1: 2009/03/09(月) 05:14:49.65 ID:Q5fJR+Xw0
~はじめに~

この読みものは拙作「水銀燈の今宵もアンニュ~イ」と同じ設定を使い回しています。

シリーズ



水銀燈のアンニュ~イな一日

水銀燈の今宵もアンニュ~イvol4

水銀燈の今宵もアンニュ~イvol5

水銀鐙の今宵もアンニュ~イvol6

水銀燈のアンニュ~イな一日:温泉編

水銀燈のアンニュ~イな一日番外編。ローゼンメイデン・フラグメント

温泉編終了後の話ですが知らなくても普通に読めます。

冗談のつもりで薔薇雪華のアペンド・・・と書いたら意外に欲しいといわれましたので


アペンドですので超短いです。それではお付き合いくださいませ。
人形師
2: 2009/03/09(月) 05:17:01.30 ID:Q5fJR+Xw0
2/14 05:58

Fragment Schnee Kristall


―――退屈なのですわ。

この時間。いつも暇をもてあます。

でも今日はあと2分。

眠っている薔薇水晶―――ばらしーを眺めながら待つ。

6時に起こしてね

そう言われたから、6時きっかりに起こす。

「今日は忙しい、だから早めに、6時に起こして、それがばらしーのお願い・・・」

後一分。

いつもより早くばらしーとお話できる。

アストラルは疲れない。

3: 2009/03/09(月) 05:19:28.73 ID:Q5fJR+Xw0
代わりに―――

「眠れない・・・」

目を閉じて休息する事は出来る、だが意識は消えない。

槐がボディを作ってくれるという、いつになるかはわからないけれども・・・

真紅のマスターに頼んだ方が早いかもしれないけど。

ばらしーと一緒とかんがえると、嬉しいから。

チリリリリリ・・・・・・

目覚ましがなる、ばらしーは、寝起きが凄く悪い。

「時間よ、ばらしー、起きて」

枕もとの鏡から声をかける・・・

・・・・・・

・・・・・・

―――いらえはない。

5: 2009/03/09(月) 05:22:30.00 ID:Q5fJR+Xw0
「ばらしー、朝よ、今日は早く起こしてっていったでしょう」

「やー」

うるさいとばかりに槐ぬいぐるみに顔をうずめる用にしてさらに夢の世界へ行こうとする・・・

「ほら、ばらしー、おきて、起きて頂戴」

「うるしゃ・・・いにょ・・・きら・・・ぶー・・・す」

顔をうずめているので不明瞭な発音だけど・・・

私、ブチ切れてもよろしいわよね?

虚空に問いかけると心の中のお父様がいい笑顔でうなずいてくださったので、強硬手段に出る。

鏡の中に写っている薔薇水晶に手を伸ばし・・・

7: 2009/03/09(月) 05:25:27.94 ID:Q5fJR+Xw0
2/14 06:04
Fragment Rozenkristall

・・・

・・・

ほっぺ・・・いたい

「うにゅうう・・・あにゃ?」

「目が覚めた?ばらしー?」

「めが、さめた、ばらしー」

ほっぺ、すごくいたい・・・

「ばらしー、まだねぼけてるの?」

「ばらしー、まだ、ねぼけてるの」

ほっぺ・・・もっと・・・いたい

8: 2009/03/09(月) 05:28:49.40 ID:Q5fJR+Xw0
「ばらしー?もう6時過ぎてるわ」

「きらきー、耄碌じじい?」

「誰が耄碌じじいなのかしら!?」

ほっぺ、やけるように・・・・・!?

