504: 2014/09/08(月) 23:23:19.60 ID:TuXFnfc2o
皆様こんばんは
本日も宜しくお願いします

シリーズ最初へ:【艦これ】提督「暇っすね」

前回:【艦これ】提督「暇っすね」part9



505: 2014/09/08(月) 23:23:52.88 ID:TuXFnfc2o
-休憩室-

提督「はぁ……やっちまった」

陸奥「何をやっちまったのよ」

提督「うおっ…む、陸奥か」

陸奥「人を幽霊でも見るような目で見ないでよ」

提督「あぁ、いや…すまん」

陸奥「珍しいわね。提督がそんな顔するなんて…よく言われない?顔に出てるって」

提督「うぐ…」

陸奥「ふふっ、解りやすいもの提督は」

提督「…そんなにか?」

陸奥「そうねぇ…少なくとも、鈍感な子でも解る程度には、かしら?」

提督「はぁ……」(前にもなんか言われた気がするな…そんなような事)

陸奥「私のサポートしてくれるんでしょ!だったら、そんな辛気臭い顔されたままじゃ困るのよ。ほら、気合い
入れなさい、気合い!」

提督「お前元気だね」ニガワライ

陸奥「ええ、そりゃあもう。沢山後悔したし、泣いたし、吹っ切れたもの。それに、約束したでしょ」

提督「あぁ、そうだったな」
艦隊これくしょん -艦これ- 海色のアルトサックス(4) (角川コミックス・エース)
506: 2014/09/08(月) 23:37:29.22 ID:TuXFnfc2o
陸奥「そうそう!両手治して、氏なない程度に提督をフルボッコにする!」

提督「えっ、そっち!?」

陸奥「…何よ。なんか文句でもある?」

提督「いや、ほら…言葉の端々に矛盾点が存在するというかね?」

陸奥「どの辺り?」

提督「氏なない程度、なのにフルボッコとはこれいかに?」

陸奥「言葉の文よ」

提督「さいですか…」

木曾「おっ、なんだよ、こんな所に居たのか、提督!」

陸奥「あら?」

木曾「よう、陸奥。体調はどうだよ?」

陸奥「ええ、万全よ。両手以外はね」

木曾「へっ、俺ぁ別に心配してやんねーからな。這い上がって来いよ。戦艦の底力、見せてくれ」

陸奥「言われるまでもないわね。それより、あなたは何しに来たのよ」

木曾「いやー、おいそれと来れる所じゃねぇからな。探検だ、探検♪」

提督「あのな、お前…ここは遊園地じゃねぇんだぞ」

木曾「わぁってるって!どうせ明日からはそんな余裕もなくなんだろ?」

507: 2014/09/08(月) 23:43:07.31 ID:TuXFnfc2o
提督「解ってるならあまりはしゃぎ過ぎるなよ」

木曾「ジッとなんてしてらんねぇだけだよ。提督、俺はこの手の届く範囲の全てのモン守れるようになってみせ
るぜ。期待しててくれよ…!」

提督「はは、気合入りまくってるな。その勢い全部空回りさせんじゃないぞ」

木曾「へっっへっへぇ、見事新生木曾様として生まれ変われたら、そん時は褒美の一つや二つは期待していいんだよな?」

提督「そうだな。何かしら考えてやろう」

木曾「ふふん、アリだな」

提督「言っとくが、無茶振りはナシだからな。ほら、さっさと自分の部屋へ戻れ」

木曾「へーへー、解りましたよ。じゃあな、陸奥!」

陸奥「ええ、また明日」

提督「ったく、困った奴だ」

陸奥「ソワソワして落ち着かないのよ、きっと」

提督「人並みって奴か」

陸奥「そっ、強がっても人並みって事よ」

提督「陸奥も明日からリハビリ開始だ。体休めておけよ」

陸奥「はいはい、解ったわよ」

508: 2014/09/08(月) 23:44:18.86 ID:TuXFnfc2o


~魔の海域、モーレイ海~




509: 2014/09/08(月) 23:54:57.29 ID:TuXFnfc2o
-執務室-

提督「ふぅ…」

榛名「暇っすね?」

提督「パクるな。残念だが案外暇じゃない」

榛名「ですよね。それでその後、陸奥さんの経過はどうですか?」

提督「昨日だったか、指が動くようになってな。だが腕や手首といった部分の動きがまだてんでダメだ」

榛名「そうですか…」

提督「まぁその代わりと言っちゃなんだが、長門、木曾、大鳳が戦線に復帰だ」

榛名「阿武隈ちゃんは?」

提督「長門が付きっ切りで世話焼いてたんだがな。どうにも、艦娘同士の演習ならまだいいが、相手が深海棲艦
となると手も足も止まってダメみたいだ」

榛名「そう、なんですか」

提督「暫く阿武隈はメンタルケアの為に再度艦娘病院へ戻し、陸奥は引き続き大本営で復帰に専念させる」

榛名「長門さん達の戻りはいつになるんですか?」

提督「それはまだ解らん。ただ最終調整には入ったと聞いたから、近い内に戻ってくるのは確かだ。日付を指定
しての強化カリキュラムだったんだがな…思いの他、手間取ったみたいだ。さて、あいつらの情報は以上だ」

榛名「はい!えっと…今日は遠征任務が二つ、第一艦隊の出動任務……これ」

提督「どうした?」

榛名「モーレイ海哨戒任務が発令されています」

提督「巡り巡ってって訳ね。リベンジか…榛名、この資料をコピーしてファイリング、会議で全員に配布する」

榛名「これは?」

提督「モーレイ海で確認が取れてる深海棲艦の種別と航路の最短を記してある」

榛名「いつの間にそんなものを」

提督「何も常にボーっとしてる訳じゃないんだぞ?」

榛名「常にボーっとしてると思ってました…榛名、反省します」

提督「」(#^ω^)

榛名「どうかしましたか?」

提督「はぁ、怒ると疲れるからやめる」

榛名「???」

510: 2014/09/09(火) 00:02:01.38 ID:Z0+K4XbJo
-会議室-

提督「全員集まったな」

榛名「それでは本日の任務を割り振らせてもらいますね。一つは潜水艦哨戒任務です。これはイムヤちゃん、
ゴーヤちゃん、まるゆちゃん、夕張さん、四名で行ってもらいます」

