345: 2014/06/04(水) 16:08:19.88 ID:fOpyjR1eo

346: 2014/06/04(水) 16:08:51.98 ID:fOpyjR1eo
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347: 2014/06/04(水) 16:10:45.90 ID:fOpyjR1eo
大泉「げほっ、げほっ…あ"ー、いででで…」


◆保健室


モノクマ「ほんと大泉クンはボクの邪魔が好きだね」

大泉「…うるせぇこの、誰のせいでこうなったと思ってんのよ」

モノクマ「そろそろボクも本気出そうかな」

大泉「…ぁあ?なんだとぉ?」

モノクマ「ナイショ、ナイショ!ボクにも色々作戦があるって事だよ!って言うかさぁ」

大泉「おぉ何だよ、俺ぁ怪我してるっつってんのに話に来たってかい」

モノクマ「どうせ大した事ない怪我のくせに、わあわあ言ってるんでしょ?分かってんだよ?」

大泉「俺はここを脱出したら確実にお前を相手取るからな」

モノクマ「訴えないでよぉ」

大泉「おめぇがこんな風に俺達を追い詰めねぇんなら考えてやる」

モノクマ「それは出来ない相談だね」

大泉「………目的はなんだ?」

モノクマ「キミ達を絶望させる事。それだけだよ」

大泉「わかんねぇなぁ…」

モノクマ「ん、何が?」

大泉「意味が分かんねぇんだよな、それ誰も得しねぇべ?」

モノクマ「ボクが得するんだよ?」

大泉「…要は俺とおめぇは交わらねぇって、そう言うこったろ」

モノクマ「怪我人なのか、それとも口達者なのか、どっちかにしてよ」

大泉「怪我してんのと口達者は関係ねぇべや!」




大泉(……あ、どうも皆さんご存知!大泉洋で御座います。お久しぶりですねぇ)

大泉(さて、今見てもらったのは…実は10日目の光景なんですねぇ)

大泉(そう、前回からいきなり飛んで10日目から見てもらっちゃったわけなんだ)

大泉(俺がいきなり保健室にいてびっくりしたろ?)

大泉(なぜこうなったのか……君達には嫌でも語らにゃならんと思う)

大泉(そう、あれは6日目)

大泉(……舞園さんが土下座の最上級である、土下寝を決めた後から話は始まる)


348: 2014/06/04(水) 16:11:15.81 ID:fOpyjR1eo
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【Chapter2】

瞬間少年ゼツボウオナー

(非)日常編


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349: 2014/06/04(水) 16:11:47.19 ID:fOpyjR1eo
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時は戻り

6日目朝







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十神「今ここで殺人が起きてもおかしくないだろう」

十神「舞園をどうやって懐柔したかは知らんが…そいつは、殺人を思いついた時点で」

十神「俺達の障害だ」

苗木「…十神クン、言い過ぎなんじゃ」

舞園「いいんです、苗木君」

霧切「………残念だけど、それは事実だもの」

朝日奈「う、ま、舞園ちゃんが包丁を持って行ったのも…」

山田「桑田怜恩殿をSATSUGAIしようとしたのも……」

葉隠「模擬刀の先制攻撃だべ!」

大泉「…なんだ?この空気ぶっ壊して何がしてぇんだ、おめぇは?」

葉隠「分からん…けど、今言わんともう二度と言えねー…そんな気がしてな」

霧切「………とにかくそれは全て事実よ。拭いきれない事だわ」

舞園「…ええ、そうですね」

霧切「けれど、それは私達が止めた。そして、これからもそんな殺意は、きっと私達が止めて見せる」

舞園「どうしてそこまで………」

霧切「私は……いえ、私も出したくないだけよ、あのモノクマにそそのかされる人間を」

石丸「き、霧切くんっ、君はそこまで考えて…!」ぶわわっ

350: 2014/06/04(水) 16:12:24.39 ID:fOpyjR1eo
十神「くだらんな」

朝日奈「あんた、さっきっからなんなの…?」

十神「馴れ合いほどくだらんものはない。違うか?」

朝日奈「あんたって奴は…!」ぎりっ

大神「よせ朝日奈…朝から荒れてはいかん」

モノクマ「そうですよぉ?朝から怒ってるのは、ロケ当日に騙された事に気付いた大泉クンだけで充分ッ!」

霧切「そうね。サイコロでもカントリーサインでもなんでも憤慨しながら…あら?」

大泉「ナチュラルに入って来てるけども何しに来たのよ、モノクマ」

腐川「ででっでっ、で、出たわね……!」びくびく

舞園「も、モノクマ…さん」

モノクマ「まーったくさ、やっとコロシアイが始まりそうだったのに…キミ達が止めちゃうから」

モノクマ「ぜんっぜん始まんないじゃないっ!」

石丸「僕達は…コロシアイなどしないぞ」

苗木「そうだよ!ボク達はお前には負けないっ!」

モノクマ「そうやって言うのはいいけどさ?これじゃあみんな飽きちゃうよぉ」

霧切(……みんな?)

大泉「この画に飽きてみろ、頃すぞ」

モノクマ「やめてよぉ」

大泉「俺らだって好きでやってねぇっつってんだろ!」

不二咲「で、でもぉ、頃すとかって…そ、そんな言い方は…」

大泉「あぁごめんな、不二咲ちゃん。君は耳塞いでなさい」

大泉(不二咲ちゃんかわいい!天使だな!)


※Tips…【この画に飽きてみろ、頃すぞ】
原付・スーパーカブで新宿から札幌まで帰る事になった企画、【東日本原付ラリー】より。
交通渋滞でカブが進まず、後ろを着いて車で走っていたD陣がその画(映像)に飽き始めた。
そのD達へ、既に企画開始前から嫌がっていた大泉が言い放ったのが上記のセリフ。
その後「やめるぞ」と言ってカブから降りる一幕もあった。

351: 2014/06/04(水) 16:12:59.52 ID:fOpyjR1eo
モノクマ「ま、ボクはともかくオマエラが飽きると思ってさ?折角だから」

モノクマ「希望ヶ峰学園・校舎の2階を解放しました」

石丸「2階を?」

朝日奈「じゃあ、行けるところが増えたって事?」

モノクマ「そうだよ?あとは…」

モノクマ「この寄宿舎の【倉庫】と【大浴場】も整備完了したから使っていいよ!」

十神「怪しいな。ノーリスクと言う事もあるまい」

モノクマ「そんな、ボクの親切心を怪しまれたって困るんだよ、十神クン…それにさ」

モノクマ「こんだけあればやるでしょ?」

大和田「ぁあ?…何をするって…」

モノクマ「殺人だよ殺人!」

腐川「」がたがたがたがた

大泉「震えすぎやろ、腐川さん…」

※Tips
大泉さんは謎の関西弁を使う事が稀によくあります。

モノクマ「使えるトリックも凶器も増えるわけだし?これで楽しませてね!」

モノクマ「ま、殺人は既に起こったも同然だし…ワクワクしてきたよ、ボク」

大泉「なぁモノクマ、ひとついいかい?」

モノクマ「………なに?」

352: 2014/06/04(水) 16:13:33.72 ID:fOpyjR1eo
大泉「【大法螺】はねぇのかい?」


※Tips…【大法螺(おおぼら)】
【国士無双】などで知られる【高砂酒造株式会社】から発売されている純米酒。
北海道・新篠津(しんしのつ)村で作付けされた【きらら397】を100%使用。
その味わいは、米の甘みがありながらも、スッキリと淡麗な辛口。アルコール度数は約16度。
どうでしょう的には【釣りバカ対決】にて大泉・安田、加えて音尾も呑んだ。1本飲んだら5ポイント。
(大泉「僕ぁやっぱり大法螺だぁ」)


モノクマ「ないよぉ、地酒でしょ?」

葉隠「え?ないんかいな」しょぼん

大泉「……なんでお前が……いや、……俺ぁ大人だぜ?そりゃ酒のひとつふたつ飲みたいだろぉ」

モノクマ「ここをなんだと思ってるのキミ達、希望ヶ峰学園だよ?学び舎だよ?」

石丸「そんな神聖な場所に酒やタバコ、違法薬物などを持ち込ませる訳にはいかないぞ!」

大泉「お前もグルか石丸」

葉隠「そう言う硬い事言うなって!成人2人もいるんだし、酒あってもいいべ?」

大泉「成人2人……?いや、いやいや、誰よ?俺と」

葉隠「俺」

大泉「………はぁ?」

葉隠「ほら俺、なんだかんだあって3ダブしてんだよ…だから20歳にして現役の高校生なんだべ」

大泉「誇れる事じゃねーからな、それは確実に」

霧切「…大泉さんも大学は2浪して入られてたから、人の事はあまり…」


※Tips
なお大泉の兄は早稲田大学に行っていた。
兄と比べられたりして、大学受験は彼にとってかなり辛い時期だった模様。


大泉「………」←無言でケツ蹴り

葉隠「痛ぁ!?」ばしっ

353: 2014/06/04(水) 16:14:08.43 ID:fOpyjR1eo
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朝食






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(スープを注ぐ大泉)


(飲んでる)


大泉「……熱っ」


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探索






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354: 2014/06/04(水) 16:17:55.48 ID:fOpyjR1eo
石丸「では学園の2階と、寄宿舎の探索に行こうと思う」

大和田「……ちっ、めんどくせぇ……」

舞園「もしかしたら脱出の糸口があるかもしれませんし、行く価値はありますよ」

大泉「そうだねぇ……」

大神「なれば皆で2階へ行くぞ」

山田「…しかし寄宿舎も気になりますが…」

霧切「それなら人数を分けましょう?寄宿舎の探索をしたい人は残ってもらって構わないわ」

大泉「桑田は?」

霧切「寝かせておけばいいんじゃないかしら…」

石丸「ふむ、君が校舎に行くなら、僕は寄宿舎の探索に残るとするかな」

葉隠「はぁー……とりあえずあっちこっち見るしかねぇか……」

腐川「………ままま、待ち、待ちなさいよ!」

不二咲「あ、い、一緒に行こうよぉ」

石丸「では任せたぞ、皆!」



ばたばた
すたすたすた…
とてとて

ばたん



江ノ島「………」



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2階






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355: 2014/06/04(水) 16:20:18.39 ID:fOpyjR1eo
朝日奈「……あ、生徒手帳のマップも更新されてる」

セレス「ですわね。便利ですわ…モノクマさんには感謝しませんと」ぴっ

大和田「便利とか感謝とか言ってる場合じゃねぇだろ。ここから出る事を考えねぇとよぉ」

セレス「大和田君…あなたは分かっていませんわ」

大和田「あ?何が---」

セレス「氏にたくなければ、適応すべきと言う事です…」こつこつ

大和田「………意味が分かんねぇよ………」

朝日奈「」!

朝日奈「プール」

大和田「…あ?」

朝日奈「プール!!!」
ずどどどどど……

大和田「……はぁ?」

葉隠「オメーら元気なのな…んじゃ俺はそっちの教室調べっかなぁ」

セレス「と言ってサボる気ですわね?」

葉隠「………あー、これはその……」

セレス「大和田君、その人を見守ってくださらない?」

大和田「いやなんで俺が」

セレス「…あなた以外に頼める相手がいませんもの」


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プール







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がちゃ

苗木「プールなんてあったんだね…」

大泉「ほぉー…プールは【プール前ホール】と【男女各更衣室】があって…」

霧切「それぞれの更衣室を抜けると【室内プール】に行けるようになっています」ぴっ

朝日奈「私泳いでいいかな!泳いで来てもいいかな!?」

苗木「あ、朝日奈さん!?なんかテンション高いよ!」

霧切「【超高校級のスイマー】…そうよね、泳げないのは随分辛かったはず」

大泉「………あー、いいんでないの?探索はみんなでやるし」

朝日奈「ありがとう大泉!!」

大泉「いい加減にさん付けくらいしろ」

朝日奈「やだ!!!」

大泉「」かちっ

356: 2014/06/04(水) 16:20:55.37 ID:fOpyjR1eo
不二咲「あ、あのぉ……」

苗木「不二咲さん、どうしたの?」

不二咲「あ、あれ…なにかなぁ……」

苗木「え?あれって、更衣室の扉の上についた……」

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ガトリング





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大泉「おっかねぇなおい!?」

霧切「これは…」

モノクマ「それはね!」どひゅーん

霧切「」!

大泉「うおっ!?湧いて出た!?」

モノクマ「オマエラって性的な事ばっかり考えてる年頃でしょ?大泉クンも心は中学生でしょ?だから」

モノクマ「男子は男子の更衣室、女子は女子の更衣室!」

モノクマ「それぞれ自分の性別の更衣室にしか入れないようになってます!」

モノクマ「扉の前にあるカードリーダーに、自分の生徒手帳をかざしてね!」

不二咲「他の更衣室に入ろうとすると…」

モノクマ「撃たれるよ?」


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撃たれる





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大泉「氏ぬ気で覗けってかい…」

モノクマ「なんでもうやる気満々なの?」

357: 2014/06/04(水) 16:25:43.00 ID:fOpyjR1eo
霧切「モノクマ…それだと、他人の電子生徒手帳を使って更衣室に入れるんじゃないかしら」

モノクマ「あ、やっちまったな」

苗木「そのテンションは分かんないけど」

朝日奈「自分の生徒手帳をここにかざすんだね!!ありがとう!!」ぴっ


がちゃっ
ばたん


大泉「おい朝日奈マジで泳ぎに行ったぞ」

こつこつ……

セレス「いいんじゃありませんの?行かせて差し上げれば」

大泉「……セレスさん、今来たの」

セレス「大体の話は伺っておりましたので問題ありませんわよ?」

大泉「なんだとぅ?」

セレス「扉が開きっぱなしでしたもの」うふふふ

モノクマ「はいシャラーップ!ボク、新しい校則を思いつきました!」

苗木「……なんだよ突然!」

モノクマ「【電子生徒手帳の貸与禁止】!手帳を誰かに貸す事は許されません!」

モノクマ「破ったらオシオキ!…手帳の内容更新しとくから見といてね」


◆【校則】が更新されました


セレス「………貸す事が許されない、ですか………」ふむ

霧切「そう……」

モノクマ「これで覗きも起こりません!いやぁボクマジ天才」

霧切「次のところに行きましょう」ふぁさ

苗木「え?あ、う、うん…」

モノクマ「聞くだけ聞いたら放置?いいねぇ、絶望しちゃうね」はあはあ

大泉(気持ち悪ぃ)

セレス「私は更衣室を覗いて行きます。不二咲さんもいかがですか?」

不二咲「あ、えっと、そ、の……今は…」

セレス「あら?」

不二咲「………ごめんっ!」

ぴゅーっ

大泉「校舎走ると危ないよぉ、不二咲ちゃーん!」

霧切「行きましょう?私達も」

苗木「あ、う、うん、そうだね…」

セレス「………」

モノクマ「」はぁはぁ

大泉「……お前もういいべや」

358: 2014/06/04(水) 16:26:51.53 ID:fOpyjR1eo
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図書室






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腐川「あたしの本がないっ!」

山田「拙者の同人誌もですっ!」

霧切「【チビナックス】の絵本はあったわ!!」

大泉「なんでまたそんなもんが!」

霧切「しかも2冊ともっ!」


※Tips…【チビナックス】
2006~2008年まで、毎年製作されていたショートアニメ(1回2分ほどの枠での放送)。
DVDは3枚発売されているがほぼ絶版状態なので、入手は現在困難と思われる。
NACS5人+音尾の愛猫【裕次郎】をモチーフにしたチビキャラのシュールすぎるアニメであった。
4期の放送も匂わせていたが、2008年に裕次郎が亡くなった事もあり、その後の放送は無かった。
絵本は、キャラモデルを担当したイラストレーター【BAKU】が絵を、ストーリーを森崎が担当したもの。


大泉「懐かしいねぇ、こんなものがあるなんてさぁ」ぱらぱらっ

霧切「本当によく似ているのよね」

大泉「うわっ猫だ猫」ぞくぞくぞくっ

ばさっ

腐川「絵の猫もダメなの?」


※Tips
大泉さんは猫が苦手です。それは音尾さんの猫・裕次郎も例外ではなく、
上記【チビナックス】のDVD撮り下ろし座談会(チビナックス2.0)では
裕次郎が出てきた瞬間に大泉さんが逃げ出しフレームアウトする光景が見られます。


がちゃ

十神「…うるさいぞ、お前達」

大泉「おや、十神君」

十神「…なんだ?その絵本は…そんなものを読んでいるとは、底が知れるぞ」

こつこつこつ……

359: 2014/06/04(水) 16:27:42.83 ID:fOpyjR1eo
腐川「と、十神君は…な、何をしにこんなところに?」

十神「図書室の奥に【書庫】があると、マップに出たからな。見に来ただけだ」

大泉「あぁそうかい、嫌味言ってねぇでさっさと見て帰れ」

山田「……む…皆さん、これはなんでっしゃろ?」

大泉「あ?」


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パソコン






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霧切「かなり古いタイプのパソコンみたいね?」

山田「ほほぅ…パソコンと言えばちーたん!」

大泉「ちーたん?」

山田「不二咲千尋殿の事ですよ!彼女は【超高校級のプログラマー】ですからな」

山田「ずゔぁり!ことパソコンにかけては強いでしょう!」びしっ

苗木「でも電源が入らないみたいだね」かちかち

山田「なん………だと………?」

腐川「で、電源が入らないんじゃ、どうしようもないじゃない…」

山田「大泉洋殿、壊れたパソコンを直せたり…」

大泉「俺も器用な方だとは思うけどねぇ、こればっかりは難しいんじゃないかい?」

山田「デスヨネー」

十神「そんなものより、面白いものを見つけたんだが」

霧切「……何かしら?」

360: 2014/06/04(水) 16:30:29.25 ID:fOpyjR1eo


十神「これだ」


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手紙






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十神「ここには希望ヶ峰学園、休校のお知らせ……そう書いてある」

十神「つまり俺達が来るよりももっと前から、希望ヶ峰学園は休校していたと言う事だ」

霧切「希望ヶ峰学園が……閉鎖?休校…?」

大泉「だからモノクマの奴は、閉鎖せれた学園を乗っとれたとでも?」

十神「さぁな……」

苗木「でも、ボクは間違いなく、閉鎖する前の…休校する前の希望ヶ峰学園に…」

腐川「………そそ、そうよ、あたしだって…なのに…いきなりあんな風になるなんて……」

大泉「………」ふむ

山田「謎が深まるばかりですぞ…」

苗木「モノクマの目的が分からないよ」

十神「せいぜい殺されないように頑張るんだな…これはゼロサムゲームなんだ」

十神「誰も傷つかずに終わる事なんて絶対にあり得ない」

十神「それでも……止められるのか?霧切…そして大泉…」くくっ

大泉「………」


大泉(何時間かで出来るような技ではねぇもんなぁ、こんな装備を学園にするなんて)

大泉(となると……ここが元々希望ヶ峰学園じゃないのか、あるいは……)

大泉(いや………うーん、さすがにそれはありえねぇもんなぁ)

大泉(………考えても分かんねぇし、今はまだいいか)

大泉(今は……まだ、な)

361: 2014/06/04(水) 16:35:19.98 ID:fOpyjR1eo
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報告






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朝日奈「プールとっても楽しかったなぁ!」

葉隠「校舎には3階に行く階段があったべ。でもあれはシャッターが降りてて行けなかったべ」

大神「やはり2階にも脱出出来そうなものはなかった、すまぬ」

朝日奈「とにかく、プールだよ!なんかロッカーもあったけどしらない!」

セレス「更衣室にはダンベルや身体を鍛える器具がありましたわね」

不二咲「」!

