412: 2013/04/11(木) 22:40:07 ID:wEvq/srw
勇者「見守る愛もある…」【前編】
勇者「しかし……」
僧侶「頼む勇者、お前は絶対に負けてはならない存在なんだ!! お前の、役に立たせてくれっ!!」
勇者「……」
勇者「分かった……その気持ち、受け取ろう。だが良いか? 少しでもマズイと思ったら下がれ!! 私と代わるのだ!!」
僧侶「フッ……」
僧侶「ああ、そのつもりだ。俺だって氏にたくはない」
413: 2013/04/11(木) 22:47:00 ID:wEvq/srw
僧侶「と、言う訳だ。魔王……まずは俺が相手をしよう」
魔王「くだらぬ。準備運動にもならぬわ!!」
僧侶「構えないのか?」
魔王「お前は蟻を踏み潰す時に構えを取るか?」ニヤリ
僧侶(しめたっ!! 魔王は相当油断している!! これなら倒す事は出来なくとも……)
414: 2013/04/11(木) 22:50:30 ID:wEvq/srw
僧侶「ほぉぉっ……」スゥッ
魔王「……」
僧侶「シャオッ!!」バッ
魔王「むっ!?」スパァッ
415: 2013/04/11(木) 22:54:58 ID:wEvq/srw
戦士「見ろっ!! 僧侶の攻撃で魔王の頬から血が垂れている!!」
武道家「薄皮が裂けただけみたいだけど……でもっ!!」
商人「僧侶の攻撃が効いてる」
魔王「ガァッハッハッハッ!! なるほど……蟻よりはやるようだな?」スッ
僧侶「ぐぅっ!?」スッ
416: 2013/04/11(木) 22:59:03 ID:wEvq/srw
戦士「でも何であんな余裕の無い顔をしてんだ?」
武道家「シャオでもダメージを与えられたから、シャオクロスを使えば倒せるかも知れないのにっ」
商人「……」チラッ
勇者「……」コクッ
勇者「そうだ。恐らく今放ったのが、シャオクロスなのだろう」
417: 2013/04/11(木) 23:04:09 ID:wEvq/srw
戦士「シャオクロスで、あの程度なのかよっ!?」
武道家「えっ、えっ!? 僧侶さん大丈夫だよねししょー?」
商人「負ける。後は師匠の為にどれだけ攻撃に耐えれるか」
勇者「……」
勇者「僧侶……」
418: 2013/04/11(木) 23:11:01 ID:wEvq/srw
僧侶「……」
魔王「こぬのか?」
僧侶「フッ……出し惜しみはしてられんか」スゥッ
魔王「氏ぬ前に全ての力を出し切るがいい。そして、安心して氏ねい!!」
419: 2013/04/12(金) 08:58:00 ID:yhmqWv3Q
僧侶「ほぉぉっ……ならば受けよッ!! 究極最終秘奥義、断固断血残烈拳!!!」ダッ
魔王「ぬッ!?」
僧侶「しぃぃえぁぁぁあッッ!!!」ズオォォッ
魔王「……」
魔王「……」ニヤリ
魔王「フンッ!!」パシッ
僧侶「何ぃッ!!?」グラッ
420: 2013/04/12(金) 09:19:37 ID:yhmqWv3Q
戦士「ああっ!?」
武道家「僧侶の奥義が簡単にっ!?」
魔王「ふはァッ!!」バッ
魔王「禁じ手、剛昇竜ッ!!」ゴォォッ
勇者「いかん……あの技は!? 避けるのだ僧侶ぉぉぉっ!!!」
421: 2013/04/12(金) 09:31:23 ID:yhmqWv3Q
魔王「むぅん!!」ドゴォッ
僧侶「ぐはぁッ!!?」
僧侶「うぅ……」ドサァッ
魔王「剛昇竜の極意は内部破壊に有る。お前の命は後数ヶ月……その間は氏の恐怖に怯え、そして俺の恐怖を回りに語り広げるがいい!!」
魔王「それが、この魔王の恐怖伝説として語り継がれるのだぁっ!!」
422: 2013/04/12(金) 17:12:56 ID:yhmqWv3Q
勇者「……」グッ
勇者「お前たちは僧侶を頼む」
戦士「わかったぜ!!」
武道家「うんっ!!」
商人「……」コクリ
423: 2013/04/13(土) 08:33:56 ID:Tny2ml2Y
勇者「はあああああああああ!!!」ゴゴゴゴゴッ
魔王「……」
魔王「他人の為に怒れる……勇者よ、お前は優しい男だ」
魔王「だがっ、優し過ぎるっ!!」
魔王「お前の優しい拳では、この体に傷一つ付ける事などできぬわっ!!」スッ
魔王「ぬおおおおおおおおッ!!!」ゴゴゴゴゴッ
424: 2013/04/13(土) 09:39:06 ID:Tny2ml2Y
勇者「……」スッ
魔王「……」ニヤリ
勇者「……」
魔王「……」
魔王「フッ、ここまでだな」
,
425: 2013/04/13(土) 10:06:38 ID:Tny2ml2Y
魔王「こんなにも脆い船の上では、人間共が気になって本気で戦えぬのだろ?」
勇者「このまま、去ると言うのか魔王!?」
魔王「我々が戦うには、それに相応しい場所が在る。俺はそこでお前を待とう」
勇者「……」
勇者「あの場所か……」
魔王「そうだ。それまで精々腕を磨くがいい!!」
426: 2013/04/13(土) 10:10:36 ID:Tny2ml2Y
魔王「ハイヨーッ!! 黒竜号!!!」
バハムート「グオオオオオオオウ!!」バッサバッサ
魔王「サラバだ勇者よ……フッ、ガァッハッハッハッハァッ!!!」ダンッ
勇者「……」
勇者「魔王……」
427: 2013/04/13(土) 18:35:53 ID:Tny2ml2Y
バッサバッサ バッサバッサ
勇者「ここは引いたが、そのまま戦っていれば恐らく……」
戦士「早く来てくれ師匠!!」
武道「僧侶さんがっ、僧侶さんがぁぁっ!!」
勇者「ッ!!?」
勇者「すまないっ、直ぐに行く!!」ダダッ
430: 2013/04/14(日) 10:03:00 ID:wa1cSI/s
僧侶「はぁっ、はぁっ……」
商人「師匠」
勇者「うむ。痛みを引かせる事しか出来ないが……」スゥッ
戦士「僧侶の腹に手を当ててどうすんだ師匠!?」
武道家「魔法でも治らないんだよ!?」
勇者「龍波呼吸法」パァァッ
431: 2013/04/14(日) 10:14:24 ID:wa1cSI/s
僧侶「はぁぁっ……んっ? これはっ」
商人「起きた」
勇者「すまない僧侶。痛みは取ったが、魔王の言った通り……」
僧侶「フッ、気にするな勇者。一撃しか打たせてやれなかったが、魔王の攻撃は見たか?」
勇者「ああ。しかと目に焼き付けた」
僧侶「なら良い……良いんだ」
432: 2013/04/14(日) 10:33:36 ID:wa1cSI/s
勇者「……」
勇者「街に着いたらキメラの翼を買おう。お前は妹の場所へ戻りなさい」
僧侶「……」
僧侶「そうだな。体から力が抜けて行くようだ……これ以上は一緒に居ても役に立てない」
僧侶「最後は、家族に看取られて逝くとしよう」ニコリ
433: 2013/04/14(日) 10:55:47 ID:wa1cSI/s
戦士「くっ……ヒデェ事しやがるぜ魔王のヤツ!!」
武道家「……」
武道家「ねぇししょー? ししょーと魔王って、知り合いなの?」
商人「二人は『あの場所』で通じてた」
434: 2013/04/14(日) 14:11:27 ID:wa1cSI/s
勇者「……」
勇者「確かに、以前から私は魔王の事を知っている」
戦士「だと思ったぜ……オレらが全員ブルってたのに、師匠だけは平然としてたからな」
武道家「二人は、どんな関係なんでしょうか?」
商人「タチネコ以外ならどんな関係も受け入れる」
435: 2013/04/14(日) 15:01:07 ID:wa1cSI/s
僧侶「俺の事は気にするな。仲間に真実を語ってやれ」
勇者「……」
勇者「そうだな」ニコリ
勇者「ここで私と魔王の関係を語ろう。私の話を聞いた後に、どうすべきかはお前達が自分で決めなさい」
戦士「……」コクッ
武道家「……」コクッ
商人「……」コクッ
436: 2013/04/14(日) 15:11:26 ID:wa1cSI/s
勇者「私と魔王は幼き頃、共に修行をしていた」
戦士「っ!?」
勇者「同じ師の下で習い、勇者となるべく修行していたのだ」
勇者「と言っても、私も魔王も捨て子だったのを、師が拾い育てただけなのだがな」
437: 2013/04/14(日) 15:17:43 ID:wa1cSI/s
勇者「だがある時、私が水汲みから戻ると……」
武道家「……」ゴクリ
勇者「魔王が師を頃していた」
商人「な、なんだってー()」
勇者「私はそれまで魔王を人間だと思っていたが、そこで初めて魔族だと知ったのだ」
438: 2013/04/14(日) 15:30:33 ID:wa1cSI/s
勇者「そう、あの時……」
あの時──
勇者『どうして師を頃したんだ魔王!?』
魔王『一言で表すならば、魔族の血に目覚めた……そんな所か』
側近『お迎えにあがりました魔王様。使い魔のバハムートをお使いください』バッサバッサ
バハムート『グオオオオオオウ!!』
439: 2013/04/14(日) 15:39:09 ID:wa1cSI/s
魔王『俺はこれから前魔王を頃し、俺が新たな魔王となる!!』
魔王『そしてこの地上を征服し、あの女をッ、全てを俺のモノとするのだ!! それが俺の野望!!!』
勇者『魔王よ、言ったはずだ……それは野望では無く愛だと!!』
魔王『ぬかせぃ!! 例えキサマで有ろうと、我が覇道を阻む者には氏あるのみ!!』
440: 2013/04/14(日) 16:02:17 ID:wa1cSI/s
勇者『どうあってもヤメぬか……』スッ
魔王『キサマもこの地で氏ぬか? この老いぼれのようにな!!』スッ
師『……』グタリ
勇者『魔王ぉぉぉぉぉおお!!!』バッ
魔王『グハハハハハハハッ!!!』バッ
441: 2013/04/14(日) 16:20:42 ID:wa1cSI/s
─────
勇者「……」
勇者「そうして魔王は新たな魔王となり、私は最後の仕上げを終え、別れて暮らしていた弟の住む国へと戻ったのだ」
戦士「そうだったのか……」
武道家「魔王と修行してたなんて、どおりでししょーは強い訳だよね」
442: 2013/04/15(月) 09:43:29 ID:uZbpA58Y
勇者「だが奴も強い。そして僧侶へ繰り出した技を見て分かった……私と修行していた頃より数段力を増していると」
戦士「そんなっ!? それじゃあ師匠より強いってのかよ!!」
勇者「……」コクッ
勇者「しかし勝機は有る。それがこの無敵の剣、『無想転生剣』」
商人「魔王も背負ってた」
勇者「うむ。恐らく魔王は、この剣を鞘から抜けぬ」
443: 2013/04/15(月) 15:43:56 ID:uZbpA58Y
僧侶「何故そう言え……いや、もう質問はよそう。俺はただ、お前の勝利を、世界の平和を願うのみだ」
勇者「その命、無駄にはしない。必ず勝つと約束する」
戦士「オレ達も最後まで手伝うぜっ!! なっ?」
武道家「うんっ!! 絶対に魔王を倒そっ!!」
商人「……」コクン
444: 2013/04/15(月) 20:38:16 ID:uZbpA58Y
砂漠の国ジャガンノート 城内のロビー
メイド達 バトラー達
「お帰りなさいませ使徒様」ペコリ
使徒「ふむ」
使徒「……」チラッ
バトラー達「……」ズラーッ
使徒「……」チラッ
メイド達「……」ズラーッ
445: 2013/04/15(月) 20:47:53 ID:uZbpA58Y
使徒「……」タッタッタッ
使徒「……」ピタッ
使徒「おい、そこの女」
メイド「わっ、私でしょうか?」ビクッ
使徒「そうだ。前髪を上げてみろ」
メイド「それは……」
446: 2013/04/15(月) 20:53:37 ID:uZbpA58Y
使徒「二度は言わん。前髪を上げて見せろ」
メイド「うくっ……はい」サッ
使徒「……」
使徒「その額の傷はどうした?」
メイド「こっ、これは転んでしまって!! ですが、すぐに治りま……」
使徒「要らん。この城に置くのは美しく完璧な者のみ」
447: 2013/04/15(月) 21:03:41 ID:uZbpA58Y
使徒「お前は城から追放だ!! 奴隷どもの慰み者として落としてやれい!!」ユビパチン
黒服達「はっ!!」ザッ
黒服「さぁ、来るんだ!!」グイッ
メイド「いやぁぁっ!! 使徒様、お助けをっ、お助けをっ!!」
バトラー達「っ……」グッ
メイド達「っ……」グッ
使徒「くくく、ハハハ、ハァッハッハッハァッ!!!」
448: 2013/04/15(月) 23:10:46 ID:uZbpA58Y
砂漠の国ジャガンノート入国門前
戦士「あ~っ、やっと着いたぜぇ」パタパタ
武道家「アツいぃっ、早く宿で休もうよししょー?」パタパタ
商人「……」ダラダラ
僧侶「……」
僧侶「戦士よ、頼みが有るのだが」
449: 2013/04/15(月) 23:22:36 ID:uZbpA58Y
戦士「あっ? どうしたんだ僧侶?」
僧侶「ほぉぉっ……」
僧侶「シャオ!!」バッ
戦士「ッ!? 何すんだよっ!?」パシッ
戦士「……って、アレ? 簡単に捌けた」
僧侶「やはり、俺はここまでだな。これだけ体が弱っていては、勇者の弾除けにもなってやれぬ」ニコリ
450: 2013/04/15(月) 23:28:00 ID:uZbpA58Y
勇者「気にするな。残る余生は、お前の好きな場所、好きな者と過ごしなさい」ニコリ
僧侶「……」
僧侶「そうしよう。戦士もすまなかった」
戦士「えっ、あ、ああ……気にしてねぇよ」
僧侶「裏切りの僧侶には俺の手で天誅を下したかったが、ここで戦いからは身を引き、家族と……暮らすよ」
451: 2013/04/16(火) 11:42:06 ID:jqO0BYC6
ジャガンノート入場門
門兵「止まれっ!!」
門兵「このジャガンノートに入りたくば、チェックを受けてからだ!!」
戦士「チェックだぁ?」
武道家「また帝都の時みたいに触られるのかな?」
勇者「……」
勇者「審査を受ける理由を、聞いても良いだろうか?」
452: 2013/04/17(水) 17:58:49 ID:iC7emFkc
門兵「それは……」
使徒「それは」ザッ
使徒「俺から話してやろう」
門兵「使徒様っ!?」
僧侶「なっ!? キサマはっ!!?」
使徒「久し振りだなぁ……僧侶」ニヤッ
453: 2013/04/17(水) 21:32:49 ID:iC7emFkc
僧侶「裏切りの僧……使徒ッ!! 海を越えてこんな場所に居たか!?」
使徒「僧侶……俺はお前の血で化粧がしたい」スッ
商人「!!!!????」
僧侶「僧達の返り血で染まった赤き牙、この場で叩き折ってやる!!」スッ
454: 2013/04/17(水) 21:44:05 ID:iC7emFkc
門兵「使徒様ッ!? 戦うならば私が!!」ザッ
使徒「構わん……下がっていろ、手出しは無用だ」
勇者「僧侶、その体では……手を貸すぞ」スッ
僧侶「いや、これは俺の戦いだ!! 誰も手を出すなッ!!」
456: 2013/04/18(木) 10:14:24 ID:h1kUWHEM
僧侶「……」
使徒「……」
僧侶「ほぉぉっ!!」
僧侶「シャ……ぐぅっ!?」ガクンッ
戦士「ああっ!! 僧侶はもう跳ぶ事さえ……」
武道家「足をもつれさせてつまずくなんてっ!!」
使徒「ん!? ククッ……僧随一で華麗な技を誇った姿も、今は見る影も無いな」ニヤリ
457: 2013/04/18(木) 10:43:02 ID:h1kUWHEM
使徒「つぇあぁぁっ……」
使徒「シャオ!!」バッ
僧侶「ッ!?」
僧侶「ぐああああああああ!!」ズバァァッ
僧侶「おぉ……」ドサァッ
商人「僧侶っ!!」
459: 2013/04/18(木) 11:06:43 ID:h1kUWHEM
使徒「誰も俺を止める事はできぬ、飛翔拳を極めたお前でもなぁ僧侶!!!」
戦士「や、ヤロウっ!!」グッ
勇者「待つのだ戦士」スッ
戦士「えっ、師匠?」
武道家「なんで止めるのっ!?」
商人「獅子身中の虫」
460: 2013/04/18(木) 11:48:48 ID:h1kUWHEM
使徒「ふっ……この街には美しい者しか入れぬ」
使徒「そしてお前らは……」
勇者「……」
戦士「……」
武道家「……」
商人「……」シナリ
使徒「なるほど……その強さ、美と表現するには充分らしい」
使徒「良いだろう、入国を許可する。教会でその氏に損ないの葬式でもあげてやるんだなぁ!!」
461: 2013/04/18(木) 15:30:18 ID:h1kUWHEM
使徒「ハァッハッハッハッ!!」ザッ
門兵「……」
門兵「よ、よし!! 通れっ」
戦士「なぁ、師匠!?」
勇者「……」
勇者「私たちが手出しする事を、僧侶は望んでいない」
462: 2013/04/18(木) 15:35:25 ID:h1kUWHEM
僧侶「……そうだ」フラフラ
武道家「僧侶さん!!」タタッ
僧侶「心配するな。俺は僧侶……回復魔法の心得はっ、ベホマッ!!」
僧侶「……」シーン
商人「何も起きない」
僧侶「ホイミ」ポワワッ
僧侶「ぐっ、既にここまで魔力も失っていたかっ!?」
463: 2013/04/18(木) 15:41:21 ID:h1kUWHEM
勇者「僧侶……」
僧侶「フッ、さっき言ったはずだ。俺は残りの人生を家族と静かに暮らすと。さぁ、宿へ行って休もう」ニコリ
戦士「くっ……んじゃ、行こうぜ」
武道家「そう、だね」
商人「買い物もする」
465: 2013/04/18(木) 17:44:26 ID:h1kUWHEM
砂漠の国ジャガンノート 宿の個室
僧侶「……」
僧侶「すまないっ」グッ
僧侶「妹よ、すまないっ!!」
僧侶「俺はっ、俺はぁぁぁぁぁっ!!」
466: 2013/04/18(木) 19:14:05 ID:h1kUWHEM
砂漠の国ジャガンノート 酒場
勇者「さぁ、好きな物を食べなさい」ニコリ
戦士「おーっ、メニュー表が凄い高い料理でいっぱいだぜ!! やっぱ肉だよなぁ♪」
武道家「だよねぇ、お肉がいいよねぇ♪」
商人「とりあえずオレンジジュース」
467: 2013/04/18(木) 21:00:37 ID:h1kUWHEM
戦士「はっ、オレンジジュース? そんなのメニューに乗って……って、有ったな」
武道家「オレンジジュース、値段は……十万ゴールド!?」ガタッ
戦士「なんでステーキが三千ゴールドなのに、オレンジジュースが十万ゴールドもすんだよっ!?」
商人「飲みたい」
468: 2013/04/18(木) 21:05:12 ID:h1kUWHEM
勇者「……」
勇者「ウェイター」チリチリン
ウェイター「はい、メニューはお決まりでしょうか?」
勇者「ステーキセットを四人前……」
ウェイター「ステーキセットを四人前」カキカキ
商人「……」ウルウル
469: 2013/04/18(木) 21:08:38 ID:h1kUWHEM
勇者「と」
商人「!?」ガタッ
勇者「アイスミルクも四つ貰おう」
商人「……」ストン
ウェイター「ステーキセットとアイスミルクを四人分ですね? 少々お待ちくださいませ」ペコリ
470: 2013/04/18(木) 21:14:03 ID:h1kUWHEM
勇者「あー、それと一つ質問をしても良いかな?」
ウェイター「えっ、あ、はい……どうぞ」
勇者「この酒とジュース類の高額な値段、そして席に着いても水が出て来ない所を見ると、ここでは水がとても貴重なのかな?」
ウェイター「っ!?」
ウェイター「あっ、あの……」
471: 2013/04/18(木) 21:19:18 ID:h1kUWHEM
戦士「言っちまえよ」
武道家「この人、勇者なんだから安心して♪」
ウェイター「勇者様、ですか?」
勇者「そうだ」ニコリ
勇者「困っている事が有れば教えてくれ。もしかしたら、助けになれるかも知れぬ」
472: 2013/04/18(木) 21:28:30 ID:h1kUWHEM
ウェイター「……」
ウェイター「注文もありますし、オーナーに一度確認して来ます」タタッ
戦士「あっ」
武道家「行っちゃったね……」
勇者「親切の押し売りも……良くはない、か。本当に困っていれば、あちらから話しに来るだろう」
473: 2013/04/19(金) 00:21:55 ID:aNev5uyw
十数分後
ステーキ「お待たせ」ジュージュー
戦士「おーっ♪ うまそっ」カチャカチャ
武道家「あむっ♪ ん~っ、おぃひぃ」パクッ
商人「……」ソクッ
477: 2013/04/19(金) 10:19:52 ID:aNev5uyw
ソクッ じゃなくて スクッ だった…
自分で小ネタを説明するのも寒いんで、気にしないでくれ…orz
478: 2013/04/19(金) 10:30:14 ID:aNev5uyw
勇者「……」
戦士「んっ、たへにゃいのかししょ?」モグモグ
勇者「ふふっ。幸せそうに食べるのを見ているだけで、私は腹が膨れてしまったよ」ニコリ
武道家「もぅ、なにそれぇ?」カチャカチャ
商人「食べないなら貰う」ソ ク ッ
勇者「うむ……お前たちはまだ若い。たくさん食べて大きくなりなさい」
479: 2013/04/19(金) 10:42:49 ID:aNev5uyw
勇者「私は、アイス……むっ!?」ピクッ
商人「もごもご、もごもごも?」
勇者「いや、なんでもない……」
商人「もぐっ」
勇者(近くで爆発的に魔力の増大を感じた……まさか僧侶、『アレ』をっ!?)