夕張「おっけーぃ!任されて!」

イムヤ「夕張、遅刻ゲンキンだよ!」

ゴーヤ「この前は30分待たされたでち…」

まるゆ「が、頑張りましょう、夕張さん!」

夕張「ぐぬぬ…」

榛名「もう一つは…敵地偵察作戦です。水雷戦隊を編成、北方海域の敵情勢を偵察する任務です」

提督「前回、モーレイ海で敗退した経緯もある。偵察任務とは言えども油断は禁物だ。速力を活かした迅速かつ
的確な情報収集が要求される。今回、向かってもらうのは北方海域の偵察任務だ」

榛名「こちらの任務は天龍さん、龍田さん、白露ちゃん、夕立ちゃん、時雨きちゃんの五名で行って下さい」

龍田「任せて~」

天龍「おう、やってやらぁ!」

白露「よーし、ガンバろー!」

夕立「頑張る!」

時雨「うん、任せて」

榛名「午後、昼食後に第一艦隊に任務が通達されています。作戦名:モーレイ海哨戒任務、です」

提督「こっちも同じ北方海域だ。十分に注意を払って欲しい。既に資料は配ってあるから、方針と対策を固めた
上で抜錨すること」

榛名「この任務は私、榛名が旗艦を務めます。随伴艦は霧島、赤城さん、瑞鳳さん、衣笠さん、羽黒さんの計六名」

提督「残りのメンバーは待機し、演習など行うこと。緊急時にいつでも出撃できるように構えておけ。俺は第一
艦隊との通信に従事するために作戦室に篭る」

艦娘達「「「了解!」」」

511: 2014/09/09(火) 00:02:29.44 ID:Z0+K4XbJo
本日はここまで

515: 2014/09/12(金) 19:41:07.97 ID:gLQlTUtAo
-準備室-

霧島「榛名、貴女その艤装を装備するの?」

榛名「うん」

衣笠「あぁ、そっか。霧島さんはまだ榛名ちゃんの本気見てないもんね」

霧島「へ?」

羽黒「ふふ、凄いですよ。榛名さん」

赤城「榛名さんには、期待してしまいますね」

瑞鳳「私達も頑張るんだから!」

榛名「はい、私一人じゃ何も出来ませんから、赤城さんや瑞鳳ちゃんにも大いに期待しちゃいます」

霧島「ふふっ、そう言う事なら特訓の成果、見せてもらうわよ。お三方?」

赤城「そうですね」

瑞鳳「こっちも同じくらい期待しちゃうからね!」

霧島「さてっ!戦力の分析をしないとね。提督から貰った資料だと、モーレイ海に出没している深海棲艦はその
殆どがフラグシップ型とエリート型…前回、長門さん達が遭遇したレ級やその上位に位置する深海棲艦がモーレ
イ海に出現したのはイレギュラーって事だったけど…」

羽黒「油断はせずに、ですね」

衣笠「哨戒艦隊でも既に目撃されてるだけで軽巡ホ級のフラグシップ型、重巡リ級や雷巡チ級のエリート型……
はぁ、結構面倒なのが多く居るんだよねぇ」

羽黒「本隊には空母ヲ級、戦艦ル級のフラグシップ型も確認されてます」

霧島「装甲厚いのは私や榛名で対処かしら」

赤城「昼戦なら上空から援護爆撃します」

衣笠「夜戦になったら私と羽黒ちゃんが大暴れしちゃうわよ」

榛名「取る陣形にもよりますけど、敵の数は未知数ですから、燃料や残弾に気をつけて進みましょう」

霧島「これから出発する天竜達の偵察報告が途中ではいると思うから、それも念頭に置かないとね」

516: 2014/09/12(金) 19:47:30.26 ID:gLQlTUtAo
-港湾-

天龍「よし、お前ら準備はいいか?」

白露「問題なーし!」

時雨「万が一の修理要員も配備したよ」

夕立「出発進行!いつでもいけるっぽい!」

龍田「それじゃ提督、いってくるわよ~」

提督「あぁ、だが不測の事態は常に念頭においとけよ。危ないと判断したら───」

提督&天龍「「何を置いても撤退に専念すること」」

提督「む…」

天龍「わぁかってるって。お前の下に居た期間はなげぇんだ。任せなって」

龍田「いざという時は私が引き摺って帰るから大丈夫よ~」

提督「天龍は名言が多かったからな。内心、不安が勝るんだよ」

天龍「なっ…!どういう意味だ、それ!」

提督「オレを第一線から下げるな、だの…氏ぬまで戦わせろ、だの…何度両手両足切り落として口にガムテープ
貼って物言わぬ生きたオブジェにしてやろうと思ったからしれん」

