1: 2024/07/18(木) 12:36:16 ID:???00
以前エタッたSSを完成させました!
お暇な時に読んでください!

このSSには残虐な表現が一部含まれております。

2: 2024/07/18(木) 12:36:34 ID:???00
千歌「ぎゃあああああ!!!」ダダダダダ

善子「どうしたのよ千歌。一年の教室まで走って来るなんて」

千歌「皆逃げてぇ!!果南ちゃんが暴走してる!!」

ルビィ「意味がわからないよ」

パリィィン!!!

突如窓ガラスが割れて、1人の少女が顔面がひしゃげた状態で教室に飛び込んできた。

せつ菜「」

善子「きゃああああ!!誰よこの子!?」

千歌「観光客らしい。果南ちゃんの暴走に巻き込まれたんだよ」

善子「はぁぁぁぁぁ!?なんでアイツそんなに怒ってんの!?」

3: 2024/07/18(木) 12:37:01 ID:???00

千歌「なんか体操着に『水ゴリラ』って書かれたらしくて…」

善子「誰よそんな事したやつ!?」

花丸「(や、やばい…私だそれ)」プルプル

ルビィ「とにかく逃げようよ」

千歌「そうだn」

モブ「大変よ千歌!!!」

千歌「どうしたの?」

モブ「浦の星から外部に出る坂に巨大な岩があって先に進めないのよ!!」

ルビィ「ピギャ!?」

善子「…てことは」

千歌「この学校は孤立無縁状態って事…!?」


善子「あはは、何慌ててんのよ。所詮果南だってか弱い少女でしょう?私たちでかかれば余裕でしょう」

千歌「…」

モブ「…」

善子「え、何よ」

千歌「体育教師のマッチョおじさんっていたでしょう?」

善子「あぁなんかボディビルダーの大会で優勝したとかいう…」

千歌「さっき果南ちゃんに首を素手で引きちぎられて絶命したよ」

善子「」

ルビィ「そ、それって警察に言ったほうが」

千歌「スマホ見てみて」

善子「あれ?…圏外になってる」

千歌「昔から果南ちゃんが怒ったら周囲の電波や周波数がめちゃくちゃになるんだよ」

善子「化け物じゃない」

ルビィ「じゃあルビィたちは助けも呼べないの!?」

花丸「(み、耳が痛いずら)」




ぎゃあああああああああ!!!!!


ルビィ「ピギィ!?」

花丸「ま、まさか…」

千歌「…見に行ってみよう」

踊り場

曜「あ…が…」

千歌「曜ちゃん!!」ダッ

善子「果南にやられたの!?」

曜「ば…げ…もの…」バタッ

ルビィ「そんな…」

善子「うわ…両方の腎臓がくり抜かれてる。頃し方もグロいわね」

花丸「ひぃ…!ひぃ…!」ガタガタ

善子「怖いけど切り替えなさい!今この学校は『羆嵐』の山村並みに危険地帯よ」

ルビィ「(例えがよくわからない)」

4: 2024/07/18(木) 12:37:29 ID:???00
花丸「あっ!」

善子「どうしたのよ」

花丸「そういえば職員室に野生動物用の猟銃がなかったずらか?」

千歌「そうなの?」

ルビィ「私もお姉ちゃんに聞いた事があるよ。危ないから専用のロッカーに入っているらしいけど…」

ルビィ「お姉ちゃん無事かな…」

善子「次の行動は決まりね。四人で猟銃を手にして果南を倒すわよ!」

「おー!!」


千歌「私たちは今2階1番東の踊り場にいる…」

善子「職員室は別校舎の一階ね。結構遠いわよ」

花丸「皆歩くのは禁止ずら!外から覗かれているかもだからしゃがんで行こう!」

善子「そうね」


きゃあああああ!!!

見つかった!!

やめて!痛い痛い!!!