「いひゃいいひゃいいひゃいいひゃい、やぁめぇふぇぇ!?」

ほっぺたをねじりあげると言う表現がぴったりな勢いでつままれている。

「目が覚めた?ばらしー?」

「おひゃひょう、ひらひー」

挨拶を返すと、ようやくほっぺたから手が離される。

「うう、あかくなってる・・・酷いわきらきー」

ほっぺたをさすりながら、ぶーたれる。

昔はもっと容赦がなかったのだけれども。

「それは愛なのよばらしー・・・で、用事あるって?」

「今日はバレンタインだから・・・、昨日作った分を袋づめにするの」

10: 2009/03/09(月) 05:31:52.86 ID:Q5fJR+Xw0
「私は・・・?」

「お店あけるまでは・・・ちょっと我慢できる?」

「大丈夫、ばらしーの仕事の邪魔しない。・・・手伝えるといいのだけど・・・」

実にすまなそうに目を伏せる。

なんとかしてこちら側に出てこれるようにしてあげたいといつも思う・・・

でもお父様はアテにならないし・・・

真紅お姉様のマスターに頼むのが一番よさそうだけど、そこまで迷惑をかけるのも心苦しい。

「大丈夫、きらきーはちゃんと役に立っている」

今まで私は無口だった、感情の動きもあんまりなく、言われた事に鸚鵡返しで、その間に思考をまとめるのが精一杯

・・・お父様も無口だから・・・

だからきらきーと暮らすようになって大分改善された。最初の性格は適当にテレビでみた私に声の似たキャラクターからの借り物だけど

いまでは個性らしきものが出てきたと思う。

11: 2009/03/09(月) 05:35:47.54 ID:Q5fJR+Xw0
―――最初の私は空っぽだった。

―――今はちゃんと自分がある。

お姉様も姉妹と認めてくれた。

水銀燈お姉様だけでなく、他のお姉様達も―――

「どうしたの?ばらしー、まだ、眠い?」

ほっぺたに手をかけようとしながら雪華綺晶が問う。

「大丈夫よきらきー、ちょっと考え事・・・ご飯は・・・」

「大丈夫、ばらしーが作ったものならなんでも食べる」

「それじゃあ、悪いのだけど昨日の残りのラグーをあっためて、フランスパン焼くから、それで鍋からこそぎ取って食べてくれる?」

「問題ない。あと見えるところに鍋おいてあれば自分で出来る、パンも焼かなくていい」

「ありがとう、明日は手間暇かけるから」

「楽しみ」

手早くエプロン纏いながら、戸棚からフランスパンをだしてラグーと一緒にセッティング。

あとは・・・

14: 2009/03/09(月) 05:40:08.73 ID:Q5fJR+Xw0
世話を焼くのが面倒だからお父様は寝かせておこうかしら・・・?

ほおっておけば昼過ぎまでは確実に寝ているだろうし・・・

チョコレートは昨日の寝る前に渡したし、お腹が空けばそれでも食べるだろう。お父様一辺倒でなくなったのも自我の発達・・・かな?

チョコレートをセットごとに小分けしてラッピングする。作りすぎかと思うぐらい作ったけど、大丈夫かな・・・?

水銀燈お姉様は「まだまだ足りないわぁ」っていってたし・・・

それに値段設定が相当高いのだけど、こっちは金糸雀お姉様が、「さらに倍でも売れるかしらー!」っていってたし・・・

思考しながらも手は止めない。

ホットチョコ用に牛乳も保温しておく。

「あとは・・・」

軽く掃除をする。

開店準備はこれで完了。

9時までは・・・後少し・・・

最後にサンドイッチを少し作ってお父様の部屋へ

仕事中ふらふらされても少々困りますし・・・

さあ、今日も一日頑張りましょう!

15: 2009/03/09(月) 05:42:05.29 ID:Q5fJR+Xw0

2/14 9:58
Fragment Kanarienvogel

「う、重たいかしら・・・」

ふよふよと傘で空を飛ぶ。

もっているバスケットが重くてあまり速度が出ない・・・

「いるいないに関わらず、水銀燈とかめぐめぐの分は槐堂に置いていくかしら・・・」

全員分のチョコレートは流石に重い。

「あとすこし・・・!?・・・い、一体何の騒ぎかしら!?」

槐堂が客であふれかえっている。

「ぜ、全部お客かしらっ!?」

あわててスピードを上げて槐堂の裏口へ。

水銀燈のために天窓はいつも開いていた筈―――

16: 2009/03/09(月) 05:44:59.64 ID:Q5fJR+Xw0
天窓から飛び込み・・・いた!