482: 2013/04/19(金) 15:58:57 ID:aNev5uyw
ウェイター「こちらです」
オーナー「そうか……お前は仕事に戻りなさい」
ウェイター「はい」タッタッ
オーナー「……」
オーナー「すみませんお客様。私はこの店のオーナーでございます」ペコッ
483: 2013/04/19(金) 16:11:56 ID:aNev5uyw
戦士「んっ、どうしたんだ?」ゴクゴク
武道家「なにか相談でもあるの?」
商人「おち……アイスミルクは美味」ゴキュゴキュ
勇者「……」
勇者「私は勇者だ。困っている事が有るのなら話して欲しい。できるだけ力になろう」ニコリ
484: 2013/04/19(金) 16:36:22 ID:aNev5uyw
食後 店内の奥 VIPルーム
オーナー「実は……この街には水がありません」
戦士「はぁっ? メニューにはジュースやら酒やらが載ってたろ?」
オーナー「あっ、有るには有るのですが、私たちも水を法外な値段で買わなくてはならないのです」
勇者「元々はどのような生活を?」
485: 2013/04/19(金) 16:52:26 ID:aNev5uyw
オーナー「元々は……」
オーナー「元々は、この街の、国の中央には、美しい川が流れていたのです」
武道家「美しい、川……今は無いですよね?」
オーナー「ええ」コクッ
オーナー「川は遥か上流で塞き止められ、この街から消えてしまったのです」
487: 2013/04/19(金) 23:00:57 ID:aNev5uyw
勇者「……」
オーナー「国は塞き止めた場所にダムを造り、水はそこから何とか飲み水に足りるだけの配給制。それでも欲しいとなったら、国から買うしか……」
戦士「うっわ、ひでぇな」
武道家「生活に水は必需品なのに……」
商人「そんなに高いなら買わなければいい」
488: 2013/04/19(金) 23:12:37 ID:aNev5uyw
オーナー「水なんて、そんな大量に他から持って来られませんよ……」
オーナー「それに、水が無ければ洗濯も出来ない。体も洗えない。この街では汚れたまま生きて行く事はできません」
勇者「使徒と言う男が「美」と口にしていたが……」
オーナー「はいっ。ここ住民は定期的にチェックが、つまりどれだけ水を買ったのかが計られ、それに落ちるとダム増大工事のキツい鉱山作業送りにされてしまうのです」
オーナー「それはここから逃げ出そうとする者も同じ事……前は素晴らしい国だったのに、新たなトップがダムを造ってからおかしくなりました!!」
489: 2013/04/19(金) 23:24:49 ID:aNev5uyw
オーナー「あの使徒は最初、参謀としていつの間にか国主に仕え……そして国主はすぐに亡くなり、そのまま使徒が国主にぃっ!!」グッ
勇者「……」
勇者「なるほど。癌は理解した……だがっ、この話しを耳を立て、盗み聞いている者が居るっ!!」キッ
戦士「え」
武道家「どこどこっ!? 部屋には私たちしかいないよ?」キョロキョロ
491: 2013/04/20(土) 09:55:18 ID:uMCyCGhc
商人「……」
商人「フッ」ニヤリ
商人「ようやく、気が付いたようだな勇者!! 私がスパイだっ!!」
戦士「!?」ガタッ
武道家「!!」ガタッ
扉の向こう「!!?」ガタッ
492: 2013/04/20(土) 10:01:33 ID:uMCyCGhc
勇者「商人……」
商人「あ、はい……ユニーク失敗」ショボン
戦士「ふぅっ、なんだよビックリさせやがって」
武道家「もぉ、こんな時に冗談は言わないでよね」
ガチャ ギィィッ
ウェイター「全く、驚かせるなよ……ここのスパイは私だ」
493: 2013/04/20(土) 10:03:40 ID:uMCyCGhc
勇者「……」
戦士「……」ジィー
武道家「……」ジィー
オーナー「ウェイター、お前……」
ウェイター「あ」
商人「やれやれ……笑いは取れなかったようだが、マヌケは一人見つかったようだな」
494: 2013/04/20(土) 10:08:16 ID:uMCyCGhc
ウェイター「ぐっ……バレてしまっては仕方ない!!」バッ
ジョーカー「私は使徒様の忠実なる右腕、ジョーカー。使徒様は裏切りを決して許さないっ!!」
オーナー「ひっ!? ほ、本物のウェイターはどうしたんだ!?」ガクガク
ジョーカー「んっ? ああ、居るさ……自宅にな。もう二度と動く事は無いが」ニヤリ
495: 2013/04/20(土) 13:44:46 ID:uMCyCGhc
勇者「……」
勇者「ペラペラと良く喋る右腕だ……」ポキッポキッ
勇者「来なさい」クイッ
ジョーカー「フフッ……例え勇者とて、この暗殺爪戟術の地獄爪殺法を見切る事はできまい」ジャキン
オーナー「つっ、爪がまるで獣のように伸びたぁ!?」ブルブル
戦士「暗殺爪戟術!? あの無慈悲な殺人拳の使い手だって言うのかよ!!」
武道家「暗殺爪戟術と言えば、余りにも無慈悲過ぎて修得を禁じられたはずっ!?」
商人「無慈悲……」ゴクリ
496: 2013/04/20(土) 13:50:56 ID:uMCyCGhc
ジョーカー「悪く思うなよ? お前たちが良からぬ行動したら即座に頃すよう、使徒様から仰せ付かっているのだ」スッ
勇者「……」スッ
戦士「師匠、珍しく怒ってるぜ」
武道家「うん。怒ったししょーの拳は……」
商人「余りにも無慈悲過ぎる!!」
497: 2013/04/21(日) 17:41:38 ID:/r43jB3g
ジョーカー「氏ねぃ勇者!! 獣神爪戟掌!!」バッ
戦士「ああっ……獣神爪戟掌と言えば、暗殺爪戟術の中でも最も無慈悲と言われる技!!」
武道家「あんな無慈悲な技を出すなんて、なんて無慈悲な奴なのっ!!」
商人「むじひーーーーーーっ!!!」
499: 2013/04/21(日) 22:27:25 ID:/r43jB3g
ジョーカー「シャァァァァァアア!!!」
勇者「……」
勇者「ハッ!!」パシーン
ジョーカー「ぐへあっ!?」ドザァァッ
戦士「すげぇ……」
武道家「ただのビンタであの技を弾き返した……」
商人「無慈悲返し……」ゴクリ
500: 2013/04/21(日) 22:31:14 ID:/r43jB3g
ジョーカー「ぐっ、くくっ……私を怒らせましたね?」フラフラ
勇者「……」
ジョーカー「まぐれが二度も続くと思うなぁっ!! 獣神爪戟掌!!」バッ
勇者「……」スゥッ
勇者「フッ!!」パシーン
ジョーカー「ぷべらっ!!?」ドザァァッ
501: 2013/04/21(日) 22:38:07 ID:/r43jB3g
ジョーカー「ぐお、おっ、ぐぅぅっ……」フラフラ
勇者「ジョーカー……最後のチャンスを与えよう。もうこんな事は止めなさい。真っ当に生きるとここで誓えば、命までは取らない」
ジョーカー「……」
ジョーカー「流石は勇者……優しいのですねぇ」ニコリ
ジョーカー「その優しさ」
ジョーカー「ヘドが出ますよッ!!!」バッ
502: 2013/04/21(日) 22:44:02 ID:/r43jB3g
ジョーカー「つぅえあぁぁぁぁっ!! 獣神爪戟掌ッ!!!」
勇者「……」
勇者「悔い改めよジョーカー!!」グッ
勇者「禁じ手、剛昇竜ッ!!」ゴォォッ
503: 2013/04/21(日) 23:07:42 ID:/r43jB3g
勇者「打ち抜くッ!!」ズドンッ
ジョーカー「べろぶっ!!?」
ジョーカー「うぅ……」ドサァッ
勇者「ジョーカー、お前の命は後数ヶ月……さぁ、使徒の所へ戻り告げるがいい!! この国は、この勇者が解放すると!!」
504: 2013/04/22(月) 00:13:33 ID:4zMKZzJM
数年前 大聖堂院
大僧侶「ならん」
使徒「何故だ大僧侶!? この俺は僧の中で最も華麗で美しい技を持つ男!! それなのに何故だ!?」
大僧侶「……」
大僧侶「勘違いするなよ使徒? 何もお前が憎くて次期大僧侶に選ばないのでは無いぞ?」
使徒「それ以外に何が有ると言うのだ大僧侶!? 俺は誰よりも美しい……俺が成らずして誰が成る!?」
505: 2013/04/22(月) 08:37:21 ID:4zMKZzJM
大僧侶「回りを見ず、自らしか認めようとしないその思い上がりだ!!」
使徒「なにッ!?」
大僧侶「ちょうど今、僧侶が燕谷で修行している筈だ。奴の技を見てみよ……そして僧侶よりも自分が上だと思ったらまた来なさい。その時はお前を大僧侶になれるよう支持しよう」
使徒「……」
使徒「言ったな? すぐに戻って来るぞ大僧侶!!」ダダッ
506: 2013/04/22(月) 16:58:01 ID:4zMKZzJM
僧侶の授業場 燕谷
ヒューッ
僧侶「……」スゥッ
使徒(強風が吹く断崖の絶壁に片足で立っている!? こんな所で何をやっているんだ?)タッタッ
修行僧「ん? これは使徒様……燕谷に来るとは珍しゅうございます」ペコリ
使徒「礼は良い。僧侶はああやってずっと立っているのか?」
修行僧「はい。今日の様に風が強い日は『虹燕』が通りますゆえ、使徒様はその虹羽を取るおつもりなのです」
508: 2013/04/22(月) 17:14:45 ID:4zMKZzJM
使徒「虹羽? 虹燕の尾に一枚だけ生えると言うアレか?」
修行僧「はい。虹羽は高級薬剤の材料にもなりますから」
使徒「巣に居る虹燕なぞ、すぐに捕まえられるだろうに……崖際に立っている意味が分からんな」
修行僧「それは僧侶様が……あっ、虹燕が来ました!! 実際にご覧になってください」
使徒「ふん……」
509: 2013/04/22(月) 18:34:07 ID:4zMKZzJM
ヒューッ
僧侶「……」
僧侶「はぁっ!!」ダンッ
使徒(跳んだ……だとっ!!?)
僧侶「虹燕よ、すまぬっ」スパァッ
修行僧「崖の上を飛ぶ虹燕の虹羽だけを、虹燕が飛んでいる状態で切り離す……何度見ても、僧侶様の『飛翔燕舞』は惚れ惚れします」
使徒「……」
使徒(美しい……)
510: 2013/04/22(月) 18:38:06 ID:4zMKZzJM
使徒「はっ!?」
使徒(ぐっ……この俺が、一瞬とは言え目を奪われるとは!!)
使徒「ちぃっ!!」ダダッ
修行僧「あっ、使徒様!! 行ってしまわれた……」
使徒(畜生、畜生、畜生、畜生ッ、畜生ッ!!!)
511: 2013/04/22(月) 18:40:35 ID:4zMKZzJM
現在 ジャガンノート 使徒の寝室
使徒「はっ!?」ガバッ
使徒「……」
使徒「夢か、妙な時間に寝るものでは無いな」
使徒「僧侶……」
513: 2013/04/22(月) 18:53:31 ID:4zMKZzJM
バタンッ
ジョーカー「しっ、使徒様!? 大変ですぅっ!!」
使徒「……」
使徒「騒々しいぞ、どうしたジョーカー?」
ジョーカー「勇者の奴が、この街を解放すると言っておりますっ!!」
使徒「そうか、そろそろこの街にも飽きた処だ……お望み通り街を返してやろう」ニヤリ
514: 2013/04/22(月) 18:58:05 ID:4zMKZzJM
使徒「カルタスに『あの指示』を出すとするか……」スタッ
ジョーカー「カ、カルタスですか? 私は何をすれば?」
使徒「……」
使徒「ジョーカー」
使徒「急ぎとは言え、ノックもせずに俺の寝室に入るのは……美しくないな」スッ
ジョーカー「へっ?」
515: 2013/04/22(月) 19:08:09 ID:4zMKZzJM
ジョーカー「お、お待ちください!! 私は勇者の技で残り数ヶ月の命、せめて後は……」
使徒「……」
ジョーカー「待てよ使徒!! ここまで仕えたやった私に恩義は無いのかッ!!?」
使徒「俺の金を勝手に持ち出し、他国で豪遊している男が言う事か?」
ジョーカー「ッ!!? バレていたかっ……クソッ!!」ダダッ
516: 2013/04/22(月) 19:20:12 ID:4zMKZzJM
使徒「醜い……」
使徒「逃がさんぞジョーカー!!」ダッ
ジョーカー「ちっ、こうなったらお前を頃してやる!! 獣神爪戟掌ッ!!」バッ
使徒「フッ、獣神爪戟掌!!」バッ
517: 2013/04/22(月) 20:11:44 ID:4zMKZzJM
ジャガンノート 道具屋
勇者「明日でケリを着ける。それぞれ必要な物を買いなさい」
戦士「あいよー、エリクサーくれぇ!!」
武道家「店員さ~ん、砥石……って有るかなぁ?」
商人「さとりの書ください」
518: 2013/04/22(月) 22:41:27 ID:4zMKZzJM
勇者「私も見て回るか……」
勇者(あのアイテムが見付かると良いが……)
店員「あのごめんなさいっ」ペコリ
店員「さとりの書は、客寄せの為の展示品だから売れないの」
商人「……」
商人「……?」
商人「私は、欲しい。私に譲るべき」
519: 2013/04/23(火) 10:35:34 ID:sr0RPhNc
店員「いや、だからこれはちょっと……」
商人「店員、髪が長くて綺麗」ツカツカ
店員「えっ? あ、ありがとう……」
商人「店員、おっOい大きい」ツカツカ
店員「それは、あのっ……」ジリジリ
商人「店員、その太眉が個性的で素敵」ツカツカ
店員「わかったから、これ以上よらないでっ!!」グイグイ
商人「店員、店の奥へ一緒に行く」ガシッ
店員「ちょっ!? 離し……」ズルズル
店員「アッーーーーー!!!」
520: 2013/04/23(火) 10:43:17 ID:sr0RPhNc
シクシク シクシク
店員「お客さんヒドイ!! 鬼、悪魔、長門!!」ポロポロ
パリン、パリン、パリンッ!!