グチャ…ドチャア…


千歌「ま、また…」

ルビィ「ひっ…集団で隠れていたところを見つかったんだよ、きっと」

花丸「…音の発生源は一階ずらね」

善子「このまま降りたら見つかっちゃうわ!」

ザッザッザッ

千歌「やばい!近づいて来る!!」

ザッザッザッ‼︎

善子「速い…!2階に戻って各自、身を隠して!!」

ルビィ「はぁ…はぁ…!!」タッタッ

花丸「どうしてこんなことに…!」ガチャン

一年組は2階の曲がり角にあった2年A組の教室に入る。
善子は教壇の下。
ルビィはカーテンの裏。
花丸はロッカーの中に隠れた。

5: 2024/07/18(木) 12:38:08 ID:???00
善子「ち、千歌は…?」

千歌「開かない…開かない…!!」ガチャガチャ

千歌だけは一年生に隠れ場所を譲るために、A組の隣にある家庭科室に入ろうとしていた。
しかし運悪く鍵がかかっており、千歌はパニックになりながらドアを力づくで開けようとする。

すぐそばには鬼の足音が迫ってきていた。

グルルルル…

千歌「あ…あ…」

千歌の横には身体中返り血まみれの果南がいた。
遺体を食べたのか口の周りに夥しい量の血が付いており、爪が30cm程鋭利に伸びている。
血走った目を最大限まで開けておりまさに「鬼」の様だった。


ルビィ「ち、千歌ちゃん…大丈夫かな」ブルブル


うわぁああああああ!!!!?


ルビィ「!?」


私たち幼馴染だよね!?果南ちゃんはそんなに酷い事しないよね!?

やめて!!ぎゃあああああ!!!!痛い痛い!!助けてください!!!

あ…あ…

……

善子「千歌……嘘でしょう?」

教壇の下で震える善子。



グシャグシャ…

数分間咀嚼音が響き、鬼の足音が遠ざかっていく。

果南がいなくなった事を確認できた三人は恐る恐る廊下に出る。

ルビィ「ぴ、ぎぃ…」

花丸「うわぁ…うわぁ…!」

善子「そんな……」

三人の目の前には顔の半分以上が食い荒らされた、千歌の見るに耐えない亡骸があった。

花丸「ゲボォ!!」ビチャビチャ

花丸は自分が果南にイタズラをしたせいで多数の氏者を出してしまった事。尊敬する千歌が殺されたことに対するショックで嘔吐する。

ザッザッザッ!