天龍「」ピキッ

白露「え、えぐい…」

夕立「ははは…」

提督「けどまぁ、いざって時は龍田がブレーキ役に徹してくれてるしな。偵察任務、頼んだぞ」

龍田「ええ、報告は確認した段階で提督へ通信で伝えるわね~」

天龍「おう、任せな!よっしゃぁ!抜錨だッ!!」

517: 2014/09/12(金) 19:58:47.90 ID:gLQlTUtAo
-大本営-

長門「くっ…!」

大和「もう終わりですか?ビッグセブンの名がそれでは廃れてしまいますよ?」

木曾「長門、こんなもんじゃねぇだろ!」

大鳳「あなたの底力、見せて上げなさいよ」

那智「戦意はまだある。なら、徹底的に行くわ」

木曾「へっ、上等だぜ…この木曾様を甘く見てるとどうなるか、教えてやる!」

雲龍「貴女の艦爆、艦攻隊はその程度かしら?」

大鳳「いいえ、まだまだこれからです。私達だって、ここで足踏みしてるわけには行かないんです!」

長門「その通りだ…私はもう二度と、膝はつかない!」

大和「では……続きと参りましょう!」ジャキッ

長門「今度こそ守り切る。視界に入る全てを、私のこの手で守り抜く!その為に、こんな前座で足踏みしている
暇はない!木曾、大鳳!一斉に仕掛けるぞ!」

那智「何…?」

雲龍「あなた、正気!?」

大鳳「まだまだ…私の優秀な子たちは、こんなものじゃない!本当の力を見せて上げて!」ビュン ビュン

雲龍「くっ…稼働全機、発艦始め!」ビュン ビュン

木曾「いいねぇ…本当の戦闘ってヤツを、教えてやるよ!」ヒュッ


ボボボボボボン


雲龍「そんなっ!私の艦載機が押された!?二人とも、爆撃に注意を…」

大和「雲龍の艦載機が押し負けたの!?」

那智「ちっ」

518: 2014/09/12(金) 20:25:16.39 ID:gLQlTUtAo


バゴォォォン


那智「くっ…なんとか避けきれたか…」

木曾「へへっ、妙高型二番艦、重巡洋艦の那智、だったな。テメーの妹分の羽黒はどうだったよ?強くなってたろ」

那智「……!」

木曾「俺には自慢の姉達が居てよ……けど、長女と四女は墓の中だ。だから今度はもう手放さねぇ。姉妹だから
とかカンケーなく、俺も俺の視界に映る全てを今度こそ守る!誰にも邪魔はさせねぇ!強くなるって決めたから
とかそんな小せぇ決意じゃねぇ!強くなきゃ守れねぇなら、何処までだって強くなる!あえて言うぜ…そんな俺
に勝負を挑む馬鹿は何奴だぁ!?」ビュッ

那智「」(こいつ、何処まで速く…!)サッ

木曾「それで逃げたつもりなのかい?」フッ

那智「なっ…!?」

雲龍「」(那智が背後を取られた!?)

木曾「弱すぎる!!」ドン ドン


ボボボン


那智「ぐっ…ああっ!これくらいの傷…!なんてことは……」 中破

木曾「そうかい。けど、この勝負は俺の勝ちだ」ジャキッ

那智「……っ!」

木曾「当然の結果だ。別に騒ぐほどのこともない」

那智「……参った」


大鳳「よそ見していられる余裕があなたにあるの!?」ビュン ビュン

雲龍「…ッ!」バッ


ボボボン


雲龍「近代化改修だけの性能じゃない…なんなの、これは!」

大鳳「一度は捨てた命。もう一度拾われた命。恥の上塗りは二度目までで十分よ。三度目なんてない…二度ある
事も三度目はない!あるのは、その先に見える希望だけ!鎮守府の皆と、提督と、勝利を刻む!もう二度と、負
けないわ!」ビュン ビュン ビュン ビュン

雲龍「なっ……その、艦載機の数は!」

大鳳「演習だろうと関係ない。徹底的に叩きのめす!」バッ

519: 2014/09/12(金) 20:36:14.72 ID:gLQlTUtAo


ボボボボボボボボン


雲龍「きゃあっ」 大破

大鳳「勝負ありね!」


大和「第一、第二主砲。斉射、始め!」ドォン ドォン

長門「全主砲、斉射!撃て!!」ドォン ドォン


ボゴゴゴゴゴゴゴォォォン 相殺


木曾「うぉ…火花散ってんなぁ」ニヤ

大鳳「長門さんならきっと大丈夫よ」

那智「勝者の余裕か」

木曾「あぁ?仲間の一騎打ち見ちゃいけねぇなんてルールは別にねぇだろ。俺とお前、大鳳と雲龍の勝負だって
決着(カタ)ついてんだからよ」

那智「ふん…蛇足だったな。しかし、あの大和と真正面から撃ち合うとは…演習とは言え、正直驚きだ」

雲龍「はぁ、もう…容赦ないんだから。服がボロボロよ」

大鳳「容赦できる相手じゃありませんでしたから」

雲龍「ふふ、褒め言葉として受け取っておくわ」


大和「戦艦大和。推して参ります!」ヒュッ

長門「ふん…ビッグセブンの力、侮るなよ!」ビュッ


ガシィッ


長門「力比べか…!」

大和「だと、したら!?」ググッ

長門「臨むところだ!」ググッ

520: 2014/09/12(金) 20:47:36.10 ID:gLQlTUtAo
大和「じゃあ、これなら?」ジャキッ

長門「…っ!?」


ドォン


ボゴォォン


大和「え……?」

長門「……零距離の一撃、確かに食らえば一溜まりもないが、今のは経験が生きたよ。ふふ、経験者はかく語り
きってやつだな。ふんっ!」ブンッ


ズドンッ


大和「くっ……!」ザザザッ

長門「さぁ、決戦の仕上げと行こうか」ジャキン

大和「」(強い…目に宿る光、意志の強さ、鋼の闘争心。彼女の覚悟は、本物。榛名さんと全く同じ……彼女達
の放つ意志の強さは並大抵のことで培われたものじゃない。一体、どこからこれほどまでの力が……)

長門「狙いは外さん!確実に狙い撃つ…!」サッ

大和「…………」


弾着観測射撃


ドォン ドォン ドォン ドォン


大和「……見事です」


ボゴォォォン




521: 2014/09/12(金) 20:54:14.48 ID:gLQlTUtAo
-モーレイ海・近海-

羽黒「……帰ってきた」

衣笠「大丈夫よ、羽黒ちゃん。私達は強くなったんだから!」

榛名「今度こそ、この海を制覇します!」

赤城「皆さん、艦載機の子たちからの報告です」

瑞鳳「北北東、この先を少し進んだ所で哨戒艦隊を捕捉」

赤城「敵の数は六隻、フラグシップ型の軽巡ホ級を旗艦とし、随伴として重巡リ級、軽巡ト級、雷巡チ級、駆逐
ロ級二隻、随伴してるのは全てエリート型」

霧島「決まりね。この方角を突き進みましょう」

榛名「うん!赤城さんと瑞鳳ちゃんは艦載機の準備を!」

瑞鳳「オッケー!」

赤城「お任せ下さい!」

522: 2014/09/12(金) 21:10:42.14 ID:gLQlTUtAo
-モーレイ海・奥地-

??「マタ、ショウコリモナク?」

??「ツクヅク、不運ナ子たちネ」

??「そうか、キタノカ…ならバ、ここで息の根、止めテやる…」

??「貴女ガ行カナクテモ、私ガ……」

??「果たすコトが本来ハない、この海域デ出会うノモ、何かの縁ネ。だかラこそ、私が相手ヲする。貴様ハ、
今暫クハ蓄えに備エテおけ。西方へ戦力を集中シテいる大将クラスの艦隊、アレも目障りダ」