店員「って、アレっ?」キョロキョロ
商人「ジャスト10秒。いい夢は……見れたかよ?」
商人「じゃあ、さとりの書ください」
店員「えっ? えっ!?」
商人「さとりの書、ください」ツカツカ
店員「ひっ!? はいどぅぞー!!」
521: 2013/04/23(火) 10:54:26 ID:sr0RPhNc
商人「全く、太眉の女はどこでも迷惑を掛ける」
勇者「……」
勇者「商人」
商人「……」
商人「てんいんさーん、これお返ししまぁす!!」ササッ
523: 2013/04/23(火) 12:01:16 ID:sr0RPhNc
勇者「……」
勇者(僧侶、そろそろ落ち着いて来た頃か? 時間を稼ぐのも楽では無いな)
戦士「師匠、オレは準備おっけーだぜっ」
武道家「ボクもっ♪」トテトテ
524: 2013/04/23(火) 18:29:45 ID:sr0RPhNc
ジャカンノート 宿の一室
ドンドン ドンドン
宿主「お客さん!! さっきから大声を出して、どうしたんですか!?」
僧侶「ふぅっ、ふぅっ、ふぅっ」
僧侶「ふぅっ、ん……ふぅぅっ。はぁぁっ」
僧侶「すまん、ちょっとした発作でな。もう治ったから心配しないでくれ」
526: 2013/04/23(火) 20:28:23 ID:sr0RPhNc
宿主「本当に……大丈夫なんですね?」
僧侶「ああ、大丈夫だ」
宿主「……」
宿主「そう、言うのであれば」
タッ タッ タッ タッ
僧侶「……」
僧侶「行ったか……」
527: 2013/04/23(火) 20:53:29 ID:sr0RPhNc
僧侶「しかし、力が溢れ出す」グッ
僧侶「使徒……やはり俺は、お前を許せない」
トン トン
勇者「私だ、入るぞ」ガチャ
僧侶「フッ。勇者……どうやら、気を使わせてしまったようだな?」
勇者「……」
勇者「やはり、ハイポーションの原液を飲んでいたか……」
528: 2013/04/23(火) 22:26:11 ID:sr0RPhNc
勇者「魔王の技で数ヶ月に縮まった命で、更にハイポーションを飲んだのだ。僧侶、お前の命はもって……」
僧侶「言うな勇者!! 己の寿命を知れば、震え上がって何も出来なくなってしまうよ」
勇者「それまでの覚悟か……ならば、この街に巣食う癌の存在も教えねばなるまい」
僧侶「癌……何の事だ?」
529: 2013/04/24(水) 10:35:11 ID:tBrvFHpY
数分後
僧侶「……」
僧侶「ダム……なるほど、ここが見かけ倒しの活気に思えたのはこの為か」
勇者「うむ。よく見れば、街の中には川が通っていた窪みの跡が有る。間違いないだろう」
僧侶「……」グッ
僧侶「では、早速行くとしよう。街にも、俺にも、猶予は残されていない」
530: 2013/04/24(水) 10:51:04 ID:tBrvFHpY
勇者「……」
勇者「先に使途を倒し、その上でダムへ向かうか? それとも先に……」
僧侶「いや、奴は知略の働く男。一方ずつ片付けていたのでは、考える時間を与える事になる」
僧侶「勇者達はダムを頼む。使途は……この俺が引導を渡す!!」
勇者「僧侶……」
勇者「任せたぞ僧侶!!」
531: 2013/04/24(水) 11:03:16 ID:tBrvFHpY
勇者「……」
勇者「入って来なさい。我々はこれからダムへ向かい、少しずつ水を外へ流す」
ガチャ
商人「……」コクッ
武道家「はいっ」
戦士「わかったぜ……」チラッ
僧侶「……」
戦士「でもよ、本当に僧侶一人で大丈夫なのかよ? さっきはオレにすら技を止められ……」
532: 2013/04/24(水) 11:07:43 ID:tBrvFHpY
僧侶「戦士。そこに立っていてくれないか?」
戦士「おっ、またやんのかよっ? いいぜ、来なっ!!」ニヤッ
僧侶「ほぉぉっ……」スッ
戦士「……」
僧侶「シャオ!!」バッ
戦士「ッ!!?」
僧侶「……」ピタッ
戦士「お、おぁ、アレっ?」
533: 2013/04/24(水) 11:12:05 ID:tBrvFHpY
僧侶「これは、俺が寸止めすると分かっていたから避けなかった……のかな?」ニヤリ
戦士「ぐっ……」
武道家「あははははっ♪ 戦士ってばダサすぎだよぉっ♪♪」バンバン
商人「ふ……」プルプルプルプル
戦士「うるせぇよチクショー!!」
534: 2013/04/24(水) 11:19:26 ID:tBrvFHpY
勇者(技のキレが戻っている……これならば心配は無用か)
勇者「戦士、もう異存はないな?」
戦士「うぅっ……わかったょぉっ。勝てよな僧侶!!」
僧侶「ああ。安心しろ」ニコリ
勇者「よしっ、では行くぞっ!! 我々はダムへ向かうっ!!」
戦士 武道家 商人
「「「はいっ!!!」」」
535: 2013/04/24(水) 11:29:07 ID:tBrvFHpY
大陸北部 伝説の神殿跡地
北の勇者「くっ、なんて強さなんだ……みんな、最後の力を振り絞るぞっ!!」
女魔法使い「メラゾーマ!!」
女僧侶「バギクロス!!」
女賢者「イオナズン!!」
北の勇者「そしてこれが、勇者の力だっ!! ライッ、ディィィィィィン!!!」
536: 2013/04/24(水) 11:35:54 ID:tBrvFHpY
ドゴオォォォォォォォォン!!!
北の勇者「やったか!?」
モクモク モクモク
極ポッポ「……」バッサバッサ
北の勇者「なっ、なにぃっ!?」
極ポッポ「この魔改造ポッポmarkⅢに対し、そのような攻撃は児戯に等しい……」
極ポッポ「北の勇者、期待ハズレだな。この体を試す練習台にもならんわ!!」
537: 2013/04/24(水) 11:39:02 ID:tBrvFHpY
フリーザー改「ポッポ様!!」バッサバッサ
ファイヤー改「あの者達の始末は」バッサバッサ
サンダー改「我らポッポ四天王にお任せください」バッサバッサ
オニドリル改「ドリィー!!」バッサバッサ
538: 2013/04/24(水) 12:57:01 ID:tBrvFHpY
北の勇者「くそッ、ロトの装備が有れば……みんな、退却だ!!」ダッ
フリーザー改「逃がさん!! ふぶき!!」ゴォォッ
ファイヤー改「だいもんじ!!」ボォォッ
サンダー改「かみなり!!」ビカァッ
オニドリル改「つつく!!」ツンツン
539: 2013/04/24(水) 15:27:48 ID:tBrvFHpY
北の勇者「ぐわぁぁぁぁっ!?」
女魔法使い「きゃあぁぁぁぁっ!!」
極ポッポ「どうやら、ワシがかぜおこしを下すまでもなさそうだな」ギッチョンギッチョン
極ポッポ(許さんぞ勇者め、必ず地獄に頃す!! そして魔王にも、こんな体になった報いを受けさせてやる!!)
541: 2013/04/24(水) 20:37:31 ID:tBrvFHpY
ジャガンノート 使途の寝室
使途「……」
使途「そろそろカルタスに『アレ』を指示した時刻になるな」
使途「俺もここを出なくてはいかんか」
バタンッ
使途「んッ!?」
使途「なっ、お前は……」
542: 2013/04/24(水) 20:45:54 ID:tBrvFHpY
僧侶「衰えたな使徒」
使徒「きっ、僧侶……何故ここへっ!?」
僧侶「理由を、聞きたいか?」スッ
使徒「……フッ」ニヤリ
使徒「いいだろう!! 表へ出ろ僧侶っ、そこでトドメを刺してやる!!」
543: 2013/04/25(木) 09:18:34 ID:JMdMnjQw
ジャガンノートの北部 超巨大高層ダム
カルタス「ダイナマイトの設置を急げぇ!! 完了したら奴隷に構わず、即刻に爆破だ!!」
ダッダッダッ
手下「はぁっ、はぁっ!! カ、カルタス様ぁっ!! ここに勇者が向かっておりますっ!!」
カルタス「なにぃ、勇者だとぉっ!!?」
カルタス(使徒様からは、勇者が来るのは今夜か明日だと連絡を受けたが……くっ!!)
カルタス「俺も出るっ、勇者をダムに近付けるな!!」ダッ
544: 2013/04/25(木) 11:10:57 ID:JMdMnjQw
カルタス「手下ッ、お前は俺に付いて来い!! 前線で勇者を迎え討つ!!」
手下「……」カタカタ
カルタス「んっ、どうした? 聞いているのかっ!?」
手下「はい……き、きっ、聞いてっ、きいていまっ……はうばっ!!?」ドサァッ
カルタス「手下ぁっ!!?」
ザッ
勇者「……」
勇者「さぁ、そこを退いて貰おう!!」
547: 2013/04/25(木) 18:56:38 ID:JMdMnjQw
カルタス「ぐっ……」
カルタス(これは予想外だが、来ているのはコイツ一人……殺れる!!)
カルタス「くくっ、それはできぬ相談だ……キサマは今、ここで」ジャキン
カルタス「氏ぬのだからなぁ」ニタァ
勇者「……」スッ
548: 2013/04/25(木) 19:05:28 ID:JMdMnjQw
カルタス「この二刀青龍刀からなる回転剣舞術……キサマに見切る事は叶わん!!」ジャキッ
勇者「……」
カルタス「……」ジリッ
勇者「言い残す事は、それだけか?」
カルタス「ぎっ!? なんだとぉっ!!? ならば氏ねぃ、回転剣舞六連斬ッ!!!」バッ
勇者「お前達のような悪党に、今日を生きる資格は無い!!」バッ
549: 2013/04/26(金) 11:05:33 ID:KYvYyjU6
カルタス「ちぇいさぁぁっ!!」ブォン
勇者「……」パシッ
カルタス「チッ、おりゃりゃりゃりゃりゃりゃぁァァァァッッ!!!」ブォンブォン ブォンブォン
勇者「ほぉぉぉっ……」スゥッ
勇者「両翼断靭拳ッ!!」ズドンッ
カルタス「ぐひぇあぁぁっ!!?」ドサァッ
550: 2013/04/26(金) 11:12:10 ID:KYvYyjU6
カルタス「おっ、俺の肩がぁぁっ!!」ガクガク
勇者「お前の両腕が上がる事は、二度と無い……もはや、刀を持つ握力すら残っていないだろう」スッ
カルタス「ぐっ、ぐぐぅ……」
ドゴォォォォォォォォン!!!
勇者「むっ!!?」
551: 2013/04/26(金) 19:38:41 ID:KYvYyjU6
カルタス「ふ、ガハハハハハハ!! どうやら間に合わなかったようだな!!」
勇者「次々と爆発が!?」
カルタス「ダムは崩壊する!! そして溢れ出す水は津波となって街を呑み込むのだぁ!!」
勇者「……貴様、どこまでっ!!」グッ
カルタス「おおっと、近付かない方がいい。俺の体にも無数のダイナマイトが巻き付けてあってな……例え両手が使えなくとも」ニヤリ
552: 2013/04/27(土) 10:05:02 ID:83ViEWqU
カルタス「この奥歯に仕込んだ起爆装置が有るのだぁぁっ!!」ガチッ
カルタス「勇者敗れたり!! 俺はカルタス、神をも欺くおと……」カッ
勇者「ぐっ……」バッ
ドゴォォォォォォォォン!!!
パラパラ パラパラ
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ
勇者「本格的な崩壊が始まってしまったか!?」
553: 2013/04/27(土) 10:29:27 ID:83ViEWqU
武道家「おぉい、しぃ~~しょ~~っ!!」ダッダッ
戦士「置いて行くなってぇ~っ!!」
勇者「っ!?」
勇者「来るなッ!! そこでエリクサーを全て出せ!! 氷結魔法準備!!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ
勇者「崩れるぞッ!!!」
554: 2013/04/27(土) 15:15:27 ID:83ViEWqU
勇者「水流には巻き込まれるなっ!! 私は右、お前たちは左側から魔力が尽きるまで撃ち続ける!!」
商人「了解ッーーーー!!!」
戦士「くっそ、オレ達だけが凍結魔法を使ったって……」
武道家「文句は後からだよっ!!」
戦士「わかってるっつの!!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ
戦士「マジで来るぞっ!!」バッ
555: 2013/04/28(日) 09:39:47 ID:D1gmXIJc
カラッ…
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ
ドゴォォォォォォォォォオオ!!!
勇者「ダムが崩壊したッ!!」
勇者「ぐっ、少しでも被害を食い止めるぞ!!!」バッ
556: 2013/04/28(日) 09:54:26 ID:D1gmXIJc
戦士 武道家 商人
「「「おおおおおおおおおおッ!!」」」
戦士「左手からヒャダイン、右手からマハブフーラ……合体!!」パンッ
戦士「凍結旋風、マハヒャダーラ!!!」
武道家「凍気を……絶対零度まで高める!!」ギリッ
武道家「ダイヤモンドッ、ダストォォォォッ!!!」
商人「すぅぅっ……」
商人「かがやくいき、ふぅぅぅぅぅぅっ!!!」ブォォッ
557: 2013/04/28(日) 10:44:00 ID:D1gmXIJc
カチッ、コチッ、カチン
戦士「やったか……?」
ガキッ バキバキッ
ドゴォォォォォォォォォオオ!!!
戦士「ダメだっ!! やっぱ少しくらい凍らせただけじゃ、次々と押し寄せる水流にぶっ壊されて、そのまま流されちまう!!」
勇者「少しずつ、断続的にでもいい!! とにかく手を休めるなっ!!」
武道家「もうっ!! 頑張っちゃうよボク!!!」
商人「……」Eソウルオブサマサ
商人「ブリザガ!! クイック!! ブリザガ!! クイック!!ブリザガ!! クイック!!ブリザガ!!」
558: 2013/04/28(日) 11:08:49 ID:D1gmXIJc
ジャガンノート 街の中央に走る河川跡地
使徒「……」タッ
使徒「ここなら良いだろう」
僧侶「……」
僧侶「使徒……お前の裏切りに、もっと早く気付くべきだった」スッ
僧侶「裏切りではない、知略だッ!!」スッ
559: 2013/04/28(日) 11:14:46 ID:D1gmXIJc
僧侶「……」グッ
僧侶「ほぉぉぉっ……」
使徒「つぇあぁぁっ……」
僧侶「シャオ!!」バッ
使徒「シャオ!!」バッ
560: 2013/04/28(日) 11:34:05 ID:D1gmXIJc
僧侶「ハァッ!!」スパァッ
使徒「クハハハハッ!!」スパァッ
僧侶「……」スタッ
使徒「……」スタッ
僧侶「……」
使徒「……」
使徒「ふっ……」ニヤリ
僧侶「ぬっ!?」ツーッ
使徒「僧侶、拳の技巧のみでは、この俺に傷を付ける事など……ぐはぁぁぁっ!!?」ズパァァッ
僧侶「さぁ、続けよう……」スッ
561: 2013/04/28(日) 11:39:06 ID:D1gmXIJc
使徒「ぐぅっ……」ドサァッ
使徒(バカなっ!? 先ほど奴の技を見た時は、これほどのキレは無かった!!)フラフラ
使徒(この俺は、僧侶を越えたはずなんだっ!!)
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ
僧侶「んっ? この地鳴りのように近付いて来る音は……」
562: 2013/04/28(日) 11:44:46 ID:D1gmXIJc
使徒「くっ……」
使徒「ハァッハッハッハッハッ!! ダムを爆破したのだ!! この街は水に呑み込まれて沈むぞっ!!」
僧侶「なッ!?」
僧侶「人の皮を被った悪魔め……」ギリッ
僧侶「テメェの血は、何色だッ!!?」
563: 2013/04/28(日) 17:19:31 ID:D1gmXIJc
使徒「フッ、ククッ……お前の氏も時間の問題だなぁ僧侶」
パシャッ パシャッ チャポッ
僧侶「ぐっ!?」
使徒「ほぅら、もう足元に水が浸透しつ来たぞ?」ニヤリ
使徒「飛翔拳の極意は高く舞い上がるその足に有る……だが、こうなっては最早跳べまい!!」
僧侶「飛翔拳を使うのはお前も同じ事……それでもこれは知略だと言うのか!?」
564: 2013/04/28(日) 17:28:49 ID:D1gmXIJc
使徒「……」
使徒「俺が会得しているのは飛翔拳だけでは無い。暗殺爪戟術も同時に会得している」
使徒「よって……膝まで水が達していても、それらの技を組み合わせ……こんな事もできる」スッ
僧侶「ッ!!?」
565: 2013/04/28(日) 19:50:19 ID:D1gmXIJc
使徒「つぇあぁぁっ……」
使徒「水衝ッ、爪烈波!!!」ズシャシャシャッ
僧侶「くっ……ぐあぁぁっ!!?」スパァッ
使徒「無様だな僧侶……水衝爪烈波は、鋭利な風に水圧を纏わせ全てを切り裂く、この状況だからこそ栄える技」
使徒「……」ニタリ
使徒「ヒャッハー!! 切れろ切れろぉぉぉぉぉっ!!!」ズババババババッ
566: 2013/04/28(日) 20:14:20 ID:D1gmXIJc
僧侶「うぐっ、ぐおおおおおおおお!!!」ズバズバズバッ
使徒「俺も脱出しなければならないのでな、そろそろトドメを刺してやる!!」スッ
僧侶「うぅっ……」ヨロッ
使徒「ククッ……」
使徒「トドメだッ!! 水衝爪烈波!!!」
567: 2013/04/28(日) 20:24:05 ID:D1gmXIJc
僧侶「……」
僧侶「……」キッ
Give me your life
生き抜く戦いへ
僧侶「ほぉぉぉっ……」ググッ
僧侶「シャァァオ!!」ザッパァァッ
But I keep the faith of your life
迷わず踏み出せ
使徒「なにッ!? 水面を踏み台にして上空へ跳んだ!!?」
568: 2013/04/28(日) 20:33:07 ID:D1gmXIJc
この身に宿した激情を
時代の流れに解き放て
拳に託した熱情を
友へと語り継げ
僧侶「俺が最後に見せるのは、飛翔拳の極意、飛翔燕舞!!」スーッ
果てない日々に
心 霞んでも
使徒「おおっ……」
使徒(美しい……)
紡いだ糸が
明日を繋ぎ止めてく
569: 2013/04/28(日) 20:42:59 ID:D1gmXIJc
使徒(俺は、俺は……)
使徒(俺はお前を尊敬し……)
感じた愛も悲しみも
立ち上がる強さへと
使徒(そしてお前に、嫉妬していたんだ……)
変えるさ
570: 2013/04/28(日) 21:15:55 ID:D1gmXIJc
僧侶「飛翔拳奥義!! 水鳥飛燕斬ッ!!!」
使徒「ぐはあああああああああ!!?」ズバァァッ
Give me your life
生き抜く戦いへ
使徒「うあっ……見事だ、僧侶」フラフラ
But I keep the faith of your life
迷わず踏み出せ
使徒(僧侶……嫉妬に狂った醜い俺が、勝てる筈も無かった……この世でただ一人、認めた男)ザッパーン
激しく滾る血潮が今
運命(さだめ)を動かす
571: 2013/04/28(日) 21:29:50 ID:D1gmXIJc
僧侶(使徒……俺もすぐに向かう)
僧侶「ぐっ!?」ザッパーン
僧侶(このまま流されて逝くのも良いが……)ゴボゴポ
僧侶(すまない勇者、後は頼む……)
僧侶「ッ!!!」ギュワーン
572: 2013/04/28(日) 21:47:57 ID:D1gmXIJc
水鳥の街アイリ 僧侶の家
ドゴォォン
妹「きゃっ!?」
妹「何よ今の音!!」ガタッ
僧侶「……」フラフラ
僧侶「妹……」グラァッ
妹「兄さん!?」ダキッ
573: 2013/04/28(日) 22:14:10 ID:D1gmXIJc
僧侶「妹……」ギュッ
妹「どうしたのよっ!? 全身が濡れてるしっ……」
僧侶「妹……」ポロポロ
妹「……」
妹「そっか、頑張ったのね兄さん」ギュウッ
574: 2013/04/28(日) 22:45:17 ID:D1gmXIJc
妹「んっ……」チュッ
僧侶「……」
妹「一人ぐらい、一人ぐらい……」
妹「貴方を愛する女が居ても良いでしょ?」ポロポロ
僧侶「妹……」
僧侶「強く、なったなぁ」ニコリ
575: 2013/04/28(日) 23:08:04 ID:D1gmXIJc
僧侶「妹……俺を、愛してくれて」
僧侶「ありがとう」
僧侶「……」
僧侶「……」ガクッ
妹「えっ?」
妹「兄さんっ!? 兄さんっ!!」
妹「いやあぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
576: 2013/04/28(日) 23:16:15 ID:D1gmXIJc
ジャガンノート北部 超巨大高層ダム
勇者「……」
勇者(僧侶……逝ったか)グッ
戦士「ごめん、師匠……もう」ドサァッ
武道家「ボク、もっ……ごめん、なさい」ドサァッ
商人「ブリザガ!! クイック!! ブリザガ!! クイック!! ブリザガ!! クイック!! ブリザ……魔力切れっ」ドサァッ
577: 2013/04/29(月) 09:01:12 ID:u64LUmUk
勇者「……」
勇者「すまない僧侶……守れなかった」
勇者「この水流は、止まらない!!」グッ
勇者「一つの街も守れず……何が勇者だ!!」
578: 2013/04/29(月) 14:39:14 ID:u64LUmUk
翌日 ジャガンノート 街内
戦士「水は……引いたみたいだな」
武道家「うん、水が流れてるのは元通りになった川だけ」
商人「……」
商人「けど、街は水浸し……」
579: 2013/04/29(月) 15:09:53 ID:u64LUmUk
タッ
オーナー「勇者様……」
勇者「……」
勇者「すまぬ。なんと謝罪したらいいか……」
オーナー「謝罪? ははっ、私たちは勇者様に感謝こそすれ、謝罪して貰う事など有りませんよ」ニコリ
580: 2013/04/29(月) 18:44:15 ID:u64LUmUk
勇者「しかし……」
オーナー「言わないでください」
オーナー「これは、現状に不満を持ちつつも、自分達の力で動こうとしなかった我々への罰です」
オーナー「それに……被害者はいません。家具などは流されてしまいましたが、家は無事。水は戻りましたし、これから再建するでしょう」
581: 2013/04/29(月) 18:45:22 ID:u64LUmUk
被害者じゃなくて、亡くなった者は、だった…
582: 2013/04/29(月) 22:15:45 ID:u64LUmUk
オーナー「この街は、これから生き返るのです!!」
勇者「……」
勇者「そうか」ニコリ
オーナー「ですから勇者様は、くれぐれもこの事を気に掛けぬようお願いします」ペコリ
戦士「んじゃ、魔王をブッ倒したら、また肉を喰いに来るぜ!!」ニコッ
オーナー「はいっ、その時には盛大にもてなさせて貰います。今度はビールもお出しできますよっ」
商人「自分……ビール駄目なんで、オレンジジュースください」
583: 2013/04/29(月) 22:25:02 ID:u64LUmUk
ジャガンノート 解放
セイントキングダムへ
,
584: 2013/04/30(火) 11:52:19 ID:sRNXFOEE
巨大物塔 聖鳥獣慈寮 頂上
ピカッ ゴロゴロッ ゴロゴロッ
ドードー「……」
極ポッポ「お師さん……」
585: 2013/04/30(火) 16:12:52 ID:sRNXFOEE
セイントキングダムへ向かう道中 砂原
まもののむれが あらわれた!