ルビィ「ひっ!?また戻ってきたよ!」

善子「多分ずら丸のゲロの匂いに反応してるのね…」

善子「どこまでも野生ね。足音は中央の踊り場から上がってきてる!このまま階段を降りて職員室に走るわよ!」ダッ

花丸「う、うん…!」

善子の予想は当たっていた。
今やヒグマを超える嗅覚を手にした果南はゲロの臭いに反応して千歌の元に戻ってきていたのだ。

6: 2024/07/18(木) 12:38:53 ID:???00
職員室前

善子「やった!辿り着けた…!」

花丸「オラが…オラが…倒すずら!!」

ルビィ「は、花丸ちゃん?」

ダイヤ「ルビィ!!」

ルビィ「お姉ちゃん!?」

ダイヤ「良かった…無事だったんですね」ダキッ

ルビィ「うゆゆ…お姉ちゃん…」グスグス

善子「生きてて良かったわダイヤ」

ダイヤ「皆さんも無事で良かった…!何故職員室に…まさか」

善子「えぇ、猟銃を借りにきたのよ」

ダイヤ「果南さんを倒すためですわね」

善子「まさか止めるつもり?」

ダイヤ「いいえ。何が原因かは分かりませんが果南さんは人を頃しすぎました。三年生は私以外全滅ですわ」

ルビィ「え…」

花丸「鞠莉ちゃんは!?」

ダイヤ「…亡くなられました。心臓を素手で一突きで。苦しまずに逝けたと思います」

善子「鞠莉…」


鞠莉『シャイニー!』


善子「やけに静かだったのは三年生が全滅状態だったからね」

ダイヤ「悲しいのは分かりますが今は現状打破が最優先です。職員室に入りましょう」

善子「えぇ、反撃するわよ皆!」

「おー!」

7: 2024/07/18(木) 12:39:18 ID:???00
その頃の桜内家

梨子ママ「こら梨子!あなた同人誌描きたいからって学校休むなんて許されないわよ!」

梨子「ちょっと待ってお母さん!もうコミケまで期限がないのよ…!後生よ…!」

梨子ママ「ずる休みは許しません!今からでも学校行ってきな!!」

梨子「ひえぇ~!!」



梨子「どうしよう…本当に期限が近いのに。あ!松月でトーン貼っちゃおうかしら?どうせタブレットで描いているんだからどこでも描けるし♩」

松月

梨子「こんにちはー!」

店員「いらっしゃい梨子ちゃん。あれ、今日学校なんじゃないの?」

梨子「あはは…ちょっと寝坊しちゃって」

店員「珍しいね~。いつものみかんケーキでいい?」

梨子「はい!それとコーヒーも追加で」

店員「はいよ。座って待っててね」

梨子「ありがとうございます!」


梨子「そういえば今日誰からもロイン来ないわね。無断欠席してるのに千歌ちゃんはともかく学校から連絡が来ないのはおかしい…」

梨子「……」

梨子「食べたら学校行きましょうか」

8: 2024/07/18(木) 12:40:36 ID:???00
職員室内

花丸「あ!あったずら」

ダイヤ「開けますわよ…」ガチャ

善子「ダイヤがロッカーの鍵の場所知ってて助かったわね」

四人は職員室の奥にある猟銃が閉まってあるロッカーに辿り着いた。
取り出した銃はレミントンM870という手動式のショットガンだった。

ルビィ「で、どうやって使うの?」

ダイヤ「それは…」

銃を使って果南を倒すという思考までは良い。
しかし極限状態の彼女らはどうやってそれを使うかまでは頭が回っていなかった。

善子「私分かるわよ」

ダイヤ「え」

善子「不登校の期間に銃にハマってたから動画サイトで撃ち方を勉強していた事があるの。その銃は見た事あるから多分いける」

花丸「善子ちゃんのオタク知識がこんな所で役に立つとは…」

グルルル…

ルビィ「ひっ!」

ダイヤ「近くにいるようですわね…善子さん、急いで」

善子「分かった!」ガチャガチャ

花丸「だ、ダイヤさん…後ろの窓」

ダイヤ「え?」

花丸に言われ振り返るダイヤ。

窓の外には血まみれの果南が目を見開きながらこちらをじっと観察していた。

ルビィ「ひぃ…」

ダイヤ「私が時間を稼ぎます…善子さんは続きを」

善子「クソっ…」ガチャガチャ

ダイヤ「皆さん二階に退避してください!」

ルビィ「そんな…!」

ガシャァァァァァァン!!!