大急ぎで動き回っているけど、それでも薔薇水晶一人では捌ききれないのだろう、手持ちぶたさの客も多い

ここは姉として一肌脱ぐかしら・・・

「薔薇水晶!何か手伝う事あるかしら!!」

店に回って大声で呼びかける。

「えっ・・・金糸雀お姉様!?」

「おーっ!?あの娘初めて見た!」

「うわ、デ子ちゃんだ」

「うーん、俺、あの黄色い子の方がタイプだわ・・・」

「ばっか、きらきーちゃんの方が可愛いってば」

「俺は断然ばらしー派だな」

「銀様なめんな」

うわ・・・濃いかしら・・・。

多少引きつりつつも薔薇水晶の手伝いを始める。

17: 2009/03/09(月) 05:47:39.63 ID:Q5fJR+Xw0
テーブルにある鏡で雪華綺晶がオーダー聞いて、薔薇水晶が作る・・・

つまり・・・

「今必要なのはウェイトレスよね、じゃあ任せるといいかしらーっ!」

「助かります、金糸雀お姉様」

「助かります、小鳥のお姉様」

「姉妹が困ってたら当然かしら?えっと番号札とトレイが対応してるのね?これなららくちんかしら?まずは1番の・・・」

本日限定限定チョコホリック。

ホットチョコレートにチョコクッキー、チョコケーキ、ラッピングされたハートチョコ。〆て1980円。

チョコホリック(チョコ狂い)とは良く言った物で見事にチョコ尽くし。

「おまたせかしらーっ!・・・あー、薔薇水晶じゃなくて残念だった?」

「あ、いやいや、そんなことないよ、君も可愛いし」

「金糸雀ってよぶかしら?はい、チョコレート」

ハートチョコを手渡ししてにっこりと。

「あ、ありがとう金糸雀ちゃん」

「それじゃごゆっくりかしらーっ」

18: 2009/03/09(月) 05:51:06.49 ID:Q5fJR+Xw0
続けて4番の・・・ミルクマリアージュ、これも本日のみのセット

ショコラオレとチョコクリームののったパンケーキのセット、やっぱりハートチョコ付きで1480円

「ミルクマリアージュお待たせかしら!」

「ん」

「はい、チョコレート、後で食べるといいわね」

ハートチョコを手渡ししてにっこりと。

「ん」

カナじゃないほうが良かったのかしら・・・?

ちょっと凹んで次は3番テーブル。

21: 2009/03/09(月) 05:53:59.61 ID:Q5fJR+Xw0
ホットコーヒーとハニートースト・・・単品でハートチョコ・・・

「ホットコーヒーとハニートーストおまたせかしら。あとチョコレートなのよ。」

「ありがとう、初めて見るね」

「たまにいるかしら?また、会えるといいわね」

リップサービス。まあ、忙しければまた手伝おうとは思う。

取って返してさらに運ぶ。

「6番様サンドイッチとコーヒー、単品でハートチョコとトレチョコ4つ、おまたせよ、はいどーぞかしら」

トレチョコ。名刺ぐらいのサイズのチョコにドールの写真がついている、もっともドールと言っても基本普通のアンティークドールだけれども

もちろん当たりにはローゼンメイデン。全部ローゼンメイデンにしても良かったのだけれど、みっちゃんが、そうしたほうが売れるというから・・・

まあ、現に自動販売機(雪華綺晶がお金と品数チェックしている有人(?)販売所)では飛ぶ用に売れてる用だし・・・

22: 2009/03/09(月) 05:58:36.92 ID:Q5fJR+Xw0
「あや?もめごと?」

5番テーブルでなにか大声を張り上げている客が・・・?

「客に帰れとは一体どう言う事だよ!まだ来たばっかりだぞ!!」

「ですから、本日は大変混雑していまして、飲食はなるべく手早くおねがいしただけで、帰れとは・・・」

薔薇水晶がぺこぺこ頭を下げている、クレーマー・・・ちがうわね、ただのDQNかしら?

「じゃあ、ずっといてもいいんだな?、ふん、たかが人形の癖に生意気だな、ったく」

!ちょっとオツムに来たかしら・・・たかが人形呼ばわりは聞き捨てならないかしら!