霧切「図書室でチビナックスの絵本が2冊見つかったわ」

石丸「大浴場が解放されいたぞ。サウナも完備されていた」

腐川「は、入らないわよ…入りたくもないし…」

大泉「いやぁいいねぇ、露天がねぇのが残念だけどな」

大和田「サウナか…」

山田「それと図書室でパソコンを見つけたのですが」

苗木「不二咲さん、もしかして使えたりしない?」

不二咲「うーん、ちょっとやってみるねぇ…」

霧切「帯には森崎博之さんの写真が入っているわ、見たければどうぞ」

江ノ島「……あー、あと倉庫も解放されてたっしょ?あそこに水とか下着とかもあるから」

舞園「ほんとにたくさんありましたよ!これで服があんまりないって事にはならずに済みそうですね」

十神「だからどうした?それを使って殺人を犯す事も出来るだろう?」

江ノ島「あ、あとレーションがあったよ」

大泉「レーションってなに?どこ料理?」

霧切「子供向けの絵本にも関わらず大人を虜にするなんて…チームナックス、侮れない!」ぱらぱら

大泉「お前帰れ」

桑田「霧切、その本貸せ!」

大泉「おめぇもう一回ベッドに沈めるぞ?桑田」

362: 2014/06/04(水) 16:35:53.23 ID:fOpyjR1eo
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その日の夜

希望ヶ峰学園のどこか






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363: 2014/06/04(水) 16:37:10.44 ID:fOpyjR1eo
モノクマ「………うぷぷ、もう自分が使ってもらえるとでも思ってた?」

モノクマ「まだだよ、君はまだ動かないでもらいたいね」

モノクマ「…え?なんでって?その方が絶望が大きくなるじゃなあい」

モノクマ「みんなと仲良くなって、打ち解けたところで」

モノクマ「………君が、君自身が、君自身でそれを壊すんだよ」

モノクマ「絶望的…それこそなんて絶望的なんだろうね!キミを信じていたのに、殺される仲間の顔が早く拝みたい!」

モノクマ「うぷぷ…うぷぷぷぷぷぷ…!!」

モノクマ「…だからそれまでは【人質】は守ってあげる」

モノクマ「その代わり分かってるよねぇ?」

モノクマ「次は容赦しないよ、ボクはサファリパークでも有名な暴れん坊なんだ」

モノクマ「ボクに逆らったらどうなるのか分かってるよね?もう誰も頃したくないよね?」

モノクマ「もう、モニター越しにキミの名前を呼びながら氏ぬ人は、見たくないよね?」

モノクマ「【内通者】さん?」


「………」


モノクマ「ぎゃーーーーっはっはっはっはっは!!」


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390: 2014/06/08(日) 17:07:47.91 ID:7H1ZyLp0o
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7日目





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391: 2014/06/08(日) 17:09:57.93 ID:7H1ZyLp0o

◆朝、食堂


大泉「……暇だわ」

朝日奈「びっくりするくらい暇だねー」

石丸「何ですと?今出来る事をやりましょう、大泉さんッ!朝日奈くんもッ!」

大泉「っつってもどうにもこうにも…もうやれる事がねぇもんなぁ」

朝日奈「出来る事って何?大体の事はやっちゃったよ?朝プールもやったし」

大泉「体力ありすぎだろ朝日奈さん」

石丸「……言われてみれば確かに…探索は昨日、皆で飽きるほど行いましたから…」

葉隠「んじゃーマジで何もする事ねぇんか?」

大泉「だねぇ」

石丸「……いいやっ!今日は皆で勉強会を開こうッ!」

朝日奈「あんた、ほんとそれ好きだよね…」

石丸「学生は勉学のプロで有るべきなのだ!学生の仕事は勉強をする事!ですよね、大泉さん!」

大泉(いや、俺に振るなや!)

大泉(石丸の言う事もまぁ、理解出来なくはないけども……)

大泉「いやぁ…まま、そうだけどもね?こんな異常な状況でぇ、勉強しても…頭に入らんしょ?」

石丸「ですが一分一秒も惜しいんです…このままでは置いていかれてしまいますよ!」

葉隠「置いてかれるって何なん?時代に?」

石丸「勉学だよっ!」

大泉「分かったってぇの!」

大泉(さすがに何日も、こう大所帯で閉じ込められてるとどうしても意思の擦り合わせってのは難しいよな)

大泉「どっかに脱出の糸口でもありゃいいんだけどねぇ」

石丸「ならば再び、この学内を見回りに…」




<ガシャーンッ

392: 2014/06/08(日) 17:12:15.31 ID:7H1ZyLp0o
朝日奈「ねぇ、今のなんの音?」

葉隠「何か割れたみてーな音だったな」

大泉「……おいおい何だぁ?朝から騒がしいなおい」



<ぷぎーっ!


大泉「断末魔聞こえたぞ!?」

ぎいっ

大神「どうした…?」

朝日奈「あ、さくらちゃん!」

石丸「ああ、おはよう大神くん」

大泉「……ん?さくらちゃん?あれ、前と呼び方違うんでない?」

大泉「おいおいー、いつからそんな仲良くなったのよ?俺に内緒で」

大神「お主がちょうど、霧切と共に舞園を止めた日に…な」

朝日奈「怖かったから、さくらちゃんと一緒に寝て…」

大泉「朝日奈さんにも可愛いところがあったんだねェ」

朝日奈「うんっ!それで夜ずっと話してたら意気投合したんだ!」

大泉「なるほど」

石丸「そっ……それは!異性不順交際じゃないかッ!」

大泉(何言ってんだこいつ)

大神「………我は女だが?」

石丸「失礼したッ!」

葉隠「石丸っちって…その、命知らずすぎんべ…」

大泉(やべぇよ、大神さん目が笑ってねぇものあんた…氏んでてもおかしくねぇからな?)

大泉「……ってあれ、何か忘れてねぇか?俺達」

朝日奈「えーと、なんだっけ?」

葉隠「………分からんべ」

大神「我はこちらから何か物音がしたので来たのだが…?」

石丸「そうだぞ皆!向こうから物々しい音が!」

393: 2014/06/08(日) 17:14:13.81 ID:7H1ZyLp0o
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セレスさん






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セレス「だ・れ・が…こんな汚水のようなものを作れと言ったのですか…?」ごごごごご

山田「い、いえ、しかし…ミルクティを所望されましたので…」

セレス「私(ワタクシ)はこんなものを完成品とは認めないッ!」

山田「」!?

セレス「…私が飲むのは、牛乳で煮出した【ロイヤルミルクティ】だけですの」

山田「もしやそれを作れと」

セレス「作らないのですか?」にっこり

山田(…ひぎぃ!笑顔に殺意が篭ってる!)


大泉「……なんかやってんぞ、あいつら」

大泉(セレスさんの笑顔から、鈴井さんみたいな殺意を感じるねぇ…)さぶいぼざぁーっ


※Tips…【笑顔から感じる殺意】
大泉の直属の上司である会長・鈴井貴之(ミスター)は本気でキレると笑い始めるタイプ。
テレビドラマの企画で脚本を書く事になったものの締め切りを破りまくった大泉に対し、笑いながら説教していたため
関係者各位、特に所属タレント陣ががこぞって顔面蒼白となった、と言う逸話が残っている。
(大泉は、こののち主題歌の締め切りも破った。その時は「締め切りまでに上がらなかったら覚悟しとけ」と殺害予告を残した)
しかしながら鈴井も大泉の遅筆と遅刻グセには慣らされてしまったとの事。


大神「少なくとも、セレスは憤っているようだな」

葉隠「………」そろー

大泉「おいお前、大神さんいるからって逃げようとすんな」がしっ

葉隠「うっ」びくっ

大泉「何よおめぇは情けねぇ、大神さんが何したって?」

葉隠「いや、だって…」しゅーん

大泉「おめぇビビりすぎだ。大神さんは仲良くしようとしてんべ?(まぁ気持ちは分からなくもないけど)」

朝日奈「って言うかセレスちゃん、なんでカップを壁に叩きつけてんの?」

舞園「きっとあまり好きな味ではなかったんですよ…分かります、エスパーですから!」

石丸「舞園くん!いつからここに…」

大泉「…素直に最初から聞いてたって言ってくれねぇかな?」

舞園「いいじゃありませんか!そんな細かい事は!」

大泉(ずんだ餅決戦以降、舞園さんが何か吹っ切れてしまった。反省はしてないぞ、俺は悪くない)

394: 2014/06/08(日) 17:15:27.56 ID:7H1ZyLp0o
舞園「…ところで、なんであんな事になったんでしょうね?」

大泉「あれかい?じゃあ、聞いてみるかい?」

大神「大泉氏、聞けるのか…?」

大泉「分からんがやってみる」


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接触






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大泉「おおい、セレスさん」すたすた

セレス「…あら?随分と大所帯でいかがなさいましたの、大泉さん?」

大泉「いやね、そっちにいたんだけどガシャーンッて音したから来たのさ」

セレス「それでしたらお構いなく。私と山田君の問題です」

大泉「座布団でも運ばせてんのかい?」

石丸「座布団はガシャンなどとは言いません!」

大泉「…シャレだろ?そう食ってかかるなよぉ」

葉隠「と言うか笑点知らんって…何か侘しいな」

朝日奈「笑点?…分かんないけど、そんなの見てるの?」

葉隠「道民の日曜ったら大体1×8から笑点見てバンキシャじゃねーんか?人によっちゃそのあとDASH、イッテQも流し見…」


※Tips
完全に偏見です。道民が全員こうなわけないので安心してください。
ちなみに【1×8】は【1×8いこうよ!】と言う大泉出演のバラエティの事。


大神「お主、道民なのか?」

葉隠「………ノーコメントで」

395: 2014/06/08(日) 17:15:55.54 ID:7H1ZyLp0o
大泉「それはともかくねぇ、セレスさん。あんなでっけぇ物音立てといてなんもねぇってのは」

セレス「だって何もありませんでしたもの…」

山田「」でぶでぶでぶでぶ

大泉「……これでもかい?」

セレス「ええ。山田君には私の飲み物を作ってくださるようにお願いしていたのですわ」

大神「セレスよ…しかし、お主のその態度は何かを頼むもののそれとは思えんが」

セレス「………お黙りなさい、同意があるのです」いらっ

大泉(セレスさんはあれかな?思い通りにいかないと気ぃ済まねータイプかな?)

舞園「それで…どんな飲み物を作るんですか?」

セレス「【ロイヤルミルクティ】ですわ」

葉隠「……【ロイヤルミルクティ】?」

大神「それは…どのような飲み物なのだ?」

セレス「牛乳を熱し、そこで紅茶を煮出す飲み物ですの」

セレス「私はフランス人の貴族とドイツ人である音楽家を両親に持つ生粋のセレブリティですので」

セレス「………やはり本場に近い、手の込んだものでなければ、満足出来ませんもの」

大泉「ふぅん…?」

大泉(…少なくともフランスやドイツにゃあ、【ロイヤルミルクティ】なんて名前の飲み物はねぇんだけどな)

大泉(どうすっかな、ここはちょっと黙って)

石丸「む?確か【ロイヤルミルクティ】は日本の…」

大泉(あっバカ、天才だけどバカ!)

セレス「…今、何か仰いました?」ぎろっ

石丸「ん?ああ、【ロイヤルミルクティ】は---」

大泉「あ、ああ!あの、よかったら俺達が作ってやろうかって事だよ!」ばっ

セレス「………まぁ」

石丸「お、大泉さん!彼女には知らせて…」

大泉「黙ってろ石丸!シャラップ!」

セレス「ありがたい申し出ですが…皆さんの時間をいただくわけには行きませんわ。ですから」

セレス「山田、作って来いこのビチグソ」

山田「あ、は………はいぃ!只今ァァァァ!!」どひゅーんっ

大泉「……いいのか?山田お前それでいいのか?」

セレス「うふふふふ……」

396: 2014/06/08(日) 17:17:19.06 ID:7H1ZyLp0o
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腐川






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きいぃ

腐川「………」

大泉「おおう、腐川さんでないの。おはよう、腐川さん」

腐川「………ょぅ」ぽそ

大泉「低血圧なのかな?」

舞園「女性は低血圧が多いって言いますからね」

大神「我はこの会話自体何かがズレているような気がするのだが」

石丸「しかし…むむむ、朝から見ていない生徒が多いな」

朝日奈「そう?大和田も桑田もさっき会ったよ?」

大神「苗木も先刻見た。江ノ島は…朝ランニングしている時に会ったな」

大泉「……大神さん、ランニングしてらっしゃるの?」

朝日奈「私と一緒に!…でも、普段江ノ島ちゃんって朝は遅く起きるイメージなのに…」

葉隠「あー、それと霧切っちも見たような見てないような」

大泉「どっちかはっきりしろよ」

葉隠「はい見ましたべ」

舞園「となると、誰も見てないのは十神君だけですね」

腐川「と、十神君がどうかしたの…?」

舞園「はい、朝から誰も見ていないと言う話です」

腐川「なっ…!?」

大泉「ほっといても大丈夫だとは思うけど、一応探してみる?」

石丸「彼の身が心配だな。問題ないとは思うが…」

大神「しかし奴の性格を考えると、何か起きていてもおかしくはあるまい?」

大泉「まさかそんな、…はは」

腐川「…さ、探しに行くの?手伝ってあげない事もない、けど」

舞園「じゃあ一緒に行きましょう?」がしっ

腐川「………へ?」

舞園「レッツゴー!です!」すたたた

腐川「あ、ちょ、ちょっ、引っ張るんじゃないわよおお!!」

大泉(まんざらでもなさそうだな、腐川さん。被害妄想つえーけど、ほんとは寂しいだけなのかね)

397: 2014/06/08(日) 17:19:24.28 ID:7H1ZyLp0o
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寄宿舎





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朝日奈「いないよ?」

大泉「ランドリーもいねぇわ」

石丸「浴場もです」

大神「倉庫にもいなかったな」

葉隠「となると……校舎の方かいな?」

大泉「かもねぇ、行くかい?」

舞園「それしかありませんね」


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校舎






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大泉「いないねぇ」

石丸「うむ……」


(よく見ると大泉は教室のゴミ箱の中を覗いている)



(突然葉隠が何かに弾かれたように走り始める)

(大泉も石丸も気づいていない)


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しばらくして






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399: 2014/06/08(日) 17:22:02.29 ID:7H1ZyLp0o

◆図書室


がらっ…


十神「………」

舞園「ここです…」そろーっ

大泉「あ、いましたいました!」

石丸「ああ、よかった……」

大泉「十神くぅん、十神くぅん?」

大泉「……つーか、朝日奈さんと大神さん見なかった?こっち来てない?」

舞園「そう言えば途中からいませんね」

腐川「はぁ、はぁ…」

大泉「君は体力ないねぇ、腐川さん」

十神「………」

腐川「はぁっ、はぁっ……と、十神く……」

舞園「全く…心配しましたよ?こんなところにいたんですね、ひとりで朝から」

十神「………」

大泉「十神ぃ、……おい残念、金髪、メガネ」

十神「なんだその妙な呼び方は」

大泉「やっと反応した…なして無視すんのよ!」

十神「お前らがうるさいからだ。俺がなにしてるのか、見て分からないのか?」


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怒ってる






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大泉「んー………、ナンプレ!」

十神「黙れ」


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ダメだった






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400: 2014/06/08(日) 17:23:29.07 ID:7H1ZyLp0o
大泉「なぁ、なにしてんのひとりで。みんな心配したしょや」

十神「愚民や騙され芸人に心配される俺ではない」

大泉「」カチッ

十神「………俺は本を読んでいるのだが、それも分からないのか?分かったらさっさと部屋を出て行け」

十神「帰り方は分かるか?足を交互に前に出せば歩けるだろう?」

十神「俺は俺の好きなように行動する、お前らの心配など必要ない」

腐川「ででで、でも、朝からいなかったら、やっぱりみんな心配し」

十神「お前」

腐川「………て………?」

十神「臭うぞ。…俺に近寄るな、汚物」

腐川「」!!

石丸「女性に対してなんて口の聞き方を…!」

十神「事実を述べたまでだ。それに、俺がお前らの仲良しごっこに付き合ってやる義理はない」


ぱらっ…


大泉(そう言いながら十神君が読んでいるのは【雅楽戦隊ホワイトストーンズ】じゃないか)

大泉(………改めて、なんであんのよ)


※Tips…【雅楽戦隊ホワイトストーンズ】
ローカルヒーローの先駆けとなった作品。初出は【モザイクな夜V3】、のちに【ドラバラ鈴井の巣】にてシリーズ化。
南郷・本郷・北郷の3人が、札幌市白石区だけを守るためのヒーロー【ホワイトストーンズ】に変化して戦う物語。
十神が読んでいるのは、それを元にして鈴井の手で再構成された【小説版ホワイトストーンズ】である。
小説版は怪人などは現れず、白石区で起こったテロに対して、主人公達が立ち向かうストーリーになっている。
それぞれのキャラクターや設定、展開などがかなり違うので、見比べると面白いかもしれない。
なお1の推しはドラマ版に登場する白龍神社の宮司。


十神「俺は読書に忙しい。俺ひとりいなくとも、生活は出来るだろう?勝手にやっておけ」

石丸「だがっ」

大泉「………はぁ、分かった。帰るよ、石丸くぅん」

石丸「……ですが大泉さん」

大泉「仕方ねぇべや、十神がこう言ってんだから」

石丸「むぐぐぐ……」


ぱたん


十神「………」

十神「………」ぺらっ

十神「………」

十神「………ふむ」

401: 2014/06/08(日) 17:25:07.45 ID:7H1ZyLp0o
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廊下






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大泉「十神がもうほっとけっつってんだから、しばらくほっとくしかねぇなぁ」

舞園「無理に従わせる事なんて出来なさそうですしね」

石丸「いいのですか、あれで!もっと協調性を持つべきだと思うのですか!?」

大泉「…ま、いいんでないの?無理に話しても意味ねぇと思うよ、今は」

石丸「…ぬうう」

腐川「………」

大泉「にしてもひでぇやつだな。レディに対して臭うぞッ!なんてのは許せねぇ話だ」

腐川「………十神君が」

大泉「おぉ、怒ってもいいぞぉ、腐川さんっ!」

腐川「十神、君が………」わなわな

大泉「おお、言え言え。話は聞いてやるから」

腐川「………心配してくれた………」うっとり


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大泉「………は?」

舞園「ち、違うと思いますよ?」

腐川「あ、あたしの体が臭うって…そんな、そんな事まで気にかけて…くれたっ…」

大泉「何を言ってるんだお前は」

腐川「あ、あた、あたし、おおおおお風呂入ってくるわッ!」どひゅん

石丸「こら、廊下を走るなと!……行ってしまったか」

大泉「………僕ぁ、腐川さんの謎がまたひとつ増えちまったよ」

舞園「大丈夫でしょうか、腐川さん」

402: 2014/06/08(日) 17:28:14.49 ID:7H1ZyLp0o


がちゃ



朝日奈「あー、プール楽しかった!」

大神「お主が楽しければ我はそれで良い」

大泉「………あれ?朝日奈さんに大神さん?」

石丸「む、途中から姿が見えないと思っていたが」

舞園「プールに行っていたんですね」

大泉「なんだ、心配して損したべや!おめぇらまでいなくなってたら…何かあったんじゃねぇかって心配するべや」

大神「うむ、すまぬ……」

舞園「朝日奈さんはプールが好きですから…ね」

朝日奈「どうしても我慢出来なくて!」

大神「最初は止めていたのだがな」

大泉「っちゅうか朝プール泳いだんだよね?泳いだのにまた泳ぎに行くとか体力すげぇな!」

朝日奈「プールがあったら泳ぐのはスイマーの基本だもん!」

朝日奈「それに体育会系の部活6つ掛け持ちしてるし、体をずっと動かしてないと落ち着かないんだよね!」

大泉「化け物じゃねぇか!?」

舞園「ともかくこれで十神君も見つかりましたし、大神さんも朝日奈さんも無事でしたし」

石丸「では戻りましょうか?大泉さん」

大泉「……ん?…誰か足りねぇ気がするんだけど、誰だ?」

舞園「え?」



403: 2014/06/08(日) 17:29:08.57 ID:7H1ZyLp0o
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その頃






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◆自室





葉隠「………いや、そんな………」

葉隠「…今の様子を考えりゃ、そんな事起きる訳がねぇべ……でも、でも……」

葉隠「………ッ………」がたがた

葉隠「言えるわけ、ねぇよな…」







葉隠「……【近いうちに大泉っちがオーガに殺される】なんて……!」がたがた

422: 2014/06/11(水) 01:03:45.08 ID:/vMwS3eEo
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7日目夜






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大泉「ラーメンっ!」


ずるる


大泉「うまいっ!」


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423: 2014/06/11(水) 01:04:23.95 ID:/vMwS3eEo
大泉「結局今日はなんもしてねぇなぁ」

大泉「…あの後も腐川探したくらいか。ったく、一日何してんのよ俺は」

モノクマ「全くだよね。なんでこんな時に…」

大泉「…また来たな?てめぇこの」

モノクマ「まぁいいじゃない。深夜バスのように、終着駅に止まるまで待ちなさいよ」

大泉「おめぇの話と深夜バスだったらぼかぁ深夜バスを選ぶね。どっちもやだけど」

モノクマ「それってボクがはりまや号よりひどいって事?」


※Tips…【壇ノ浦レポート】
【サイコロ2】で放送された、伝説のシーン。
高知駅から博多駅までの移動で、深夜バス【はりまや号】に乗り込んだどうでしょう班。
その移動中、休憩地点である【壇ノ浦パーキングエリア】で、途中経過を報告するためにカメラは回った。
が、この日も朝から移動しっぱなし、更に前日から2夜続けての深夜バスと言う事もあり、大泉・鈴井両名は遂に限界を迎えた。
そして彼らは「バスでね、もう寝れないんだよ」「デレクターがね、うなされたらしいんだよ」と報告(レポート)。
レポートはカメラを通しても臨場感、緊迫感、なにより疲労感が生々しくも充分に伝わる物となった。
これはどうでしょう史に延々と残る【(伝説の)壇ノ浦レポート】と呼ばれている。