果南「グルァァァァァァァ!!!!!!」

雄叫びと共に果南が室内に入ってくる。

ダイヤ「行ってください!!!」

花丸「行くよルビィちゃん!!」

ルビィ「お姉ちゃあ!!!」

9: 2024/07/18(木) 12:41:25 ID:???00
果南「ガルァァァァァァァァ!!!!!」

ダイヤ「黒澤家当主を舐めるな!!!」

ダイヤと果南の攻防が始まった。

ダイヤは黒澤家の当主とだけあって護身術をマスターしている。
どちらかが生き絶えるかまでの戦闘であれば体育教師のオッサンにも負けるだろう。

だが時間稼ぎという点ではダイヤはプロの領域に達していた。

果南の突進を体を捻り間一髪で交わす。

ダイヤ「っ!」

果南が突進した先にあった机やロッカーがまるで豆腐のようにグシャグシャに潰されていた。

ダイヤ「一撃でも喰らうとお釈迦ですわね…」

果南「がっ!!」ブンッ

ダイヤ「なっ」

果南は振り返ることもなく側にあったテレビをソフトボールのようにバックに投げる。
テレビはダイヤの横スレスレを通過する。

ダイヤ「ここじゃ狭いですわね!」バッ

鬼が入ってきた窓から外に飛び出るダイヤ。
狭いと逃げ場がなく不利なため広い敷地に出た。

果南「ガルァ!!」ガシャアアン

一瞬でダイヤとの距離を詰める果南。
果南が刀の様にダイヤの首を目掛けて手を振るう。

現在の果南は爪が30cmに伸びており、その辺の日本刀より切れ味が鋭かった。
この爪で無実の生徒達の首が数十人分落とされた。

次の行動に繋げやすい様に、しゃがみではなく後退することで果南の爪を回避するダイヤ。
しかしあまりの速度に避け切る事ができず薄皮一枚分ダメージを許してしまう。

ダイヤ「痛っ!!」

少量の出血。鬼は容赦する事なく「突き」で彼女の腹を抉ろうとする。
しかし、さすがは黒澤家当主というべきか。

全身全霊で体を横に投げ出す事で鬼の攻撃を避け切る。
勢い余った果南は職員の車に突っ込む。

ダイヤ「車…!」

善子「ダイヤどいて!!」

ダイヤ「!」

全てを察したダイヤは反射で果南から離れる。
その直後に散弾銃の火が吹いた。

ズガァン!ズガァン!と轟音が響き銃弾が果南に刺さる。

果南「ガルアァァァァァ!!!!」

散弾銃の攻撃を浴びても即氏しない果南。
しかし確実にダメージは負ってる様に見えた。

車のフロントガラスに突っ込んだためか脱出するためにもがく果南。

善子「弾切れ!一旦引くわよ!!」

ダイヤ「はい!」

果南「ガァァァァァァァ!!!!」

暴れる果南から急いで撤退する2人だった。

10: 2024/07/18(木) 12:42:28 ID:???00
本館屋上

ダイヤ「はぁ…はぁ…。疲れましたわ」ドサッ

善子「おかげで助かったわダイヤ」

花丸「ど、どうだったずらか?」

善子「2発ケツにぶち込んだけど元気に暴れ回ってたわ」

ルビィ「銃でも倒せないなんて…」

ダイヤ「けど効いていましたわ。しっかり脳か心臓に打ち込めたら倒せるかも…」

花丸「弾薬はまだあるずら?」

善子「あと2発ね」

ダイヤ「少ないですね…」

ルビィ「それじゃあ倒せないよ!」

ダイヤ「皆さんに提案が…」

善子「何?」

ダイヤ「先ほど果南さんと戦闘している時職員の車があったのですが」

善子「まさか」

ダイヤ「えぇ鍵が挿さりっぱなしだったのです」

花丸「どういう事?」

ルビィ「その車が動かせるって事だよね。けど今浦の星から出る手段ってないビィ」

ダイヤ「私が単独行動をしていた時、一箇所だけ岩と岩の間に車一台くらいなら通れそうな隙間がありました。けど草木が生い茂っていて生身ではとても通れそうになかったのです」