リザードン「リザァァァッ!!」
キングベヒモス「ベヒィィモ!!」
キラーマシン「ガガッ、ギギッ!!」
586: 2013/04/30(火) 18:24:51 ID:sRNXFOEE
戦士「おっ」チャキッ
商人「待って……私が行く」スッ
リザードン「リザァァァッ!!」バッ
キングベヒモス「ベヒィィモ!!」バッ
キラーマシン「ガガッ、ギギッ!!」バッ
商人「……」
商人「渇ッ!!!」
587: 2013/04/30(火) 18:29:06 ID:sRNXFOEE
リザードン「きゃんきゃん」
まものは にげだした!
キングベヒモス「きゃんきゃん」
まものは にげだした!
キラーマシン「だれかたすけてっ!!」
まものは にげだした!
商人はまもののむれを おいはらった!
商人「ふぅっ」
588: 2013/04/30(火) 18:34:33 ID:sRNXFOEE
武道家「さすがは商人のニフラム……」
戦士「ああ。いつ見ても恐ろしい魔法だぜ」ゴクリッ
商人「?」
勇者「……」
勇者(強くなった……もはや魔王軍と言えど、この者達と対等に戦えるのは幹部クラスしか居まい)
590: 2013/04/30(火) 22:26:48 ID:sRNXFOEE
戦士「ええっ……とさ、師匠?」
勇者「どうした?」
戦士「僧侶の葬式に、出なくて良かったのか? 僧侶の家まで行ったのに、妹にも会わないで外だけ見て戻るとかさ」
勇者「……」
勇者「遺言だった。妹の元へと帰った情けない自分は見ないでくれとな……恐らく、僧侶が弱音を吐き、涙を見せるのは妹だけだったのだろう」
591: 2013/04/30(火) 22:37:58 ID:sRNXFOEE
戦士「はっ?」
武道家「う~ん、わかるようなわかんないような」
商人「男のプライ……」
商人「男の安いプライド」
勇者「……」
勇者「こればかりは、男にしか分からぬ事だな」ニコリ
592: 2013/05/01(水) 10:00:52 ID:MzWVpqOg
勇者「それと……」
勇者「お前達にはこれを渡して置こうと思う」
武道家「なになにぃ♪ プレゼント?」
戦士「って、なんだこれ?」
商人「小さい……石ころ」
593: 2013/05/01(水) 10:15:50 ID:MzWVpqOg
勇者「それはマジックストーン。魔力を込め念じる事で、石に封じて有る魔法を使用できる」
戦士「へぇ~っ、何の魔法なんだ? ルーラならキメラの翼が有るしな」
武道家「ベギラゴン、とか?」
商人「きっと回復魔法……」
594: 2013/05/01(水) 10:34:22 ID:MzWVpqOg
勇者「……」
勇者「メガンテだ……」
戦士「はっ?」
武道家「えっ?」
商人「メガンテ……使用者の命と引き換えに大爆発を起こして自爆する魔法」
595: 2013/05/01(水) 10:43:35 ID:MzWVpqOg
勇者「恐らく私だけの力では魔王に勝てぬ……故に、ここで最後の確認を取ろう。お前達の命を、私にくれ!!」
戦士「……」
戦士「あのっ、それってさ……魔王との戦いでヤバくなったら、この石を……つまり、メガンテを使えって言ってんだよな?」
勇者「そうだ。覚悟はここで決めろ……その瞬間に臆するようでは、ここから先に連れて行く事はできない」
596: 2013/05/01(水) 13:25:33 ID:MzWVpqOg
戦士「……」
武道家「えっ……と」
商人「……」
商人「師匠?」ツカツカ
勇者「んっ?」
商人「あの二人はダメ、使えない。私と師匠だけで行くべき」グイグイ
597: 2013/05/01(水) 19:50:50 ID:MzWVpqOg
勇者「……」
勇者「そうか、では二人で行くか?」
商人「♪」ギュウッ
戦士「うっ……」
戦士「うぅっ……」
戦士「ああああああ!! もうっ、オレも行くよ!! 命なんかとっくに師匠へ預けてるっつの!!」ダダッ
武道家「あ~ん、ボクもボクもぉぉっ!!」ダダッ
商人「ちっ」
598: 2013/05/01(水) 21:17:59 ID:MzWVpqOg
巨大物塔 聖鳥獣慈寮 王間
ヨルノズク「ポッポ様、反逆を企てた二匹を連れて参りました!!」
カイオーガ「くそっ、離しやがれ!!」ジャラッ
ルギア「鳥風情が意気がりやがって!!」ジャラッ
極ポッポ「ふむ……」
極ポッポ「ヨルノズク、こいつらの鎖を外してやれ」
599: 2013/05/01(水) 21:24:28 ID:MzWVpqOg
ヨルノズク「はっ!!」ガチャガチャ
カイオーガ「へへっ……」ニギニギ
ルギア「わかりゃいいんだよ鳥ポケ!!」ググゥッ
極ポッポ「どれ、人間達では試せなかった、新しいワシの力を試させて貰うとするか……」
600: 2013/05/01(水) 21:30:31 ID:MzWVpqOg
ルギア「あっ?」
極ポッポ「二人掛かりで良い。このポッポに傷を付けれたなら、お前達を解放しよう」スッ
ルギア「……」
ルギア「おいおい、聞いたか?」ニタリ
カイオーガ「ああ、俺たち伝ポケブラザーズの恐ろしさを知らないようだな? 不意討ちで催眠術なんぞ喰らわなかったら、鳥ポケなんて敵じゃねぇんだよ!!」
601: 2013/05/01(水) 21:40:53 ID:MzWVpqOg
ルギア「テメェをぶっ頃して、ここを乗っ取ってやるぜぇ!!」バッ
カイオーガ「伝ポケブラザーズの奥義を受けてみやがれッ!!」バッ
ヨルノズク「ッ!!? あ、あの技はぁっ!!?」
ヨルノズク「お逃げくださいポッポ様ぁぁっ!!!」バッサバッサ
極ポッポ「……」
602: 2013/05/01(水) 21:46:44 ID:MzWVpqOg
ルギア「カァッ!!」クワッ
カイオーガ「カァッ!!」クワッ
ルギア カイオーガ
「「南斗ダブル破壊光線!!!」」ピギュゥーッ
極ポッポ「!?」
ドゴオォォォォォォォォオオ!!!
パラパラ パラパラ
ヨルノズク「ああっ……なんて事をっ……」
603: 2013/05/01(水) 22:01:11 ID:MzWVpqOg
ルギア「終わったな」スタッ
カイオーガ「調子に乗るからだぜ?」スタッ
モクモク モクモク
ザッ
極ポッポ「……」
極ポッポ「この技は、煙を巻き上げる技か?」
604: 2013/05/01(水) 22:14:37 ID:MzWVpqOg
ルギア「なにッ!?」ビクッ
カイオーガ「俺たちの技が、まるで効いちゃいねぇ!!?」
極ポッポ「しかし……」ツーッ
極ポッポ「頬に僅かばかり傷が付いたな」
605: 2013/05/01(水) 22:18:25 ID:MzWVpqOg
ルギア「そっ、それじゃあ!!」
カイオーガ「俺たちは自由にっ!?」
極ポッポ「……」
極ポッポ「バカか?」
極ポッポ「このポッポに傷を付けた者が、生きて居られるわけ無かろう」ニタリ
606: 2013/05/01(水) 23:52:45 ID:MzWVpqOg
極ポッポ「ふんっ」クンッ
カイオーガ「!!!??」ブクブクブクッ
ルギア「カッ、カイオーガの体がっ!?」
カイオーガ「おっ、おれの体がっ、膨らんで行くぅ……あ、あ゙、アッ、あじゃぱぁぁぁぁっ!!!」ブシュゥゥゥッ
パァァン バラバラ バラバラ
ルギア「カイオーガァァァァァァッ!!!」
極ポッポ「きたねぇ花火だ……」
607: 2013/05/02(木) 09:59:18 ID:47o8um62
ルギア「よくもカイオーガをッ!!」キッ
ルギア「連続破壊弾を喰らえ!! だだだだだだだだだだだだぁっ!!!」ドドドドドッ
極ポッポ「……」
ドゴオォォォォォォォン!!!
パラパラ モクモク
ルギア「やったか?」
608: 2013/05/02(木) 14:20:25 ID:47o8um62
シュン
極ポッポ「……」スタッ
ルギア「ッ!!?」
極ポッポ「……」
ルギア「……」ギリッ
ルギア「俺は『瞬歩』を極めているんだぞ? 俺より早く……いや、俺の後ろ何か取れる訳がねぇ!!」クルッ
極ポッポ「瞬歩? ああ、ピカチュウの電光石火にも劣るアレか?」
609: 2013/05/02(木) 14:27:44 ID:47o8um62
ルギア「破壊光線!! カァッ!!」チュドォォッ
極ポッポ「ハァッ!!」バッサバッサ
ゴォォォォッ
ルギア「なにッ!? 俺の破壊光線をエアロブラストで掻き消しやがった!!」
極ポッポ「んっ? 勘違いしているな……」
極ポッポ「今のはエアロブラストでは無い。かぜおこしだ!!」ニヤリ
ルギア「かぜおこしだとぉっ!!?」
610: 2013/05/02(木) 14:41:17 ID:47o8um62
極ポッポ「そしてワシは瞬歩の上の上、『歩゚っ歩゚』を極めておる」
極ポッポ「したがって……」
シュン
極ポッポ「お前の後ろを取る事など、造作も無い」スタッ
ルギア「ぐぅっ!!?」
611: 2013/05/02(木) 14:49:50 ID:47o8um62
ルギア「氏ねぇぇぇぇっ!!」クルッ
ルギア「ハイドロポン……」
極ポッポ「遅いッ!! 聖鳥十字斬!!!」スパッ スパァッ
ルギア「げひゃあぁぁぁぁっッ!!?」ザシュゥゥッ
ビチャ ビチャ
ルギア「うぅっ……」ドサァッ
極ポッポ「他愛ない」
614: 2013/05/02(木) 14:59:35 ID:47o8um62
バタンッ
エアームド「ポッポ様!! 勇者達がここへ向かっているとの報告が入りました!!」
極ポッポ「……」
極ポッポ「来たか……この屈辱」ギッチョンギッチョン
極ポッポ「必ず返すぞっ!!」
極ポッポ「四天王を全員集めろ!! この聖鳥獣慈寮を勇者達の墓場にするのだッ!!」バッ
ヨルノズク「はっ!!」
エアームド「はっ!!」
615: 2013/05/02(木) 20:11:14 ID:47o8um62
セイントキングダム 数百メートル手前 崖の上
武道家「ただいまっ」タタッ
商人「おかえり」
戦士「で、どうだった?」
武道家「……」
武道家「師匠が言ってた通り、幼い子供達が働かされてた」
勇者「やはり、あの噂は本当だったか……」
616: 2013/05/02(木) 20:20:18 ID:47o8um62
戦士「うわさ?」
勇者「うむ」コクリ
勇者「このセイントキングダムを支配している者の名は『聖者』。自らを神と名乗り、恐怖と暴力によって人々を支配する男……」
武道家「酷い。それって、魔王と変わらないよっ!!」
勇者「そして……」
勇者「修行時代では有るが、魔王と引き分けた男だ」
商人「!!?」ガタッ
617: 2013/05/02(木) 20:32:44 ID:47o8um62
勇者「聖者は魔王に決定打を与えれず、魔王もまた、聖者の秘密の前にどうしても倒せなかった」
戦士「あの魔王が……聖者って、そんな強い奴なのか?」
商人「だから魔王軍はここに攻めて来ない」
武道家「ねぇししょー? その秘密が有ると、ししょーも勝てないの?」
618: 2013/05/03(金) 14:20:18 ID:tXo5GRy.
勇者「私は、聖者の体の謎を知っている」
武道家「それじゃ、魔王でも倒せない奴を、ししょーなら倒せるって事?」
勇者「……」コクリ
勇者「しかし……魔族も人間も一緒だな。大きな力を持つ者は、弱き者を虐げる。その者が倒されても、次々と現れては繰り返す」
勇者「賢者や僧侶は、例外も例外か……」
619: 2013/05/03(金) 14:26:17 ID:tXo5GRy.
戦士「……」
武道家「……」
商人「……」
勇者「王との約束だ、弟の幸せの為だ、魔王は倒そう。この地は解放しよう」
勇者「だが……その後、魔王と言う絶対的な恐怖が居なくなった時、人々がどういった行動に出るか……私は魔王よりそちらの方が恐ろしい」
620: 2013/05/03(金) 14:42:26 ID:tXo5GRy.
勇者「果たして……この世界を、人々を、一時の平和の為に救う意味が有るのか?」
戦士「あるっ!!」
勇者「……」
戦士「オレは師匠に命を賭けた。命を賭けて師匠を守るっ!! だから師匠は、オレが好きなこの世界を守る為に戦ってくれ!!」
商人「同上」
武道家「ボクは平和がいい、みんな仲良しがいい!! 命を賭けてししょーを守るから、ししょーはボクが好きなこの平和の為に戦って!!」
商人「激しく同意」
621: 2013/05/04(土) 11:55:39 ID:Ekq5Ib1Q
商人「私たちは師匠の平和を守る。師匠は世界の平和を守って」
勇者「……」
勇者「ふっ」ニコリ
勇者「仲間にここまで言われ、奮い立たない訳にはゆくまい……」
勇者「私は勇者だ!! 世界を救う理由はそれで充分!!」
勇者「聖者……楽な相手では無いが、ここで討つ!!」グッ
622: 2013/05/05(日) 00:11:01 ID:OI6sAG/.
聖者の神殿 巨大食卓
バタンッ
鎧兵「聖者様!! 勇者が使徒の支配していたジャガンノートを解放し、ここへ向かっているとの報告が入りました!!」
聖者「……」カチャカチャ
聖者「ふむ」
聖者「あの小僧か……」ニヤリ
鎧兵「如何なさいましょう?」
聖者「放って置け。ここには『神の四神殿』が在る……どうせ俺の所には辿り着けぬ」
623: 2013/05/05(日) 15:48:40 ID:OI6sAG/.
聖者「……」
聖者「だが……」
聖者「俺に楯突くのなら容赦はせん。その時はレジスタンス共々、勇者らを残らず殺せ!!」
鎧兵「はっ!!」
聖者(ついに来たか勇者……だが、誰で在ろうともこの俺を止める事はできん!! それが勇者で在ろうと、魔王で在ろうとな!!)
624: 2013/05/05(日) 19:52:53 ID:OI6sAG/.