大泉「確かにおめぇの話聞いてたらうなされるかもしれんな」

モノクマ「ところでさぁ、キミね?桑田クン止めてくれない?」

大泉「は?桑田?…なんで?」

モノクマ「どうでしょう見せろって、DVD出せって毎日たかられてんだよね…」

大泉「なもん見してやればいいべや」

モノクマ「…えー?やだよ」

大泉「おめぇ俺らの生活が不便しないようにしてくれるんでなかったの?」

モノクマ「いつそんな事言いましたっけ!」

大泉「違うの?」

モノクマ「食料は自動的に補充するよ、くらいなら舞園さんに言ったけどね?」

モノクマ「どうでしょうDVDを出すとか、そう言う事はボクやってないから!」

モノクマ(むしろどうでしょうDVDで釣れそうな生徒ってどう言う事なの)

424: 2014/06/11(水) 01:06:16.85 ID:/vMwS3eEo
大泉「知らねぇよぉ!つーか帰れよおめぇは!俺寝るんだから!」

モノクマ「ちぇ、仕方ないなぁ」

大泉「なしてそんな嫌々よ!?」

モノクマ「ボクのせめてもの反撃だったって事だよ。キミに対しての、ね」

大泉「反撃だ、っておめぇなぁ、俺がおめぇになんかしたわけじゃ…」



モノクマ「ほんとにそう言い切れるの?絶対に?」



大泉「…は?」

モノクマ「いや、大泉クンって忘れっぽそうじゃない?」

大泉「うるせぇなこの」

モノクマ「まぁいいや!おやすみ!」ぴゅーっ

大泉「おい、ちょっと待…」



ばたん



大泉「………」

大泉(…なんだあの匂わせ方。モノクマが無意味な事をするとは考えにくいしなぁ)

大泉(だとしたらあれは……)

大泉(…いや、意味が分からん…)

大泉「………どう言う意味だ………?」


425: 2014/06/11(水) 01:07:24.60 ID:/vMwS3eEo
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次の日






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◆8日目朝
◆自室


『オマエラ朝です!おはようございます!起きやがれ!』

大泉「…ううん、あと5分ぅ…」

『…起きないあいつがいるなら、アレ流しちゃうぞ!』


※Tips…【起きないあいつ】
大泉と戸次の番組内ユニット【FANTAN(ファンタン)】の曲。ファンタンは中国語で【おにぎり(握団)】の事。
釜山国際映画祭に鈴井の監督作品で出向いた際、サイン攻めにあったために手応えをつかんだ大泉が
「クリスマスまでにシゲとハングル語で一曲作りたい」と言った(恐らくホラ話)事がきっかけで製作された曲。
オリコン初登場は7位だった。ちなみに大泉がFAN兄さん、戸次がTAN兄さん。
のちに【ハナタレナックス】にて音尾・森崎によるパロディユニット【おむすび】も出来た。


大泉「……起きないあいつ…」もそもそ

大泉「………ふつうにそれ流す訳ねぇもな………」

大泉「……何していたいでも流す気か……」ふわぁ


※Tips…【何していたい】
パロディユニット【おむすび】の曲。
【起きないあいつ】のサビが、「見つめていたい、何していたい(以下鼻歌)」になっているだけ。
響き的に下ネタに聞こえてくる。と言うか多分下ネタ。一番最後は「朝の光で何していたい」。
ちなみにPV撮影で全編オーストラリアロケを敢行し、カナヅチの森崎が「海が綺麗」と言ってたのもこの時。


『……………』

大泉「………?」

426: 2014/06/11(水) 01:08:15.58 ID:/vMwS3eEo
『……………』ぴっ


じゃーんっ♩(ギター)


『女の尻を追いながらぁぁぁ!俺のハートは抜けがらぁぁぁ!』

大泉「」絶句

『マジで恋した時だけぇぇぇ!どうして勇気が出ないのおぉぉ!!』

大泉「…寝覚め悪ぃな…」


※Tips…【オヤシラズノヨウニ】
作詞作曲・森崎博之。アーティスト名としては【山田太郎】と言う役名になっている。
大泉がタイトルだけをミュージシャン志望役だった森崎に伝え、そこから作られた曲。
ファン内外に音痴で知られている森崎だが、曲を作る事は出来るので音感自体がないわけではないようだ。
のちにセルフカバーアルバムにて音尾がカバー。原曲もギター2本での弾き語りだが、こちらはよりしっとりした曲調。


大泉「………なんでこれ流してんのよ………」ふわぁ

『抜けー!抜けー!親知らずーっ!!』

大泉「もういいっちゅうの!止めろよ!!」


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食堂






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十神「………」いらいら

苗木「あれ?十神クンが食堂にいるなんて珍し…」

十神「あんな不快な音楽に目を覚ませられてな、さすがの俺も苛立ちを隠せない」

大泉(おぉ、十神がキレてるぞモノクマ。……いやモリは悪くねぇからな)


※Tips
何度も言うが、NACSリーダー・森崎は音痴。【リアルジャイアン】と言う異名からお察しください。
歌も音痴、しかも運動音痴でカナヅチ(、そしてハゲを気にしている)。
更に天然ボケ。NACSの代表作でもある【LOOSER】なんか本来スペルミスだし。(正しくは【LOSER】)
弱点だらけじゃないか、リーダー。北海道に封印しておこう(使命感)。

427: 2014/06/11(水) 01:10:22.20 ID:/vMwS3eEo
大泉「ま、十神君が食堂に来たって事をいい事だと捉える事にしよう…ね」

苗木「………そう、ですか?」

大泉「そうさ。彼が自ずと食堂に来たんだぜ?十神君のファインプレーだよ」

苗木(何故だろう、その響きに寒気がする)

十神「だからどうした?俺は別にお前らと馴れ合う気は無い、と言ったはずだが」

大泉「連れないね十神君?知り合いだが友達じゃない、ってかい?」


※Tips
大泉が作詞作曲した【what's 真池龍?】より。
安田制作のドラマに登場した大泉のキャラ、【真池 龍(まいけ・りゅう)】のイメージソング。
該当の歌詞は「安原バカ、知り合いだが友達じゃない」。ちなみに安原は安田の役名。


十神「………黙れ」ふいっ

大泉「なんだいもう…」

十神「話しかけるな。所詮お前も2流タレントなのだからな、大泉」

大泉「ふぅん?」

苗木「十神クン、そんな言い方って」

大泉「いやぁ?いいよぉ?僕ぁよく言われてたからねぇ、あの人に」


大泉(…カメラの前でだけども、藤村さんにな。……さて、その藤村さんは元気なのか?ま、氏んではないと思うけどな)

大泉(…何してんだろうな)

428: 2014/06/11(水) 01:11:11.96 ID:/vMwS3eEo
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自由時間






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◆8日目、昼
◆プール


大泉(………俺は今、海パン一丁でこのプールサイドに立っている)

大泉(朝から昼の間に何があったのか…どうしてこうなったのか、簡単に話すと---)


朝日奈「さくらちゃんが今日は調子悪いって言ってて、ひとりでトレーニングしたいからってさ」

朝日奈「…だから暇そうな大泉がいてくれて助かったよ!」

大泉(うん、説明ゼリフをありがとう朝日奈さん)

大泉(しかし意外だねぇ。この子が俺に声かけてくれるなんて思ってもなかったよぉ?僕ぁ)

大泉(てっきり嫌われてるんじゃねぇかと思って………ってちょっと待て)

大泉「暇じゃねぇわ。あと呼び捨てやめような、大泉さん。オーケー?」

朝日奈「大泉!」

大泉「」かちっ

朝日奈「あ!そう言えばさ、大泉は劇団?…なんだっけ?」

大泉「………ぁあ、【TEAM NACS】…大学ん時の友達とやってんだ」

朝日奈「やっぱり、劇団でお仕事したいなって思ってそうなったの?」

大泉「ん?んー、俺の場合は気付いたらそうなってたところも大きいし」

大泉「まぁ俺も楽しかったから、芝居がね。君が体動かすのが楽しいみたいに」

朝日奈「んー、お芝居が楽しい気持ちは、私にはよく分かんないかも…」

大泉「はは、まぁそうかもしれんないねぇ。やろうと思わないとやらないもんだから」

朝日奈「そうなの?」

429: 2014/06/11(水) 01:11:43.71 ID:/vMwS3eEo
大泉「まあねぇ。演劇ってのぁ…ほら、行こうとしないと見ないもんだろ?そこでしか見れないんだから」

朝日奈「ん……、ドラマ見るのとか映画見るのとは違うって事?」

大泉「概ねそんなとこだね。その場でしか生まれないもん、その空気感っちゅうのが舞台の面白ささ」

朝日奈「早いから結果が出るとか、強いから必ず勝つのとは違うって事なのかな」

大泉「かもね。その時その時で必ず違うものになる。それが演劇で、それが俺の好きなもんだ」

朝日奈「へぇ、大泉にもそう言うのあるんだね!意外かも!」

大泉「…え?何がよ」

朝日奈「ほら、大泉って普段は力ない顔してるじゃん?」

大泉「はぁ?つくづく君はナチュラルに失礼だな」

朝日奈「なんにも面白くないって思ってるのかと思って!」

大泉「………な事ぁないよ」ふっ

朝日奈「その割には元気ないよ?」

大泉「………」

大泉(この子はあれだね、末恐ろしいよ)

大泉「いや、君はほんとに無礼だねぇ」

大泉(女のカンってヤツか?俺が地味に最初のDVDの事引っ張ってんのバレたか)

大泉(…それとも…別な事か?)

430: 2014/06/11(水) 01:13:02.45 ID:/vMwS3eEo
朝日奈「大泉さ、モノクマに会う前と会った後で顔つき全然違うの、気付いてなかった?」

大泉(おや?これは…どっちだ?分かってて言ってんならさぶいぼ立つけども)

大泉(でも、案外鋭いのかね?朝日奈さん。アスリートって人を見る目あるんだな)

大泉「……え、そんな違った?」

朝日奈「もう全然違うよ!すっごい怒ってたから、大泉…」

大泉(そっか、そんなに俺ぁモノクマにやーな顔してたかい。滲み出たな、感情が)

朝日奈「それに…舞園ちゃんを止めた次の日、だっけ。舞園ちゃんが土下座するの止めなかったし」

朝日奈「それ見ながらちょっと笑ってたのは安心したけど!」

大泉「君は…思ったより僕をよく見てるんだねぇ」

朝日奈「もうっ、大泉こそ失礼だよっ!」

大泉「ああ、ごめんね…」

朝日奈「………」

大泉「………」

朝日奈「………」むーん

大泉「………」

大泉(……何よこの沈黙!気まずいしょや!?)

朝日奈「……知ってる?」

朝日奈「『演じている人は、全てかっこよくなければいけない』…鈴木一郎の名言なんだけど」

大泉「……そうなんだ」

朝日奈「………ねぇ大泉」

大泉「…何よ」

431: 2014/06/11(水) 01:13:51.02 ID:/vMwS3eEo
朝日奈「大泉のかっこいいって、強がるのとは違うと思うんだよね」

大泉「………」

朝日奈「だからさ、もうちょっと素直になってくれてもいいんじゃない?」

大泉「俺ぁ別に無理してもねぇし、嘘もついてねぇって!」

朝日奈「それは違うね!」

大泉「…はぁ!?」

朝日奈「大泉はきっと思ってるよね?自分が大人だから、自分が…高校生を、子供を守んなきゃって」

朝日奈「だから自分が何かしなくちゃ、なんとかしなくちゃって、ちょっとだけでも…思ってるよね」

朝日奈「隙を見せないようにしてるって言うか……」

朝日奈「………私達がバラバラにならないように気を使ってるよ」

大泉「………!!」

朝日奈「そんな心配しなくたって大丈夫だよ?私達…一応【超高校級】って、【人類の希望】って呼ばれてるから」

朝日奈「十神はあれだけど、みんなちゃんと団結出来るって!きっとちゃんと外に出れるから!」

朝日奈「モノクマの頃し合いがどうのなんて、誰も絶対信じない!誰も人を殺さないって!だから」

朝日奈「だから…ちょっとでいいからさ」

大泉「………」

朝日奈「素直になりなよ!」


大泉(……………)

大泉(……俺は……そんな必氏になってるように、見えてたのか?)

大泉(……それにしても…素直になりなよ、か………くくっ………)


大泉「………ハハッ」

朝日奈「」?

大泉「…はは……アッハッハッハッハ!こいつぁ一本取られたぞぉ!まさか朝日奈さんに見抜かれるとは!」

大泉「君はもっと鈍感な人だと思ってたけど、そこは改めにゃならんようだ!」

朝日奈「えっ…私、そう言うのに疎いと思われてた!?」

大泉「ぁあそうさ、君は他人は気にしないタイプなのかとね」

432: 2014/06/11(水) 01:15:40.39 ID:/vMwS3eEo
朝日奈「ううん、これは…この生活は、モノクマと戦う団体競技だから」

朝日奈「だから負けられないじゃん!」

大泉「………なるほど、そう言う発想もあんのか。ますますすげぇな、朝日奈さん」

朝日奈「大泉!」

大泉「おう何だい!朝日奈さん!」

朝日奈「その、朝日奈って呼び捨てでいいよ…なんか、さん付けって壁感じるし」

大泉「」!

大泉「…ふふっ、そう君が言うんならそうするぜ?朝日奈ぁ、おい」

朝日奈「大泉!」

大泉「朝日奈ぁ!」


朝日奈「25m往復100回泳ぐよ!」


大泉「おぉし任せて……」


大泉「………」


大泉「………はい?」

朝日奈「え?泳がないの?」

大泉「いや、えーと?」

朝日奈「泳げば大泉の悩みなんて吹っ飛ぶって!ほら、ほら!」ぐいぐい

大泉「ちょ、引っ張んなや!一回でいいから大泉さんって呼べ、な!」

朝日奈「大泉!」

大泉「」カチッ

朝日奈「ほら!道産子って泳ぐの好きなんじゃないの!?」

大泉「待て待て待て待て!俺そんなに泳ぐの好きじゃn」


どっぱぁぁぁぁぁん


朝日奈「っははははは!!」



大泉(………こうして俺は朝日奈さんに散々な目に遭わされた。氏ぬかと思った。なまら怖かったわ)

大泉(マジでやりかねん言い方だったからなぁ、あれ。ほんとに泳がされなくてよかった)

大泉(おかげさまで俺は軽く朝日奈がトラウマで、軽々しく呼び捨て出来ない心境です)

大泉(…でも、久しぶりに楽しかった)

大泉(おっOいでかかったし)

大泉(しっかし、まさか朝日奈さんに逆に気を使わせてたとは。俺も少しは立ち位置を考えにゃならんか?いや、女の子って怖いねェ)

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433: 2014/06/11(水) 01:17:15.55 ID:/vMwS3eEo
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疲れた






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◆夜時間になる少し前
◆脱衣所


大泉「…今日は氏ぬかと思った」


大泉(腹がプールの水でパンパンだ…いや、比喩じゃなくマジで)

大泉(本気で溺れるかと思ったぞ。海沿いの露天風呂入った時の比じゃねぇって)


※Tips…【海沿いの露天風呂】
函館市に実在する無料温泉・【水無海浜温泉】の事。函館駅からバスで約2時間程の場所。
以前大泉が【闘痔の旅】で訪れた時は海水がバンバン湯船に入っていたが、2004年に改修された。
源泉が足元から湧き出ており、海水と混じり合って適温になる。源泉は最高65度ほど。
なおフナムシが生息している。虫が嫌いな人は気をつけたし。


大泉「…はぁ…」とぼとぼ

がらら




大泉「!」←タオルで股間隠してる

葉隠「!」←湯船の中




ーーーーーーーーーーーーーーー






先客






ーーーーーーーーーーーーーーー


大泉「お、おう…」

葉隠「……よぉ」

434: 2014/06/11(水) 01:17:44.10 ID:/vMwS3eEo
大泉(うおぉっ!?キャラ被りの葉隠君じゃあねぇか!…っつーかよく考えたらまともに会話してねぇな)

葉隠(っ、大泉っち!?おおい、何だべ何だべ?今日の俺のラッキースポットは大浴場なんじゃあ…)

大泉(そもそもこいつ何なのよ、なしてここまでキャラ被ってんだ?まだ上杉だってここまで狙って来てねぇぞ?)

葉隠(あれ…言っちまった方がいいのか?…けどけど3割だぞ?3割事実だってのに、これ言っちまっていいんか?)

大泉(そもそもなんだこいつなんで俺より先に大浴場いんのよ)

葉隠(つーかこんな喋りにくいのになーんで大浴場来るかなぁ)


ーーーーーーーーーーーーーーー






気まずい






ーーーーーーーーーーーーーーー


大泉「………なんだい、妙なところで会うなぁ葉隠くぅん」

葉隠「!…お、おう、そうだな。これも天の思し召しだべ」

大泉「話が壮大すぎんだろ」

葉隠「ああ、いやー…ははは」

大泉「………」

葉隠「………」

435: 2014/06/11(水) 01:18:53.35 ID:/vMwS3eEo

大泉(…ちょっとスキンシップ持ってみるか…)


大泉「……葉隠」

葉隠「…な、なんだべ?」



大泉「ベールベルベル」

葉隠「…ベル食品」

大泉「白いタイツの」

葉隠「もん太君」

大泉「奥さん?」

葉隠「お絵描きですよ」

大泉「料理は」

葉隠「星澤先生だろ?」

大泉「エンプロって何の略?」

葉隠「どっち?ふたつあんだろ」

大泉「んじゃあどっちも」

葉隠「遠藤雷太プロデュース…劇団だろ?あとテレビの、吉本芸人出てるやつ」

大泉「焼酎は何割が好きだい?」

葉隠「番茶割だな」

大泉「………」

葉隠「あ、ホットで」

大泉「………」

葉隠「………」

大泉「………おい」

葉隠「………はい」

大泉「やっぱおめぇ道民だろ」

葉隠「………チガイマス」

大泉「おめぇふざけんなよ!?」


※Tips
全く分からなくても今後の生活に支障はないので大丈夫です。


葉隠「いやこれはそのマジで違うんだべ!マジで!!」

大泉「知らねぇよ違うか違わないかなんてよぉ!」

葉隠「あぁぁもう!何だべ、なんだべ!そもそも俺はオメーより【ブギウギ専務】派だっての!」

大泉「それも知るかよ!ってぇか、おめぇ確実に道民じゃねぇかよぉ!」


※Tips…【ブギウギ専務】
STVにて水曜深夜に放送されていた番組。元は【わくちん】と言う深夜番組枠のひとつ。
【上杉ポンプ商会】と言う架空のプロモート会社の専務と秘書が、道内の色んなものを宣伝するバラエティ。
…だったが、中期から後期にかけては体を張った企画が増えた。現在は【ブギウギ奥の細道】がDVDで発売中。
ネット局であるテレビ埼玉に厚遇されており、昼間放送となった回は深夜風にテロップのアレンジし直して放送された。
さらには北海道内に先駆けて最終回SPを流してしまった。なお現在は【ブギウギ専務ビギンズ】が放送中。
なお【ブギウギ専務】は、バンド【THE TON-UP MOTORS】の【上杉 周大】の愛称でもある。

436: 2014/06/11(水) 01:21:12.16 ID:/vMwS3eEo
葉隠「ああもう!それは!…今はいいだろ…」

葉隠「………っ」

大泉「おやぁ?葉隠くぅん、いきなり押し黙ってなんだってんだい」

葉隠「………」ぶくぶく

大泉「………?」←イスに腰掛けた

葉隠「………なぁ大泉っち」

大泉「なんだ、いきなり真顔になって」

葉隠「…もしも、もしもだぞ?未来を見る事が出来たらどうする?」

大泉「……は?」

葉隠「しかもそれは、自分が見たくもねぇもんだったり、その…自分でも選べねぇような未来だ」

大泉「おめぇは突然何を……」

大泉(………あれ?そういやぁこいつ【超高校級の占い師】だったっけか。占ったってのか?未来を?)

大泉(俺、占い師にゃさほどいい思い出がないんだけどなぁ……)

葉隠「俺な、大泉っち。俺…」

大泉「あぁ、なんだい?」

葉隠「………俺の占い………、インスピレーション占いって3割当たるんだよ」

大泉「ん?インスピレーション、って直感ってやつ…?」

葉隠「勘って言うとだせぇけど…でも、まぁ…そうだな。どんな事でも、正確に。」

大泉「いや、でもそれが3割なんだろ?3割の確立?……って……!?」


大泉(3割?3割?!おいおいおい、わりと当たるじゃねぇか!)