善子「車で突っ切って脱出するわけね。しかし…いつの間に学校の周りにあんな超巨大岩を置いたのよ果南は」

ルビィ「マッスルビィだね」

ダイヤ「まだ生きている生徒もいるかもしれませんが、私たちではどうともできません。一旦外部に助けを求めるべきです」

花丸「……」

善子「花丸?」

花丸「な、何でもないずら」

ルビィ「それじゃあ行こうか」

11: 2024/07/18(木) 12:43:16 ID:???00
時は少し遡る

梨子「何なのこれ?」

松月で一服した後、浦の星に通学しようとしていたが学校に入ろうとしたところ15mほどの岩が道を塞いでおり校内に入れず呆然とする梨子。

一つだけではない。
学校を囲う様にいくつもの岩が置かれている。

梨子「絶対ヤバい状況よね…今気づいたけど何故か今日はスマホ圏外だし何処にも連絡できないわ」

梨子「まさかこの岩が原因…?」

警察に通報すべきか迷った所、梨子の横に何かが降ってきた。

梨子「え…?」


生首だけになったかつての同級生だった。


梨子「は…?」

頭が真っ白になる梨子。
数秒経ってから現状を把握して絶叫した。

梨子「きゃああああ!?な、何で、どうなっているの!!??」

梨子「あ…あ…警察、そうだ繋がらないんだった…!」

梨子「オエエエ」ビチャビチャ

梨子「(この中に何かが居る…!そいつに皆殺されたんだ!!)」

梨子「警察に通報しに行こう!!」

「失礼、お嬢さん」

梨子「きゃあ!?だ、誰ですか?」

梨子の目の前に長身の女性が立っていた。
背中にはアサルトライフルを背負っており、軍服を着ている。

コハク「私の名前はコハク。黒澤ダイヤの親戚です。この岩について心あたりはありますか?」

梨子「ダイヤさんの…?分からないから今から警察に行こうとしていたんです」

コハク「…犯人はおそらく松浦果南でしょう」

梨子「は!?果南さんがこれやったんですか!?」

コハク「彼女は普段大人ぶってますがキレると手がつけられませんからね。10年前も同じ様な事件が起きました」

梨子「じゃあ早く警察に…」

コハク「無駄です。警察の武装では今の彼女を止められない。黒澤家の特殊部隊を手配しています」

梨子「なんですかそれ」

コハク「私は今から単独でダイヤとルビィを救い出します。あなたは家に帰りなさい」バシュ

梨子「!?」

コハクはアンカー銃を使い岩を最も容易く登って行く。

梨子「忍者みたいね…」

12: 2024/07/18(木) 12:44:19 ID:???00
スタッ…

あっけなく地獄の学校に潜入するコハク。
着地した瞬間にソフトボール大の岩が飛んできた。

コハク「くっ!」

間一髪で避けるコハク。
目の前には一体の鬼がいた。

果南「グルルル…」

コハク「まさか歓迎してくれてるのか?以前お前を捕獲したのは私だからかな」チャッ

バババババババババ

コハクは果南に向けて躊躇なくAK47をぶっ放した。

果南は爪をウルヴァリンのように構えて弾を正面から全て弾く。

果南「うおぉぉがぁぁぁぉぁぁ!!!!」

コハク「10年前より強くなってるな…」ガチャン

コハクはAKの弾薬が尽きたためスチェッキン・マシンピストルという拳銃に切り替える。

黒澤家がソ連から仕入れた一品だ。

再び果南に向けて発砲する。
拳銃の形をしているが連射する事ができる…が、これも当然のように防がれた、

果南「あがぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

コハクは片手でマシンピストルを撃っている間にアンカー銃を再び取り出し校舎に向けて撃った。

果南「がるぁ!!?」

コハク「悪いがお前を正面から相手するのは危険すぎる。また会おう」

一瞬でアンカーが縮まり校舎の三階に避難するコハクであった。

ガァァァァァァァ!!!!!!!!

怪物の雄叫びが辺りに響いた。

13: 2024/07/18(木) 12:44:54 ID:???00
ダイヤ「銃声…!?」

善子「すごい連射してたわね」

その時ダイヤ一行はちょうどこれから車のある場所まで向かうところだった。

善子「まさか助けが来たのかしら」

ルビィ「銃声がするって事は誰か果南ちゃんと戦ってるのかな」

花丸「ど、どうするずら」

善子「…助けを待つ?仮に車を運転させられたとして、エンジン音をふかしながら目的の場所まで走行するのは結構大変よ。多分気づかれるだろうし」

ダイヤ「今の銃声は…」

ルビィ「お姉ちゃん?」

ダイヤ「まさかコハクさんが助けに来た…?」

善子「誰よそれ」

ダイヤ「マシンガンは警察でも持っていませんわ。ハンターの皆さんもライフルか散弾銃しか使えませんからね。となれば黒澤家の特殊部隊が救援に来たと見るべきです」

善子「ま、とにかく助けが来たってことよね。ならここで待機しましょうか」ドサッ

ルビィ「善子ちゃん!?」

善子「安心したら力が抜けたわ…ちょっと座る」

花丸「みんな見て!岩上から銃を持った黒い迷彩服を着た人たちが降りてきた!!」

ルビィ「ヘリコプターもきた…!ルビィ達助かったんだ!!」


黒澤家特殊部隊は沼津において警察では対処できない事件に対応する。
全隊員14名。実態は借金の形に非人道的な任務に駆り出される使い捨てのコマだが普通の警察では使用できない様な銃火器も扱える。今回は4名作戦に投入されている。

ヘリや銃火器は諸外国から密輸という形で購入している様だ。

今回はダイヤとルビィを救うため、それに果南の暗殺もしくは捕獲のために動いている。

かすみ「借金のせいで黒澤家に身売りされたかすみんです!」

にこ「誰に自己紹介してんのよ。さっさとダイヤとルビィ助けに行くわよ」ガチャ

彼方「この任務が終わったら遥ちゃんと式をあげるんだ~」

にこ「氏亡フラグ立てんな!かすみと彼方は2人の捜索頼んだわよ!」

かすみ「にこ先輩も氏なないでくださいね!」

にこ「こっちのセリフ!!」

14: 2024/07/18(木) 12:45:21 ID:???00
ドガァァァン!!!