文句を言ってやろうと、一歩踏み出す

「小鳥のお姉様、大丈夫です」

「でも!薔薇水晶だって姉妹なのよ!ほおって置くわけには行かないかしら!」

「いえ、手を下す必要がないと言う事です」

「ほえ?」

23: 2009/03/09(月) 06:01:22.06 ID:Q5fJR+Xw0
2/14 10:28

Fragment Mercury Lampe

忙しいかと思ってちょっと来て見たら・・・見事な有様。

上空からでも何かもめているがわかる・・・

まったく、いつの時代にも粗野な男の多い事。

いつもは裏から入るのだけれども、わざと羽音を立てながら入り口に降り立つ。

「ちょっと通りたいのだけど、よろしくて?」

並んでいる男に声をかける。

「あ、はい、でも今あぶな―――「馬鹿、銀様だよ!」えっ!?」

別の男に指摘されるまで私の外見をしらなかったのだろう、心配してくれて・・・素直に感謝しておく、それと謝罪。

「ありがとう、それとごめんなさいね、騒がしくて―――いま静かにするから」

最後の言葉は抑えた怒りが滲んでしまった、気おされたのかいらえはない。

カツン、カツンとブーツの音を立てて歩く。

私の事を知っている客が知らない客を引っ張って道を空けてくれる。

24: 2009/03/09(月) 06:04:10.62 ID:Q5fJR+Xw0
―――ありがとう。心の中で感謝。

いまは笑顔はいらない。

「申し訳ありません、そのようなつもりでは・・・あ、水銀燈お姉様」

こちらに気づいたのか、薔薇水晶とクレーム客が振り向く。

「なんだ、お前?おまえも出来そこないの人形か!辛気臭い真っ黒い服なんか着や―――がっ!?」

翼で打ちすえて黙らせる。

「いいこと、聞きなさい豚。まず私はお前ではなく水銀燈、でも覚える必要はないわ、呼ばれるのも汚らわしいから」

「なっ、いきなりなにするんだ!このクソ人形!なんのつ―――ごふっ!?」

もう一撃。

「それから豚にジャンク呼ばわりされたくないわ。あと、お父様の作ってくださった服をけなしたわね?」

「ひぃっ!?お、おい俺は客だぞ!客にこんなまねしてただで―――ぶべっ!?」

さらに一撃。

わざとゆっくり、足音を響かせながら距離を詰める

「最後まで張れない虚勢なら、最初から張るものではなくてよ?・・・しっているかしら?人形が人間を頃しても・・・裁く法は無いのよ?」

「ひっ・・・ひぃぃぃっ!」

26: 2009/03/09(月) 06:07:11.13 ID:Q5fJR+Xw0
「あの・・・お姉様・・・その辺りで許して上げれないものでしょうか・・・」

薔薇水晶が口をはさんでくる。

「甘いわねえ・・・」

「バレンタインですから甘いのもよろしいかと」

「あら?ユーモアも言えるようになったのね、・・・それに免じて引いて上げるわ」

暴れたところで根本的解決はしないし・・・私も丸くなったものだわぁ・・・

それに薔薇水晶の成長は素直に嬉しい。

お金を払わせて店から追い出して一息。

ん?