大泉(…っても、にわかには信じられんけどな。でもそれが本当なら……こいつ……)


葉隠「すげーべ?」

大泉「まぁ、ほんとならね」

葉隠「マジだべ、本気だべ」

大泉「………それに苦しめられて来たとでも言わんばかりじゃあないか、葉隠君」


大泉(仮に、それが事実ならこいつは…随分辛かったろうなと思う)

大泉(全部が全部見通せないとしても、僅かにでも当たってしまう可能性ってのを否定出来ない)

大泉(自分が望むにせよ望まないにせよ見えるってのぁ大変だねぇ)

大泉(…ま、正確にどんな感じかわかんないから何とも言えねーけども…常人なら発狂してるかもしれんな)


437: 2014/06/11(水) 01:23:34.61 ID:/vMwS3eEo
葉隠「…あー、この際だから言っちまおう!うん!」

大泉「何だい葉隠君、俺の未来が見えたとでも?」

葉隠「オメーは………近いうちに、オーガに殺されるべ」

大泉「………おいおい、こりゃあまた…冗談きついぜ……」

葉隠「俺の占いは3割当たるっ!」びしっ

大泉「……随分面白い話をするじゃあねぇかよぉ、葉隠ぇ!」

葉隠「いや実際笑えねーべ。だって3割当たるんだぞ?」

大泉「でも、7割は生きられるよな?えーと、オーガってのぁ…」

葉隠「オメー正気か?あと、オーガは大神っちのあだ名な」

大泉「当たり前だろ?僕が何回6分の1に挑んだと思ってんだい」

葉隠「んでそのうち何回負けたんで?」

大泉「負けた事聞くなよバーカ」

葉隠「…とにかく3割、オメーは間違いなく3割の確率で氏ぬ。俺は…」

大泉「氏んで欲しくねぇとか言うんだろ、キャラ付けのために」

葉隠「ちげぇよ!」

大泉「ま、俺はただでは氏なねって。おめぇのその不安は絶対ぶっ潰してやるよ」

葉隠「…あのなぁ、何を根拠に…」

大泉「俺が氏んだら子猫ちゃんが泣いちまうだろ」

大泉「運命か何か知らんけど、俺はこんなとこじゃ氏ねねーのよ」

葉隠「………?!」

大泉「おめぇの占いなんて信じてやんねぇよバカ。もっといい結果の時にだけ言いに来て?」

葉隠「……なんだよ、はは……心配して損した」ざばぁ

大泉「あれえ、もうあがるのかい?」

葉隠「逆上せそうだからな。…大泉っち、ありがとよ」

大泉「はっ、礼を言われる事ぁしてねぇぞ?ま、また明日ゆっくり話そうか」

葉隠「【大法螺】がありゃいいんだけどな」

大泉「…おやすみ」

葉隠「……ああ、おやすみ」

大泉「また明日な」

葉隠「………おう、また、明日」


がららっ
ばたん

438: 2014/06/11(水) 01:27:15.24 ID:/vMwS3eEo
大泉(……わずかな会話。けれど、俺は変に肩肘張らずに話せた気がする)

大泉(葉隠君……もうちょい真面目に喋っときゃよかったな、初めから。あいつもよく分からん)

大泉(あいつは何を背負ってんだ?もしかして3割ってのはホラか?おいおい……)

しゃああああ

大泉(………)わしゃわしゃ

大泉(しっかしどいつもこいつも…はは、恥ずかしくなっちゃうよねぇ)わしゃわしゃ

大泉(なして俺に変に気ぃ使うのよ。そらぁ俺が北海道の大スターだから仕方ねーけど)わしゃわしゃ

大泉(朝日奈も葉隠もタメ口じゃねぇかよ)じゃばばば

大泉(立ち位置が分かんなくなっちゃうよぉ。僕ぁ大人なんだから、ちっとぁ敬えと)ごしごし

大泉(つーか今日は子猫ちゃんとも喋れてねぇ!いやぁ、毎日慌ただしいねぇ)ごしごし

大泉(さすが人気者は毎日辛いよ。……しかし実際どうすっかなぁ)ごしごし

ばしゃばしゃばしゃ

大泉(……これから先、モノクマがまた何かしかけて来た時)

大泉(十神が言った通りに…もしかしたら、また誰かに殺意を持つ奴が出てくるかもしれねぇよな)

大泉(ってもな、モノクマは何する気なんだ?)

大泉(それ以上に、何の目的があってこいつらを、俺を監禁してんだ?)

ばしゃばしゃばしゃ



大泉「………はぁ」


大泉(考えても考えてもわかんねぇ)

大泉(…あー、もういいや。今日は風呂入ろう。風呂入って今日はゆっくり寝)



がららっ


石丸「後悔してからでは遅いからな!」

大和田「上等だゴルァ!」

苗木「………なんでこうなったの?ふたりとも……」

大泉「え?」

苗木「………あ、大泉さん!ふたりを止めてください!お願いします!」

大泉「………ええ?」


大泉(どうやら俺の夜はまだ、終わらないらしい)


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439: 2014/06/11(水) 01:29:11.42 ID:/vMwS3eEo
今回はここまで。解説に出張ってくる森崎回。北海道で一番危険なのは彼だと思うの。

朝日奈さんはちーたんに対しても本編で色々推察してたし、観察眼持ってるようなので大泉さんの頑張りを見抜きました。
葉隠とはあと2回くらいコミュらないといけない気がする。

463: 2014/06/15(日) 18:15:29.46 ID:YxhhzrlMO
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(ナレーション:谷口直樹)

前回!

朝日奈さんに散々プールで追い回され、疲労困憊の中お風呂に入ろうと体を洗っていた大泉。
が、しかーし!
そこに、なんと苗木君達が現れたのだった。
事態の飲み込めない大泉に対して

苗木「ふたりを止めてください!お願いします!」

とまさかのおねだり。
戸惑う大泉をよそに話はどんどん進んでいく事に…。
果たして大泉は、無事に大和田と石丸を止める事が出来るのかー?
【弾丸どうでしょう】8日目夜、その幕が今開くーっ!

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464: 2014/06/15(日) 18:16:08.20 ID:YxhhzrlMO
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遭遇






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大和田「あ"?」

石丸「おお、大泉さんではないですかッ!?」

大泉「」

大泉(俺は今呆気に取られている。そう、呆気に取られているって表現が一番しっくりくる)

大泉(例えばそう、実はこれから行う企画が、さっきまで聞いてたのとは全く違うものだったって聞いた時みたいに)

大泉(石丸と大和田ぁ?水と油がなして一緒にいんのよ。どう言う事さ、おい苗木説明しろぉ)

苗木「お、お願いします大泉さんっ!」

大泉「…え、ええと?何?なんて?」

苗木「あの、このふたりを止めて欲しいんです」

石丸「む?なぜ止める必要が?」

大和田「んだよ、苗木ィ……漢の勝負に水差してんじゃねぇ」

大泉「えええちょちょちょ、ごめん今の状況説明して?」

苗木「あ、えっと」

石丸「大泉さんッ!僕は世を乱す悪が嫌いなのですッ!」

大泉「…はぁ」

石丸「そして彼は、珍走などして他人に迷惑をかける悪そのものっ!」

石丸「どうせ根性が足りないから、自らの苛立ちを抑えきれずに他人に当たり散らしているのです!」

大和田「言うじゃあねぇか…俺に根性がねぇだと…?」

大和田「俺は負けねぇ、俺は強いんだ…根性あるって事、教えてやるよ!」

大泉「」ぽかん

苗木「…とまぁさっきからこんな調子で…」

465: 2014/06/15(日) 18:17:30.78 ID:YxhhzrlMO
大泉「うん、苗木君、こう言う時は勝手にやらせておこう」

苗木「えっ?」

大泉「いいかい?あんなもんは止めるだけ無駄だよ。どうせ誰が止めたって止めやしねぇって」

大泉(どっちも負けず嫌いなのねぇ、しかし)

石丸「…しかし、大泉さんッ!僕達は【公平なジャッジ】が欲しいのですが」

石丸「いわゆる【立会人】と言うやつですっ!」

大和田「ぁあ、【立会人】がいねぇと不正があるかもしれねぇからな」

大泉「立会人とかいてもいなくてもどっちでもいいべや…っつーか今からなにすんの?」

大和田「我慢比べっスよ」

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我慢比べ?






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大泉「…ほう?」

苗木「大和田クンの我慢強さを試したいって石丸クンが言ってて…それで…」

大和田「俺の我慢強さを見てぇなら、精々煮え湯でも持ってこいゴルァっつったんすよ」

大泉(割と頭使った返ししたね君)

大泉「しかし我慢比べったってあんた、何すんのよ?北欧走るわけでもねぇし」


※Tips…【北欧】
何度も大泉が訪れた地方。
【ヨーロッパ21カ国完全制覇】、【ヨーロッパ・リベンジ】、【ヨーロッパ20カ国完全制覇~完結編】の計3回も旅をしている。
なぜ北欧が我慢比べなのか。
それは大泉が2度目に訪れた時…【ヨーロッパ・リベンジ】で【人格崩壊】を経験したからである。
彼らがフィヨルドを見たがために移動ルートを制限され、
ノルウェーのナルヴィクからフィンランド・ロヴァニエミに移動している時の事。
スケジュールはタイト、休憩せず移動しっぱなし、雨が続き外にも出られず、走れど走れど延々続く北欧の美しき自然の景色。
そして車内でABBAのカバー曲が流れた時、大泉が突如崩壊。自分の足を叩き、狂ったようにめちゃくちゃな歌詞を歌い出した。
その後、落ち着きを取り戻すも
「わかんねぇんだもん、もう。なんかねもう、もし出来ることであれば、なんだろな、今ここでグルングルン回りたいんだなぁ!」
との発言を残している。人間は車にすし詰めにされ、休憩なしで移動すると壊れてしまうと言う例である。
(この後大泉は突然「シカ!」と叫びしりとりを強要した。藤村Dが「んが付いて負けた」と止めようとしても続けた)
ちなみにこの【ヨーロッパ・リベンジ】は最も過酷な海外ロケだったとメンバーは振り返っている。
事実、海外ロケはこの後【コスタリカ】に行くまで実に約1年半もの間行われていない。
(藤村D「『鉄道員』見てェ!」)

466: 2014/06/15(日) 18:19:02.19 ID:YxhhzrlMO
大和田「男の我慢比べっつったらアレすよ」

石丸「サウナ我慢比べ対決です!」

大泉「なしてそうなんのよ」

大和田「我慢強さを見せられそうなもんがそれ位しかねぇんで…」

大泉「…んまぁそうか、潜水対決なんてやったらどっちか氏ぬまで上がって来なそうだしな、君らは」

苗木「何に納得したんですか?!」

石丸「と言うわけなのです。ですからこれは男の勝負」

大和田「健全にサシでやってヤろうっつー事っすわ」

石丸「止めないでください!」

大泉「あ、そ。じゃああぁた達はこれからサウナ入るのね、はい頑張って頂戴」


がしっ


大泉「…へ?」

石丸「そこでです、大泉さんッ。あなたは大人だ、僕達とは立場も違う」

大和田「っつー事はほんとの意味で中立な立場で見ててくれんじゃねぇかって事ッスよ」

大泉「いやいや、俺関係ねぇべ…?ちょうどここにゃー苗木もいるし、おめぇらと一緒に来たろ」ぐぐぐ

石丸「むむっ…」

苗木(あれ?もしかしてこれボク帰れる?)

大和田「けどよぉ、こいつが俺らの邪魔しねぇとは限らねぇだろ?おい石丸」

石丸「確かに…僕達の我慢比べを止めようとしている苗木くんなら、もしかしたら中断させるかもしれないな」

大泉()

ーーーーーーーーーーーーーーー






思考停止






ーーーーーーーーーーーーーーー

大泉「くっくっくっく…wな、る、ほど、なっるっほっどぉ…そう来たかぁ…」ぐぐぐ

467: 2014/06/15(日) 18:20:08.45 ID:YxhhzrlMO
苗木(やっぱボク帰れるよね?…嬉しい反面、どんどん大泉さんと距離が増えてるような…)

大和田「んで俺ぁハンデとして服着たまま入んで、服に変なもん入ってねぇかのチェックもやってもらえねっすか」

大泉「やっぱそう言うのは苗木君の方が向いてるんじゃあないかなぁ?ほら、彼って主人公っぽいじゃない?」ぐぐぐ

苗木(えっ)

石丸「そこをなんとか!あなたは大人ですし!」

大泉「ってもなぁ…」ぐぐぐ

大和田「ムリんなったら最悪帰んのは仕方ねぇっすから!」

石丸「お願いします、大泉さんッ!一緒に来てください!」

大泉「え?なに?俺もサウナ入んの?ちょっと待て話ちげぇ」ぐぐぐ

大泉(っつーか掴まれた腕ほどこうとしてっけども全然ほどけん!力強すぎだろおめぇらよぉ!)

苗木「それじゃあ大泉さん、あとは任せt」がしっ

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!?






ーーーーーーーーーーーーーーー

苗木「」

大泉「…いやいやいやぁ、おめぇだけ逃げよったってそうはいかねぇぞぉぉ…」

苗木「え、ちょ、大泉さんっ!?」ぐぐぐ

大泉「行くならおめぇも道連れだ、苗木くぅん…」ぐぐぐ

苗木「み、道連れって言い方が怖いんですけど!?」ぐぐぐ

石丸「ならば4人で行こうではないか!はっはっは!」

大泉「だから何が面白いのよおめぇはぁ!?」

苗木「いや、いやいやいや、ボクこそサウナに入る必要ないんじゃ」

大泉「シャラーーーーップ!」


※Tips…【シャラップ】
ユーコンで大泉が、現地ガイド【ピート】に向かって吐いた暴言。
ちなみにピートはウィットに飛んだジョークをよく言っていた。


大和田「“蒸風呂(サウナ)”で“決闘(ヤ)”るぞゴルァ!!」

大泉「」___?!___

苗木「…なんか、不幸だな…」

468: 2014/06/15(日) 18:20:35.57 ID:YxhhzrlMO
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サウナ







ーーーーーーーーーーーーーーー

469: 2014/06/15(日) 18:23:03.50 ID:YxhhzrlMO
大泉「すっかり君達、準備出来ちゃってその、サウナに板付きだけれども」


※Tips…【板付き】
舞台用語。「場面が始まった時に舞台上にいる」事。


大泉(苗木も俺も、石丸と大和田に引っ張られるように来てしまった。股間だけ隠したままで)

大泉(っつーか大和田マジで服着たままじゃねぇかよぉ、絶対あれ蒸れるだろうなぁ)

石丸「止めるなよッ!苗木くんッ!」

苗木「ボクとしては帰って寝たいから止めたいんだけど」

大和田「ぁあ?」ぎろっ

苗木「…ごめんなんでもない」

大泉「負けてんじゃねぇよ苗木ぃ!」

苗木「だって大和田クンが…」

大和田「何か言ったか?」

苗木「ナンデモナイデス」

大泉「つぅかねぇ、ほんとにやるのかい?だってもうさぁ、夜時間だろ?時間見てないけどよぉ」

大泉「セレスさんも言ってたろぉ?なぁ、今日んとこは帰って寝ようぜ?明日も辛いし」

苗木「た、確かに…夜時間は出歩かないって話だったんじゃあ…」

大和田「…大泉さん、テメェで最初にそれ破っといてそりゃねぇっすよ」

大泉(あっ)

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回想





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苗木『………ねぇ、昨日の夜何があったの?』

セレス『それ以前に、夜時間中は出歩き禁止では?』

大泉『ルール守ってたっけ桑田氏んじゃうべや!かてー事言うなッ!おみまいするぞ!』

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破ってた






ーーーーーーーーーーーーーーー

大泉「」

苗木「そ、そうだ石丸クン、ルール守るのはよくないんじゃ…」

石丸「男にはルールと同じ位、負けられない戦いがあるのだよ!」

苗木「」

470: 2014/06/15(日) 18:25:26.03 ID:YxhhzrlMO
ーーーーーーーーーーーーーーー






我慢比べスタート
(ゴングの音)






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石丸「………」

大和田「………」

大泉「いやぁ、このサウナ暑いねぇ」

苗木「標準温度、って書いてありましたけど」

大泉「俺ぁサウナの標準を知らんのだけど、標準って何度位なんだろうなぁ」

苗木「………分かりません」

大泉「………そうか」

苗木「………」

大泉「………」

大和田「………」

石丸「………」

大泉「………なんか話しなさいよ」

大和田「………」

石丸「………」

大泉「………おぉい、無言か?無視か?」

石丸「黙っていてくださいッ、これは僕と大和田くんの戦いなんですッ」

大和田「んであんたと苗木は俺達を監視してくれりゃあいいんで…」

苗木「ねぇ監視っている?」

大泉「立会いがほんとに必要かね?君ぃ、これ別にいらないんじゃない?ねぇ?」

471: 2014/06/15(日) 18:28:36.22 ID:Qsxz96EhO
ーーーーーーーーーーーーーーー






10分経過






ーーーーーーーーーーーーーーー

大泉「……いい汗かいてきたぜ?もういいんじゃねぇか?」

大和田「まだまだ行けますよ、俺ぁ…」

石丸「ふ、そう来なくては張り合いがないっ!」

大泉「張り合ってどうすんだってんだ、こんな事で」

石丸「」カチッ

石丸「こんな事で、とは何事ですか!?男の勝負ですよッ!」

大泉「こんな事ったらこんな事だろぉ?意味のねぇくっだらねぇ意地の張り合いしやがってよぉ」

石丸「今回は敢えて言わせていただきますが…そうなると貴方こそどうでもいい戦いを繰り広げてるじゃありませんか!」

大泉「」カチッ

大泉「………なんだとぉ?」

苗木「大泉さん、そう熱くならずに!」

大泉「あぁたは黙って見てなさいよッ!僕ぁ自分の戦いがどうでもいいなんて言われたかねぇんだ」

石丸「サイコロを振って出た目の駅に移動し続け、最終的に北海道に帰る?馬鹿馬鹿しい!」

大泉「おぉ、言ったな?石丸このぉ、覚悟しろよぉ?ここ出たらおめぇも深夜バスで引きずり回してやるぅ」

苗木「深夜バス?」

大泉「やられるぞぉ、あれは……」

石丸「僕はそんなものには屈しない!」

大泉「屈するとか屈しないとかじゃないの!深夜バスは!」

大和田「………どんな乗り物だよ」

苗木「………」汗だく

大泉「…昔、とあるディレクターが深夜バスに乗った時は…個別の仕切りの奥でシコってた事があるらしいぜ」


※Tips
実話。ちなみに鈴井は当時気付かず、後から話を聞いて悔しがっていた。


大和田「余計どんな乗り物だよ」

石丸「しこるとは何かね…?」

大泉「………」

472: 2014/06/15(日) 18:30:24.75 ID:Qsxz96EhO
ーーーーーーーーーーーーーーー






30分経過






ーーーーーーーーーーーーーーー


大泉「いや、しかし随分暑いねぇ。汗だくだわ、俺もう」

石丸「僕も健康的な汗をかいていますよ…ふふふ」

大和田「俺ぁまだ余裕だ…」

石丸「ふへへ、僕だってまだまだぁ…!」

大泉「もう帰って寝ない?ねぇ」

苗木「………出来たらそうしてますよ」

大和田「まだ行けるよなぁ、オメェよぉ…」ぐぐぐぐぐ

苗木(大和田クンが腕を掴んで離さない件について)


ーーーーーーーーーーーーーーー






さらに30分後






ーーーーーーーーーーーーーーー


大泉「………」

苗木「………」

大和田「………」

石丸「………」



ーーーーーーーーーーーーーーー






もうすぐ2時間






ーーーーーーーーーーーーーーー

474: 2014/06/15(日) 18:32:55.87 ID:Qsxz96EhO
大和田「……」はぁはぁはぁ

石丸「う、はは……僕は……」はぁはぁ

大泉「……ふっふっふっ……」だらだら

苗木「おじいちゃん……今、そっちに行くよ……」ふらっ

大和田「俺ぁまだまだ…行けるぜ?オメェはどうだ…?」

石丸「うへへ、僕もまらまらいけるろぉ…」だらだら

大泉「………www」

苗木「大泉さん?……目が虚ろです…よぉ」

大和田「オメェもな、苗木…つうか、よく耐えたな…オメェ……」

大泉「……くっくっくっ………」


ーーーーーーーーーーーーーーー






緊急事態






ーーーーーーーーーーーーーーー


大泉「………っくっくっくwwwww」

大和田「あ?」

大泉「っはっはっはっはwwwww」膝バシバシ

苗木「おお、いずみ、さん…?」だらだら

大泉「あっはっはっはっはっwwwww」膝バシバシ

大和田「………おい、あんた…大丈夫すか…」ふらふら

大泉「ひひひひっwwwww」膝バシバシ

石丸「大泉さ…そんなに膝叩いたらぁ…血が出ますよぅ…」

大泉「フゥーッ!フゥーッ!ぬはははははwwwww」

大泉「やwwwwwすwwwwwけwwwwwんwwwww」膝バシバシ

苗木「お、大泉さん、しっかり、して…」

大泉「安田ぁー!安田ぁー!会いてえぞ安田ぁー!wwwww」膝バシバシ

大泉「っくっくっくっくっくっwwwww」

石丸「さ、サウナに長時間いるのは、危険ひゃっひゃら…」

大泉「………あ」

大泉「くぁwせdrftgyふじこlp」

苗木「え?」


どさっ


大泉「」

石丸「………大泉、さん………?」

大泉「」←白目

475: 2014/06/15(日) 18:35:08.75 ID:Qsxz96EhO
ーーーーーーーーーーーーーーー






石丸VS大和田

無効試合(審判:大泉の気絶)