??「装甲空母鬼が陣を張ってはイルが、万が一を考慮セヨ、と通達モ出ている。私とお前は、そっちが先ダ」

??「ワカッタワ。仕方ナイワネ」

??「泊地棲鬼、クレグレも…」

泊地棲鬼「無論だ。出し惜シミなど一切シナイ。全力デ捻じ伏せル。哨戒艦隊トノ交戦に入っタのを確認後に、
奇襲ヲかけて一気に仕留メル」

527: 2014/09/13(土) 20:16:16.55 ID:xo+DDi3ao
-モーレイ海-

霧島「距離、速度、よし!全門斉射!!」ドォン ドォン


ボボボボボン


リ級EL「コンナ、コトガ……」 轟沈

衣笠「同じ重巡と一緒にしないでよね!ほら、そこ!もう一発!!」ドン ドン


ボボボボン


ホ級FS「グガ…ッ!……オノレェェェッ!!」 中破

羽黒「これ以上、やらせません!」ドン ドン


ボゴォォォォン


ホ級FS「ナゼ、ダ……」 轟沈

瑞鳳「やった!」

赤城「……っ!」バッ

榛名「赤城さん?」

赤城「くっ……!」キリキリキリッ

瑞鳳「え、赤城さん何を…」

赤城「第二次攻撃隊、全機発艦!」ビュン ビュン


ボボボボボボボン


羽黒「えっ!?」

衣笠「全機撃ち落された!?ど、どこから!」

528: 2014/09/13(土) 20:32:21.39 ID:xo+DDi3ao
赤城「皆さん、装備換装を急いで!まだ…まだ居ます!!」

泊地棲鬼「見事ナ集中力……賞賛ニ値する。哨戒艦隊トノ交戦が終わっテ、気が緩ンダ一瞬を狙おうト思ってた
ノニ……私の存在ニ気が付くナンてね」

提督『おい、どうした皆!』

榛名「提督、新手の深海棲艦です」

提督『新手?まさか、レ級か!?』

羽黒「ち、違います…この、威圧感……」

衣笠「あんた、まさか装甲空母鬼とか呼ばれてた奴?」

泊地棲鬼「あいつヲ知ってルのか。だが的外れダ。私は泊地棲鬼……覚えてオケ、それが今から貴様達ヲこの海
の水底へと誘うモノの名だ」

霧島「たった一隻で…!?」

泊地棲鬼「たった?ふふっ、ハハハハハッ!分ヲ弁えろ。私一人デ、十分と言う意思表示ダ。新型にも足踏みを
スルような連中ニ、私達ガ遅れヲ取るとデモ思ったか?」

榛名「やってみなくちゃ、解りません!」

泊地棲鬼「なるホド…それも一理ある。ならば、快進撃を進める貴様等提督鎮守府ノ戦力のホド、見させてもら
いまショウか」

529: 2014/09/13(土) 20:50:29.54 ID:xo+DDi3ao
提督「泊地棲鬼……やはり、北方海域の奥地には深海棲艦の泊地の一つが存在する。他の海域で防衛や護衛に当
たっている上位の深海棲艦が居ても不思議はない、ってことか」

提督「……榛名、霧島、赤城、瑞鳳、衣笠、羽黒。この状況はまだ想定の範囲内だ。そして、深海棲艦たちに対
して、痛撃を加える絶好のチャンスでもある。お前たちの力、その泊地棲鬼に見せ付けてやれ!」



衣笠「…よしっ!お達しも出たね」

羽黒「皆さんの背中は私が守って見せます!」

榛名「あなたは、ここで倒します!」

泊地棲鬼「面白イ……」ニヤッ


ブゥゥゥゥゥゥン


泊地棲鬼「……艦載機。目障リネ」

赤城「……第一次攻撃隊、皆お願い!」

瑞鳳「機先を制します!」

泊地棲鬼「いつマデも、我が物顔デ飛ばレルのは不愉快」ビュン ビュン

赤城「……っ!」

瑞鳳「か、艦載機!?」


ボボボボボン


瑞鳳「ま、また…!」

泊地棲鬼「……」ジャキッ

530: 2014/09/13(土) 21:12:54.88 ID:xo+DDi3ao
霧島「皆、散って!散開ッ!」

衣笠「速い!」

羽黒「……!」

泊地棲鬼「このモーレイ海ヲ、アナタ達の沈む海ニして上ゲル」ドォン ドォン


ボゴォォォン 相殺


泊地棲鬼「ナニ……?」

榛名「……」

泊地棲鬼「貴様…なのか、今ノハ」

霧島「……」(今の速度に反応して撃ち落したと言うの!?)

榛名「金剛型三番艦戦艦榛名!全力で参ります!」ヒュッ

泊地棲鬼「バカな…!この、動き!」サッ

榛名「そこ!」ドン ドン

泊地棲鬼「チッ」グッ


ドォォォン


衣笠「いくよ、羽黒ちゃん!」

羽黒「はい!」

泊地棲鬼「重巡洋艦…?」

衣笠「青葉型の二番艦!衣笠さんよ。覚えておきなさい!」サッ

羽黒「重巡洋艦の火力、お見せします!」サッ

泊地棲鬼「左右に分カレて展開ダト…小賢しい真似ヲ!」バッ

霧島「」(二人とも速い!これが、大本営で受けたという訓練の成果!?)