セイントキングダム 街中
ヒューッ
商人「……」
戦士「あー、なんつーかさ」
武道家「ゴーストタウン?」
武道家「労働場には子供達がたくさん居たのに……街には人影すらないなんて」
勇者「……」
625: 2013/05/06(月) 12:38:31 ID:C2jt9XtQ
戦士「……」キョロキョロ
戦士「ッ!?」
戦士「師匠、あっち!!」グイッ
勇者「んっ?」
民家
ハンター「おいっ、子供を出せっ!! さっきここへ入って行くのを見たぜぃ?」ニヤリ
女「何かの間違いです!! この家の子供はもうおりません、帰ってください!!」
626: 2013/05/06(月) 16:48:25 ID:C2jt9XtQ
ハンター「ほんとぅかぁ~っ?」ジリッ
女「ほっ、本当です!!」ビクビクッ
ハンター「……」
ハンター「チッ、じゃあ次に行くか……」クルッ
ザッ ザッ
女「……」
女「行っ、た?」
627: 2013/05/06(月) 19:26:47 ID:C2jt9XtQ
女「……」
女「ふぅぅっ……」
女「二人とも、タンスから出て来ていいわよっ」ニコッ
ガチャ
女児「ほんとママ?」ヒョコッ
男児「もう居ない?」ヒョコッ
628: 2013/05/06(月) 19:51:41 ID:C2jt9XtQ
女「ええ、いないわよっ」ニコッ
女児「やった♪」トテッ
男児「……」
男児「?」
男児「あ」ビクッ
男児「まっ、ママっ!!」
女「どうしたの大きい声だして?」
629: 2013/05/06(月) 20:05:02 ID:C2jt9XtQ
女児「あわっ!?」ブルブル
男児「後ろだよママっ!!」
女「えっ、後ろっ?」クルッ
ハンター「……」
ハンター「よう」ニヤリ
女「そんなっ!? さっきあっちへ……」
ハンター「演技が下手くそなんだよ。ガキを隠してるってバレバレだったぜ?」
630: 2013/05/06(月) 20:20:44 ID:C2jt9XtQ
女「……」ギリッ
女「二人とも逃げなさい!!」バッ
ハンター「邪魔だババァ!!」ドガッ
女「きゃっ!?」ズザァァッ
女児「ママ!!」
男児「ママ!!」
女「うぅっ……にげ、てっ」
631: 2013/05/06(月) 20:56:18 ID:C2jt9XtQ
ハンター「ゲヘヘッ……ガキを二人も連れて行けば、確実に聖者の部下になれる。そしたら一生安泰よ!!」ザッ
女児「……」ブルブル
男児「……」ギュッ
ポンッ ポン
ハンター「あん? 誰だ俺の肩を叩く奴は?」クルッ
勇者「……」
632: 2013/05/06(月) 21:17:14 ID:C2jt9XtQ
ハンター「お前も聖者の部下になる為に子供を拐いに来たのか?」
ハンター「ハハッ、残念だったな、ここのガキは頂いたぜっ」ヒョイッ
女子「うあっ!?」
男児「このっ、はなせ!!」ジタバタ
勇者「……」
勇者「置いて行け……」
633: 2013/05/06(月) 21:32:55 ID:C2jt9XtQ
ハンター「冗談キツいぜ、やっとこさガキを見つけたってのによ……ほらっ、他を当たんな」シッシッ
勇者「……」
勇者「置いて行け……」
ハンター「ギッ!! だぁ、かぁ、らぁ!! ここのガキは俺が……」
勇者「……」スッ
634: 2013/05/06(月) 21:39:13 ID:C2jt9XtQ
ハンター「……」
ハンター「わかったよ、がめつい奴だな……ガキを一人、分ければいいんだろ?」
勇者「両方だ。二人ともここへ下ろし、消えるがいい……命まで取るつもりは無い」
ハンター「あ? 同業だと思って優しくしてりゃ、さっきから調子に乗りやがって!! ここでお前を頃したっていいんだぜ!!?」
636: 2013/05/06(月) 21:45:57 ID:C2jt9XtQ
勇者「……」
勇者「良かろう、表へ出なさい」クイッ クイッ
ハンター「上等だッ!!」ブンッ
女子「わきゃっ!?」ドサッ
男児「うわっ!!?」ドサッ
ハンター「ガキども、ここに居ろ!! 逃げるんじゃねぇぞ? 逃げたらお前らの母親を頃すからなっ!!」
637: 2013/05/06(月) 22:04:32 ID:C2jt9XtQ
ハンター「へへッ」ザッ
ハンター「この俺は五手蝋拳の使い手よ!!」スッ
勇者「……」
ハンター「俺と戦って生きていた者は、今まで存在し……」
?「シャオ!!」スパァッ
ハンター「ましったっ!!?」ズシャアァァッ
勇者「むっ!?」
?「またゴミが沸いていたのか……」スタッ
638: 2013/05/06(月) 22:28:41 ID:C2jt9XtQ
キリ「俺の名はキリ。お前の名と、この街に来た理由を聞こう」
勇者「……」
勇者「私の名は勇者。聖者の覇道を止めるのは、私の宿命!!」
キリ「なにっ、お前が僧侶の言っていた勇者か!?」
勇者「……」
キリ「なるほど……フッ、真っ直ぐな目をしている」ニコリ
639: 2013/05/06(月) 23:16:45 ID:C2jt9XtQ
タッ タッ タッ
武道家「ししょ~っ!! 他に襲われてる家は無かったよ」
戦士「こっちは一人ブッ飛ばして来た!!」
商人「異常なし」
勇者「そうか」ニコリ
キリ「……」
キリ「勇者よ、お前に見せたいものが有る。着いて来てくれるか?」
640: 2013/05/07(火) 08:21:19 ID:Pasi5Kn6
地下 レジスタンスのアジト
キリ「みんな、戻ったぞ」
幼女「おかえり~」トテトテ
少年「おかえりなさいキリ様」
青年「こちらは特に変わりは有りませんでした」ペコリ
641: 2013/05/07(火) 17:28:14 ID:Pasi5Kn6
商人「無駄に広い」
勇者「ここは……」
キリ「ここは、聖者に対するレジスタンスの基地……と言うには、余りにお粗末だがな。核シェルターを拡張改修しただけさ」
勇者「なるほど、地上に人が少なかったのはこの為か」
戦士「おっ、浴場があんじゃん!?」
武道家「はいろはいろっ♪」タッタッ
642: 2013/05/07(火) 17:34:13 ID:Pasi5Kn6
勇者「……」
キリ「ははっ、構わんよ」
キリ「で、本題なんだが……勇者はここを見て何を感じた?」
勇者「レジスタンスの基地、をか?」
キリ「そうだ……聖者と戦う本拠地を見て、だ」
643: 2013/05/07(火) 17:37:40 ID:Pasi5Kn6
勇者「……」
勇者「少ないな」
勇者「子供は多い。若者も多い。だが……」
キリ「……」
キリ「手練れが少ない……そう言いたいのか?」
勇者「うむ」コクリ
644: 2013/05/07(火) 18:19:03 ID:Pasi5Kn6
キリ「……」
キリ「それが、こうやってレジスタンスなどでいつまでも燻ってる理由だよ」
キリ「聖者は言わずもがな強いのだが、その聖者に辿り着くには『四神殿(ししんでん)』を突破せねばならぬ」
勇者「四神殿……」
キリ「四つ目の神殿は聖者自身が守っているが、そこへ到達するには他の三つを攻略する必要が有る」
645: 2013/05/07(火) 18:28:17 ID:Pasi5Kn6
キリ「第一の神殿を守るのは、全てを切り裂く聖剣を持つ男……インドラ」
キリ「第二の神殿を守るのは、絶対零度の戦士……シヴァ」
キリ「第三の神殿を守るのは、神に最も近い虚人……ブッタ」
キリ「そして第四の神殿を守るのは、極星に選ばれし不氏身の肉体を持つ帝王……聖者」
勇者「……」
646: 2013/05/07(火) 18:48:00 ID:Pasi5Kn6
キリ「俺が相討ちの覚悟で望めば、どれか一つは突破できるかも知れん……」
キリ「しかし、それで俺が力尽きては、このレジスタンスは即座に壊滅してしまう」
キリ「だからこうやって、末端の部下達から少しずつ駆逐しているのだが……」
勇者「聖者に取り入ろうとする奴らが、それ以上に多いと?」
キリ「そうだ。街の警備に時間を割いていては、いつまで経っても攻めに転じる事はできない」グッ
647: 2013/05/07(火) 20:08:33 ID:Pasi5Kn6
ガタン
男「キリ様ぁっ、食料を大量に入手しましたぁ~っ!!」
若者「見てくださいっ、コンテナで11個も有りますよ!! これなら数ヵ月は食料に困りません」
キリ「……」
キリ「おおっ、こんなにどうしたんだ?」
若者「へへっ、聖者の食料補給部隊を襲ってやりました。一石二鳥ってやつです」
648: 2013/05/07(火) 20:23:12 ID:Pasi5Kn6
若者「最近のキリ様は自分の少ない食事まで子供に回して、ちゃんと食べてませんでしたよね? これなら心配いりませんよ」
キリ「そうだな」ニコリ
少年「おかえりパパ~っ!!」タッタッ
男「おう、ただいまっ」ナデナデ
男「ほらっ、このチョコパンを食べなさい」
少年「わ~い♪ おいしそぅ」
649: 2013/05/07(火) 20:40:25 ID:Pasi5Kn6
若者「キリ様も菓子パンをどうぞ」
キリ「では、いただこう。勇者も喰え……長丁場になるぞ?」
勇者「……」
勇者「そうだな、私もいただこうか」ニコリ
キリ「ふむ、これは旨そうな……」
キリ「んっ?」ピクッ
キリ「この匂いはっ!!?」クンクン
650: 2013/05/07(火) 21:25:50 ID:Pasi5Kn6
少年「おいしぃ♪」パクパク
キリ「みんな食べるなッ!! 毒が入っているぞ!!!」バッ
勇者「ッ!!?」
若者「えっ」
男「そんな、まさか……」
651: 2013/05/07(火) 21:47:24 ID:Pasi5Kn6
男「ハッ!?」
男「食べるなぁっ!!!」
少年「ふぇっ、どうして?」モグモグ
少年「こんなに美味し……」
少年「……」タラァッ
少年「あ、れ? げほっ、ゲホッ!! どうして、くちから血が出てくるの? パ、パ……」
652: 2013/05/08(水) 01:02:27 ID:ZWLB6izE
男「おい、しっかりしろ!! おいっ!!」
少年「なん、で? ボクはっ……パンを食べた、だけ、なのに……」
少年「……」
少年「パ、パ……」ガクッ
男「うおおおおおおおおおおお!!!」ギュウッ
勇者「くっ」ダッ
勇者「……」
勇者「駄目だ、瞳孔が開き切っている……」
653: 2013/05/08(水) 11:17:32 ID:ZWLB6izE
若者「おっ、俺達は、食い物を奪って来ただけなのに、なんで……」
キリ「恐らく、最初から毒を混入し、わざとコンテナを襲わせたのだろう」
若者「そんなっ……」ガクッ
キリ「勇者よ、これが聖者のやり方だ!! もはや、許して置く事はできぬ!!」
勇者「……」
勇者「行こう。子供の将来を奪う者……断じて許さん!!!」ザッ
654: 2013/05/08(水) 14:37:51 ID:ZWLB6izE
武道家「あーっ、サッパリしたぁ!!」ワシャワシャ
戦士「マジ、最高の気分だぜっ!!」
勇者「……」
商人「んっ?」キョロキョロ
商人「……」
商人「むごい事をする……許すまじ聖者!!」グッ
655: 2013/05/08(水) 22:15:22 ID:ZWLB6izE
セイントキングダム 第一神殿の前
キリ「こちらは五人、対して聖者側は四人。更に言えば聖者側は各神殿に一人だ……五対一で確実に一人ずつ潰して行こう」
戦士「……」
戦士「少し卑怯ってか、気にいらねぇが……」
武道家「戦士、今はそんなこと言ってる場合じゃないよ」
戦士「わかってるって、クソ……」
656: 2013/05/08(水) 22:27:41 ID:ZWLB6izE
勇者「よし、行くぞっ!!」ダッ
商人「イク」
武道家「ほらっ、置いてっちゃうよ?」ダッ
戦士「おい待てよっ」
キリ「……」
キリ(一見バラバラに思えるが、彼女らの瞳も真っ直ぐに未来を見詰めている)
キリ(こんな若者達が居れば、俺が第一線から消えても平気だろう)
キリ「頼むぞ、みんな!!」ダッ
657: 2013/05/08(水) 22:36:10 ID:ZWLB6izE
第一神殿
?「……」
?「来たか」
ダッ ダッ ダッ
武道家「何ここ……神殿の奥から、金色の光が溢れてくるっ」
戦士「まぶしっ!?」
商人「……」Eサングラス
勇者「むっ……この凄まじい闘気は!?」
658: 2013/05/08(水) 22:44:59 ID:ZWLB6izE
キリ「奴は黄金の鎧を纏い、全てを切り裂く聖剣を持つ男……」
ザッ
インドラ「黄泉の道へと送ってやるぞ……この、インドラがなぁっ!!!」
戦士「ッ!!?」
戦士「なにっ……インドラ、だって」
勇者「知っているのか戦士?」
戦士「……」ギリッ
戦士「ああ……」
戦士「インドラは、オレの兄貴だっ!!!」
659: 2013/05/08(水) 23:53:44 ID:ZWLB6izE
インドラ「ほぅ、誰かと思えば」
インドラ「自ら修行を申し出たにも関わらず、早々に修行から逃げ出した……愚妹ではないか」ニヤリ
戦士「ぐっ……」
戦士「兄貴、アニキ、あにきぃぃぃぃっ!!!」
660: 2013/05/09(木) 00:56:45 ID:/.PyPBEA
インドラ「止せ……貴様のような半端者に兄などと呼ばれるのは虫酸が走る」スッ
武道家「インドラが右手を頭上に振りかざした!?」
戦士「オレだって、ナルシスト野郎に妹とは呼ばれたくねぇよ!!」Eエクスカリバー
戦士「……」
戦士「コイツとは、オレが一対一でケリを着ける!!」ジャキッ
戦士「師匠、みんな、先に行ってくれ!!」
661: 2013/05/09(木) 10:39:25 ID:/.PyPBEA
勇者「冷静になれ戦士!!」
戦士「オレは冷静だよッ!!!」
勇者「戦士……」
戦士「……」
戦士「ごめん、なさい……」
インドラ「フッ、いつまで経っても成長せん奴だ」
662: 2013/05/09(木) 10:46:37 ID:/.PyPBEA
戦士「……んだと?」キッ
インドラ「それにな、俺は誰もここを通すつもりは無い」ニヤリ
戦士「……」
戦士「頼む師匠、みんな……コイツはオレが抑えとくから、先に行ってくれ」
戦士「コイツはオレの壁なんだ、不甲斐ない過去なんだっ、一人で撃ち破らなきゃ……オレは先へ進めない!!」
663: 2013/05/09(木) 10:54:15 ID:/.PyPBEA
インドラ「……」
インドラ「バカがッ!! 今しがた言った事も忘れたか!?」ゴゴゴゴゴゴッ
武道家「インドラの全身から、金色のオーラがっ!?」
商人「闘気、殺気、様々な力が合わさり渦巻いてる」ゴクリ
インドラ「俺は先へ通すつもりは無いと……」
インドラ「言った筈だッ!!!」
キリ「出るぞッ、奴の聖剣が!!?」
664: 2013/05/09(木) 11:16:46 ID:/.PyPBEA
インドラ「エクス──」
インドラ「カリバァァァァァァッッ!!!」ブォン
戦士「あれは……ぐッ!!」バッ
ズシャアァァァァァァァッ!!!
インドラ「……」
インドラ「だいぶ手を抜いたとは言え……間一髪では避けれたようだなっ」ニヤリ
武道家「あっ、ああ……大理石で出来てる床が、まるで豆腐のように!!?」
商人「しかも、切り裂いたのは手刀。出会い頭で振りかざした手を、そのまま降り下ろしたに過ぎない……」
665: 2013/05/09(木) 16:15:12 ID:/.PyPBEA
戦士「……」
戦士「カッ、お前こそ相変わらずじゃないかインドラ?」
戦士「技の弱点が、未だに克服できてねぇぜ?」ニヤリ
インドラ「……」
インドラ「笑止な!! この技に弱点など存在しない!!」
戦士「もう一度、放ってみれば分かるさ……」スッ
666: 2013/05/09(木) 20:50:20 ID:/.PyPBEA
インドラ「大した自信だな……良かろう」スッ
戦士「……」ジャキッ
インドラ「エクス──」
戦士「そこだっ!!」バッ
武道家「戦士がっ!?」
商人「インドラに向けて突っ込んだ」
インドラ「ッ!!?」
戦士「せいやぁぁぁっ!!!」ブォン
669: 2013/05/10(金) 09:52:12 ID:xcUkkWts
インドラ「チッ!?」バッ
キリ「おおっ……」
勇者「インドラは技を解いて引いたか」
戦士「へっ、やっぱりな」ニヤリ
戦士「エクスカリバーは『溜め』を必要とする黄金の闘気を纏った手刀。それを降り下ろした時の鋭い衝撃波が、進行方向の対象物や床を離れた位置まで切り裂く技」
インドラ「……」
戦士「が、あくまでも剣じゃなく手刀だ……攻撃には使えても防御には使えねぇ」
670: 2013/05/10(金) 10:00:41 ID:xcUkkWts
戦士「近接で武器を振るわれたら、身を引いて避けるしかねぇのさ……」
戦士「これで分かったろ? オレは必ず勝つ!! だからみんな、早く先に行ってくれ!!!」
武道家「戦士、でもっ……」
勇者「行こう」
キリ「そうだな……我々は一刻も早く聖者を討たなくてはならない」
671: 2013/05/10(金) 10:11:35 ID:xcUkkWts
武道家「……」
武道家「追い付いてね、戦士?」
商人「この戦いが終わったら、一緒にオレンジジュース」
戦士「……」
戦士「ああっ!! 行けッ!!!」
勇者「よし、通過するぞ!!」ダッ
武道家「……」ダッ
商人「……」ダッ
キリ(もしかしてインドラは……いや、考え過ぎか?)