ーーーーーーーーーーーーーーー

大和田「…おい、おい…大泉さん、目ぇ開けろ…」ぺちぺち

石丸「気を失った……らしい。脱水症状があるだろう…無理をさせ過ぎたな……」


※Tips…【大泉の体の丈夫さ】
割と病弱なようである。
【水曜どうでしょう】でアメリカを縦断した際に、ホテルでの食事後に突然倒れ嘔吐をした事がある。
それより前には【サイコロ】で、ヘリ移動に喜び「トップガンみたい」とはしゃぐも、ヘリに酔い着陸寸前で吐いた。
体質としては白身魚とエビの頭に対しアレルギーがあるが、本人は好物なので薬を服用して食べている。
またホコリにも弱く、特に冬場はマスクを忘れるとくしゃみが止まらなくなるとか。
酒にもとても弱く、飲みすぎると吐くようだ。【ハナタレナックス】の沖縄ロケには二日酔いで参加したほど。
よく乗り物に酔い、酒に酔い、体もそれほど強くないが、スーパーカブでウイリーしても怪我はしなかった。


苗木「……と、とりあえずサウナを出ようか……」

石丸「どこへ行こうと言うのられ?」ふらふら

大和田「部屋に運ばねぇ事にはどうもなんねぇだろ…」

苗木「そ、そっか…じゃあ…ボクも手伝」

石丸「いや、君は………もう帰って寝ていてくれ」

大和田「オメェじゃ……力も足りねぇし、大人ひとり持ち上がらなさそうだからよ」

苗木「………えっ?」

苗木(トラブルに巻き込まれるだけ巻き込まれてお役御免?なんだか、大泉さんのせいで不幸になってる気がする)

苗木「わ、わかった……」

大和田「……今日はありがとな」

苗木「うん……ま、また……明日ぁ……」ふらふら

476: 2014/06/15(日) 18:36:39.44 ID:Qsxz96EhO
ーーーーーーーーーーーーーーー






移動した






ーーーーーーーーーーーーーーー


大泉(………………)←白目

大泉(………………)←白目

大泉(………………)←白目

大泉(………)!

大泉(………?)←白目


ーーーーーーーーーーーーーーー






起きた






ーーーーーーーーーーーーーーー


◆大泉の部屋



大泉「………っ………」もそ

大泉(あれ、俺……なんでここ……ベッド……?)

大泉(服も……着て、る………)

大泉(……もしかして、俺……ぶっ倒れて……?)


石丸「……話してくれないか」

大和田「あぁ……ちっ、ここまで言ったんだしな……」


大泉(………石丸、と…大和田?……俺の事運んだのは…こいつら、か?)

大泉(ベッドに腰掛けて…何か話してる……?)

477: 2014/06/15(日) 18:37:51.67 ID:Qsxz96EhO
大和田「俺には2つ離れた兄貴がいる」

大泉(………)

大和田「俺のチームの初代総長は、兄貴だった……憧れの、な」

石丸「………」

大泉(………)

大和田「俺ぁ兄貴が好きだった。小せぇ頃からずっと、ずっと…憧れで、誇りで…」

大和田「………その兄貴の、バイクで暴走(は)しる姿が……目に焼き付いて……」

大和田「引退するっつった、最後の爆走(ラストラン)だった。それが終わったら、俺に総長(ヘッド)を任せるって」

大泉(………ラストラン………か)


※Tips
【水曜どうでしょう】のレギュラー放送最後の企画、
【原付ベトナム縦断1800キロ】は【ラストラン】と銘打たれている。


大和田「………その時に、兄貴と約束したんだ………」

大和田「チームを、絶対に守るって……」

石丸「それで君は……」

大和田「総長(ヘッド)として……どんな戦い(ケンカ)にでも負けられねぇ……俺は、強いんだ」

石丸「………」

大泉(………はぁ、それであんなに勝利にこだわって)

石丸「」涙ぶわっ

大和田「?!」

石丸「いい……いい弟だったのだな、君は……」ぶわぁぁぁ

大和田「おい何泣いてんだ」

石丸「感動したッ!僕は自分の今までの考えを改めねばならないようだ!」ぶわぁぁぁ

石丸「君は弱くなんてない、強い!充分立派に……強いじゃないかッ!」

大和田「………」ぴく

石丸「しかし!」

大和田「」←何か言いかけたが止められた

石丸「僕は兄弟がいないので、君の気持ちに賛同してやる事が出来ないのだよ」

石丸「教えてくれ大和田くん、兄弟とは……どんなものなのだろうか」

大和田「そりゃオメェ………なんつーか、あー………」

石丸「………」

大和田「その、なんつったらいいか…あー……」

石丸「………」

大和田「………」←なんか恥ずかしくなってきた

石丸「………よし、こうしよう」

大和田「な、なんだよいきなり」

石丸「大和田くん、僕と兄弟になろう」

大和田「」

大泉()

478: 2014/06/15(日) 18:38:50.77 ID:Qsxz96EhO
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翌日








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479: 2014/06/15(日) 18:41:25.49 ID:Wi57bViIO
◆9日目朝


石丸「はっはっはっはっ兄弟はっはっはっはっ」

大和田「おうなんだ兄弟ふっふっふっふっふ」

大泉「やったなぁおい兄弟ぃくっくっくっくっくっwww」


苗木(昨日夜まであんなに変な雰囲気だった石丸クンと大和田クンと大泉さんが肩車をして現れたんだが)

大泉「いやぁ、人んちでなぁに始まったかと思ったべや」

石丸「それはその、すいませんでした」

大泉「まぁいいんでねーの?おめぇら仲良くなれたんだろ?『兄弟』……っくっくっくっくっくっwww」

大和田「笑いすぎすよ」

石丸「聞いてくれ苗木くんっ、僕と大和田くんは昨晩義兄弟の誓いを交わしたのだ!」

苗木「………義兄弟の?」

石丸「ああそうだ!僕と兄弟の絆は血よりも濃く、海よりも深ァァァァいッ!!」


朝日奈(気持ち悪い)

不二咲(いいなぁ、兄弟かぁ)

腐川?(萌える)


がちゃ

葉隠「うーっす、おはようさん」

大泉「おぉおはよう葉隠くぅん。しかし君も朝は遅いのね」

セレス「個人のリズムと言うものもありますからね」

山田「そうですね!」←踏みつけられている

大泉(お前はそれでいいのか山田)

葉隠「ありゃ?みんないるかと思ったら十神っちだけおらんのな」

舞園「十神君は私達に会わないように、生活リズムをズラしているみたいです」

桑田「十神の事なんてオレにはどーーーっでもいいんだよっ!」


桑田「なぁ何で【車内でクリスマスパーティ】見せてくれねんだよ、モノクマはよぉ!」

大泉(これか……モノクマが言ってたのは。桑田が頭をかきむしっている。よっぽど面白いもんだと霧切に教え込まれたらしいな)

桑田「大泉さん、大人の権力でなんとかなんねぇっすか!?」

大泉(無茶言うなアホ)

不二咲(車の中でクリスマスパーティ?…面白そうだなぁ、今度みんなでやりたいなぁ)

大泉(しっかしいやぁ、実に平和な朝ねぇ。このまま何も起こらねーでいて欲しいんだけども)

481: 2014/06/15(日) 18:43:04.52 ID:Wi57bViIO

肩とonとon(←とぉんとぉん)


大泉「」?


くるっ


霧切「………大泉さん、ちょっと」

大泉「おう、子猫ちゃん。昨日は会えなくてごめんよ?」

霧切「いえ、あなたは大スターですから…」

舞園「大スクープです!大泉さんが女子高生に鼻の下を伸ばしていますよ!」

葉隠「男はいつもそんなもんだ!」ドンッ

大神「それはお主だけでは?」

桑田「わっかんねぇよ?男は女が好きなんだっつーの、苗木とかもそうなんじゃね?」

石丸「そうなのか?兄弟」

大和田「さぁなぁ?」

腐川?(萌えるっクシュン)

朝日奈「……なんて言うかよかったね」

腐川「っは!あ、あれ……とととと十神君は……」

葉隠「下書きの時点ではここにいたけど、それだと矛盾するから書き直したんだべ。多分だべ」

舞園「それは正解です!分かります、エスパーですから!」

大泉(下書きってなんの話よ?)

桑田「大泉さぁんっ!DVD!!」

大泉(つうかうるせぇなぁ!おい!朝から!)

霧切「場所を変えましょう?……近場でいいですから、倉庫にでも」

大泉「話すんならランドリーでゆっくり座りながらでも…」

霧切「いえ……すぐに済みます」

482: 2014/06/15(日) 18:45:37.73 ID:Wi57bViIO
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倉庫






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ぱたん


大泉「それで子猫ちゃん?……火急の件だろぉ?」

霧切「さすが察しのいい大泉さんで……そうです」

大泉「それで?」

霧切「モノクマが動くとすれば、恐らくそろそろ…今日、明日でしょう」

大泉「確かにあの訳分からんやつが、たーだ無意味に学校開放だけで終わらすとは思えんもな」

霧切「もしかしたら、以前のDVDのようなものが…私達に【動機を作るもの】が配られるかもしれません」

大泉「………子猫ちゃん」

大泉「君は言ったね?…モノクマにそそのかされる人間を出したくないって」

霧切「…ええ」

大泉「それは俺も、同意見だ。あんなやつにやいやい言われて殺人なんか起こさせてたまるかってんだよな」

霧切「馬鹿馬鹿しいけれど、実際未遂まで行っている。十神君の言う通り…些細なきっかけで殺人が起きる可能性があります」

大泉「……なぁ子猫ちゃん、頼みがあるんだ」

霧切「私で出来る事なら、何でも」

大泉「………」



(大泉が霧切に耳打ちしている)

(……監視カメラからでは音が拾えない、声が小さすぎる)

(しばらくの沈黙のあと、大泉が霧切から離れた)



霧切「………」

大泉「………無茶頼んでんのは分かってんだ。けど、君のおかげで桑田も舞園も止められた」

大泉「それは俺じゃ出来ない事だ。俺は、生徒じゃないから」

大泉「子猫ちゃん、きっと君なら……」

霧切「………それだけで、いいんですか?」

大泉「え?」

483: 2014/06/15(日) 18:47:17.98 ID:Wi57bViIO
霧切「いえ、私がする事は……そんな、たったひとつで」

大泉「むしろ俺としては、ひとつ頼むのだって申し訳ねぇ位だからな」

霧切「…分かりました」

大泉「世話焼いてもらっちゃってごめんね」

霧切「いいえ。そんな事でよければ私がします。あなたは殺意を止められる人だから」

大泉「な事ぁねぇよ、買いかぶりすぎさ」

霧切「そうかもしれなくても………そうだとしても、私はあなたを信じます」

霧切(………きっと彼が、私と【大切なもの】を繋ぐ鍵だから)

霧切「だから、大泉さん……ひとりで無茶しないで。私が出来る事なら、私に言ってください」

大泉「子猫ちゃん…」

霧切「私でよければ…信じてください、寄り添って背中を…預けてください」

霧切「………立ち続ける事は、苦しいから」

大泉「………【CHAIR】………」


※Tips…【CHAIR~立ち続けることは苦しいから~】
作:森崎博之。【北海学園大学】の第41回定期公演として書かれたもの。
正確にNACSの舞台としてはカウントされていないが、ここが彼らのスタートだった事はまず間違いない。
森崎の作品は【Rシリーズ】とも呼ばれ、その題は必ず【R】で終わるのだが、そのきっかけは【CHAIR】である。
またサブタイトルに【続ける】【続けた】のいずれかが必ず入るのも、ここからの流れ。
NACS作品として本格的にカウントされるのは、【解散公演】と銘打たれた【LETTER~変わり続けるベクトルの障壁~】から。


大泉「………ははっ、そんな言い方されちゃあ、仕方ねぇな」

霧切「私は………」

霧切「………」

大泉「…子猫ちゃん?」

霧切「………私があなたを信じるように、あなたにも、私を信じて欲しいから……」

霧切「………ひとつ、言わなければいけない事があります」

大泉「なんだい?」


霧切「私は………この学園に来る前までの」

霧切「………【自分の記憶】を失っています」


大泉(それは突然の告白だった)

大泉(霧切ちゃんが、子猫ちゃんが記憶喪失……)

大泉(もしもここに俺が、いや、大人がいなかったら、彼女だって折れていたんじゃないかと、不安になった)

大泉(彼女が背中を預けられる場所は、あるんだろうか)

大泉(まだ、モノクマからの呼び出しはない)

498: 2014/06/19(木) 01:47:25.79 ID:a6D0W41xo
投下出来たら明日する予告

501: 2014/06/19(木) 02:39:04.82 ID:a6D0W41xo
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(※原作イベント)

腐川「き、来てくれない…かしら」

苗木「え?…どこに?」

腐川「………そそ、それは…その、いいから来なさいよ……」

腐川「それとも何?あ、あた、あたしがブスだから来たくないの…?」

苗木「待ってまだなんにも」

腐川「じゃあどうしてそんなに小さいのよ!」

苗木「」ココロンパ


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その頃




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◆食堂

セレス「しかし飽き飽きしますわね」

江ノ島「………」

セレス「せめてギャンブルが認められていればいいのですが」

セレス「ポーカー、麻雀、スロット……ああ、何でもいいのですけれども」

江ノ島「………昔、そーゆーの好きな人見た事あるよ。弱いからすぐ負けてたけど」

セレス「それはご自分のご紹介ですか?目が笑っていませんわよ」

江ノ島「ちげーし。あたしがそんなのやるように見える?」

セレス「そうですわね………少なくとも、あまりそうは見えませんわ。むしろ」

江ノ島「………」

セレス「………俗世からも外れているように見えますが?」

江ノ島「………だから何?」

セレス「いえ?私が思った事を述べたまでですわよ」

江ノ島(………もしかして、この間レーション食べてるの見つかっちゃったかな)

セレス(読めませんわね、彼女)

江ノ島(今度セレスさんにも分けてあげよう)

セレス(ギャルと言うには大人しすぎる……それとも………?)

502: 2014/06/19(木) 02:42:18.62 ID:a6D0W41xo
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一方




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◆視聴覚室


桑田「だーっ!ちっくしょー、どこにもねぇっ!」

霧切「あるとしたらここにしかないのだけれど……」

桑田「つーか……なんでオメーまで探してんだよ」

霧切「だって、もしあるなら見たいじゃない……」

桑田「何回も見たんだろ」

霧切「複数回見たからいい、と言うわけではないわよ。何度でも見たい、それがどうでしょう」

桑田「……いや、知らねぇけどさ?オメーがどんだけ大泉さんに入れ込んでんのかは」

霧切「面白いのよ?早くあなたにも見せてあげたいわ」

桑田「なぁ、なんでそんなにあの人に執着してんだよ」

霧切「そう、ね………」

霧切「………【鍵】、だからよ。例えるなら」

桑田「鍵?」

霧切(きっとそれが私の、失われた過去に関係がある)


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回想




ーーーーーーーーーーーーーーー


霧切「………私は、記憶を失っています」

大泉「え?」

霧切「最初にお会いした時、違和感はありませんでしたか?」

大泉「違和感ったって………あ」

大泉(そういやぁ彼女……一人だけ、自分が何の【超高校級】なのか名乗ってなかったな)

霧切「…お察しの通り」

霧切「私は……自分の才能を忘れているんです。言わないんじゃなくて、言えない」

大泉「難儀だね。きっかけがありゃいいんだけど」

霧切「………それでも忘れていない事があって」

大泉「忘れていない事?…なんだい、そりゃあ」

霧切「………」ぎゅっ

大泉(…手袋を抱きしめて…?)

503: 2014/06/19(木) 02:43:38.50 ID:a6D0W41xo

霧切「あなたの事を好きになった事。それだけは、覚えています」


大泉「………照れるね、そう言われると」

霧切「…大切な人と私を結ぶもの…私の過去の鍵、それがあなた…そのはず…」

霧切(そしてそのために私は、この学園を訪れた。そんな……そんな気がする。直感だけど)

大泉「鍵、ねぇ?」

霧切(なぜかは分からない、けれど……そう言い切れる)

霧切(大泉さん、私にとってあなたは特別な存在)


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現在




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◆自室

大泉「」←白目

大泉「………」←白目

大泉「………」←よく見たらちょっと目が空いてる


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寝てた




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『きーんこーんかーんこーん…』

大泉「」←白目

『えー、みなさん!学園長のモノクマです』

『さぁ!楽しい楽しい呼び出しタイムでーすっ!』

『オマエラ、このボクが呼び出してんだからさっさと体育館に来ちゃいなよ』

『待ってるよー!』


ぶつっ


大泉「………」

大泉「………すごいなぁ、子猫ちゃんは」

大泉「………それとも………」

大泉「………」

大泉「………」←また寝そう

504: 2014/06/19(木) 02:44:20.66 ID:a6D0W41xo
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体育館




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苗木「みんなおんなじタイミングで体育館に来ちゃったね」

桑田「ま、いんじゃね?」

朝日奈「そうだよ!みんな一緒の方が楽しいし!」

石丸「団体行動の基本だろう?集合して全員で行動するのだ」

霧切「………そんなつもりはなかったのだけれど」

江ノ島「タイミングいいだけじゃね?」

山田「まぁあんな呼ばれ方をしたらぞろぞろ集まるでしょうしなぁ。さて、行きますぞ?」


がらっ


十神「遅かったな」

大泉「あれぇ、十神君が一番乗りかい?」

腐川「………と、がみ………君…」きゅん

大泉「シゲのくせにやるじゃねぇの」

霧切「遅刻しないシゲさんなんて優秀ね」

大泉「いやぁダメだぁ、シゲは遅刻してなんぼみたいなとこあるからな」

十神「だから誰だそれは」


※Tips…【シゲの遅刻グセ】
戸次重幸の遅刻グセは異常。
近年は仕事都合でロケに遅れて来る事もあるが、単に寝坊して飛行機に乗り遅れる事がほとんど。
リーダー森崎曰く「シゲは乗るべき飛行機に乗らない事が多々ある」。飛行機以外にも、タクシーやら何やら乗れてない。
【おにぎりあたためますか】では、高級和牛を食べるタイミングに限って寝坊で遅刻し(5時間)、食べ損ねた。
【ハナタレナックス】で遅刻した時の言い訳は「怖い夢を見て寝覚めが悪かったのでもう一度寝た」。当然怒られた。
しまいには、ドラマの収録時間には間に合っていても、入るべき現場を間違える始末である。


十神「顔も名前も知らんが、相当どうしようもない男なのだろうな」

大泉「残念ながら正解だから何も言い返せないねぇ」

セレス「そんな方が世に存在していていいのですか?」

霧切「それもシゲさんの良さよ!」

大和田「言い切ったな、霧切」

505: 2014/06/19(木) 02:46:28.39 ID:a6D0W41xo
大泉「まぁ、確かにそうだね」

石丸「社会人としてそれはいかがなものかと思われますが…」

舞園「シゲさん?…どこかの局でお会いした事があるかもしれませんね」

大泉「どうだったっけなぁ?あいつの事だし、舞園ちゃん見たら自慢しそうなもんだけど」

桑田「つーか、聞けば聞くほど残念な人なんすけど、その人」

江ノ島(ざ、残念!?)がたっ

大泉「火事に遭ったらガンダム背負って逃げるっつった男だからね、奴は」


※Tips
【ハナタレ】の雑談の一幕より。
もし家が火事になったら何を持って逃げるのか、と言う質問に対しての戸次の回答。
(当時の資料がなぜか見つからないので、記憶のみの微妙な解説で失礼)