衣笠「振り回して…」

羽黒「照準を…」

泊地棲鬼「こいつら、タダ散開シタわけではない…!この、私の狙いヲ…ッ!」

衣笠「ほら、そこ!」ドン ドン

泊地棲鬼「舐めるナ!」ブンッ


ボボボン


羽黒「それなら…!」ドン ドン

泊地棲鬼「この程度…!」バッ


ドォォォン


榛名「直撃!」

531: 2014/09/13(土) 21:58:07.56 ID:xo+DDi3ao
泊地棲鬼「……」 被害軽微

羽黒「効いて、ない…?」

泊地棲鬼「フン…アナタ達と一緒にされたら困るノヨ」

衣笠「それなら、もう一発!!」ドン ドン

泊地棲鬼「無駄ダ、重巡洋艦!」ブンッ


ボボボボボン


衣笠「なっ…」

羽黒「砲撃を、片手で吹き飛ばした…」

霧島「これが、鬼と呼ばれる深海棲艦の力…」

泊地棲鬼「細切れにシテやる…ッ!」ドン ドン ドォン ドォン

霧島「い、いけない!」

衣笠「なっ…!」

羽黒「……っ!」


ボボボン ボボボボボン


榛名「衣笠さん、羽黒ちゃん!」

衣笠「…っ!まだまだ、この程度は!」 小破

羽黒「被弾…二番砲塔、けど…まだ行けます!」 小破

泊地棲鬼「本体へ直撃ト言うワケにはいかなカッタか。だが、戦力ハ半減だな?」

衣笠「冗談…この程度、まだまだよ!」バッ

羽黒「まだ、負けた訳じゃありません!」サッ

霧島「援護するわ!」ドォン ドォン


ボゴォォン


泊地棲鬼「……あの戦艦の主砲ヲ雲隠れニ使って、コッチの視界ヲ……なるホドね」

衣笠「この、距離ならぁ!」ジャキッ

泊地棲鬼「当たレバね?」クルッ

衣笠「っ!」


ボゴォォン


衣笠「ごほっ…!」 中破

羽黒「まだです!」ドン ドン

泊地棲鬼「無駄ダト……」グンッ


ドォォン


泊地棲鬼「…二度も言ワセるな」 無傷

榛名「横に飛んで!羽黒ちゃん!!」

532: 2014/09/13(土) 22:37:47.44 ID:xo+DDi3ao
泊地棲鬼「遅いわネ」ブンッ

羽黒「ぁ……」


ズドォッ


羽黒「あぐっ……!」 中破

泊地棲鬼「はぁ…イイ加減、諦めタラどう?無意味よ、アナタ達の掲げる、理想モ、力も、この現実スラも!」

榛名「そんな道理は、実際に私達を沈めてから口にして下さい!」

衣笠「榛名ちゃん…」

羽黒「す、凄い、気迫…」

榛名「私達は、多くの犠牲の上に立っているんです。想いを、希望を、未来を、完遂できずに散って逝った仲間
達、彼女達の成し遂げられなかった無念を私達は背負っているんです!だから、諦めるなんて言葉自体、無意味
です!」

泊地棲鬼「ふっ、ふふふ……アハハハハ!けど、散っていったんデショう?結局、力がナイから、散ったノよ。
目の前の現実ヲ御覧なサイ。勇んできた割にハ、大したコトもない」

衣笠「このっ……」

羽黒「くっ……」

榛名「仲間への冒涜は、榛名が許しません!」ジャキッ

泊地棲鬼「許しヲ請うとデモ?コノ世は弱肉強食、敗者、弱者に意見ヲ口にスル道理はナイ。最も、弱いカラ負
け、負けたカラ氏んだ…氏人に口ナシ、と言うコトね。その氏人ノ代弁をシタいのなら、勝つコトね」

榛名「…………」(大和さんと演習をしたときに、確かに感じ取れた。散って逝った皆の想い、願い、託された
んだって…驕りかもしれないけど、それでも汲めるのなら、私はその想いを全て背負ってみせる)


ヒュンッ


泊地棲鬼「ッ!?」(なんだ、コノ艦娘……今マデの、ヤツと、違う!?)

榛名「この主砲の本当の力、知らないって言うなら教えて上げます!」

霧島「」(あれは、46cm三連装砲……操りきれるの、榛名!?)

泊地棲鬼「分不相応ナ獲物ヲ…!」ジャキッ

榛名「主砲!砲撃…開始っ!!」ドォン ドォン

泊地棲鬼「忌々シイ…艦娘風情ガッ!」ドォン ドォン


ボゴオオォォォォォン


霧島「くっ…!」

羽黒「きゃっ」

赤城「榛名さんは…!」

533: 2014/09/13(土) 22:41:06.44 ID:xo+DDi3ao
瑞鳳「あっ、あれ!」

衣笠「と、飛び上がってる!?」

泊地棲鬼「なんだ、ソノ動きは…」

榛名「空から降ってくるのが艦爆隊の攻撃だけだと思ったんですか?」ジャキッ

泊地棲鬼「小賢しい、マネを…!」グッ

榛名「遅い!」ドォン ドォン

泊地棲鬼「おの、れ…!」ググッ


バヒュッ


ドドドドドドッ


榛名「外した…?違う、避けられたの!?」ザザッ

泊地棲鬼「水底へ沈めッ!!」ドォン ドォン

榛名「させない!」ドン ドン


ボボボボボボン 相殺


泊地棲鬼「出の早い副砲で誘爆ヲ引き起こシタのか!?コノ艦娘、ナンなんだ…装甲空母鬼の出しテタ情報トは
全く違う…戦艦榛名、この艦娘ハ…確実にコノ場で沈めなけレバ…」

榛名「絶対、負けない!」ジャキッ

泊地棲鬼「……いいワ。実力は認めてアゲル。だから、私も本気デお前達ヲ排除スル……」


ズズズズズズズ……


霧島「なっ、今度は一体…」


ザバァァァァ……ッ


赤城「な、何…あの黒い球体は…」

瑞鳳「四つもある…」

衣笠「見て、泊地棲鬼の姿が…!」

羽黒「髪の毛の色が白く…」

泊地棲姫「……忌々しい艦娘共、この姿ヲ見て、無事で居らレルと思わないコトね。浮遊要塞、隊列を整えなさ
い。陣ハ輪形陣…!」


サササッ


榛名「要塞…!?」

霧島「冗談きついわね。あそこからまた、更に性能を向上させたって言うの…?」

榛名「そんな、あそこから更に進化なんて…」

泊地棲姫「能アル鷹は爪ヲ隠す、と諺にアルだろう。始めカラ見せるバカ等居ない。けど認メルわ。アナタ達…
特に、戦艦榛名……貴様ハ強い。だからこそ、ここで沈めル!」

538: 2014/09/17(水) 00:13:54.59 ID:9tMZtfG0o
提督「……状況が伝わってこない。泊地棲鬼に何かがあったのか。それとも、何か変化があったのか……」