かすみ「ぎゃあああ!!!!」

彼方「ヘリが墜落したね~」

にこ「ちょっ、ヘリから出てきたのって…」

果南「グルァアアアアアあ!!!!!!」

にこ「早速来たか…あんたはにこが相手してあげる!!」

かすみ「彼方先輩!行きますよぉぉぉぉ!!!!」

彼方「ファイトいっぱーつ」


にこ対果南

にこ「にっこにっこにー!!!!」ダダダダ

にこのAKライフルが火を吹く。
1発で人を殺せる銃弾が数十発果南に襲いかかる。

果南「がるぅあああああ!!!」

先ほどのコハク同様、爪によって全弾弾かれる。

にこ「その爪から剥がせてもらうわね」

果南「がぁぁああああ!!!!」ビュオォ

果南がにこに向かって跳躍してくる。
15mほどの距離を一瞬で詰めてきた。

にこ「ラブニコッ!!」

にこの装備はAKライフル、手榴弾2発、拳銃、そして小型のグレネードランチャー。
果南がにこに触れる前にランチャーの引き金を引く。

ドガァァァァンンン!!!!

果南「がぁぁぁっぁああああああ!!!!????」

いかに果南とはいえグレネードの直撃は堪えたようだ。
とっさに爪でガードしたものの5枚もの爪が半分以上欠けていた。

にこ「よしっ!けどランチャーはもう無いわね」

にこは空になったグレネードランチャーを投げ捨て、再びアサルトライフルで距離を取る。
果南は爪で弾こうとするが欠落した爪では全弾防ぐことができない。
数発顔面と胸に被弾する。

果南「がるぁ!!」

にこ「いい感じね!うっとしい爪が半分も削げるなんて嬉しい誤算にこっ!!」

アサルトライフルが空になったため果南の周りをダッシュしながらリロードする。
にこはこの調子でいけば勝てると思い込んでいた。
しかし果南は急に自分の爪を一本へし折り片手で掴む。

にこ「それで切りかかってくるつもり!?無駄だって!」

15: 2024/07/18(木) 12:46:28 ID:???00
リロードを終えたにこが再び銃撃を再開する…はずだった。
それよりも速く果南が手に取った爪を手裏剣の様に投げつけてきた。

時速200キロ。
にこが避け切れるはずがなかった。

ズバァン!!とにこの左肩がザックリ切り裂かれる。

にこ「ぎゃあああああああああ!!!!!!!」

にこの絶叫。
果南は無慈悲にも追撃を加えるため走り出す。

果南「ぎゃはっ!!!!」

にこ「ッッ!!!!!」ガチャッ

流石に戦闘訓練を積んでるだけありすぐさま意識を戦闘に戻す。
氏に物狂いで両手でアサルトライフルを握り直す。

にこ「くたばれ!!!!」バババババババ

果南「っ!!??」

すぐさま反撃してきたのが予想外だったのか銃弾の雨をモロに浴びる果南。

果南「ぎょおらぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

全身から血を吹き出し、雄叫びを上げ、にこから逃走を図った。

にこ「ちっ…追いたいけど治療が先ね」

にこは止血を行い痛み止めとしてモルヒネを注射する。

にこ「ふぅ~効いてきた。あの野郎…許さないわよ」

銃を構え直し鬼退治に再び向かうにこであった。

16: 2024/07/18(木) 12:47:02 ID:???00
かすみ「にこ先輩生きてますかね?」

彼方「人のことより自分の心配しようよ~。私たちは新人だから装備はトカレフTT-33とかいうソ連製の拳銃と安物のショットガンしか支給してくれなかったよ~。こんなんじゃ氏んじゃうよ~」