どひゅーーーんっ


モノクマ「な事ぁどうでもいいんだよ!何勝手に雑談しちゃってんのよ!?」

大泉「お、出たなモノクマ」

葉隠「遅かったじゃねーかよ」

モノクマ「ボクの方が先にいたからね!?何自分達の方が先にいました風装ってるの!?」

モノクマ「まぁいいや……それより……」ぎろっ

大神「………っ」

江ノ島「………」

石丸「も、モノクマぁ!今度は僕たちに何をしようと言うのかね!?」

モノクマ「ふふふ、よくぞ聞いてくれました!今回も動機を提示したいと思います!」

モノクマ「オマエラが健全なコロシアイをするための、出来るための動機の提示を」

モノクマ「理由があれば殺っちゃっていいんですか?いいんですよ?あなたが望んだ事ならば」

モノクマ「ま、学校のルールをも破る事になるけどさ」

モノクマ「人間やめますか?それとも人生やめますか?うぷぷ!」

苗木「………趣味が悪いぞ、モノクマっ」

506: 2014/06/19(木) 02:47:44.52 ID:a6D0W41xo
モノクマ「そう言わないでよぉ。今回は【みんなのバラされたくない過去・秘密】を集めたんだからさ」

モノクマ「これ出して24時間後に誰も殺人を起こしてなかったら、」

不二咲「起こさなかったら…?」


モノクマ「………バラすよ、外の世界に。その、秘密を。」


大和田「……!?」

不二咲「え……!?」

苗木「は?」

山田「何…だと…?」

モノクマ「もうねぇ、でっかい車借りて大々的に宣伝しちゃうから!うっぷっぷー!!」

モノクマ「ビラとか撒いちゃうから!」

不二咲「そ、そんなぁ…」

舞園「……っ、相変わらずひどい仕打ち…ですね」

霧切「………」

大泉「………」

大泉(今回はちょっと黙ってようかな?周りの緊張感が高まった時に、俺が糸を切ってやりゃいいんだから)

モノクマ「と言うわけで16人分の秘密の書いた封筒がこちら」びらっ

モノクマ「名前が書いてある封筒を受け取ってねー!」


ばさばさばさーっ


桑田「投げんなよ!?あーあー、もう…バラバラんなってんじゃねぇか…」

十神「…ふん」ぱしっ

腐川「………っ」がたがた

葉隠「ど、どうせ大したもんは書いて……な……」

不二咲「………」

大和田「………ちっ」

セレス「ひどい怯えようですわね、みなさん?…殺されてしまいますよ?もしかしたら…」

桑田「いやいや、あんなのもう勘弁だって」

朝日奈「コロシアイの代わりにずんだ餅食べるのはあんただけだから安心して」

桑田「別にずんだ食いたいとかまだ言ってなくねぇ!?」

507: 2014/06/19(木) 02:48:27.14 ID:a6D0W41xo
モノクマ「はい、大泉クンもあるから、さっさと拾った拾った」

大泉「俺の分あんのね、今回も…」


ーーーーーーーーーーーーーーー




開封




ーーーーーーーーーーーーーーー


大泉「………」ばりっ

大泉「………どれ?どんな内容が………」ごそごそ





大泉洋は………

















未だに両親を「パパ」「ママ」と呼んでいる






大泉「」


※Tips
ほんとの事だから困る。
ちなみに父親の事は「親父」と呼ぶ事もあるらしい。


508: 2014/06/19(木) 02:50:30.92 ID:a6D0W41xo
「うわぁああぁぁ!」「きゃぁぁぁぁ!」「何だこれはぁぁぁ!」「だべぇぇぇ!!」


大泉(…悲鳴!?)

大泉(…ちっ……前回と同様か)

大泉(いや、ちょっと手ぇ込んでんな)

大泉(秘密ごときで……僕や数人にそう思わせるからこその、封筒って手段なんだろうね)

大泉(現に、俺の秘密とやらはしょっぼいぞぉ?もっとマシな事書けってんだ)


霧切「………」きっ

モノクマ「どう?バラされたくないでひょ?おっと楽しみすぎて噛んじゃった!」

セレス「モノクマさんに噛む噛まないの概念はあったのですか」

モノクマ「………余裕そうな顔されたら残念だなぁ、ボクは」

苗木「こんなの余裕に決まってる!ボク達はコロシアイなんてしないっ!」

十神「それがまず間違っているんだ、苗木」

苗木「え?」

十神「お前にとっては露ほどの事でも、他の誰かには途轍もない爆弾かもしれん…そんな事も考えつかないのか?」

不二咲「………」がたがたがた

石丸「そんな、どうしてこの事が…!」

腐川「あ、あ…っ!?」

大神「………っ」

十神「桑田と舞園の一件を忘れたわけではあるまい?」

苗木「!………、そう…だね……」

霧切「………」

大泉「……モノクマぁ、俺のだけ手ぇ抜いてない?」

モノクマ「抜いてないよぉ、ボクが探せる限り一番恥ずかしいやつだって、それ」

大泉「」カチッ

509: 2014/06/19(木) 02:54:07.05 ID:a6D0W41xo
大泉「いや、もっとなんか絶対あったろ!?俺別にバラされても困んねぇかんな、これ!」

そろっ

不二咲「………あのぉ、苗木君に……それに、それに大泉さん……」

苗木「不二咲、さん?」

大泉「っ!?」びくっ


※Tips
大泉さんはビビリです。
ちなみに前述の戸次さんもビビリ。
怖い話をされて、あまりの怖さに大泉さんを殴るほどにはビビリ。


不二咲「あ!えと、えっと…」

大泉「………はー、なまら焦った………あっちの世界の人かと思った……」

不二咲「あっちの?」


※Tips
大泉さんは【あっちの方々】、いわゆる【幽霊】【もののけの類】によく憑かれるタイプの方です。


大泉「…君はあれかい、僕の背後に回る達人の方が何か?」くるっ

苗木「えーと…不二咲さん」

不二咲「………」かたかたかた

苗木「ふ、不二咲さん、大丈夫…?」

不二咲「………あの、ね」

大泉「おう、なんだい?」

不二咲「いつか…勇気が出たら、この秘密………絶対に言うから………」

不二咲「だからそれまで…待ってて欲しいんだぁ…」

大泉「え…?」

苗木「…不二咲さん」

大泉「そんな、こんな…言わなくてもいいんだぜ?秘密なんだから、別に…」

不二咲「いえ、言いたいんです、…言わないといけないんです…」

苗木「なんでそんな勇気を振り絞って…?」


不二咲「……これをきっかけに、生まれ変わりたいんだ」


大泉(不二咲さん………?)

大和田「………ぁ?」

江ノ島「………ふぅん」

腐川「そそ、それにしても、参ったわね……」

葉隠「いやぁ……確かにこんなもんが世に出たら困るけどおぉぉお…!」

セレス「ではどなたかに手をかけますか、葉隠さん?」

葉隠「んなっ!そんな真似が俺に出来る訳ねーだろ?!」

桑田「自信満々だなオイ」

510: 2014/06/19(木) 02:56:32.72 ID:a6D0W41xo
葉隠(まずいべ、実は的中率が3割じゃなくて…4割だったとかバラされたら…これはまずいべ…)

大神(…それでもいつかは言わねばならぬだろう、我は……)

石丸(だが、ここで怯えていては何も進まない…か。秘密を打ち明ける勇気…僕にもあるのだろうか)

霧切(……とは言え、なぜか私の封筒は白紙だった。私に情報を渡したらまずい事でも?)

桑田(っつってもバレなきゃどうって事ぁねーよな…ねーよな?)


江ノ島(………そっか、分かったよ。あとはその時を待てばいいんだね)くしゃっ


大和田(………俺は………)



十神「まあ、せいぜい今度は大泉に邪魔されんように計画を立てるんだな、愚民共」すたすた

舞園「どこへ」

十神「………?」ぴた

舞園「…行くん、ですか」

十神「お前らに付き合っている暇はない、と言う事だ。殺人が起きるなら起こしておけ…」すたすた

モノクマ「ま、そう言う事!オマエラ、ちゃんとコロシアイするようにね!」


どひゅーーーーんっ


山田「いなくなりまし、た、か……それにしても……」

舞園「秘密を暴露されたくなければ、殺人を犯せ…ですか」

苗木「そんな事をする人はいないよ……ボクは信じてる」

山田「…そう、ですな。苗木誠殿が言ってくれるとなんだか安心しますなぁ」

石丸「はっはっは!そうだよ苗木くんッ、人を信じる力は強いのだ!兄弟、君もそう思うだろう!?」

大和田「………」

石丸「兄弟!……兄弟?」

霧切「……?………」

大和田「………ぁあ、そうだな………」

石丸「よかった…はっはっはっは!」

苗木「……あはは」

大和田「………」

512: 2014/06/19(木) 02:59:22.16 ID:a6D0W41xo
腐川「そ、そんな事言って…あああ、あたしがブスだから!すぐにでも頃すつもりなんでしょっ!?」

苗木「腐川さんっ!?」

腐川「あたしが、あたしがブスだって、気持ち悪いって言って…じ、自分の身の可愛さにあたしを…っ!」

大泉「誰がそんな事するかってんだい。あぁたみたいな天才小説家、殺せるわけがないじゃないの」

腐川「………え………?」

石丸「お、大泉さん、著書をご存知で?」

大泉「石丸君は聞いてなかったんだったね、僕んとこに映画化の話が来た事があって…」

腐川「な、ぁ………っ!?ああああ、あああんたなんのつもりよあたしなんかほめてぇぇぇぇ……」わなわなわな

大泉「!?」

腐川「あれね!?財産目当てね!?」

大泉「一旦落ち着こうか腐川さん?」

腐川「ぶえっくしゅぅい」

大泉「あ?」

腐川「………」ぽけー

大泉「な、なんだべ?」

朝日奈「ち、ちょっと一回大人しくしなよ!」

腐川「………」ぽけー

セレス「同意致しますわ。動機提示で動揺して、外の世界へ出て行こうとする人が出てしまうかもしれません」

大神「………深呼吸でもするのだな、お主ら一様に」

腐川「そしてそのまま空気の吸いすぎで浮き上がって、天井に挟まっちゃうのかしら」

大泉「バレーボールみたいに?」

桑田「なんの話っすか」

霧切「とりあえず今日は…ここで一旦解散しt」

腐川?「うひゃひゃひゃひゃ!大泉だ!大泉洋だ!北海道の大スターだ!ゲラゲラゲラ!」

大泉「なななな、なんだなんだいきなり?怖いしょや!?」

朝日奈「………腐川ちゃんが壊れた………」

腐川?「大泉あるところに安田あり、戸次あり、またあるところに音尾あり、森崎あり…」

腐川?「…総受けでお願いしたいところね…24か34で」

大泉「おまえはなにをいっているんだ」

※Tips
意味は各自で調べてください。

山田「ややっ!?腐川冬子殿が魔法の単語を使い始めましたぞ…拙者は意味が分かるからいいけど!拙者は意味が分かるから!」

大泉「るせぇな山田ァ!」

513: 2014/06/19(木) 03:01:16.29 ID:a6D0W41xo
朝日奈「えーと、と、とりあえず私…腐川ちゃんを部屋に運ぶよ」

大神「我も行こう」ずいっ

腐川?「ゲラゲラゲラ!」

ずるずるずる

腐川?「いやぁん!アタシに乱暴しないでぇ!(迫真)」

ずるずるずる

朝日奈「何なのもうっ!いきなりおかしくなりすぎだよ!?」

ずるずるずる………




舞園「ふ、腐川さん…突然どうされたんでしょうか…?」

桑田「…殺されるって思い込みすぎて壊れたんじゃね?」

大泉「まさか。でも……」

セレス「演技ではなさそうですわね」

大泉「………なんなんだろうなぁ、ありゃあ」

霧切「………」

大泉(いきなり色々起こりすぎなんだよ、全く)

葉隠(…俺が見た景色と、違う)

セレス(しかし大泉洋…やはり侮れませんわ。もしかしたら、彼は…)

苗木(そうだよ、誰もコロシアイなんかしない。秘密なんかで人は人を殺さない…そう信じるしかない)

大和田(くそっ、俺はどうすりゃいいんだ……このまま、俺の…【俺達の秘密】がバレちまったら……!)




大泉(そんな風にいろんなやつの思惑が絡み合いながら、みんなすぐに体育館を出て行った)

大泉(俺と子猫ちゃん……それと彼女を除いては)



ーーーーーーーーーーーーーーーー





交流





ーーーーーーーーーーーーーーー


514: 2014/06/19(木) 03:03:27.10 ID:a6D0W41xo
大泉「……しっかしモノクマの野郎、なんだって今回はこんな変なもんを……」ぴらぴら

霧切「恐らく、私達の中にいるんです。誰かを頃してでも---ひた隠しにしたい秘密を持つ人が」

大泉「…まぁ、だろうね。じゃなきゃわざわざこんな仕掛け方はしねぇだろうし」

霧切「もしかして、あなたの秘密もそう言ったものなのかしらね」ふぁさ

大泉「…まさかそんな、ねぇ?」


不二咲「………」


霧切「なぜ、残ったの?」

不二咲「その、えっと…お、大泉さんは…大泉さんなら、秘密について相談出来るかなって、思って……」

霧切「あら、私はお邪魔かしら」

不二咲「そっ、そんな事ないよ!」

大泉「しかしお悩み相談?俺、そう言うのあんま向いてないよ?いいの?」

不二咲「それでも…聞いて欲しいんです…」

大泉「本気、かい?」

不二咲「大泉さんなら、もしかしたら…アドバイスをくれると思ったから…」

不二咲「………変わりたいんです、強く…なりたいんです」

大泉「強くなりたい、か」

霧切「…そう…なら、聞くわ。私と大泉さんがね」

大泉「君もちゃっかり聞く気満々じゃあないか」

霧切「だってもしかしたら、これが何かに役立つかもしれないじゃないですか」

大泉「何に役立てんのよ?次に頃しやりそうなやつに目星付けんのかい?」

霧切「……それも出来ない事はない、ですけど」

大泉「出来るんだね子猫ちゃん」

霧切「ええ。まあ、あなたに言われた通りの事をしていたまでの事ですよ」

不二咲「あのっ」

大泉「………おっと」

不二咲「あ、その」

大泉「ごめんよ不二咲ちゃん。またせたね…さぁ、君のお悩みを聞こうか?」

不二咲「そ、それなんです、けど」

515: 2014/06/19(木) 03:04:49.00 ID:a6D0W41xo
大泉「………ん?」

不二咲「その、じ、実は……えーっと……」

不二咲「………」

大泉「うん、言ってごらん?」

不二咲「………、………っ」

大泉「…やっぱり言いにくいかい?」

不二咲「ふぇ…ご、ごめんなさい…」

大泉「謝る事ぁねぇさ。さっき君自身が、勇気が出たら言うっつってたんだから」

不二咲「………あのっ」

不二咲「……この秘密を……聞いて欲しい人が、実はもうひとりいるんです」

大泉「ほう?」

不二咲「ほんとはその人にも相談、したくて…、今まで言い出せなくって…」

不二咲「…でも、やっぱり大泉さんにもその人にも言わないといけなくって、それまでに、絶対に言う勇気を…振り絞るから…」

不二咲「………っ」

不二咲「…大泉、さん」

大泉「なんだい?」


不二咲「……今日の夜中、2階プールの更衣室の中で待っててもらえませんか…?」


大泉「………え?」

霧切「………」

不二咲「無理を言ってるのは、分かって…ます、でも…ここでやめちゃったら…ずっとこのままな気がして」

不二咲「強くなりたいんです…もう、このまま隠し事をしたままでいたくない、んです」

不二咲「それでもみんなにいきなり言うのも怖くって…変な事言ってるのは、分かってるんです」

不二咲「………お願いします、大泉さん………!」

大泉「…そのもうひとりってのは?」

不二咲「………憧れの人、です…理想の人と言うか、なんて言うか」

不二咲「その人に、もうひとつお願いを…変わるために必要な、お願いをしようと思っています」

不二咲「だからこそ、そのためにこの秘密について言っておきたくって」

不二咲「………お願いします!」ぺこっ

霧切「どうするんですか?こんな少女に深々とお辞儀させて…大泉さん」

大泉「………そう、だねぇ」

不二咲「………っ」ぷるぷる

大泉「……特別に聞いてやってもいいぜ、不二咲ちゃん。君の勇気を応援すんのも、俺の役目だからな」

不二咲「…大泉さん…!」

大泉「んで、時間は何時だって?」

不二咲「………はい!時間は………」

516: 2014/06/19(木) 03:07:31.53 ID:a6D0W41xo
大泉(引っかかった事が、いくつかあった)

大泉(気になった。その場で、彼女に問いただそうと思ったほどだったわけだ)

大泉(けれどそれを今言うのは、ここで言ってしまうのは、彼女の決意を崩してしまう事になりそうで)

大泉(………俺は、この場で言う事は出来なかった)

大泉(軽く雑談などして不二咲ちゃんとは別れ、そのあと子猫ちゃんともいくつかの言葉を交わして)

大泉(光陰矢の如しとはよく言ったもんだと俺は感服した)


大泉(気付けば、時間は9日目の夜)

大泉(そしてここから物語は一気に、ひとつの結末へと向かっていく)

大泉(俺がプール前ホールからつながる、更衣室の扉を開けたところへと進んでいく)


大泉(そう、もう後戻りは出来ない)


大泉(時間は、どうやったってもう、戻らない)


517: 2014/06/19(木) 03:08:25.65 ID:a6D0W41xo
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瞬間少年絶望オナー

非日常編


ーーーーーーーーーーーーーーー

543: 2014/06/22(日) 02:01:39.55 ID:rt9AkmiNo
◆9日目、深夜
◆校舎2階・プール前ホール


がちゃ


「ぁ?不二咲か?」

大泉「…誰かいるのかい?」

「え?」

大泉「あー、不二咲ちゃんに呼び出されてね…それで君もここに?---大和田君」

大和田「…っすよ。大泉さんももしかしてあの女に?」

大泉「ぁあそうなんだよね。君と僕ってのが、彼女はよく人選を考えたなと思うよぉ?」


大泉(正直なところ、やっぱ意外だね。大和田君と不二咲ちゃんって合わなさそうなのに)

大泉(しかし大和田君ったら、先に来てんならさっさと中に入ればいいのに)

大泉(まぁ好都合だけどさ。僕は今回も仕掛ける側なわけだし…驚く顔がこの場で見れるのは嬉しいねぇ)


大泉「なしたの?中入んないの?」

大和田「あの、俺実は」

大泉「ん?どしたの大和田君」

大和田「………これ。」

大泉(そう言って出して来たのは、彼の電子生徒手帳だった)

大泉「これがどうしたって?」

大和田「動かねぇんすよ、朝から」ぽちぽち

大泉「どれどれ?」ひょい

かちかちかち

大泉(………ん?ほんとだ、電源が入らない)

大泉(壊れた?でも壊れるような事したかねぇ、覚えてないな)

大泉(カードリーダーにかざしても…ダメだ、反応がねぇ)

大泉「…あー、なるほど。電子生徒手帳が使えないから更衣室に入れなかったのかい」ほいっ

大和田「ぶっちゃけそうなんす」

大泉「しかし困ったね。不便だし、モノクマに直してもらうか?明日には」

大和田「そっすね」

大和田「………」

大泉「…大和田君、顔色悪いぜ?今日は寝た方がいいんじゃねぇか?不二咲ちゃんには俺から」

大和田「俺ぁ大丈夫ですよ」

大泉「…そうかい?ならいいけどね……」

大泉(昼のアレが堪えてるんだろうなぁ、大和田君)

大泉「……いやしかし、更衣室で話をしたいって不二咲ちゃんは言ってたね。入れなくって大変じゃない」

大和田「むしろ大泉さんが来てくれて助かった的なとこあるっすね」

大泉「最悪待ってりゃ不二咲ちゃんと鉢合わせ出来たかもしれんけど……いつになるか分かんねぇしな」

大和田「……」

545: 2014/06/22(日) 02:04:24.49 ID:rt9AkmiNo
大泉(あれ、俺の電子生徒手帳で扉開けて、大和田と一緒に入ったら撃たれるか?いや、大丈夫だよな)

大泉(それを判定するためのカメラなんだから)

大泉(確かマシンガンが反応するのは…異性の更衣室に入ろうとしたら、だ)

大泉(………そう、そこでひとつの疑問が持ち上がる)

大泉(だけどきっと今これには触れちゃいけない気がする)

大泉(よし、大和田君にも聞かれそうだから力技で逃げますか)