ピピピピッ ピピピピッ ピピピピッ


提督「…!これは、別働隊の識別通信?はい、こちら提督鎮守府……」



赤城「残りの艦載機が、もう直尽きる……」

瑞鳳「くぅ、先の戦闘と初回で私も殆ど…」

榛名「赤城さん、瑞鳳ちゃん、二人は戦線を一度離脱…安全地点まで後退後、提督に通信で事の顛末の説明をお
願いします!ここは、私が食い止めて見せます!」

衣笠「ちょっとぉ、榛名っちゃーん、それは水臭いなぁ」

羽黒「私達だって、居ます」

霧島「悔しいけど、あの泊地棲姫自体には私達じゃ歯が立たない。けど、貴女があれとタイマン張れるくらいの
射線確保はして見せるわ」

榛名「霧島、皆…」

赤城「榛名さん、残りの全艦載機……榛名さんに託しますよ」

榛名「赤城さん」

赤城「大丈夫。皆、優秀な子たちですから」スッ


キリキリキリ……


瑞鳳「よしっ!」リョウホホ パンパン

榛名「瑞鳳ちゃん」

瑞鳳「任せて下さい、榛名さん!空母組は、皆さんの道を切り開く殿も一緒です!」スッ


キリキリキリ……


赤城「そう、この道は…」

瑞鳳「私達が…!」

二人「「切り開きます!」」


ビュオッ


赤城「全艦載機、空を割いて道を切り開いて!」

瑞鳳「お願い、あともう一度だけ…!」


ビュン ビュン ビュン ビュン


衣笠「羽黒ちゃん、まだ動けるよね。うちらは両脇のを!」

羽黒「はい!釘付けにします!」

539: 2014/09/17(水) 00:15:13.00 ID:9tMZtfG0o
霧島「正面で邪魔しているのを弾き飛ばすわ。だから榛名、貴女は真っ直ぐ、泊地棲姫に向けて進みなさい!」

榛名「皆、ありがとう。榛名、全力で参ります!」

泊地棲姫「フッ、性懲りもナク、また艦載機にヨル特攻か」

衣笠「最も、艦載機にだけ意識集中させれるならしてなさいよ。代わりに地上から鉛玉ありったけブチ込んで上
げるから!」グンッ

羽黒「二人の意志が篭った艦載機、そう易々と落とさせはしません!」サッ

浮遊要塞A「ギギ……」

浮遊要塞B「グギ……」

泊地棲姫「空と水上カラの波状攻撃!?オノレ、くたばり損ナイ共…!」

霧島「二人とも、合わせて!」バッ

衣笠「お任せ!」

羽黒「はい!」

霧島「主砲!敵を追尾して!撃てっ!!」ドォン ドォン

衣笠「私は左舷!」ドン ドン

羽黒「右舷、狙います!」ドン ドン


ボゴォォォォン


ドォォン ドドォォン ボゴォォォン


霧島「榛名!」

赤城「後を、お願いします!榛名さん!」

瑞鳳「いけーっ!」

浮遊要塞A「ギィ……!」 中破

浮遊要塞B「グゥ……!」 小破

浮遊要塞C「ギガガ……!」 大破

浮遊要塞D「ギギギ……」ジャキッ 被害軽微


ドォン ドォン


榛名「当たるもんですか!皆、ありがとう!」バッ

赤城「さぁ、瑞鳳さん…私達は一度退いて離脱です!」

瑞鳳「的にされて迷惑掛けるわけにはいかないものね」

赤城「皆さん、お願いします…!」

泊地棲姫「何度でも、何度でも……何度デモッ!水底へ沈め続ケル!貴様等艦娘がコノ世から全テ消え失せルま
で、何度だっテ、沈め続ケルぞ!先ずハ、貴様等カラな!」

540: 2014/09/17(水) 00:16:07.38 ID:9tMZtfG0o
泊地棲姫『何度でも、何度でも……何度デモッ!水底へ沈め続ケル!貴様等艦娘がコノ世から全テ消え失せルま
で、何度だっテ、沈め続ケルぞ!先ずハ、貴様等カラな!』

提督「……この声、泊地棲鬼の声か?何度でもって…どういう意味だ。あいつらは、一体何なんだ…」



榛名「それなら、私達は何度でも貴方達を退けてみせる!この世界から、深海棲艦の脅威を一遍も残さず、撃滅
します!」

泊地棲姫「やれルものナラやってミロ!力の差ヲ思い知らセ、絶望へ誘っテやる!!」ザッ


ドォン ドォン


ボボボン ボボボボボン


榛名「くっ…!主砲!一斉射ッ!!」サッ


ドォン ドォン ドォン


泊地棲姫「当たるモノか!」サッ


ボボボン ボボボボボボン


泊地棲姫「浮遊要塞、ヤツの足ヲ一時止メロ!」

浮遊要塞D「キィィィ……!」ドォン ドォン


ボボボボン


榛名「くっ、もう一隻、あれを落とさないと…」ジャキッ

泊地棲姫「何処を狙ッテいる、馬鹿め!」ジャキッ

榛名「しまっ……」


ボゴオオォォォォン



541: 2014/09/17(水) 00:17:21.86 ID:9tMZtfG0o
霧島「…ッ!榛名!!」


バシャァァン


霧島「くっ…!至近弾…これじゃ、榛名の援護に向かえない!」

浮遊要塞C「……」ニヤァ

霧島「衣笠も羽黒も、あの浮遊要塞相手で手一杯……なんとか、なんとかしないと!」


モクモクモク……


浮遊要塞C「……」ドン ドン

霧島「ちっ……!」サッ


ボン ボボボン


霧島「近付けない…あっ……!」


ギチギチギチ……


榛名「うっ、あぁ……」

霧島「は、榛名ッ!!」

泊地棲姫「フフッ、所詮艦娘……私達に逆ラッタらどうナルか、身に沁みたデショウ?」

霧島「榛名を離しなさい!」

泊地棲姫「ソレは命令か?ソレを、私が聞くと思うノか?今やコイツは、私の匙加減一つデ生氏を左右出来る状
態にアルんだぞ?そんな口を利イテもいいのか?」

霧島「うっ……」

泊地棲姫「あはははははッ!ソノ顔だ、そう!そうだ!ソノ顔だ!!恐怖に慄き、絶望し、ソシて挫けて二度ト
逆らえナイように、徹底的に蹂躙スル!大した錬度ノ艦娘であろう、この戦艦榛名ヲ血祭りにスルコトで、その
狼煙が上げラレるのだ!!貴様等艦娘風情デハ、深海棲艦には敵わナイと言うコトを知らしメル!」

