶かしい。

これは、女の顔。獲物を手に入れた狩人の顔。

47: 2013/07/16(火) 21:16:30 ID:lvnS2vFE
「あるみん、たべても、いいですか?」

自分は、食べられる。本能でそう思う。

サシャの、あの口に、食べられる。

一方的に、自分の意思なんか関係なく、捕食される。

48: 2013/07/16(火) 21:17:00 ID:lvnS2vFE

サシャの両手が伸びる。両手の指の隙間に自分の耳が入る。

もう、顔は動かせない。サシャしか見えない。

つばを飲む。

49: 2013/07/16(火) 21:17:30 ID:lvnS2vFE
サシャが妖しく笑う。芳香を嗅ぐ。頭が痺れる。

舌が動く、顔が近づく。目を瞑る。

今度は、耳ではなく、唇が触れ合

コニー 「アルミーン?」

サシャ 「」ビクン
アルミン「」ビクン

※上記は全て知的探究心に基づく体感的な実験行為です。

50: 2013/07/16(火) 21:18:02 ID:lvnS2vFE
コニー 「アルミン、まだ掃除終わらないのか? 飯食おうぜ」

サシャ 「コ、コニー……」

コニー 「なんだ、サシャもいるのか」

サシャ 「いや、えーと、何と言うか、これは」

51: 2013/07/16(火) 21:18:35 ID:lvnS2vFE
コニー 「二人とも顔が真っ赤じゃないか!?」

サシャ 「いや、これは、不可抗力といいますか」

コニー 「アルミン、大丈夫か!?」

アルミン「あ、うん……」

52: 2013/07/16(火) 21:19:07 ID:lvnS2vFE
コニー 「熱があるのか?」

アルミン「ううん、話してたら、ちょっと疲れただけ、大丈夫だよ」

サシャ 「そ、そうなんです。それで、休んでたんです」

コニー 「それならいいけど、無理するなよ?」

53: 2013/07/16(火) 21:19:37 ID:lvnS2vFE
アルミン「うん、ご飯だったよね、早く行こうよ」フラフラ

サシャ 「え、ええ。そうですね! 出来るだけ速やかに!」フラフラー

コニー 「?」

54: 2013/07/16(火) 21:20:19 ID:lvnS2vFE
サシャ 「ほら、いきますよ、コニーも!」

コニー 「なぁ、そんなに疲れるなんて、何の話だったんだ?」

サシャ 「え? ええと……それは」

55: 2013/07/16(火) 21:20:51 ID:lvnS2vFE




サシャ 「人を食った話です」



(おわり)

57: 2013/07/16(火) 21:21:54 ID:ZdG345EA
お後がよろしいようで

62: 2013/07/16(火) 21:40:50 ID:lvnS2vFE

引用: アルミン「人の味」