大泉「とりあえずあれかい?中入って待ってようかい?」

大和田「え、でも」

大泉「どっちかが女の子だったら撃たれるかもしんねぇけど、違うだろ?」

大泉「だったら撃たれる義理はねぇはずだよ。撃ってきたらそれはモノクマのミスだぁ」

大和田「………すね」

大和田「………?」

大和田「………!」




気付いた




大和田「でも、それならどうやってあの」

大泉「まぁまぁまぁまぁまぁ」

大和田「」←口塞がれた

大泉「詳しい話は中でしようじゃない?」

大和田「……っぷ、は」

大泉「まずは座って落ち着こうじゃない。ね?不二咲ちゃんのためにもさ?」

大和田「そ、っすね……」こく

大泉(彼が頷いたのを確認して、懐から…そう、ジャージのポケットから僕の手帳を出す)

ぴっ

大泉(扉はすんなりと開いた)

大泉(……そして、そこに入った途端に大和田君の表情が変わった)

大泉(なぜなら)

大和田「……何だこりゃあ!?」



大泉(そこは既にじごkゲフンゲフン……パーティ会場となっていたからである)

546: 2014/06/22(日) 02:06:37.58 ID:rt9AkmiNo
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夕方の出来事






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霧切「大泉さん、言われた通りにしてきました」

大泉「おぉし。で、どうだった?」

霧切「不二咲さんが呼び出そうとしているのは、どうやら大和田君のようです」

大泉「………大和田君?」

霧切「随分意外そうですね」

大泉「まぁねぇ。プログラマーと暴走族って、絶対交わりそうもない組み合わせじゃない?」

霧切「実は、ふたりは男の約束…とやらを交わしていたらしいです。苗木君に聞きましたが」

大泉「なんだい、そりゃ」

霧切「大和田君は不二咲さんを怒鳴ったりしない…もう二度と泣かせたりしない、と」

霧切「それを男の約束、と言って絶対に守ると大和田君は言い切ったそうです」

大泉「僕が見てないとこでそんな事があったのね」

霧切「恐らく、不二咲さんは大泉さんと大和田君のふたりに悩み相談をするつもりなのでしょう」

大泉「なるほど。んじゃ不二咲ちゃんと大和田君にお見舞いすりゃいいんだね」

霧切「そうなると犯人は大泉さんただひとりですが」

大泉「僕の料理はたまには美味いよ、たまには」

霧切「………自覚あったんですか」

大泉「るせぇな!」

霧切「いえ、なんでも」

大泉「僕の料理ってのは料理を超えた芸術なの!みんなそれが分かってないの!」

霧切「……はい」

大泉「しかしあれだね、不二咲ちゃんにバレないようにしないとね。更衣室ったもな」

大泉「パーティやりたいんだったね。今から準備して間に合うかなぁ」

548: 2014/06/22(日) 02:09:22.08 ID:rt9AkmiNo
霧切「ところで、これはなんの準備ですか?」

大泉「君は僕の手つきが見えてないのかな?」

霧切「熱心に何かを湯がいている事だけはかろうじて分かります」

大泉「ひでぇなおい!僕ぁ料理してんの!料理!!」

霧切「どうしてまた……パーティに料理が絶対必要なわけではないですよね」

大泉「いやね、夜中じゃない。なんにもなかったらお腹空いちゃうでしょ?」

霧切「………はぁ」

大泉「それでね、あのふたりのための料理を仕込んでいるんだ」


ぐつぐつ


霧切(…こ、これは……まさか、伝説のドームパスタ!?)


※Tips…【ドーム型パスタ】
【アラスカ半島620マイル】より、伝説の料理。シェフ大泉の初登場でもある。
この企画はキャンピングカーを用いて北極圏に突入し、アラスカでオーロラを見る事を目的としていた。
その車中、料理係に任命された大泉は自らを【シェフ大泉】と名乗り、毎回お品書きを出して料理した。
1品作るのに45分以上かかるため、フルコースを20時に作り始めてメインが23時なんて事はザラである。
そんな中大泉が作ったメインディッシュがこれ。(自称)オーロラソースを作っている間に茹でてたら、ふやけた。
なぜか茹でる前よりも量が増えてしまい、ソースを絡めるためにフライパンに乗せたら全く絡まなかった。


大泉「これを準備して…」

霧切「ダメよ大泉さん!私も手伝います!」

大泉「ん?なんでだい?」

霧切「あなたが殺人犯としてモノクマに裁かれるなんて、私は我慢出来ない!!」

大泉「」!?

霧切「こほん…それはさておいても、そもそも大前提としてなんで料理を?」

大泉「………子猫ちゃんには教えてやんないよ」

霧切「意地悪しないでください」

大泉「どっちがよ!なんか冷たいよ、今日は君はぁ!」

大泉(………でもまぁ、なんかに使えたらいいな位の気持ちはあるかもしれないね)

549: 2014/06/22(日) 02:10:38.14 ID:rt9AkmiNo
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そして現在






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大和田「………」唖然

大泉「いやね?不二咲ちゃんが待ってろっつったじゃない?」

大和田「………」なにあれ…

大泉「で、彼女パーティしたい!って言ってたらしいからね、料理を作りましたぁ」

大泉「僕特製のパスタだよお。どうだい?オーロラソースは子猫ちゃんに止められたんで辞めたんだけどさ」

大和田「………」え?パスタ…?

大和田「………」皿からはみ出てる…

大泉「大和田君は食べ盛りだから量が足りないかもしれないでしょ」

大和田「………」充分だろ…

大泉「でも大丈夫っ!」

大泉「子猫ちゃんが急かすんでメインしか作れなかったけど…残りはほら、これから作るから」

大和田「………、………え?」←我に返った

大泉「簡易的なキッチンを作ってもらったんだよ、ここに」

大和田(カセットコンロとフライパン、それにいくつかの調理器具がある。包丁はあぶねぇからねぇのか)

大泉「不二咲ちゃんを待ちながら仕込んで行くよぉ」

大和田「………あ、えーと、つまり……」

大泉「作るよ?料理」

ーーーーーーーーーーーーーーー






作る






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大和田「……!?」

大泉「まぁいいじゃない?不二咲ちゃんのリクエストだもの」

大和田「で…い、今から!?」

550: 2014/06/22(日) 02:12:12.50 ID:rt9AkmiNo
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今から




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大泉「巻きで作るから巻きでさ」


※Tips…【巻き】
業界用語。「予定よりも早い事」や「早くする事」を指す。
語源は「ぜんまいのネジを巻く」事から…らしい。


大和田「いや、で、でも」

大泉「まあまあまあまあ座って座って!椅子も机も教室のやつだけどさ」がらがら

大和田「………はぁ………?」

大泉「何かを待つってのも退屈じゃない。ある意味メインディッシュは不二咲ちゃんなんだからさぁ」

大泉「不二咲ちゃんを待つ間にも、僕はどんどんおみまいしてくからね?大和田君」

大和田「え、お、おみまいってあんた」

大泉「まずはお水が用意してありますからねぇ?ほら、ボトルの中にレモンの輪切りを入れてあるんだよ」

大泉「よくスープカレーのお店なんかに置いてあるでしょ?あれ作ってみました」どんっ

大和田「…なんか嫌な予感が…」

大泉「まさか!水がまずいなんて言わねぇよなぁ」とくとくとく

大和田(………いや、ありうるぞ…カレーがあんだけ不味くなるんだから)

大泉「だからさぁ大和田くぅん?」

大和田「……!?」

だんっ

大泉「まずは水からおみまいされてけよぉ」


大泉(そう、これでいい…これでいいんだ)

大泉(子猫ちゃんが言うには、大和田君は焦燥している。それがなんのきっかけで爆発するか分からない)

大泉(いや確かに言ってたけど……よく分かんねぇな。約束するような奴が、わざわざ不二咲ちゃんに手ぇ出すか?)

大泉(けれど、子猫ちゃんにはこうも言ってある)

大泉(「生徒の視点で、一番モノクマにそそのかされて事件を起こしそうな生徒に目星をつけてくれ」と)

大泉(子猫ちゃんが生徒だからこそ頼める仕事だ。二言もなく受けてくれたのがありがたい)

大泉(そしてその彼女が、あまり他人と交わらない彼女が、聞き込みまでして目星をつけた大和田君だ)

大泉(……信じよう)

大泉(僕は頭がいいわけじゃあないし、誰かを力で止められる程腕っ節が強いわけでもない)

大泉(………だから)

大泉(俺はそれをかき消す役目になればいい)

大泉(氏ぬ前なら取り返しなんて、いくらでもつく)

大泉(そうだろ?俺達は、煽られたって誰かを頃しちゃなんねぇんだ)

大泉(だって俺達は、モノクマを倒すって言う同じ目的を持った仲間じゃないか)

551: 2014/06/22(日) 02:12:58.99 ID:rt9AkmiNo
ーーーーーーーーーーーーーーー









ーーーーーーーーーーーーーーー

大和田「……」←氏を覚悟した

大泉「ほら、水がまずいなんて絶対ありえねぇから。ね?」

大和田「い、いただきます」

ごくっ

大泉「どうだい?」

大和田「」ぶほっ

大泉「ん?」にっこり

大和田「……っ?!げほっ、げほっ…!?」

大和田(なん、だ?なんだよ今の衝撃…殴られたみてぇだった)

大和田(すっぱいだけかと思ったけどなんかそれだけじゃねぇぞなんだこれこいつなんか入れたな)

大和田(目がチカチカする)

大和田(水……だろ……?)

大泉「どう?美味しいよね?」

大和田「ぶはっ、が、ふっ」

大泉「………大和田君があまりの嬉しさに胸が詰まってるみたいだけども」

大和田(ちげぇよ!!)

大泉「メインディッシュ食べちゃっていいのよ?」

大和田「ぶっ……ってぇか何すか、このパスタ……」

大泉「エビチリパスタ」

大和田「………は?」

大泉「エビチリパスタ」

大和田「……エビチリ、パスタ?」

552: 2014/06/22(日) 02:14:03.77 ID:rt9AkmiNo
大泉「セイコーマートにあるからいけるかなぁと思ってねぇ、やってみたよぉ」


※Tips…【セイコーマート】
本社を北海道札幌市に置く、コンビニチェーン。コンビニ業界では最古参の部類に当たる。
ジャガイモ・ニンジンのような野菜もそうだが、バラ肉・鳥肉、時にラム肉がパック販売されている。
(セイコーマートで肉買うのが当たり前だった筆者は、他のコンビニに肉のパックがなくて絶望した事がある)
また、全国のコンビニとしては史上初となる、正式なポイントカード制度を取り入れたのもセイコーマート。


大泉「僕ね、昔っからエビチリ作るの得意だから。うん、だからエビチリをパスタに乗せたんだよね」

大和田「」!?

大泉「美味しいもんに美味しいもん乗っけてんだから美味しいぜ?」

大和田(………)ぐにゅー

大和田(既に麺がもちもちしてる)

大和田(食う気が起きねぇ……!!)

大泉「ほら、遠慮しないでほらぁ。食えよぉ」

大和田(断ったらヤバいんだろうな)

大泉「僕が食わしてやろうか?」

大和田「………は?」

大泉「口を開けてご覧?僕がそのパスタをよそって食べさせてあげるからさ」

大和田「分かりました、自分で食べます」

大和田(さすがに大人殴るのはまずい…しな、こいつが強ぇか弱ぇか分かんねぇし…)

大和田(いやでも、食うか…?とは言え食わずに過ごす事なんて出来なさそうだしな)

大和田(………ここは覚悟決めるか。きっと危険なのはこのパスタだけだろうし)

大泉「よろしい。じゃ僕は次の料理を作り始めるから」

大和田「え」

553: 2014/06/22(日) 02:16:23.18 ID:rt9AkmiNo
大泉「うん、次はスープかな?…何してるの大和田くぅん、食べな?」

大和田「………」くちゃ

大泉「あ、全部食べちゃいそうかい?大丈夫、不二咲ちゃんの分は別にあるから」

大和田「いや、そこじゃねんすけど…」

大和田(あんのかよ!?不二咲にこんなもん食わせらんねぇ…余計に俺が食わねぇと……!)

大泉「何を躊躇ってんの?僕が作った料理なんだから食べられないわけがないでしょ?」

大泉「ただちょっとさぁ、あれだよ……料理って概念を覆しすぎて目の前がチカチカするだけだよ……」

大和田「食いたくねぇよそんなもん!」

大泉「………ほう?食いたくない?」


大泉「逃げるんだね?大和田君」


大和田「…なに?」

大泉「君は強い男なんだろう?総長としてどんな戦いからも逃げないんだろう?」

大泉「そんな男が僕の料理から、何より不二咲ちゃんからの呼び出しから逃げてもいいのかなぁ?」

大泉「僕ごときの料理から逃げるような人が暴走族の頭ってどうなのかな?」

大和田「」かちっ

大和田「………分かった、分かったぜ……そこまで言うんなら食ってやるよ!」

大和田「売られた喧嘩は全部買う……っ!」

大和田「男・大和田見してやるぜ!おののけよ大泉さん!」

ずるずるもぐっ

大和田「俺は強い俺は強い俺は強い俺は強---」もごもご


びりっ


大和田「ぶぐっ」

大泉「美味いよね?」

大和田(辛い辛いからいカライ!?何だこのエビチリっ、ぐっ…しかもパスタはふっにゃふにゃだし)

大和田(なんだろう、餅に似た食感?麺なのに餅?餅?!おかしくねぇか!?)

大和田(かと言って男として!一回食ったもんを出すわけにはいかねぇ!そんな弱い自分を出したくねぇ!)

大和田(………だけ、ど………)

大和田「~~~!?」じたじたじた

大泉「あぁー、そんな気に入ってくれたぁ?」

大和田「!?!?!?」もごもごもご

大泉「前に朝作った時はもうさ、全然僕のよさが出せてなかったのよ。だからねぇ、今回は」

大泉「たーっぷり時間を使って……ゆーっくりおみまいしてやるからなぁ……?」

大和田(不二咲!早く来てくれ!不二咲ぃぃ!)

555: 2014/06/22(日) 02:17:44.35 ID:rt9AkmiNo
ーーーーーーーーーーーーーーー




その頃の不二咲




ーーーーーーーーーーーーーーー


霧切「こんばんは」

不二咲「ふぇ?」



霧切(不二咲さんより大和田君がプールに行くのは予想通り)

霧切(あとは大泉さんが上手くやるのを祈るだけ)

霧切(………と言っても、随分と無茶な作戦。成功するかどうかは………)

霧切(神のみぞ知る、ってところかしら)


ーーーーーーーーーーーーーーー




足止めされてた




ーーーーーーーーーーーーーーー

557: 2014/06/22(日) 02:19:03.97 ID:rt9AkmiNo
ーーーーーーーーーーーーーーー


それから約1時間---


いや、もっと時間は短かったのかもしれない。
しかし大和田にはその位に、否……もっともっと長い時間に思えていたのだった。
そして残念な事にその間、彼は常に大泉洋の料理を食べさせられ続けていた。
大和田は大泉洋の顔を立て、断らずに料理を食べていたのである。それは、己との戦いでもあった。
売られた喧嘩は全て買う。
そう言い切った以上、断る事は不可能だったのである……。

一方大泉洋も、己との戦いを繰り広げていた。
普段は何十分も待たせる料理だが、今回は料理工程を省き時間短縮に成功。1皿15分ペースで作っていたのだった。
(ただし生焼けである)
肉、魚、野菜にスープ…ふんだんに用意された毒に等しい料理が大和田を直撃する。

普通の人間なら発狂しているかもしれない。
だが、大和田は最後の気力だけで意識を繋ぎ止めていた---

逃げようと思えばきっと逃げられたのだろう。

しかし、そこに容赦無く襲いかかる大泉洋の
「でもさぁ、不二咲ちゃん泣くだろな、悲しむだろうな。今来て大和田君がいなかったら」
の一言により、大和田は部屋を出る事すら叶わなかったのだった。

結果的にこれが、不二咲の身を救う事になる---

ーーーーーーーーーーーーーーー

558: 2014/06/22(日) 02:21:18.11 ID:rt9AkmiNo
大和田(………どうやったらこんなまずい料理ばっかり作れるんだよ)

大和田(くそっ、目眩して来やがった…吐き気ももう限界だ……)

大和田「も、むり」

大泉「おいおいクレイジーダイヤモンドぉ!音を上げるんじゃあないよ!美味しいだろう!?」

大和田「………ぐぶっ」

がちゃ

大泉「あっ!」

大和田「………ぁ」

大泉「お、開いたぞおい!」

大和田「……うぶっ」

ーーーーーーーーーーーーーーー




やっと来た




ーーーーーーーーーーーーーーー


不二咲「遅れてごめんねぇ…あっ、パーティ?!」

大和田「」←突っ伏している

大泉「いやぁ、不二咲ちゃんのためにね、色々料理を作って待ってたんだよぉ」

不二咲「え?そ、そうだったんですかぁ?」

大泉「そうさぁ。そんで大和田君ったら待てなくてちょっと食っちまってね」

大泉「僕の料理を満喫して今腹いっぱいでちょっとグロッキーかもしんないけど、ごめんね」

不二咲「い、いえ、あの」

大和田「………待ったぜ、不二咲ぃ」のそっ

不二咲「あ、おお、わだく……」

不二咲(大和田君の目が氏んでる…)

不二咲「………大丈夫?」

大和田「ぉう……体がちょっと、その、動かないだけだから……」

不二咲「それ割と大変だよねぇ!?」

大泉「僕の料理が成せる技だね」

不二咲「」!?

大泉「不二咲ちゃんお待たせ。君もほら、椅子に座りな?水もご飯もあるから」

不二咲「あ、えと、はい……」がたんっ

大泉「まずお水ね」←市販のペットボトル出してる

不二咲「……ありがとうございますぅ」

大和田「お、い大泉さ…んっ、それ水」

大泉「なんだ君は、おい?君はあれかこんな可愛い子にあんなレモン入った水飲ませろとか言うつもりじゃねぇだろうなぁ」

大泉「おめぇ頑丈だからいいけど不二咲ちゃん飲んだら氏んじゃうべや」

大和田「よくねぇよ!……っぐほっ、あ、声出な…」

大泉「ほらどんどん食えよ君は、僕特製の飯をさぁ?」

559: 2014/06/22(日) 02:22:56.10 ID:rt9AkmiNo
大泉「………っと、不二咲ちゃんには僕のちゃんと作ったパスタがここに」ことん

不二咲「カルボナーラ?」

大和田「えっ」

不二咲「わぁ、美味しそう…!」

大泉「だから言ってるじゃないの、僕ぁやりゃ出来るんだよ」

大和田「さっきはそんなもんなかっ……」

大泉「つべこべ言わない!おめぇはおめぇで作ってやったんだから食べなさいよ!」

大泉「それにほら、キャベツと塩昆布合わせたサラダは食べられただろう?な?」

大和田「………う」

不二咲「わぁ、大和田君まだ食べられるのぉ?すごぉい!」

大和田「」きゅん


大泉(………けど、無傷でこの部屋に入れるって事ぁ………)


不二咲「大和田君も食べていいよ?」

大和田「俺は……俺は……」

大泉「パスタのおかわりかい?エビチリパスタはもうねぇしなぁ……よく全部食べたね君ぃ」

大和田(なんかその、煽られてイラっとしてたし、その…プライドが許さなくて…)

大泉「大和田君はあとでいいって。不二咲ちゃん、食べなよ」

不二咲「…い、いただきます!」もぐ

不二咲「………」もぐもぐ

大泉「どうだい、不二咲ちゃん。そっちのは子猫ちゃん…霧切ちゃんに見張られて作ったから随分マシかと思うけど」

大和田(こいつついにマシって言いやがった)

不二咲「………美味しい!」ぱっ

大和田「」

大泉「いやぁよかったねぇ、作ってよかったよ。嬉しいもんだよね、美味しいって言ってもらえると」

大和田「大泉さん、俺にも美味いもん……」

大泉「ぇえ?まだ食べるの?仕方がないなぁ、次は魚料理食わせてやるから」

不二咲「まだ料理あるんですかぁ!?」

大和田「さすがに魚はマズくなんねぇよな…?な……?」

560: 2014/06/22(日) 02:25:01.05 ID:rt9AkmiNo
大泉「ええっとねぇ」ごそごそ

不二咲「クーラーボックス?」

大泉「倉庫にあったんだよお。こうやって素材を入れて持ってくるのに便利だったんでね……よいしょ」


つ【冷凍されたサケの切り身】ごそっ


大和田「」!?