キリ「……」ダッ
672: 2013/05/10(金) 10:34:25 ID:xcUkkWts
ダッ ダッ ダッ
インドラ「……」
戦士「……」
戦士「行ったか……」
戦士「割りぃな気を遣わせて……初めてアンタに感謝するよ」ジャキッ
インドラ「構わん。俺とて五人を同時に相手取るのは酷だと思っただけだ」
673: 2013/05/10(金) 11:07:22 ID:xcUkkWts
戦士「酷、か。無理……とは言わないんだな?」
インドラ「フッ」
インドラ「俺はインドラ、そして我がエクスカリバーに敵は無い……」スッ
戦士「……」
戦士「オレは、そんなお前の傲慢さが……だいっきらいだったよ!!」バッ
インドラ「奇遇だな、俺もお前の根拠の無い自信が……大嫌いだった!!」バッ
674: 2013/05/10(金) 17:32:54 ID:xcUkkWts
第二神殿前
ピカァーッ ゴロゴロッ ゴロゴロッ
商人「……」
商人「空が……」
武道家「うそ、さっきまで晴れだったのに」
勇者「……」
勇者(戦士、始まったか……)
勇者「よしっ、第二神殿へ入るぞ!!」ダッ
675: 2013/05/10(金) 18:51:26 ID:xcUkkWts
第二神殿
?「……」
?「インドラは突破されたか」
ダッ ダッ ダッ
武道家「ッ!!?」
武道家「神殿の床に……霜が張り付いてるっ!?」
商人「寒い」Eホッカイロ
676: 2013/05/10(金) 18:59:28 ID:xcUkkWts
勇者「この異常低温……何か居るな」
キリ「第二神殿を守るのは、同じく黄金の鎧を纏う、絶対零度の戦士……」
ザッ
シヴァ「お前たちの運命はここで凍り付く事になる……この、シヴァの手によって!!!」
武道家「ッ!!?」
武道家「シヴァ……先生」
勇者「知っているのか武道家?」
武道家「……」ギリッ
武道家「うん……」
武道家「シヴァはボクの、幼い頃の教師だったんだ!!」
677: 2013/05/11(土) 09:33:10 ID:B90vaj3Q
シヴァ「……」
シヴァ「久し振りだね武道家、憶えの悪い君に教えるのは大変だったよ」
武道家「それでもっ、それでもシヴァ先生は、ボクが分かるまで何度でも教えてくれました!!」
武道家「それなのに……聖者なんかに協力して何してるんですかっ!?」
シヴァ「相変わらず、だな武道家……僕が受け持って来た学校で、クラスで、生徒で!!」
シヴァ「最も要領の悪いガキだ!!」
シヴァ「先生? そんな呼び方は止めて貰おう!!!」
678: 2013/05/11(土) 10:28:56 ID:B90vaj3Q
武道家「うぅっ、先生」グッ
シヴァ「ふっ、何か答えさせたい事が有るのなら……このシヴァを倒してみろ!!」
シヴァ「はあぁぁぁぁっ……」ゴゴゴゴゴッ
商人「!?」ブルッ
キリ「床に氷が張って行く!?」
武道家「……」
武道家「先生、やっぱり凄い凍気です……でも、ボクだって成長したんだ!!!」
679: 2013/05/11(土) 10:53:22 ID:B90vaj3Q
武道家「はあぁぁぁぁっ……」ゴゴゴゴゴッ
武道家「ダイヤモンド──」
武道家「ダストォォォッ!!!」ブォォォッ
商人「ダイヤモンドダストは冷気の波動を無数の礫として敵にぶつける。逃げ場は無い」
シヴァ「……」
シヴァ「DDか? DDはこのシヴァがお前に授けた技……それが、通じると思っているのか!?」バッ
シヴァ「ダイヤモンド──」
シヴァ「ダストォォォォッ!!!」ブォォォッ
680: 2013/05/11(土) 11:00:24 ID:B90vaj3Q
商人「DDとDDが!?」
武道家「っ!!?」
武道家「うわああああああああ!!?」ドゴォォッ
武道家「ぐあっ、うぐっ……」ドサァッ
シヴァ「……」
シヴァ「真の凍気とは、このようなものを言うのだ」ニヤリ
681: 2013/05/11(土) 11:14:45 ID:B90vaj3Q
武道家「まだっ、まだまだっ!!」フラフラ
シヴァ「……」
シヴァ「答えろ武道家、絶対零度とはなんだ?」
武道家「……」
武道家「絶対零度とは……全ての物が凍結される、摂氏零下二七三・十五度の温度」
682: 2013/05/11(土) 15:17:40 ID:B90vaj3Q
シヴァ「そうだ……」
シヴァ「そして、このシヴァの凍気は絶対零度。倒そうと言うのなら、絶対零度まで凍気を高めねばならない……お前にそれが出来るか?」
武道家「ボクは、ボクはっ!!」グッ
武道家「シヴァ!! 貴方の位まで、凍気を高めてみせるッ!!!」
シヴァ「……」
武道家「みんなっ、ここはボクに任せて先へ行って!!」
683: 2013/05/11(土) 16:04:10 ID:B90vaj3Q
勇者「……」
勇者「武道家よ……この旅の中で、お前は劇的に成長した」
勇者「自分を、信じなさい」ニコリ
武道家「ししょー……」
武道家「はいっ!! 必ず追い付きます!!」
684: 2013/05/11(土) 16:10:33 ID:B90vaj3Q
勇者「行くぞっ!!」ダッ
商人「……」
商人「待ってる」ダッ
キリ「気の効いたアドバイスは送れんが……氏ぬなよ?」ダッ
武道家「ありがとう、みんな……」
685: 2013/05/11(土) 16:13:07 ID:B90vaj3Q
ダッ ダッ ダッ
シヴァ「……」
武道家「……」
武道家「止めない……んですね?」
シヴァ「考え事をしていた……」
686: 2013/05/11(土) 16:42:17 ID:B90vaj3Q
武道家「考え事?」
シヴァ「お前の墓を永久凍土に作るとして、棺はどうしようかとな」ニッ
武道家「……」
武道家「考えても無駄ですよ? ボクが勝ちますからっ」スッ
シヴァ「ぬかせっ」スッ
武道家「……」
シヴァ「……」
武道家「はあぁぁぁぁっ!!!」
シヴァ「ハアァァァァッ!!!」
687: 2013/05/11(土) 17:00:32 ID:B90vaj3Q
第三神殿前
ポツポツ ポツポツ ザァァーッ
商人「……」
商人「雨も強くなった」
勇者「ここを抜ければ、聖者の神殿か……」
商人「最初は戦士」
商人「次は武道家」
商人「順番的に」
商人「次は……」ゴクリ
キリ「さぁ、行こう!!」ダッ
688: 2013/05/11(土) 18:35:03 ID:B90vaj3Q
第三神殿
?「……」
?「来ましたか」
ダッ ダッ ダッ
商人「ッ!!?」
商人「お前はっ!!?」
ブッタ「私はブッタ……初めまして、可愛らしいお嬢さん」ニコリ
商人「あ、初めまして……」ペコリ
689: 2013/05/11(土) 18:45:56 ID:B90vaj3Q
勇者「……」
勇者「強いな」
キリ「奴は前二人と同じく黄金の鎧を纏う、神に最も近い男……ブッタ」
キリ「そして、俺の双子の弟だ!!」ギリッ
商人「そっち!?」
690: 2013/05/11(土) 18:51:43 ID:B90vaj3Q
ブッタ「キリスト、会うのはいつ以来だろう……」
ブッタ「いや、今はキリ……だったかな?」
商人「……」
商人「師匠、早く先に行くべき」グイグイ
キリ「ブッタ……何故、聖者などに力を貸す?」
ブッタ「その質問、インドラとシヴァは答えたか?」スッ
691: 2013/05/11(土) 18:59:51 ID:B90vaj3Q
キリ「……」
キリ「そうだったな……」スッ
キリ「勇者よ、先へ行くのだ!! そして必ずや聖者を倒してくれっ」
勇者「……」
勇者「分かった、ここは任せるぞ!!」
勇者「走れ商人!! 聖者の神殿は近い!!」ダッ
商人「……」コクリ
商人「がんばって」
商人「……」ダッ
694: 2013/05/11(土) 20:38:04 ID:B90vaj3Q
ダッ ダッ ダッ
ブッタ「……」
キリ「……」
ブッタ「キリよ……人で在る事へ固執したお前に、私は倒せぬ」
キリ「ブッタ……神に近付く事へ固執したお前を、この俺が破る!!」
698: 2013/05/12(日) 09:57:56 ID:28z6eroo
第四神殿
バッサバッサ バッサバッサ
極ポッポ「ホッホッ、勇者がここに来ると聞いた……手を貸してやろうか聖者?」スタッ
聖者「……」
聖者「誰だお前は?」
サンダー「ポッポ様は、勇者が避けて通るほど強いお方よ」スタッ
フリーザー「勇者はポッポ様との戦いを恐れて、このセイントキングダムへ迂回したのだ!!」スタッ
ファイヤー「だが安心するがいい。ポッポ四天王が力を貸してやるぞっ」スタッ
オニドリル「おにぃぃぃっ!!」スタッ
699: 2013/05/12(日) 10:05:19 ID:28z6eroo
聖者「……」
聖者「鳥風情が……消えろっ」
極ポッポ「はっ?」
聖者「消えろと言ったのだ、この聖者の気が変わらん内になぁっ!!!」
サンダー「なんだとテメェ!! 椅子から立ちやがれっ、まずはテメェからぶっ頃してやる!!」
聖者「……」
聖者「救えん奴らだ……」
聖者「このままで良い。掛かって来い」クイッ
フリーザー「コイツ!? 椅子に座ったまま、しかも片手にワイングラスを持ったままで相手をしようと言うのか!?」
700: 2013/05/12(日) 10:08:22 ID:28z6eroo
ファイヤー「ポッポ様、どうしましょう?」
オニドリル「鬼おこ!!」
極ポッポ「聖者……やはり人間か、馬鹿な男だ」ニヤリ
極ポッポ「ヤれっ、四天王!! 聖者を殺せッ!!!」
701: 2013/05/12(日) 10:17:37 ID:28z6eroo
聖者「……」スッ
聖者「貴様らは、この聖者に触れる事さえ叶わぬ!!」ゴゴゴゴゴッ
サンダー「なんだっ!? 聖者を中心に空間が歪んで行くゾッ!!?」
極ポッポ「これは……世界の法則が乱れる!?」ゾクッ
聖者「フッ、決して戻れぬ異空間へと送り込んでやる……」ニヤリ
聖者「アナザーディメンション!!!」バッ
702: 2013/05/12(日) 11:56:08 ID:28z6eroo
第一神殿
戦士「うあああああああああ!!?」ズザァァッ
インドラ「ん? 先ほどまでの威勢はどうした?」
戦士「くそっ……懐だっ、懐にさえ入り込めればっ!!」フラフラ
インドラ「……」
インドラ「懐に入り込んだとて……」
インドラ「その折れた剣で、どうしようと言うのだ?」ニヤリ
戦士「えっ? 折れ……」
バキンッ!!
戦士「なッ……俺の剣がっ、本物のエクスカリバーが!?」
704: 2013/05/12(日) 14:48:10 ID:28z6eroo
戦士「くっ、ならっ!!」E破邪の剣
戦士「……」ジャキッ
インドラ「予備の剣で……血迷ったか?」
戦士「うるせぇっ!!」バッ
インドラ「フッ……」スッ
インドラ「エクス──」
インドラ「カリバァァァァァッ!!!」ブォン
705: 2013/05/12(日) 15:06:09 ID:28z6eroo
ズシャアァァァァァァァッ!!!
バキンッ
戦士「ッ!!?」
戦士「そんなっ、一撃も耐えれな……」
戦士「ンンッ!!?」ズバァァッ
インドラ「安らかに眠れ、妹よ……」
戦士「あっ、あ、ァァ……」フラフラ
戦士「……」
戦士「しっ、しょう……」ドサァッ
706: 2013/05/12(日) 15:13:08 ID:28z6eroo
戦士(エリクサー、エリクサーを飲めば……)
戦士(……)
戦士(ははっ。駄目だ、手が動かねぇや)
戦士(結局……)
戦士(子供の時もキツい修行に逃げ出して、今も任せろとか言っといて負けて)
戦士(何も変わってない。ずっと中途半端なままだオレはっ……)
707: 2013/05/12(日) 15:21:49 ID:28z6eroo
戦士(ああ、そうだ)
戦士(聞いてたじゃねぇか、あの時)
戦士(あの時に……)
─────あの時。
勇者『最強の剣を持っている敵?』
戦士『うん。何でも切り裂く最強の剣を持ってる敵……師匠ならどう戦う?』
708: 2013/05/12(日) 15:29:11 ID:28z6eroo
勇者『ふむ』
勇者『最強の盾を持つ……つまり矛盾は無しでか?』
戦士『そう、だな。その剣を防げる盾は存在しない。だから矛盾は無し』
勇者『……』
勇者『ならば、私の思い付く答えは二つだ』
戦士『えっ?』
戦士『てか、二つも思い付いたのか師匠!?』
709: 2013/05/12(日) 15:53:28 ID:28z6eroo
戦士『おっ、教えてくれ!!』
勇者『……』
勇者『なんて事は無い。相手が最強の剣を持つなら、こちらも最強の剣を持って戦う』
戦士『こっちも、最強の剣を……』
710: 2013/05/12(日) 15:58:35 ID:28z6eroo
勇者『そして、もう一つは』
戦士『もう一つは?』
勇者『こちらはもっと簡単だ。特に戦士……お前ならな』ニコリ
戦士『なっ、なんだよそれ……』
戦士『焦らさないで教えてくれよっ』
勇者『それはな……』
712: 2013/05/12(日) 19:01:48 ID:28z6eroo
────そう、だったな。
戦士(オレにはまだ……)
戦士(まだっ!!)
戦士(やれる事が残ってる!!!)
ザッ
インドラ「兄としての最後の務めだ……」
インドラ「お前の身体は、火葬にて丁重に葬ってやろう」
713: 2013/05/12(日) 19:13:48 ID:28z6eroo
戦士「……」
戦士「……」ピクッ
インドラ「!!?」
インドラ「なにっ……まさかッ!?」
戦士「へっ、へへっ……」ググッ
戦士「近親相Oの趣味はねぇぜ? 触んなよクソアニキ」フラフラ
714: 2013/05/12(日) 21:16:15 ID:28z6eroo
インドラ「フッ、フフッ……ハハハハハハハハッ!!!」
インドラ「小銭が足りずに、三途の川で追い返されたか?」
戦士「……」
戦士「カッ」
戦士「船渡しのババアは、男じゃねぇと連れてかねってよ!!」
715: 2013/05/12(日) 21:39:48 ID:28z6eroo
インドラ「……」
戦士「……」
インドラ「エリクサー」
戦士「あっ?」
インドラ「エリクサーは有るんだろ? 待っててやるから使え。そのままでは戦いの最中に出血多量で氏ぬぞ?」
戦士「……」
戦士「すまねぇ、アニキ……」
インドラ「礼はいい、早くしろ」
戦士「すまねぇが、エリクサーは……アニキを倒してから使わせて貰うぜ」ニッ
716: 2013/05/12(日) 22:45:05 ID:28z6eroo
インドラ「そうか……」
インドラ「では、氏ね」スッ
戦士「……」
戦士「ずっと、ずっとさ……考えてた」
戦士「ずっと半端なオレだけど」
戦士「半端に過ごして来たオレだけど」
戦士「何気無く半端にしてた訳じゃない」
戦士「全力で半端をやってたんだ!!」スッ
インドラ「ッ!? その、構えはっ!!?」
717: 2013/05/12(日) 22:57:17 ID:28z6eroo
戦士「はああぁぁぁぁぁっ!!!」ゴゴゴゴゴッ
インドラ「……」
インドラ「戦士の闘気が爆発的に膨れ上がっている……いや、これは俺と同じ黄金の闘気!?」
インドラ「まさか、まさかッ!!?」
戦士「インドラ……お前が全てを切り裂く聖剣を持つのなら、オレもその聖剣を握るっ!!」
718: 2013/05/12(日) 23:30:42 ID:28z6eroo
インドラ「ふっ……たかが数回見ただけで、俺の技が使えるかッ!?」
戦士「やってみりゃあ分かるさ……」
戦士「……」
インドラ「……」
戦士「エクス──」
インドラ「エクス──」
戦士「カリバァァァァァッッ!!!」
インドラ「カリバァァァァァッッ!!!」
719: 2013/05/13(月) 01:27:19 ID:rLnmfNRw
ズシャアァァァァァァァッ!!!
戦士「ッ!?」
戦士「ぐあああああああああ!!?」ドゴォォッ
インドラ「……」
戦士「があっ!? うぅっ……」ドサァッ
720: 2013/05/13(月) 01:36:56 ID:rLnmfNRw
インドラ(戦士は吹き飛んだ……だがそれは、エクスカリバー同士の激突から来る衝撃波に奴の身体が耐えれなかっただけの事)
インドラ(エクスカリバー自体は、ほぼ完全に相頃していた)
インドラ「戦士……よくぞここまで強くなったな」
インドラ「技だけを見れば、どうやらお前は素晴らしいセンスを持っているようだ」
戦士「くっ……」フラフラ
インドラ「しかし!!」
721: 2013/05/13(月) 07:45:27 ID:rLnmfNRw
インドラ「どう在ろうとも、このインドラに勝つ事はできん!!」
戦士「……」
戦士「違うね」
戦士「次にエクスカリバーを放った時、それはお前の敗北を意味する」
722: 2013/05/13(月) 09:10:39 ID:rLnmfNRw
インドラ「二流戦士が、一人前に挑発するか?」
戦士「で、どうすんだ?」
インドラ「……」
インドラ「よかろう。俺の聖剣を、破れるものなら破ってみろ!!」
戦士(ありがとよアニキ……)
戦士「……」スッ
インドラ「……」スッ
723: 2013/05/13(月) 09:14:30 ID:rLnmfNRw
戦士(エクスカリバーを使えるだけじゃ勝てない)
戦士(懐に入り込んでも、武器は全て破壊された)
戦士(師匠……)グッ
勇者『なんて事は無い。相手が最強の剣を持つなら、こちらも最強の剣を持って戦う』
戦士『こっちも、最強の剣を……』
勇者『そして、もう一つは』
戦士『もう一つは?』
勇者『こちらはもっと簡単だ。特に戦士……お前ならな』ニコリ
戦士『なっ、なんだよそれ……』
724: 2013/05/13(月) 15:34:45 ID:rLnmfNRw
戦士(オレは)
戦士(どうしようも無く、半端者だから……)グッ
戦士「エクス──」
インドラ「エクス──」
戦士「カリバァァァァァッッ!!!」
インドラ「カリバァァァァァッッ!!!」
725: 2013/05/13(月) 21:09:09 ID:rLnmfNRw
インドラ「例え一発目が相殺されたとしても、風圧で吹き飛んだ所へ、直ぐに二発目のエクスカリバーを放ってトドメを刺す!!」
インドラ「終わりだ戦士ッ!!!」
ズシャアァァァァァァァッ!!!
戦士「ッ!!?」
戦士「……」
戦士「はあぁぁぁぁぁァアア!!!」ダッ
726: 2013/05/13(月) 21:16:43 ID:rLnmfNRw
インドラ「突っ込んで来た!?」
インドラ「バカがっ、盛大に吹き飛……」
戦士「……」
インドラ「ばないっ!!?」
インドラ「ちぃっ!!」スッ
インドラ「エクス──」
戦士「させねぇよ!!」ガシッ
インドラ「ぐっ、コイツ、俺の腕をっ!?」
727: 2013/05/13(月) 21:24:19 ID:rLnmfNRw
戦士「やっと掴まえた……」ニヤリ
戦士「オレを評価し過ぎたなアニキ?」
インドラ「……」
インドラ「なんだと?」
戦士「パワーも、スタミナも、スピードも、アニキには全て勝てねぇけど、戦士としては何も勝てねぇけど……」
戦士「けどなっ!! オレは半端な奴だぜ? どうして『一流を目指してる立派な戦士』だなんて思った!?」
728: 2013/05/13(月) 21:33:32 ID:rLnmfNRw
バチバチッ
インドラ「ッ!!?」
インドラ「これはっ、闘気では無い!!?」
戦士「オレはなアニキ? 純粋な戦士じねぇから、騎士道精神なんか知らねぇ」
戦士「だから戦士のアニキが相手でも、容赦なく使わせて貰うぜっ!!!」バチバチッ
インドラ「貴様ッ、まさかぁっ!!」
729: 2013/05/13(月) 21:43:57 ID:rLnmfNRw
戦士「オレは魔法、戦士だからな!!」
戦士「手のひらから直接、盛大に送り込んでやるよっ!!」カッ
戦士「ギガ──」
戦士「ディィィィィィン!!!」
ズドオォォォォォォォォッッ!!!