霧島「何処までも、卑怯な…っ!」

泊地棲姫「フッ、それヲ私達の間デは『負け惜しみ・弱者の戯言』ト言うンダよ。コノ世は弱肉強食…弱者、敗
者に語る資格ナドはないッ!!」

榛名「負け……る、もの、です……か……っ!」

泊地棲姫「ほぅ、マダそれホドの力を……が、それもココまでだ。楽しかっタヨ、戦艦榛名……」グッ…

542: 2014/09/17(水) 00:17:58.31 ID:9tMZtfG0o



───艦隊────に続け!───



霧島「えっ…今の、声は……」

泊地棲姫「なっ……!」バッ


ドドドドドン


ザバァン


榛名「けほっ、こほっ…」

泊地棲姫「おのれ、一体ドコから…」


??「さぁ、どこだろうなぁ!?」ドン ドン


泊地棲姫「ちっ…!」ブンッ


ボボボン


ブゥゥゥン……


泊地棲姫「今度は艦載機ダト!?おのれぇぇ……!浮遊要塞ッ!!」


バッ バッ バッ バッ


ボゴォォォォン


霧島「黒い球体を壁にして自分への被害を抑えた!?けど、これで……!」

衣笠「な、何が起こったのよ!」

羽黒「あ、あれ、見て下さい!」

霧島「赤城と、瑞鳳?その後ろに……」

衣笠「あっはっは…頼もしい援軍じゃないのよ。でも、もうちょっと、早くても良いんじゃないかなぁ…」

木曾「そうでもねぇだろ。むしろグッドタイミングってヤツだったんじゃねぇの」バサァ

大鳳「これ以上の被害拡大は、もうありえないわ」

長門「榛名、世話を掛けた。貸していた迷惑の分、今ここで返済しよう」

榛名「な、長門さん…それに、皆……けほっ、こほ…」

木曾「選手交代、お前等は休んでな。こいつは俺達が相手するからよ」

泊地棲姫「軽巡洋艦風情ガ、私の相手ダト?」

木曾「軽巡洋艦?あぁ、ちょっと前まではな。今は、重雷装巡洋艦の木曾様だ!二文字で名前も覚えやすいだろ?
深海に戻っても呪詛の如く、この水面に届くくらいに俺の名前を呟き続けな!」

長門「赤城、瑞鳳、後は任せてくれ。お前達は休んでいてくれて構わない」

赤城「加勢しようにも、艦載機の残りがもうなくて…すみません」

瑞鳳「大鳳、あと…お願いね!」

大鳳「ええ、任せて。徹底的に叩きます」

泊地棲姫「戦艦、装甲空母、重雷装巡洋艦…イイだろう、何がコヨウガ無意味だと解らせテやるッ!!」

547: 2014/09/18(木) 21:40:14.20 ID:h3wOIaHuo
『ザー……ザザー……て…く……提督!』

提督「っ!」ガシッ

提督「その声は、赤城だな!?戦況はどうなった!」

赤城『榛名さん、衣笠さん、羽黒さんが中破、霧島さんが小破、私赤城と瑞鳳さんは全艦載機を出し尽くし、戦
線離脱です。ですが、入れ代わる形で長門さん、木曾さん、大鳳さんが援軍として到着しました』

提督「……そうか、間に合ったか。しかし、榛名、衣笠、羽黒に霧島、お前達まで揃っていても泊地棲鬼を出し
抜けなかったってのか…」

赤城『厳密には、緒戦は完全に榛名さん一人で押していました。ですが、姿を変え兵装を換装して、再度相手は
挑んできたんです』

提督「姿を変貌させた…?それだけならまだしも、それで兵装まで変わって戦力まで変化・上昇させたっていう
のか…どうなってるんだ、あいつらは…」

赤城『仮に、泊地棲姫を退ける事が出来たとしても、この先への進出は困難です』

提督「…あぁ、解ってる。今から別働隊を編成、泊地棲姫との戦闘を物量で押し切って、そのままモーレイ海に
鎮座してる深海棲艦を一掃する」

赤城『私と瑞鳳さん自体はほぼ無傷です。物資さえあれば継続して航行は可能ですが…』

提督「そうか。天竜たちにも急遽、現任務を放棄し、手持ちの資材をそっちへ届けるように指示を出した。彼女
たちから資材を受け取って、その後の戦況に応じて任務継続へ移るかどうか判断してくれ」

赤城『了解しました!』

548: 2014/09/18(木) 21:41:16.45 ID:h3wOIaHuo
木曾「さぁて…仲間甚振ってくれた分の礼をまずはしねぇとな?」スラ…

泊地棲姫「刀、ダト…?」

木曾「おう。てめぇをぶった斬るには十分な獲物だぜ?」

泊地棲姫「私を、斬る?ソンな矮小な武器デ私を仕留める気デいるのか?」

大鳳「私達三人を相手にすれば、隙の一つや二つは出来るんじゃないですか」バッ


ビュン ビュン


泊地棲姫「……艦載機」

長門「さて、見る所戦艦型か…殴り合いなら付き合ってやるぞ?」グッ

泊地棲姫「たかが……艦娘、三匹に……コノ私が遅れヲ取るものかッ!!」サッ


ビュン ビュン


木曾「しょっぱな!任せるぜ…大鳳!!」ザッ

大鳳「上等よ!第一次攻撃隊、全機発艦!!」バッ

長門「いくぞっ!散開ッ!!」ググッ


ボゴゴゴゴォォン


泊地棲姫「なっ…オノれぇぇ……ッ!」 小破


ヒュー……


大鳳「いい風ね。この風が、そのまま私達に勝利をもたらす」

木曾「っしゃあ!大鳳、お手柄だぜ!さぁて、深海棲艦に本当の戦闘ってヤツを、教えてやるよ!」ヒュンッ

泊地棲姫「チッ…!」スッ…


ビュオッ


泊地棲姫「くっ…!」サッ

木曾「デカブツから先に掻っ捌くか」クルクル チャキッ ジャキッ

泊地棲姫「刀と砲塔ヲ同時に……舐めたマネを……ッ!」

長門「おおおおおっ!!」ブンッ


ドンッ


泊地棲姫「がはっ…!うぐ、このヨウな……」 小破

549: 2014/09/18(木) 21:41:46.20 ID:h3wOIaHuo
木曾「調子乗りすぎだぜ、深海棲艦…幹部クラスだかなんだかしんねぇけどよ…」