大泉「ルイベだぁ」


※Tips…【ルイベ】
北海道の郷土料理、および魚介類の調理方法のひとつ。元はアイヌ料理の一種だった。
凍った魚をそのまま切り身にし、溶かさずに醤油などにつけて食べる。しゃりしゃりとして美味しい。
北海道ではサケまたはマスを使ったものが郷土料理とされる。ヒメマス、ニジマスを使う事も。


大泉「もうこのまま食べてください」袋開封

大和田「はぁ……?」

大泉「そう言う食べ方なんだもの」

不二咲「ルイベ?」

大泉「僕のふるさとでよく食べられてる料理さ。生魚とはまた違う、格別の味わいが」


ごとんっ(サケの塊が皿に落ちる音)


大泉「………あー………」

大和田「完全凍って張り付いてるじゃねぇかよっ?!」

不二咲「さすがにちょっと待たないと食べられないかも…」

大泉「分かったぜ。んじゃちょっと待とう!」

大和田「………うぷ、大声出したらまた喉が…」

大泉「あんなに食べるから吐きそうになってんだよ、大和田君。無理するから…」

大和田(俺が食うまでオメェがプレッシャーかけて来てたんだろうが…!!)

561: 2014/06/22(日) 02:31:04.58 ID:rt9AkmiNo
ーーーーーーーーーーーーーーー



数分後



ーーーーーーーーーーーーーーー


不二咲「……今日は、ふたりに聞いて欲しい事が…あって…呼び出したんです」もぐもぐ

大泉「おう、なんだい不二咲ちゃん言ってごらん?」

大和田「」←具合悪い

不二咲「その、もしかしたら…ふたりとも驚くかもしれないんだけど…言わないと行けない事で」

大和田「……言って、みろ…っぷ……」






不二咲「実は………男なんだ、僕」






大泉「そうか、不二咲ちゃんは男だったのか」

大和田「………はぁ?」

大泉「え?不二咲ちゃんが男、男?………えぇぇ?!」

不二咲「……はい」

大泉「いや、どう見たって女の子…!」

大泉(……まさか)

不二咲「そう、です」

不二咲「…昔からずっと女みたい女みたいってからかわれて……それがずっといやで!」

不二咲「だから…男のくせに女みたいって言われるのが嫌で、女の子の格好をしてたんですぅ…!」

大泉「い、いやいやいや、え…!?」

不二咲「そしたら男のくせに、とか、女の子みたいって言われずに……済むから……」

大泉(…そう、だったのか)

大和田「っぐ」←衝撃で吐きかけた

大泉「…だから、部屋前で撃たれずに入って来れたんだね?」

不二咲「はい、そうなんです……」

大泉「それで、なんでまた突然そんな事を」

不二咲「……もう逃げたくないんです…強くなりたいんです」

大和田「はぁ、はぁ……強く?」

不二咲「大泉さんは頼れそう、だし」

大泉「まあね、紳士だから僕は」

大和田(嘘つけ)

562: 2014/06/22(日) 02:32:33.77 ID:rt9AkmiNo
不二咲「それに………大和田君は…強いから」

不二咲「だから秘密をバラされたって、どうもならないよね…?」

大和田「………」ぴくっ

不二咲「…だから自分を変えたかった、変わりたかった。これも何かのきっかけかなって、思って」

不二咲「それでまず、僕の弱さを知ってほしかったんだ。大和田君も大泉さんも……強いから」

ぷっちぃ~~~んッ

大和田「………当てつけか」

不二咲「え?」

大和田「……ぁあ………そうだ、俺は強い」

大和田「そうだ、だからこそ、守んねぇといけねぇんだよ……」

がたんっ

大泉「大和田君?なんで立って」

大和田「だから俺は、だからこそ俺はあの秘密を………」

大和田「誰にも知られちゃならねぇんだ……!」

ごとっ

大泉「おい、大和田君なんでダンベルなんて持ってんだい」

不二咲「え?大和田、君?」

大和田「そうだよ、俺は強い俺は強い俺は強い---」

大和田「お前よりも!」

大和田「兄貴よりも---」


ごぽっ


大和田「」!?

ごとんっ

大和田「っぶ……!?」←口を押さえてる

大和田(しまっ……エビチリパスタが………喉の奥からっ………)

大泉「………!?」

不二咲「え?な、大和田君っ!?」

大和田「~~~~~!?」

大泉「………っくっくっくっくっくっwww」

大和田「んぅ………っ!」

ーーーーーーーーーーーーーーー




耐えた




ーーーーーーーーーーーーーーー


大和田「っは、はぁっ、はぁっ…!」

563: 2014/06/22(日) 02:34:30.92 ID:rt9AkmiNo
大泉「おおわっ…大和田君っ!大和田君……w」

大和田「氏ぬかと思った……」

不二咲「顔が真っ赤だよぉ」

大泉「おおっ…wわ…w」

大泉(やべぇ笑っちまう!集中集中…)

大泉「大和田君、君は今…何しようとしたか分かってんのかい?」

大和田「…俺はっ…」

不二咲「あの、大和田君…気に障ったならごめんね…」

大和田「………いや、オメェは悪くねぇ、んだ…っぷ」

大泉(くくっw)

大泉「ん"っ……少なくとも今、君は…衝動的に何かをしようとしてたね。何をしようとしたの?」

大和田「俺、その……あ、………」

大和田「俺…今、不二咲に……!」

大泉「言ってごらん。言ってくれたら許してやるよ、全部さ」

不二咲「?」

大和田「………っくしょ…こんなとこで…俺はやっぱ…っぶふ」

大泉「………っ」←堪えている

大和田「俺は……弱い………」

大和田「………言い逃れ……出来るわけねぇ……」うるっ

大和田「………っ、ふ、…不二咲ぃ、すまねぇ……」うるうる

不二咲「え…?」

大和田「俺は本当は、弱ぇんだ……」ぼろぼろ



大泉(食事をおみまいされ、僕の口八丁手八丁に丸め込まれ、ストレスが充分かかっており)

大泉(さらに追撃の一言………不二咲ちゃんかな?何が気にいらんのか分からんけど、が大和田君の我慢の限界に達した)

大泉(どうやら大和田君の爆発を促す準備は万端だったようだね)

大泉(しかし結果はどうだい、僕の料理で吐きかけて戦意喪失だよ。僕の料理ってとこが気に食わねぇけど)

大泉(こらぁ僕の勝利と言っていいんじゃあないだろうか)

大泉(………試合には勝ったが、勝負には負けた気がする)

564: 2014/06/22(日) 02:36:38.25 ID:rt9AkmiNo
ーーーーーーーーーーーーーーー




告白




ーーーーーーーーーーーーーーー


大和田「俺ぁ強くもなんともねぇよぉ……」ぼろぼろ

大和田「今俺は、一瞬でも俺は……オメェを頃したいって思っちまった……」ぼろぼろ

大泉「泣くなよぉ!泣くなって……www」

大和田「すまねぇ…すまねぇ不二咲…ぃ」ぼろぼろ

不二咲「そんな、ど、どうして………」

大和田「バラされたくねぇ事があるんだ」

大泉「バラ…w………されたくない事?(キリッ)」

大和田「あぁ……そうだ」ぐすっ

不二咲「そ、それっ、て…」


大和田「俺は兄貴を頃した」


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!?




ーーーーーーーーーーーーーーー


大泉「………え?」

大泉(さすがに笑ってられなかった)

不二咲「ど、どう言う事なの?大和田君…」

大和田「俺は………」

565: 2014/06/22(日) 02:38:03.82 ID:rt9AkmiNo
ーーーーーーーーーーーーーーー


ではここからは、
大和田君の過去を紙芝居でお届けしよう


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(BGM:なんか田舎っぽいやつ)

大和田の兄貴・大亜(だいあ)「転がされたいのか?」

大和田紋土「かかって来いやゴルァ!!」

俺は兄貴と一緒だった、いつでも。
兄貴が誰よりも好きだった。
そんな兄貴はチームのリーダー、俺はナンバー2だ。
俺はいつも言われてたんだ……

「あの弟は兄貴がいないとなんも出来ねぇな」
「紋土とかだせぇべ?」
「おいおいおいおいぃぃ!他人の名前をダサいとか言っちゃいかあぁぁぁんっ!」
「でもさぁ、あいつ結局腰巾着じゃん?兄貴の」

そんなある日---

大亜「紋土、俺は引退する事にした」

紋土「あ?……兄貴が引退したら、チームは」

大亜「お前が継ぐか?」

紋土「………あぁ、やってやるよ」

大亜「だが」

紋土「?」

大亜「俺より弱い奴にはチームの頭の名前はやれないな」

そして俺と兄貴は最後の戦い……レースをする事になった。
ルールは簡単だった、普段走ってるルートをどちらが先に走ってゴール地点に着けるか。
……でも、やっぱ兄貴は強くって。

遠かった。背中が。

走っても走っても、追いつけなくて。
だからその時俺は、少し乱暴な走りをしてしまった。
兄貴を出し抜こうと、一気にエンジンを吹かしたんだ。
でも勝負に夢中になっていた俺は、すぐそばを走ってきたトラックの存在に気付かず---

どんっ

紋土「あ、にき……?」

大亜「もん、ど…ケガはねぇか…」

紋土「俺はッ!……いや、そんな事より兄貴が!」

俺がトラックにぶち当たる寸前、兄貴が俺のバイクを蹴り飛ばし、俺の身代わりに轢かれた。

大亜「紋土……お前に頭をくれてやる。だか、ら……頼むぜ、チームを……俺達のチームを潰すな」

大亜「男の…約束だ………」

紋土「兄貴ぃぃぃぃ!!」

566: 2014/06/22(日) 02:39:46.51 ID:rt9AkmiNo
俺が勝手にトラックの前に飛び出したせいで、兄貴が氏んでしまった。
俺のせいで、兄貴が。
俺なんかより、ずっとずっと強くてずっとかっこよかった兄貴が。
俺のせいで氏んでしまった。



……俺は弱かった。
「兄は俺に恐れをなし、車線を外れてトラックに轢かれた」と吹聴し、俺が頭になった。
俺が弱いから、強いんだって嘘吐いたんだ。
そうしないと、周りが俺を認めなかった。
認めようとしなかった。

それだけ兄貴がすげぇって事だったし、それだけ俺が弱かったって事だった。

でも、この事実だけは知られちゃいけない。
これが知られたら、俺のために…兄貴のために着いて来てくれたチームが崩壊する。
兄貴が最後に願った事が叶わなくなってしまう。

だから俺は嘘のために嘘を重ねる。

俺は誰より弱いから。

…俺は誰よりも強くなきゃいけないんだ。
お前よりも兄貴よりも。
誰よりも。

だから、この秘密がバレないためなら俺は、何だってする。
何だって………。

567: 2014/06/22(日) 02:41:02.53 ID:rt9AkmiNo
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更衣室




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大和田「………俺は、っぷ、兄貴のために…チームは潰せない」

大和田「だから、その秘密を知られるわけにゃ…っ、ぐ、いか………ねぇんだ」

大泉「………」

不二咲「………」

大和田「俺は……不二咲の強さに嫉妬したんだ。テメェ、のよ…強くなりてぇって…思う、強さに」

大和田「歪んだ嫉妬だ…情けねぇ、よな…っはは……っが……」

大和田「………でも………今、殴ろうとした直前、タイミっ、ングがズレて、殴れなかっただろ」

大和田「そのせいで、カッとなった頭がすっと…冷え…たんっ、だ……」

大泉「………」

不二咲「………」

大和田「俺は………」

不二咲「もういいよ!もういい……っ!ごめんね……!」

大和田「………不二咲?」

不二咲「僕、僕…そんなつもりなくて!大和田君の嫌な事とか、言ってるつもりなくて」

不二咲「憧れてたんだよ、その…強さに。ぶっきらぼうだけど、優しい大和田君に」

大和田「ふじ、さき…」

不二咲「自分がこんなの、だからさ…余計にだよぉ。僕だって強くない…今まで逃げてたから」

大和田「………」

不二咲「………大和田君」

大和田「…どうした?」

不二咲「やっぱり僕は大和田君に憧れるよ、何度も。何度でも」

568: 2014/06/22(日) 02:42:03.38 ID:rt9AkmiNo
大和田「何でだよ…俺は、兄貴を」

不二咲「それをずっと黙ってたんだよね?」

大和田「!」

不二咲「誰にも………言えずに、言わずに」

大泉「………」

大和田「…俺は、俺はッ……!」

不二咲「それってやっぱり……強いと思うな」

大和田「………不二咲ぃ………」ぽろぽろ

大泉「………っくく」

不二咲「お兄さんの気持ちを、守り続けてたんだもんね?」

大和田「………ッ!」ぽろぽろ

大泉「……っっっ!」


大泉(ダメだ限界だ)

大泉(大和田が吐きそうになりながら喋ってんのがツボ入ったわ)

大泉(話の流れ上、笑えないのが辛い)


大和田「ふじさk………っ」

大和田「」もごっ

不二咲「………大和田君?」

大和田「」←顔面蒼白

大泉「……っっwwwww」

大和田「…、…っ、………!!」

どたどたどたどたどた………ばたん

不二咲「………」

大泉「っはっはっはっはっはっはっwwwww」

不二咲「……大和田君、いきなり走り出してどこ行ったんだろう?」

大泉(多分wwwwwトイレwwwww)

569: 2014/06/22(日) 02:44:03.86 ID:rt9AkmiNo
ーーーーーーーーーーーーーーー




数分後




ーーーーーーーーーーーーーーー

大和田「はぁ、はぁ、はぁ………」

大泉「ごめんよ、大和田くぅん。でも…スッキリしたかい?」

大和田「………ぁあ、吐くもん吐いたしな」

不二咲(吐いた?具合悪いのかなぁ)

大泉「水でも飲みな」ひょい

大和田「ペットボトルの水すか、持ってんなら最初から出せよ」

大泉「でもそんなんじゃきっと君は折れなかったろ」

不二咲「あの、もしかして」

大泉「…まぁ、そんなのいいじゃない?そんなのよりもだ、僕がいなかったら不二咲君殴られてたぜ」

大和田「その、悪ぃ」

不二咲「……ううん、気付けなかった僕も悪いんだ。…ごめんね」

大和田「いや、それはその、オメェを頃したいって一瞬でも考えた俺が言うべきなんだけど」

大泉「まぁ、いいじゃない?結果的になんも起きなかったわけだし?」

大和田「………すね」

大泉「秘密が知られるってのよりも…兄貴との約束が守れない事、なにより兄貴を頃したって念があんだろ?」

大泉「気にする事ぁねぇ、なんて俺が言える問題じゃあねぇけどさ、大和田君」

大和田「………はい」

大泉「兄貴は、おめぇの事恨んでねぇと思うな」

大和田「っ……!」

大泉「だからもう、兄貴に縛られんのもやめにしようぜ。俺も兄貴いっから分かっけど」

大泉「………優秀な兄貴がいると、比べられて大変なんだから」

大和田「大泉さん…」

大泉「もちろんすぐにっちゅうのは難しいと思うさ。自分のせいで、って君が悩んでんのも分かんだよ」

大泉「でもおめぇはおめぇだろ?」

大泉「君の、絶望しながらも見つけた誇り。大事にしな」

大和田「………」

大和田(正直よく分かんねぇけどなんか分かった気になるのがムカつく)

不二咲(なんかよく分かんないけど何となくわかったような気になるのがすごいなあ)

大泉(ぶっちゃけ俺もよく分からんで喋ってしまったけど伝わんねぇんだろうなコレ)

570: 2014/06/22(日) 02:45:51.33 ID:rt9AkmiNo
不二咲「大和田君…あのね、今度…一緒にトレーニングしてほしいんだぁ」

大和田「不二咲…」

不二咲「大和田君は強いって言ってくれたけど、僕はまだまだ、正直弱い」

不二咲「心も体も……今までずっと逃げてたから」

不二咲「だから、強くなりたい」

大和田「俺も…一緒に強くなっていいのか…?俺が…強くなっていいのか…?」

不二咲「もちろん、大和田君なら歓迎だよ!」

大和田「俺は……俺はっ!」

大泉「…君は充分に強かったさ、今でも強いんだ…歩んできたんだろ?守り続けた痛みと共に」

大和田「………」

不二咲「そうだよ!」

大和田「………ところで大泉さん」

大泉「なんだい?」

大和田「その……大泉さんにお返しがしてぇんすけど、いいすか?」

大泉「お返し?」

不二咲「お返しって、料理の?」

大和田「まぁ、色々と」

大泉「お返しかい?んじゃあありがたくもらっとこうかねぇ、ほらおいd」

大和田「っても返すのはコレだけどな」

大泉(そう言って目の前に出されたのは拳だったわけで)

大泉(ん?これはなんの冗談)



大和田「メシマズすぎんだよテメェコノヤロォォォオォォオオオ!!」



大泉(あ、その拳早っ)

571: 2014/06/22(日) 02:47:03.83 ID:rt9AkmiNo
ーーーーーーーーーーーーーーー




日付変わり




ーーーーーーーーーーーーーーー


大泉「………」←白目

大泉「………」←白目

大泉「………!」

がばっ

大泉「あ"?なんで俺、保健しっ……つぅぅ!?」

大泉「あだだだだっ!?な、脇腹なまら痛、げほっげほっげほっ!」

大泉「っだっ、ごほっ……!」

大泉「………、……っ!」

大泉「や、やりやがったな大和田ぁあのやろ……っでで、げほっ!」

大泉「げほっ、げほっ…あ"ー、いででで…」

ひょこっ

モノクマ「ほんと大泉クンはボクの邪魔が好きだね」

大泉「…うるせぇこの、誰のせいでこうなったと思ってんのよ」

モノクマ「そろそろボクも本気出そうかな」

大泉「…ぁあ?なんだとぉ?」

モノクマ「ナイショ、ナイショ!ボクにも色々作戦があるって事だよ!って言うかさぁ」

大泉「おぉ何だよ、俺ぁ怪我してるっつってんのに話に来たってかい」

モノクマ「どうせ大した事ない怪我のくせに、わあわあ言ってるんでしょ?分かってんだよ?」

大泉「俺はここを脱出したら確実にお前を相手取るからな」

モノクマ「訴えないでよぉ」




大泉(子猫ちゃんはこうも言っていた)

大泉(あの動揺の仕方は明らかに尋常ではなかった、もしかしたら)

大泉(………大和田をピンポイントで狙った可能性がある………と)

大泉(つまり、犯行を起こしそうな人物をあらかじめモノクマは知っていて、そいつを焚きつけた)

大泉(このままなんの手も打たなかったら、あいつの望む血みどろの殺戮劇が始まってしまっていただろう)

大泉(……やっぱり、優秀な子猫ちゃんだ。子猫ちゃんがいなければ、僕なんてのはただの力ない男だな)

大泉(甘えるなら。それなら……彼女に全力で甘えよう。そんで、俺は俺が出来る事をしよう)

大泉(そう決めたからこそ俺は気付かなかった)


大泉(次は、自分が狙われる可能性を)

572: 2014/06/22(日) 02:48:13.98 ID:rt9AkmiNo
ーーーーーーーーーーーーーーー


【Chapter2】
瞬間少年絶望オナー


【END】


残り【16人】


ーーーーーーーーーーーーーーー

573: 2014/06/22(日) 02:54:59.89 ID:rt9AkmiNo
ーーーーーーーーーーーーーーー

予告(嘘)

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---新たな階層

モノクマ「アメとムチって言葉もあるからね」


---次なる動機

葉隠「ほしっ………くなんってないっ!」


---渦巻く感情

十神「リーダー……か。その座、俺がもらってやってもいいぞ」


---見つかった謎

『ともだ!ともだ!』

大泉「」


---動き出す3人の女



江ノ島「今がその時なんだね」

大神「なぜだ!なぜ我がやつを!?」

セレス「やはり現状、一番邪魔なのは彼の方ですかね」

山田「ダメかよ!デブでオタじゃダメかよ!」

桑田「ホクレンっ!」

舞園「タンチョウならきっと苗木君でも保護出来ます!」

苗木「それは違うよ?!」


「標的は、大泉洋………ただひとり」


大泉「子猫ちゃん、僕ぁダメかもしれん」



どすっ



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弾丸どうでしょう
【Chapter3】
近日公開!!


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575: 2014/06/22(日) 02:59:09.51 ID:rt9AkmiNo
ここまで。パワープレイすぎてつらい。お疲れ様です。
最大級の土下座をしながら書いています。嘘です。

大泉さんはあくまでも霧切さんがいないと何も出来ませんよ、が今回の目的
オナーとは【HONOR】でナックスの舞台のタイトル。【守り続けた痛みとともに】はその副題です
モリがね、ラジオで「俺達がシコシコ頑張るオナーをみんなに見せつける」って言ったからね、仕方ないね
舞台でも安田「オナーの木を守るオナー兄さん」→4人「おなにーさん?」ってネタがあったから仕方ないね
でもナックス史上一番ダサいタイトルは【ESCAPER(エスケイパー)】らしい

576: 2014/06/22(日) 03:13:04.45 ID:zzgGipVmO
乙!

577: 2014/06/22(日) 03:53:30.14 ID:BEtucTrbo

引用: 大泉洋「私立希望ヶ峰学園?ドッキリじゃないの?」