インドラ「ぐああああああああアアア!!!」
730: 2013/05/13(月) 22:04:43 ID:rLnmfNRw
戦士「……」パッ
インドラ「……」
インドラ「戦士よ」
インドラ「見事だ」グラァッ
戦士「さよならっ、アニキ……」
インドラ「だがっ……」ザッ
バリバリッ、バキィィン!!
インドラ「お前の魔法は、オレの鎧を砕いただけに過ぎない」
731: 2013/05/13(月) 23:46:29 ID:rLnmfNRw
戦士「……」
戦士「えっ?」ビクッ
戦士「ウソ、だろっ?」
インドラ「……」
インドラ「フッ」ニコッ
インドラ「お前の勝ちだよ戦士……俺はこうやって、立っているだけで精一杯だ」
732: 2013/05/14(火) 00:32:31 ID:MYGIVKVo
インドラ「早くエリクサーを飲め。そして仲間の後を追うがいい」
戦士「……」
戦士「本当に、立ってるだけで精一杯なのか?」
インドラ「……」
インドラ「本当だ」コクリ
733: 2013/05/14(火) 00:36:17 ID:MYGIVKVo
戦士「本当の本当に?」
インドラ「……」
インドラ「しつこいな、無理やり飲ませてやる!! 来い!!」グイッ
戦士「やっ、やめろっ!! 離せぇぇっ!!」ジタバタ
インドラ(シヴァ、ブッタ……お前たちは、自らの使命を思い出せているのか?)
734: 2013/05/14(火) 00:45:46 ID:MYGIVKVo
第二神殿
武道家「……」Eほしふるうでわ Eキラーピアス
武道家「ふぅぅっ……」ジリッ
シヴァ「……」
シヴァ「どのような攻撃をしようとも、お前ではこのシヴァを倒せぬ」
735: 2013/05/14(火) 10:46:18 ID:MYGIVKVo
武道家「……」
武道家「シッ!!」ダッ
シヴァ「……」スッ
武道家「たぁっ!!」シュッ
シヴァ「……」パシッ
武道家「わたぁっ!!」シュッ
シヴァ「……」パシッ
736: 2013/05/14(火) 13:01:00 ID:MYGIVKVo
武道家「『ばくれつけん』!! アチョ~~ッ!!」スッ
シヴァ「むっ」
武道家「あぁだだだだだだだだダァッ!!!」ドドドドドドッ
シヴァ「……」
シヴァ「フリージングコフィン……」ニヤリ
738: 2013/05/14(火) 15:28:21 ID:MYGIVKVo
武道家「だっ……」
バリィィィィィィィィン!!!
武道家「ッ!!?」
武道家「先生が一撃で砕け……」
武道家「いやっ、違うっ!!」
シヴァ「……」スタッ
シヴァ「お前が攻撃したのは、鏡のように研ぎ澄まされた氷だ」
739: 2013/05/14(火) 15:37:13 ID:MYGIVKVo
武道家「うしろっ!!?」クルッ
シヴァ「遅いッ!! 氷の棺の中で、永遠に眠れ武道家!!!」バッ
バタァン!! ガチガチガチガチッ!!
武道家「ガッ……」カキィン
シヴァ「フリージングコフィンに閉じ込められた者は、凡そ17秒で生命活動を終える」
シヴァ「そして絶対零度の凍気を持たぬお前には、決して脱出できぬ技……」
740: 2013/05/14(火) 15:46:41 ID:MYGIVKVo
シヴァ「思えば……お前に戦いを教えたのは間違いだったかも知れない」
シヴァ「教えた技はダイヤモンドダストしか習得できず、中途半端に力を着けたが故にこのような結末に至ってしまった」
シヴァ「学問だけを教えていれば……武道家よ、お前の棺は力尽きるまで生来守り抜くと誓おう。それが、自分自身への罰!!」グッ
……
741: 2013/05/14(火) 17:09:28 ID:MYGIVKVo
武道家(……)
武道家(先生……やっぱり先生はスゴいです)
武道家(スゴい人なんですから、そんなに自分を責めないでください)
武道家(だから、ボクは、先生を救う為に……)
武道家「……」
742: 2013/05/14(火) 17:20:25 ID:MYGIVKVo
武道家(ジャガンノートの時は、絶対零度まで凍気を高めようとしたけど、結局できなかった……)
武道家(それまで修行して来たのに、でもできなくてさ、何故だろうって、ずっと考えてた)
武道家(そしたら思い出したんだ。幼い頃に聞いた先生の言葉……)
────絶対零度に燃やす?
シヴァ『そう。凍気を極めるなら、内なる心を燃やすのだ』
シヴァ『しかし表面まで熱くはなるな。表はあくまでも氷……クールに徹しろ武道家』
武道家『クールに……』
743: 2013/05/14(火) 18:26:08 ID:MYGIVKVo
シヴァ『心で泣け、笑え、怒れ!! しかしそれを悟られるな……』
シヴァ『お前はこのシヴァの後を継ぐ、氷の戦士となるのだ』
シヴァ『いつ、如何なる時も……』
────クールに徹するのみ!!
武道家(先生……)
武道家(ボクは貴方を救う為に)
武道家(貴方を超えます!!!)
744: 2013/05/14(火) 18:33:00 ID:MYGIVKVo
ピシッ
シヴァ「んっ、なんだ?」
ピシピシッ バキバキバキッ
シヴァ「フリージングコフィンにヒビがっ!?」
シヴァ「……」
シヴァ「まさかっ……この土壇場で、絶対零度の凍気に目覚めたと言うのかッ!!?」
ガキガキッ、バキィィィィィン!!!
武道家「はああぁぁぁぁぁぁっ!!!」ゴゴゴゴゴッ
745: 2013/05/14(火) 18:44:21 ID:MYGIVKVo
武道家「……」タッ
武道家「先生……」
シヴァ「……」
シヴァ「フッ」
シヴァ「武道家、お前はようやく同じ土俵へ上がったに過ぎない……」
746: 2013/05/14(火) 18:54:41 ID:MYGIVKVo
武道家「……」ジィーッ
アルテマウェポンの爪手甲
武道家(ボクにはもう、武器は必要ないかな……)
武道家(今までありがとう。そして、ボクに力をっ!!)ギュッ
… 武道家の武器は氷結し 粉々に砕け散った 巨大な魔力が膨れ上がる!
シヴァ「むっ……」スッ
武道家「この武器は壊れると同時に、一度だけの強力な魔法へと産まれ変わります」ゴォォォッ
747: 2013/05/14(火) 18:59:47 ID:MYGIVKVo
シヴァ「そんなものが、通ずると思っているのか?」
武道家「……」
武道家「思っていません」
武道家「でも、ここまでの魔法を防げる技は一つしか無いはず」
武道家「その技をここで見て、ここで完成させます!!」
シヴァ「ッ!?」
シヴァ「……」
シヴァ「よかろう。ならばこのシヴァが放つ、最大の奥義を見せてやる!!!」
748: 2013/05/15(水) 01:10:24 ID:jBgRk4yw
シヴァ「……」
シヴァ「コオォォォォォッ!!」ゴゴゴゴゴッ
武道家(凍気を極限まで高め……)
シヴァ「お前が会得できなかった奥義だ、しかと目に焼き付けろ!!」
武道家(両腕を頭上に掲げ、両手の指を左右交互に噛み合わせるようにして組み、握る……)
シヴァ「これぞ、究極の絶対零度……」スゥッ
武道家(そして、組んだ手を下ろしながら相手に向けて……放つ、絶対零度の波動!!)
749: 2013/05/15(水) 01:21:48 ID:jBgRk4yw
武道家「行けッ、無加工の魔法爆弾!! アルテマッ!!!」バッ
シヴァ「無駄だ……」
シヴァ「オーロラ──」
シヴァ「エクスキューション!!!」
ズオォォォォォォォォォオオ!!!
武道家「ぐぅッ!!?」
ガキィッ、ガチガチガチッ!!
武道家「アルテマがっ、一瞬で凍った……」
750: 2013/05/15(水) 10:04:25 ID:jBgRk4yw
シヴァ「……」スタッ
シヴァ「いつまでもどこを見ている?」
武道家「えっ?」クルッ
シヴァ「ハァッ!!」ドゴッ
武道家「うッ!!?」グラァッ
武道家「……」フラフラ
武道家「あっ……」ドサァッ
751: 2013/05/15(水) 10:19:48 ID:jBgRk4yw
シヴァ「オーロラエクスキューションに隙は無い。どうして凍らされた魔法などに視線を向けた?」
シヴァ「敵から視線を切らせるな。それとも……今お前が師と呼んでいる人物は、そんな事も教えてくれなかったのか?」
武道家「……」
武道家「ぐぅ、うぅっ……」グッ
シヴァ「そうだ、立て武道家!! このシヴァを超えてみろ!!」タッ
752: 2013/05/15(水) 10:27:08 ID:jBgRk4yw
武道家(ししょー……)
武道家『あのっ、どうやればししょーのように強くなれますか?』
勇者『……』
勇者『修行あるのみだ……』
武道家『あはは、ですよね~っ』
勇者『だが、ここぞと言う時、一時的に身体能力を高める方法ならある』
753: 2013/05/15(水) 10:33:11 ID:jBgRk4yw
武道家『おっ、教えてください!!』
勇者『なに……呼吸を変えるだけだ』
武道家『呼吸を?』
勇者『……』コクリ
勇者『人は全力を出しているつもりでも、実は30%程しか力を出せていない』
勇者『しかし……この神龍呼吸法を使えば、残りの70%を引き出す事ができる』
754: 2013/05/15(水) 11:02:16 ID:jBgRk4yw
武道家『すごぉい!! でも、何で一時的なんですか? いつもその呼吸をしてれば……』
勇者『氏ぬぞ? 本来は体が危険だと判断して力にストッパーを掛けているのだ』
勇者『長時間の使用は体に負荷を与え、皮が裂け、血が吹き出し、内臓すら傷付けて行く』
武道家『……』ブルッ
勇者『だから、ここぞと言う時、どうしても負けられない時……その時に、一度だけ使いなさい』ニコリ
755: 2013/05/15(水) 11:27:50 ID:jBgRk4yw
武道家「……」
武道家「すぅぅっ、はぁぁっ……」ザッ
シヴァ「むっ!?」
武道家「すぅぅっ」
武道家(体の中心へ全身の血液を集めるように息を吸い……)
武道家「はぁぁっ」
武道家(龍の形を描きながら息を吐く……)
武道家「すぅぅっ、はぁぁっ……」
756: 2013/05/15(水) 11:34:23 ID:jBgRk4yw
武道家「先生……」グッ
シヴァ「……」
武道家「シヴァ!! 今ボクは貴方を超える!!」
シヴァ「超えてみろ……絶対零度の凍気を持つ、このシヴァをな!!」
757: 2013/05/15(水) 11:40:31 ID:jBgRk4yw
武道家「はあぁぁぁぁぁっ!!!」ゴゴゴゴゴッ
シヴァ「コオォォォォォッ!!!」ゴゴゴゴゴッ
武道家「……」スッ
シヴァ(あの構えは!?)
シヴァ「……」スッ
シヴァ「いいだろう、ならば撃ってみろ!! このシヴァの奥義を!!」
758: 2013/05/15(水) 11:47:46 ID:jBgRk4yw
武道家(シヴァ先生……)
武道家(先生から教わった凍気と技を、先生へ贈ります)
武道家「オーロラ──」
シヴァ「オーロラ──」
武道家「エクスキューション!!」
シヴァ「エクスキューション!!」
759: 2013/05/15(水) 17:06:38 ID:jBgRk4yw
武道家「うおぉぉぉぉぉっ!!!」
シヴァ「ハアァァァァァッ!!!」
ズオォォォォォォォォォオオ!!!
シヴァ「くっ」
シヴァ(押し切れないだと!?)
シヴァ(やはり武道家は、絶対零度の域まで凍気を高めていると言うのか!?)
760: 2013/05/15(水) 17:34:33 ID:jBgRk4yw
シヴァ「僅かな時間で、よくぞここまで成長した武道家……確かに凍気のレベルでは、ほぼ互角と言っていい!!」
シヴァ「だがなっ、急激に身に付けた付け焼き刃では、オーロラエクスキューションを放ち続ける事はできん!!」
武道家「うぅっ……」ググッ
シヴァ(後15秒……いや、後10秒と見た。後10秒で武道家は力尽き、地面に膝を着く)ニヤリ
761: 2013/05/15(水) 19:00:38 ID:jBgRk4yw
ズオォォォォォォォォォオオ!!!
武道家「すぅぅっ」
シヴァ(なんだ?)
武道家「はぁぁっ……」
シヴァ(いや、気のせいでは無い!!)
武道家「すぅぅっ、はぁぁっ……」
シヴァ(武道家の凍気は、絶対零度に到達してもなお……上昇しているッ!!?)
762: 2013/05/15(水) 22:59:58 ID:jBgRk4yw
パキパキ、パキッ。
シヴァ「馬鹿なッ!? この黄金の鎧が、僅かずつだが凍り始めているっ!!?」
武道家「すぅぅっ、はぁぁっ……」ブシュッ
シヴァ「んっ? 武道家の体から血が?」
シヴァ「そうか、お前は命を削って不足分を補っていたか……」
763: 2013/05/16(木) 00:15:29 ID:sjBwBOBc
シヴァ「ならばこちらも……」
シヴァ「命を賭けて応えねばなるまい!!」
シヴァ「受けよっ、我が全身全霊をッ!!!」カッ
武道家「すぅぅっ……」カッ
武道家「シヴァァァァァァッ!!!」
764: 2013/05/16(木) 00:32:04 ID:sjBwBOBc
シヴァ「はあぁぁぁぁぁぁぁッッ!!!」
武道家「はあぁぁぁぁぁぁぁッッ!!!」
ズオォォォォォォォォォオオ!!!
シヴァ「ッ!!?」
シヴァ「押されっ……」
シヴァ「ぐおおおおおおおおお!!?」ズドォォッ
765: 2013/05/16(木) 00:39:14 ID:sjBwBOBc
バキバキッ、バリィン!!
シヴァ「があっ!?」ドサァッ
武道家「はぁっ、はぁっ、はぁっ」
武道家「ははっ……」フラフラ
武道家「やった、先生を……倒した」
766: 2013/05/16(木) 00:41:34 ID:sjBwBOBc
シヴァ「……」
シヴァ「……」グッ
シヴァ「ふぅぅっ……」ザッ
武道家「……」
武道家「えっ?」
武道家「なんで、そんなすぐに立ち上がれるのっ!?」
シヴァ「驚いたぞ武道家、まさか押し切っただけでなく、この鎧まで凍結させ破壊するとは……」ニコリ
767: 2013/05/16(木) 00:46:30 ID:sjBwBOBc
武道家「……」ザッ
シヴァ「そう身構えるな。もう戦う気は無い……お前が救ってくれたんだ」
武道家「ボクが、先生を?」
シヴァ「……」コクリ
シヴァ「『黄金の鎧の呪い』から、確かにお前が救ってくれた」
768: 2013/05/16(木) 08:06:13 ID:sjBwBOBc
シヴァ「さぁ、こちらへ来なさい武道家。回復してあげよう」ニコリ
シヴァ「そして仲間の待つこの先へ……急ぐのだ!!」
武道家「先生……」
武道家「はいっ!!」
769: 2013/05/16(木) 10:19:04 ID:sjBwBOBc
第四神殿
極ポッポ「ワシは、愛の為に戦おう……」バッサバッサ
聖者「ならば滅びるがいい、その愛と共に!!」スッ
極ポッポ「愛は滅びぬ!!」
極ポッポ「喰らえっ……ポッポ最大の秘技、ゴッドバードを!!!」バサァッ
770: 2013/05/16(木) 10:25:25 ID:sjBwBOBc
極ポッポ「ゴッドバード、チェェンジ!!」ウィーン ギッチョン
極ポッポ「照準セェェェット!!」
極ポッポ「ライララァァァイ!!!」ゴォォッ
聖者「……」
聖者「フッ、愚かな……」ニヤリ
聖者「ギャラクシアンエクスプロージョン!!!」バッ
771: 2013/05/16(木) 10:41:50 ID:sjBwBOBc
第四神殿 手前
ドゴオォォォォォォォォオオ!!!