大鳳「……第二次攻撃隊、次発発艦準備完了よ」サッ

長門「貴様等の界隈じゃ、弱肉強食なのだろう?ならばこれが必然だな」

泊地棲姫「お、ノレ……ッ!」

木曾「…へへっ、居るのかどうかもわかんねぇけど、お前等の指揮官は無能だなぁ!」

泊地棲姫「何ヲ…!?」

木曾「たった一匹で俺等どうにかできるとか本気で思ってる時点で終わってるってんだよ。ざけんな!」

長門「見縊らないで貰いたいな」

木曾「……いくぜ、深海棲艦」ギラッ ザッ


ドン ドン ドン


泊地棲姫「その程度の、砲撃ナド!」サッ

木曾「あぁ、避けれるだろうな。だがよ…それで逃げたつもりなのかい?」グンッ

泊地棲姫「なっ……」


ザザザンッ


泊地棲姫「ガアアアアアアアッッ!!」 中破

大鳳「第二次攻撃隊、発艦!敵を掃射します!」ビュン ビュン


ボゴォォォン


泊地棲姫「ガハッ…ま、まだ…だ……まだダアアアアアアァァァッ!!」ジャキッ 大破

長門「いいや、これで終わりだよ。覚えておけ、私は長門型一番艦、戦艦長門……貴様等深海棲艦を駆逐する者だ!」

泊地棲姫「」(この三人…先の榛名同様の強さヲ秘めてイルというのカ。馬鹿ナ、ありえナイ…負けるノカ、私ガ……)

550: 2014/09/18(木) 21:42:21.53 ID:h3wOIaHuo


ドォン ドォン


ササッ


バシャァァァン


長門「ビッグセブンの力、侮るなよ」ジャキッ


弾着観測射撃 ドォン ドォン


ボゴォォン ボゴォォォン


泊地棲姫「────」(侮っていタノは…私の、方……気を付けろ、リコリス…他の者達、コイツ等は……)

木曾「やったか!?」

泊地棲姫「……ワタシモ…モドレルノカ…アオイウミノウエニ……」 轟沈 ブクブクブク……

大鳳「え…?」

長門「……戻るぞ、二人とも」

大鳳「あっ、ええ…」

木曾「榛名達の手当てもしねぇとな」

大鳳「」(なんだったの、さっきの言葉は…)

551: 2014/09/18(木) 21:43:16.84 ID:h3wOIaHuo
-執務室-

翔鶴「────以上が今回の任務の報告になります」

提督「おう、サンキューな。急遽の出撃で疲労感も一入だろ。翔鶴たち六名は十分に休息を取ってくれ」

翔鶴「ありがとうございます、提督」

川内「ふんふふーん、ふんふーん♪やっせんー、やっせんー、やーせーんー♪やっせんはぁ~、いいよぉ~ねぇ~~~~♪」

提督「……なんだ、あれ。無駄にビブラート効いてんぞ…」

翔鶴「うふふ…夜戦、沢山できたみたいで、とても幸せそうです」

金剛「あんなに上機嫌な川内初めて見るネー」

筑摩「大活躍でしたもの、今回は『うるさい』なんて言っちゃダメですよ、提督」

提督「へぇへぇ、わかりましたよ。今回は長門たちの帰還と未知だった新手の深海棲艦を一匹しとめる事も出来
たしな。収穫としても十分だ。何より、モーレイ海を制圧できたのが大きい。これでキス島へ向けての攻略準備
も一段と進めることが出来るはずだ」

金剛「それで提督ぅー、榛名や霧島達はダイジョーブなのー?」

提督「ん、ああ…問題ない。結構傷だらけで帰ってきたからこっちも大層心配したんだがな……」


榛名「こんなんじゃダメですね。私ももっともっと頑張らないと!」

衣笠「ほーんと、少し自惚れてたかなぁ。これじゃ青葉に笑われちゃうよ。私も精進精進!」

羽黒「意気込みだけじゃやっぱりダメですね。私も、もっと強くなる為に努力します!」

赤城「お腹が空きました!」

瑞鳳「私も!提督!ご飯ご飯!」

霧島「傾向と対策の研究が疎かでした!もっとデータの集積を進めないと…」


提督「…って感じで微塵も心配する余地がなかった」

金剛「そ、そうなんだ…よ、良かったネー」

比叡「あの子達、なんか無駄に逞しくなってますね。私も負けてらんないな。ねっ、お姉さま!」

金剛「あ、暑苦しいのは私勘弁ヨー…」

提督「とにかく、今回は収穫も多かった。霧島も言ってたが、敵の戦力も徐々に開示されてきている。勿論、あ
れで全てのはずもないだろうがな。傾向と対策の練り直しは必須だろう」

552: 2014/09/18(木) 21:57:33.31 ID:h3wOIaHuo
-???-

リコリス「……泊地棲姫が、氏ンダ」

新鋭提督「…そう。そこまで力を付けたのね」

装空鬼「ドウするの?」

新鋭提督「恐らく近代化改修による戦力強化でしょうね。けど、こちらの戦力が全て割れてるわけじゃない。
リコリスと装甲空母鬼の二人は身を晒してるから既に相手も知ってるでしょうけど、その力まではまだ把握して
る訳ではない」

装空鬼「ならば、次ハ私が……」

新鋭提督「いいえ、彼らには暫く北方海域で足を止めてもらうわ」

リコリス「あの子を出す気ナノ?」

新鋭提督「あら、心配?」

リコリス「……まぁ、ドウセ彼女も一緒に居るコトだろうし、問題はナイと思うケド……哀れナノは、相手ネ」

新鋭提督「無垢は時として何よりも邪悪なのよ」

リコリス「一体、何人の艦娘がアクタンの餌にナルのかしらね…」

装空鬼「マスターにしては、早急な対応ニ奔るノネ」

新鋭提督「あら、私も一応提督よ?戦術眼くらいは持ってるわ。蛮勇じゃない所を見せて上げるわよ」

装空鬼「ナラ、私も準備に入るトしよう」

リコリス「…第二幕、どんな進路を取るノかしら。楽しみネ」

553: 2014/09/18(木) 22:01:37.82 ID:h3wOIaHuo
本日はここまで

でもってPart3とか着いてるけど第一章的な感じで、区切りよくこのスレもここまで
次回以降、新スレで第二章書きたいと思います
ここまで長ったらしいものを読んでくれた人、本当にありがとう!

二日位してから依頼スレへ報告します

554: 2014/09/18(木) 22:27:37.17 ID:hXnHaR66o
乙です


次回:
【艦これ】提督「暇じゃなくなった」


引用: 【艦これ】提督「暇っすね」part3