見渡すと・・・黄色いドレスが・・・

「金糸雀!?あなたいたのなら止めなさいよ!お姉さんでしょう!」

容姿が幼いと言えそれなりの強さはある。

もちろん強さだけなら薔薇水晶も雪華綺晶も持ち合わせているのだが、かりにも正規店員が暴れるのは経営的にまずい。

27: 2009/03/09(月) 06:09:54.58 ID:Q5fJR+Xw0
「う、ごめんなさい。でもカナがやっちゃうとお店が壊れちゃうかしら・・・」

「そういえばあなた範囲系しか無かったわね・・・」

やれやれとばかりに首を振り、一旦店の奥へ。

さすがにドレスが汚れるのは嫌なのでエプロンを装着する。

―――これは追加装備だから。

自分を納得させる。

「さ、金糸雀、交代するわ、まだ行ってないのでしょう?」

キッチンに置きっ放しのバスケットをみつけてそううながす。

「そうなのだけど・・・大丈夫?」

「大丈夫も何も、文句なんか言わせないわよぉ?」

久しぶりの獰猛な笑み、さっきの余韻がまだ残っているようだ。

「それじゃあ、お言葉に甘えさせていただくかしら・・・っと、これめぐめぐと水銀燈に、薔薇水晶と雪華綺晶にもあるわ」

28: 2009/03/09(月) 06:13:14.40 ID:Q5fJR+Xw0
「あら、悪いわね、私何も用意してないのよ」

「べつに気にしなくてもいいかしら」

「ありがとうございます、金糸雀お姉様、これ売り物と代わりませんけど」

「ん、ありがとうかしら」

「ありがとうございます、小鳥のお姉様、私も料理できればよいのですが・・・」

「これ、二人の分でいいわよ、それじゃあ、またくるかしらーっ!」

・・・さてと、見送る暇もないぐらいに、混雑しているお店をちゃっちゃっとさばかないとね

「こら!騒ぐな!オーダーは順番に雪華綺晶が聞くからおとなしくなさぁい!クレームはいいけど、悪口はジャンクにしてあげるわよ!」

行儀が悪いけど翼はこういうときは便利だ。

遠くに物をわたせるし、いざとなれば飛べるし。

ちなみに盗撮は氏刑と書いてある。

チラ見るぐらいなら、ま、しょうがないわよね。

29: 2009/03/09(月) 06:15:44.71 ID:Q5fJR+Xw0
「さあ、ガンガンいくわよぉ」

「はい!水銀燈お姉様、これ4番に、次のは2番です」

「ばらしー、8番チョコホリック、単品でブラックコーヒー」

「はい、今盛り付けるわ」

・・・・・・・・・・・・

結局すべての客を捌き切ったのは3時も近い時間・・・

なんとすべてのチョコが完売・・・まさかここまで売れるとは・・・

それにしても・・・         

ノンストップで4時間とか、ありえないわぁ・・・

ぐったりしてるところに槐が「食事はー?」などとぬかすから威嚇して追い払った。

薔薇水晶寝てるしぃ・・・

わたしもくんくんタオルケットをかぶって、しばし・・・休憩・・・

32: 2009/03/09(月) 06:19:15.07 ID:Q5fJR+Xw0
2/14 18:31

Fragment Fragment Schnee Kristall

カリカリカリカリカリカリ・・・・・・

カリカリカリカリカリ・・・カカッ・・・コンコン

「な・・・なんとか間に合いそうですわ」

バレンタイン

チョコレートをあげる日。

でも、チョコレートは流石にnのフィールドには見当たらなかった。

だから次善の策。

水晶を根気良く削り、ブローチを作った。

「本当はお姉様方のも作りたかったのだけれど・・・」

なんのノウハウもない自分には一個作るので精一杯だった。

カリカリカリカリカリカリ・・・・・・

33: 2009/03/09(月) 06:21:24.46 ID:Q5fJR+Xw0
この一個は・・・私の妹・・・半身と言ってもいい・・・薔薇水晶にあげるもの。

カリカリカリカリカリカリ・・・・・・

私は姉妹の中では実に厄介な性格をしている。

一般常識もない・・・それは薔薇水晶もだったけど、いまはしっかりしている

そんな私に薔薇水晶は根気良く、してはいけない事を教えてくれた。

わがままも聞いてくれる。

「ばらしー、大好き」

カリカリカリカリカリカリ・・・・・・

カカッカッ・・・カリカリカリカッカッ・・・

大まかな形は完成、あとは磨くだけ・・・

シュッシュッシュッシュ・・・

さすがに遅々として進まない・・・

シュッシュッシュッシュ・・・

磨きながらもいろいろと思いにふける。

35: 2009/03/09(月) 06:23:49.69 ID:Q5fJR+Xw0
「ばらしー・・・」

ほかの姉妹は多分、ばらしーがいなくてもかまわなかったと思う

でも私が私として生きるためにはばらしーがいなくてはダメだったに違いない・・・

シュッシュッシュッシュ・・・

シュッシュッシュッシュ・・・

・・・出来た・・・

「私の初めて・・・」

最初から最後まで、全部自分だけで・・・

何故だろう・・・涙が止まらない・・・

「ぐすっ・・・嬉しい・・・」

泣いてばかりはいられない。

フィールドの小屋で見つけた巾着に入れ、なるべく綺麗なはぎれでリボンの用に結ぶ。

・・・うふふふふふふっ・・・

あとはばらしーに手渡すだけ・・・

鏡の風景から検索・・・いた!