かすみ「手榴弾もあるじゃないですか!」

彼方「あはは…ん?あれって…」

せつ菜「」

かすみ「せつ菜先輩じゃないですか!!」

彼方「そういえば沼津に旅行に行ったって言ってたっけ。お釈迦になってるね~」

かすみ「私たちもこうならないように気をつけますよ!」

彼方「あいあいさ~」

ペチ…ペチ…

かすみ「ん?」

彼方「廊下から誰か歩いてくるね。裸足かな…?注意してね」

モブ「ア…ア…」

ソレは浦の星の制服を着ていたが顔面蒼白で片目がなく、胸が食い破られている。
どう見てもホラー映画に出てくるゾンビの様であった。

かすみ「果南さんじゃないですね。え、と…大丈夫ですか?」

かすみは重症者だと思ったのかその生徒に不用心に近づいていく。

彼方「離れてかすみちゃん!!!」

モブ「ぐらぁ!!!」ガバッ

モブがいきなりかすみに襲いかかった。

かすみ「ぎゃあああああ!!!」

バンバン!!

モブがかすみに噛みつこうとするより早く彼方はモブの頭と心臓にそれぞれ2発ずつ銃弾を浴びせた。

長期戦を覚悟していた彼方だったがモブはあっけなくその場に崩れ落ちる。

彼方「もう~。不用意に近づいたらダメだよ」

かすみ「ど、どういう事ですか!?」

17: 2024/07/18(木) 12:55:27 ID:???00
彼方「う~ん…コハクさんの情報では敵は一体だけのはずだよね?どういう事かな~」

かすみ「もしかして果南さんに攻撃されたら皆こうなるんじゃ…」

彼方「考えたくないけどその可能性あるかもね」

かすみ「た、大変じゃないですか!?にこ先輩に教えてあげないと!無線…は使えないのか」

グルァァァァァァァ!!!

ガッ…グラァ!!!