商人「!?」ピタッ
商人「強大な魔法が、神殿の天井を突き破った」
勇者「……」
勇者「聖者……」
772: 2013/05/16(木) 11:04:24 ID:sjBwBOBc
勇者「商人、さっき話した事は……」
商人「おぼえてる」コクリ
勇者「……」
勇者「よしっ」
勇者「行くぞ!!」ダッ
商人「了解」ダッ
775: 2013/05/16(木) 15:25:47 ID:sjBwBOBc
第四神殿
極ポッポ「ぽっぽぉ、ぽっぽぉ、ぽっぽぉ、ポッポが三時をお知らせしま……うがっ」ボトリ
極ポッポ「……」バラバラ バラバラ
聖者「薄汚いゴミが片付いたか……」
聖者「そしてっ」ザッ
聖者「よく来たな勇者……」ニヤリ
776: 2013/05/16(木) 15:51:08 ID:sjBwBOBc
勇者「……」
商人「こいつが聖者」ザッ
商人「……」グッ
商人「メラゾーマ!!」ゴォッ
聖者「どこを狙っている?」
商人「薄汚いゴミを燃やした」
ポッポ残骸「……」ボォォッ
聖者「……」ニヤリ
商人「……」ニヤリ
777: 2013/05/16(木) 17:05:53 ID:sjBwBOBc
商人「次は貴方」
商人「メラゾーマ!!」ゴォッ
聖者「この聖者に魔法は……」
聖者「効かんッ!!!」キィン
商人「!?」
商人「メラゾーマが鎧に弾かれた……」
778: 2013/05/16(木) 23:13:55 ID:sjBwBOBc
勇者「商人」
商人「……」コクリ
勇者「聖者よ、次は私が相手になろう」スッ
聖者「成長したようだな勇者……だがっ!!」
聖者「貴様も、魔王も、この聖者には勝てん!!」
779: 2013/05/16(木) 23:56:20 ID:sjBwBOBc
勇者「……」
聖者「……」ニッ
聖者「どぉぅれ、打ってみろ勇者……貴様がどれだけ強くなったか見てやろう」クイッ
780: 2013/05/17(金) 11:43:36 ID:Yz/686bs
勇者「ほぉぉっ……」
勇者「ハイヤァッ!!」バッ
勇者「フンッ!!」ブォン
聖者「……」キィン
勇者「ハァッ!!」シュッ
聖者「……」キィン
781: 2013/05/17(金) 11:47:53 ID:Yz/686bs
勇者「闘指気真空波!!」ゴォッ
聖者「……」キィン
勇者「ぐっ」バッ
聖者「効かん……」
聖者「効かん、効かん効かん効かん効かん効かんッ!!!」
聖者「全くもって、貴様の攻撃はこの聖者に通じはしない!!!」
782: 2013/05/17(金) 11:52:40 ID:Yz/686bs
勇者「……」
勇者「それはどうかな?」スッ
勇者「次の一撃は、聖者……お前が耐えること叶わぬ」
聖者「……」ピクッ
聖者「フッ」
聖者「面白い、やってみろ?」ニヤリ
783: 2013/05/17(金) 12:00:08 ID:Yz/686bs
聖者「そして、この攻撃でサービスタイムは終わりだ」
聖者「すぐに貴様らを塵にしてやるぞ? 俺が放つ最強魔法……ギャラクシアンエクスプロージョンでなぁっ!!!」
勇者「……」
勇者「聖者、お前は何も変わっていない」
784: 2013/05/17(金) 15:47:19 ID:Yz/686bs
聖者「何を当たり前の事を……」
聖者「地上最強は常に唯一!! この俺だ!!」
勇者「……」
勇者「やはり、あの頃のままか」ジリッ
勇者「はぁぁっ……」
勇者「多重幽現翔!!」ダンッ
785: 2013/05/17(金) 16:03:28 ID:Yz/686bs
聖者「むっ!?」
聖者(多重幽現翔……質量の有る残像を幾つも発生させて本体を見極めさせず、相手の周囲を縦横無尽に飛び回わり撹乱する技)
勇者「無数の虚実から迫る真実の拳、お前に見切れるかっ!?」ダンッ ダンッ ダンッ
聖者「……」
聖者「フッ」
聖者(本体は、右、左、上、また左……ククッ)
聖者(あの頃は手を焼いた技だが、今となっては恐れるに足らず!!)
聖者「勇者よ、貴様の動きは幾ら残像を加えようとも、今の俺を惑わす事などできん!!」スッ
786: 2013/05/17(金) 16:09:14 ID:Yz/686bs
勇者「ハァッ!!」バッ
聖者(来たッ!! 本体は……真正面!!)ニヤリ
聖者「もう遊びは終わりだっ、叩き落としてやるぞ勇者!!」バッ
聖者「んっ……」
聖者(勇者の仲間は、メラゾーマを放ったアイツはどこだ?)
787: 2013/05/17(金) 16:16:26 ID:Yz/686bs
聖者(ぐっ、しまった!! 勇者に気を取られて見失っ……)
商人「メラ──」
聖者「後ろかっ!?」クルッ
商人「ゾーマ!!」ゴォォッ
勇者「蹴り抜くッ!!」ブォン
聖者「ウごはァッ!!?」メリメリッ
788: 2013/05/17(金) 16:31:07 ID:Yz/686bs
聖者「馬鹿なっ……」ドサァッ
聖者(なぜ鎧が攻撃を弾かない!?)
勇者「聖者、お前の秘密は既に暴かれている……」
聖者(勇者!? まさか、俺すらも知らない鎧の秘密を知っていると言うのか?)
聖者「……」ググッ
聖者(ともかく、ここからは油断できんようだな)
聖者「ふぅぅっ……」ザッ
789: 2013/05/17(金) 16:36:17 ID:Yz/686bs
バキバキッ、バリィィン!!
勇者「鎧が砕けたか……」スッ
聖者「確かに、俺の防御は突破されたが、それでもまだ半分」ニヤリ
商人「……」スッ
聖者「俺の攻撃を防がねば、勝つ事はできんぞ!!」
790: 2013/05/17(金) 16:42:38 ID:Yz/686bs
聖者「ギャラクシアンエクササイザーで鍛えた、この両拳を防がねばなぁっ!!!」ゴゴゴゴゴッ
勇者「これはっ!?」
商人「!?」ガクガク
聖者「まずは右拳で、貴様の仲間から葬ってやる……」スッ
商人「くっ、イオラ!!」バッ
791: 2013/05/17(金) 16:51:57 ID:Yz/686bs
聖者「燃え上がれ星々よ……」
勇者「いかん!? 避けろ商人!!」
聖者「ギャラクティカ、マグナム!!!」ブォン
商人「ッ!!?」ズドォッ
商人「あっ、ぁ……」ズブズブッ
聖者「フッ、腕が貫通したか……」
聖者「これではもう助からんな」ニヤリ
商人「……」ドサァッ
792: 2013/05/17(金) 17:10:14 ID:Yz/686bs
勇者「ぐぅっ、商人……」
聖者「次は貴様だ勇者、この左拳でトドメをくれてやる」スッ
聖者「今こそ光となり、勝利へ突き刺され……」
勇者「聖者ぁぁぁぁぁッ!!」バッ
聖者「ギャラクティカ、ファントム!!!」ブォン
勇者「ぐはぁっ!!?」ズドォッ
勇者「がッ……」ズブズブッ
聖者「仲間と同じ運命を辿ったな勇者」ニヤリ
勇者「……」ドサァッ
793: 2013/05/17(金) 17:14:31 ID:Yz/686bs
聖者「ハハッ、魔王はこの聖者が倒してやる……安心して眠れ!!」
聖者「ククッ」
聖者「ハハハッ」
聖者「ハァッハッハッハァァッ!!!」
パリンッ──
聖者「は?」
795: 2013/05/17(金) 17:20:34 ID:Yz/686bs
パリン、パリンパリン、パリンッ!!
聖者「なんだっ!? 空間がヒビ割れて……剥がれ落ちて行く!!?」キョロキョロ
商人「聖者……」
聖者「きっ、貴様、生きてッ!!?」クルッ
商人「ジャスト十秒だ……」
商人「良い夢は、見れたかよ?」ニヤッ
796: 2013/05/17(金) 17:46:31 ID:Yz/686bs
勇者「聖者……お前は変わっていない」
勇者「あの頃のまま、何も成長していない!!」
聖者「きっ、勇者ぁぁッ!!」ギリッ
聖者「ならばこの技を受けろっ!!」
797: 2013/05/17(金) 17:52:00 ID:Yz/686bs
聖者「我が右手に宿るのは究極の増幅魔力」バチバチッ
聖者「我が左手に宿るのは究極の消却魔力」バチバチッ
聖者「この二つを合わせて放つギャラクシアンエクスプロージョン……どう防ぐ勇者ぁぁッ!!!」ゴゴゴゴゴッ
勇者「聖者……」スッ
商人「……」スッ
799: 2013/05/17(金) 18:02:57 ID:Yz/686bs
聖者「はあぁぁぁっ、砕け散れぇぇぇぇっ!!!」バチバチッ バチバチッ
聖者「ギャラクシアン、エクスプロージョン!!!」バッ
ゴゴオォォォォォォォォッ!!!
勇者「商人……」
商人「……」コクリ
商人「マホカンタッ!!」バッ
800: 2013/05/17(金) 23:53:51 ID:Yz/686bs
商人「お返しする」カキィン
聖者「なにッ!!?」
聖者「くっ……」ダッ
ドゴォォォォォォォォオオ!!!
商人「避けた」
聖者「……」
聖者「信じられん……」フラッ
勇者「聖者よ、もはや勝負は着いた」
801: 2013/05/18(土) 08:17:49 ID:LmROnQwA
聖者「勇者……」
聖者「それはどうかな?」ニヤリ
聖者「貴様らはどう足掻こうと、この俺に破れて氏すべき運命なのだ!!!」ゴゴゴゴゴッ
聖者「確かに、貴様らへ向けて放てば反射されるかも知れん……だがっ!!」バチバチッ バチバチッ
勇者「まさかっ!?」
商人「えっ? えっ?」キョロキョロ
聖者「貴様らの真下、つまり神殿へブツけても、爆発の衝撃で貴様らは氏ぬ……無論、俺もただでは済まないがな」
802: 2013/05/18(土) 11:00:29 ID:LmROnQwA
勇者「……」
勇者「ここまでか……」スッ
勇者「私が何とかしよう。商人、ここから逃げなさい」
商人「や」ギュッ
商人「や」フルフル
商人「フバーハを使えば助かる」
勇者「これは、そんな次元では無い。聖者はこの周囲全てを消し飛ばすと言っているのだ」
803: 2013/05/18(土) 11:05:53 ID:LmROnQwA
聖者「クハハハハハッ、砕け散れ勇者ぁぁぁぁっ!!!」バチバチッ バチバチッ
勇者「ぐっ、ハァッ!!」ダッ
商人「あっ!? 師匠、ダメ!!」ドサッ
聖者「遅い遅い遅いぃっ!! ギャラクシアン……」
武道家「オーロラエクスキューション!!」ズォォッ
804: 2013/05/18(土) 11:13:49 ID:LmROnQwA
ガチガチッ、ガキン!!
聖者「何ッ!? 俺の右腕が凍っ……」
戦士「エクスカリバー!!!」ブォン
聖者「ぐおおおおおおおお!!?」ズバァァッ
聖者「ガッ……」ガクッ
戦士「どうやら、いいとこで来たみたいだな」スタッ
武道家「ただいまししょー♪」スタッ
勇者「お前たち……」
勇者「……」
勇者「待っていた……」ニコリ
805: 2013/05/18(土) 11:19:24 ID:LmROnQwA
勇者「聖者、もう良かろう? 子供たちを解放し、皆に謝罪せよ。そしてこれからは民の為に尽くすのだ」
勇者「さすれば、命までは取らん」
商人「!?」
戦士「おい、師匠!!」
武道家「そっ、そんなの甘過ぎだよっ!!」
806: 2013/05/18(土) 11:23:57 ID:LmROnQwA
聖者「……」ヨロヨロ
聖者「そうだな……この力は、もう封印しよう」
商人「!!!??」
聖者「最後に、一つだけ聞いても構わんか?」
勇者「……」
勇者「なんだ?」
807: 2013/05/18(土) 11:28:18 ID:LmROnQwA
聖者「俺の鎧は、どうして壊れたんだ?」
聖者「この鎧が有ったから俺は力に傲り、実戦を積まずに経験が足らず……破れた」
聖者「その理由を聞きたいのだ、頼む勇者……最後に、教えてくれ」
勇者「……」
勇者「よかろう……」
808: 2013/05/18(土) 11:43:07 ID:LmROnQwA
勇者「お前が身に付けていた鎧は、物理攻撃も、魔法攻撃も弾く。しかし同時に……では無い」
聖者「……」
勇者「恐らく、物理を弾く性質と魔法を弾く性質は、その攻撃がヒットする瞬間に切り替わるのだ」
聖者「切り替わる……だから同時に攻撃され、砕けた?」
勇者「うむ。あの頃にお前と魔王が戦い、それを止めようと師が両者に魔法を放ち、その時に見たのだ」
勇者「魔王の拳が届き、師の魔王が掠めたお前の鎧……その右肩は、僅かに傷が付いていた!!」
聖者「ッ!!?」
809: 2013/05/18(土) 11:47:56 ID:LmROnQwA
聖者「……」
聖者「勇者よ、感謝する」
勇者「聖者……まずは傷を癒せ。そして、民へ謝罪するのだ」ニコリ
戦士「あーあ、おわっちまったよ」
武道家「これで一件落着だねっ」
商人「……」
810: 2013/05/18(土) 11:52:28 ID:LmROnQwA
聖者「勇者……俺へ変わってないと言ったが、俺も言わせて貰おう」
聖者「貴様も同じだ。変わっていない」ニコリ
聖者「そのヘドが出る甘さっ、あの頃のままだぞ勇者ぁぁっ!!!」ゴゴゴゴゴッ
勇者「聖者、お前は……」
811: 2013/05/18(土) 11:57:19 ID:LmROnQwA
聖者「むぅん!!」シュゥゥッ
武道家「とっ、溶けたっ!? 聖者の右腕を凍らせていた氷が一瞬で!!」
聖者「感謝するぞ……これで俺は更に強くなる事ができる」ニヤリ
戦士「それだけじゃねぇ!! エクスカリバーの傷も塞がってく!!」
812: 2013/05/18(土) 16:38:54 ID:LmROnQwA
聖者「なるほど、あの頃に気付いたのか……」
勇者「……」
聖者「ならば今の俺を見た時に、もう一つ気付くべきだったな」
聖者「俺の鎧が、今と昔で変わらぬと言う事に!!」
勇者「なにっ!?」
813: 2013/05/18(土) 16:53:44 ID:LmROnQwA
聖者「鎧は生きている……そして俺とは一心同体」
聖者「例え微塵に破壊されようとも、俺がその弱点さえ知れば、見事に克服して甦るのだ!!」
戦士「鎧の破片がっ!?」
武道家「聖者の体に貼り付き始めた!!」
聖者「クハハハハハッ!! この鎧が完全に修復された時……勇者、貴様に生き地獄を見せてやる」ニヤリ
814: 2013/05/18(土) 17:05:50 ID:LmROnQwA
武道家「ボクと戦士の技が大して効かなかったのは、もう克服されてからなんだね……」ジリッ
商人「それなら」スッ
戦士「まだ克服してねぇ方法で攻めるまでよっ!!」スッ
勇者「商人、戦士、下がるのだ!! 後は私が戦う!!」
815: 2013/05/18(土) 17:16:45 ID:LmROnQwA
商人「さがれないっ」
商人「イオラッ!!」バッ
聖者「むっ!?」
戦士「一発目で煙幕を貼ってからのぉ~っ」
戦士「もういっちょ、イオラッ!!」バッ
816: 2013/05/18(土) 17:32:06 ID:LmROnQwA
聖者「……」
聖者「フッ」
聖者「どうやら貴様らとの闘いで、レベルアップしたようでな……たった今、覚えたぞ」スッ
聖者「マホカンタッ!!」バッ
戦士「なッ!?」
戦士「ぐあああああああああ!!!」ドゴォッ
商人「きゃっ!!?」ドゴォッ
817: 2013/05/18(土) 17:52:15 ID:LmROnQwA
武道家「商人、戦士ッ!!」
勇者「……」
勇者「すぅぅっ、はぁぁっ……」
武道家「えっ!? し、しょー?」
勇者「すぅぅっ、はぁぁっ……」
武道家「この呼吸法はっ」
勇者「ふぅぅっ……」ポキッ ポキッ
勇者「聖者よ、私が相手をしてやろう」クイッ
818: 2013/05/18(土) 17:55:52 ID:LmROnQwA
聖者「ぬかせっ!! 既に貴様など相手に……」
「そこまでだ聖者!!」
聖者「ん、誰だっ!?」クルッ
勇者「おお……」
819: 2013/05/18(土) 18:05:39 ID:LmROnQwA
キリ「この神殿は元々俺が居た場所だ、返して貰うぞ!!」ザッ
聖者「生きていたか、キリ!!」
ブッタ「キリだけでは無い」ザッ
聖者「ッ!!?」
シヴァ「聖者、今こそ野望潰える時……」
インドラ「我らを相手に、生きていられるとは思わぬ事だな」
聖者「ぐっ、デモンズゴールドの呪いが解けたと言うのか!?」
820: 2013/05/18(土) 18:09:46 ID:LmROnQwA
「聖者……」ゴゴゴゴゴッ
聖者「とっ、言う、事はっ!?」
「聖者……」ゴゴゴゴゴッ
聖者「まさかっ、まさかぁっ!!」ガクガクッ
キリ「女神は、既に助け出したッ!!!」
821: 2013/05/18(土) 18:17:55 ID:LmROnQwA
女神「聖者、貴方の煉罪を裁きます」ゴゴゴゴゴッ
聖者「ぎっ、ぎぎっ……」
聖者「女神ぃぃぃっ、このまま消えて亡くなれぃ!!!」バチバチッ バチバチッ
女神「……」
女神「四神達よ、お行きなさい!!」バッ
キリ「はっ!!」ダッ
ブッタ「はっ!!」ダッ
シヴァ「はっ!!」ダッ
インドラ「はっ!!」ダッ
822: 2013/05/18(土) 18:37:24 ID:LmROnQwA
勇者「あれはっ!?」
武道家「聖者を取り囲んだ!!」
聖者「おのれっ、おのれぇぇぇっ!!!」
キリ ブッタ シヴァ インドラ
「「「「ゴッドエクスクラメーション!!!」」」」
聖者「ギャラクシアン……ぐおおおおおおおおお!!?」ガキィィッ
武道家「聖者が光の鎖で拘束されたっ!!」
823: 2013/05/18(土) 18:59:44 ID:LmROnQwA
女神「聖者……」
女神「この神槍ディスキャリバーが、貴方を円環の理から消滅させます!!」ジャキ
聖者「やめろ女神っ、ヤメロッ!!」
女神「……」ゴゴゴゴゴッ
女神「その身に刻め、神技ッ!!」ダッ
女神「ニーベルン、ヴァルスティー!!!」ブォン
824: 2013/05/19(日) 19:16:05 ID:ZeWFId7U
きらめく星座が おまえを呼んでる
それは選ばれた 戦士の証
聖者「ぐほあぁッ!?」ザシュゥッ
武道家「黄金の槍が、聖者の心臓を貫いた……」
ギリシャ神話のように
まぶしい聖衣(クロス) まとって
825: 2013/05/19(日) 19:16:45 ID:ZeWFId7U
聖者「めっ、女神ッ、まだ俺は氏にたくない!! 助けてくれ!!」
ああ 未来(あした)の空は ブルー
どんな夢も 信じれば叶うよ
女神「その魂に、救済を……」
ああ 心にしみる ブルー
永遠の輝き
826: 2013/05/19(日) 19:23:26 ID:ZeWFId7U
女神「ハレルヤ/ヒカリアレ!!!」バッ
聖者「……」ガクンッ
ああ 見上げる空は ブルー
熱い希望(のぞみ) 捨てるなと誓った
戦士「いててっ……どうなってんだ?」フラッ
商人「聖者が光になって、消えて行く……」
ああ 忘れはしない ブルー
永遠の輝き
827: 2013/05/19(日) 19:47:56 ID:ZeWFId7U
勇者「聖者よ、お前は強かった……だが、力の使い方を間違えた」
武道家「空が……」
商人「晴れた」
戦士「これにて一件落着、だなっ」ニッ
828: 2013/05/19(日) 19:56:31 ID:ZeWFId7U
引用: 勇者「見守る愛もある…」
コメントは節度を持った内容でお願いします、 荒らし行為や過度な暴言、NG避けを行った場合はBAN 悪質な場合はIPホストの開示、さらにプロバイダに通報する事もあります