36: 2009/03/09(月) 06:26:27.62 ID:Q5fJR+Xw0
「ばらしー、ばらしー!」

「ん?きらきー?どうしたの?ご飯はもう少し待っててね?」

「うん、ばらしーのごはんなら少しぐらい待つ・・・じゃなくて、はい!バレンタイン!!」

満面の笑みとともに差し出す。

「え・・・?きらきーが・・?」

「うん、チョコレートは無理だけど・・・」

「あけていい?きらきー?」

「うん」

「うわぁ・・・ハートのブローチ・・・クリスタルなのね?」

「それはたくさんあったから・・・喜んだ?」

「そういうときは『嬉しい?』って聞くのよ、きらきー」

「嬉しい?」

「とっても嬉しいわ、ばらしー、ありがとう」

37: 2009/03/09(月) 06:29:06.34 ID:Q5fJR+Xw0
「えへ・・・えへへ・・・嬉しいな・・・ばらしー嬉しいのに、私も嬉しい・・・不思議・・・」

「それは幸せっていうものだとおもうわ」

「幸せ・・・」

「そう、人間・・・ドールもそれが目標・・・アリスになる事だってそれの一形態」

「ばらしー、賢い」

「お姉様の受け売りだけどね、さあ、ご飯の準備するから、ちょっと待っててね」

「大丈夫、ばらしーの作った物ならなんでも食べる」

そういって、私は食堂の鏡に移動したのです。

私の幸せは・・・

ばらしーといる事です。



38: 2009/03/09(月) 06:30:13.38 ID:Q5fJR+Xw0
Rozen Maiden Fragment
~fin~

39: 2009/03/09(月) 06:32:50.27 ID:Q5fJR+Xw0
#あとがき

めぐメイデン(金糸雀中立)の皆様方でした。

ジュンラブじゃないんでパワーは落ちてるかも

短すぎるよね・・・

以下アペンドにありがちな資料っぽいのとか垂れながそうか

40: 2009/03/09(月) 06:36:12.42 ID:Q5fJR+Xw0
シリーズ基本設定

可能性の統合された世界です。

おきうるはずだった歴史の記憶はミーディアムはおぼろげにあります。

ドールはかなり記憶残っています。

実は三年目(一回ループ)です

ループのときごっそり記憶などリセットされます。

回数重ねるごとに記憶はしっかり残ります。

43: 2009/03/09(月) 06:40:18.34 ID:Q5fJR+Xw0
キャラクター本編との相違
水銀燈

真紅と和解してからはいいお姉さんです。

怒らせると相変わらずです、ジュンが気になっています。

わりとアプローチは強烈。

金糸雀

やはりいいお姉さんです。

実は賢い!

ドールズの中では一番フリーに動けます。

翠星石

本編とさほど代わらず

口調がざっくばらんに

ジュンに微妙に素直に

44: 2009/03/09(月) 06:44:33.73 ID:Q5fJR+Xw0
蒼星石

明るい、あと微妙に乙女

ミーディアムはどっちかのみ存在(今週回はかじゅきおじじ)

変態ではありません。

真紅

基本は本編とさほど代わらず

ややドジ

ジュンラブ

雛苺

意外に深い

ミーディアムは無し、ただし契約の指輪を再度出す事は可能

巴<うにゅー


46: 2009/03/09(月) 06:46:20.83 ID:Q5fJR+Xw0
雪華綺晶

一人のときは淑女

薔薇水晶と会話するときは幼くなる。

大食漢

薔薇水晶

気を抜くと本編準拠の鸚鵡返しに

基本性格はちとせ

雪華綺晶と話すときはややお姉さんぶる


47: 2009/03/09(月) 06:51:03.64 ID:Q5fJR+Xw0
#あとがきつばい

みんなが幸せになるのはありかなぁ・・・

と思いつつ回を重ねています。

ミスティカを奪い合わないのはもはやローゼンメイデンではないかもしれませんが。

それでもみんな幸せになれる事を願いたいです。





引用: ローゼンメイデンフラグメント・アペンド