かすみ「ひっ!何か複数の唸り声と足音が近づいて来てるんですが!!」

彼方「これは…本格的にヤバいな」



コハク「ダイヤ、ここに居たか!」ガチャ

一方コハクは構内を探し回りようやくダイヤの居場所まで辿り着いた。
しかしダイヤの様子がおかしい。熱でうなされているみたいにグッタリしていた。

ダイヤ「う…コハク…さん?」

コハク「ダイヤ!?どうしたんだ、怪我を負ったのか?」

善子「あなたがコハクさんね。私は津島善子。ダイヤと一緒に果南から逃げ回ってたんだけど急にダイヤが苦しみ出したのよ」

コハク「…ダイヤ。果南に傷を負わされたか?」

ダイヤ「えぇ、ほんの擦り傷でしたけど」

コハク「落ち着いて聞いてほしい。おそらく果南に傷を負わされた者は一定時間経つと理性を失って豹変し、他の人間を襲うようになる」

花丸「ずらっ!?」

ルビィ「ゾンビみたいだね…」

善子「何故あなたがそれを知ってるの?」

コハク「ここに来るまでに何人かそういう人間を倒して来たからだ。彼女らは氏に至らないレベルの傷を負わされているのが確認できた」

善子「ダイヤもそうなるっていうの?」

コハク「……」

ルビィ「コハクさん!!」

コハク「恐らく……」

声を絞り出すように呟くコハク。

善子「…それさ果南が正気に戻ったら治る可能性があるの?」

18: 2024/07/18(木) 12:55:53 ID:???00
コハク「それは…わかりません」

善子「そもそも今回の件、アイツの体操着に水ゴリラって書かれてたのが原因よね。全く…誰か知らないけどとんでもない事してくれたわよね」

花丸「っ!!」

善子「花丸?」

花丸「み、皆聞いて欲しいずら」

ルビィ「どうしたの?」

花丸「実は果南ちゃんの体操着に水ゴリラって書いたのマルなんだ!!」

全員「!!」

花丸「まさかこんな事になるなんて思ってなかった…軽い気持ちでやりました」

花丸「ごめんなさい…ごめんなさい…」ボロボロ

善子「アンタねぇ…!!何人氏んだか分かってんの!?」

花丸「ひっ!」

善子「もう謝って済む問題じゃ無いでしょう!!?」

ルビィ「ちょっと、落ち着こうよ善子ちゃん!!」

ダイヤ「そうです。今花丸さんを責めても仕方ないでしょう」

善子「ふん…」

ダイヤ「花丸さん」

花丸「!」

ダイヤ「確かに、あなたの行った事は軽いイタズラのつもりだったとはいえ、果南さんを傷つけた事は間違い無いでしょう。反省すべきだと思います」

花丸「うぅ…」

ダイヤ「しかし、この状況でそれを告白した事は非常に勇気がいたと思います。言ってくれてありがとう」

花丸「ダイヤさん…」

ルビィ「うゆ!今はどうやってこの地獄を乗り切るか考えようよ!果南ちゃんが正気に戻ればゾンビさん達も戻るかもしれないんだし」

ダイヤ「善子さんもそれで良いですか?」

善子「はいはい、分かったっての。皆甘いわね全く…」

19: 2024/07/18(木) 13:54:12 ID:???00
ダダダダダダダ

彼方「コハクさん!」ガチャッ

かすみ「あーーー!疲れましたよ」

コハク「2人とも!生きていて良かった」

善子「他の隊員ね…」

彼方「報告したい事が。果南ちゃんに傷つけられた人間がどうなるかについて」

ルビィ「今コハクさんから聞いたよ。ゾンビ化するって」

かすみ「耳が早いですね!まぁかすみん達がほとんど倒してきたんですが」

コハク「後はにこを探して果南を倒すだけだな」

彼方「へ?」

かすみ「何言ってるんですか?にこ先輩そこにいるじゃ無いですか」

ダイヤ「はい?」

にこ「……」

かすみが指を指した先には無表情のにこが佇んでいた。
屋上の端で血の気の無い顔でこちらを眺めている。

善子「っ!いつの間に……!?さっきまでそこに居たっけ?」

コハク「皆下がれ…」

かすみ「にこ先輩ー!行きますよ、そんなところに突っ立ってないで」


にこ「ガルァアアアアアアアアア!!!!!


突如鬼の形相になりこちらにダッシュするにこ。
もう手遅れの状態だった。

ルビィ「ゾンビ化してる!!」

彼方「そんな……!」

かすみ「先輩!!正気に戻ってください!!」

コハク「すまない、にこ」ガチャッ

バァンバァンバァン!!!

3発迫り来るにこに銃弾を浴びせるコハク。
少し動きが鈍るが、再び走り出すにこ。

コハク「何…!?他の個体より強い!!皆下の階へ避難しろ!!」

かすみ「にこ先輩!!」

彼方「行くよかすみちゃん」

かすみ「でも…!!」

彼方「私たちはプロでしょう!?そんなんじゃにこ先輩に怒られちゃうよ!!」ガシッ

にこ「ガルァアアアアアアアアア!!!!」ダダダダダ

かすみ「うっ…クソ!!皆さん、避難してください!かすみんたちが援護します!」

善子「改めて地獄ね…この場所は」

バババババババババ!!

コハクはAKライフルでにこの肉体に風穴を開ける。

にこ「ぎゃあああああああ!!!!」

弾倉が空になるまで撃ち続ける。
あたり一面が血飛沫で赤く染まっていく。

にこ「が…あ…」

にこ「……がふっ」ドサッ

コハク「はぁ…はぁ…」

コハク「にこ……身売りされた妹達は必ず私が助け出してやるからな」

20: 2024/07/18(木) 13:54:44 ID:???00
一方で他のメンバーは下の階でコハクの帰りを待っていた。

善子「銃声が止んだわね」

コハク「皆待たせた」

ダイヤ「傷は負っていませんか?」

コハク「心配するな。無傷だ」

ルビィ「これからどうするの?」

コハク「一旦あなた方生徒を学外に連れ出そうと思っている。だが果南は放って置けない。装備を整えて我々は再びこの地に戻る」

善子「ま、そうなるか」

ダイヤ「私は残りますわ」

ルビィ「お姉ちゃん!?」

ダイヤ「分かっているでしょう。私もいずれあの様な化け物になる運命です。正気のうちに果南さんに少しでもダメージを与えて逝きます」

ルビィ「そんな…!」

コハク「…ルビィ。果南を正気に戻せればまだ可能性はあるんだ。ダイヤも簡単に氏ぬとか言うんじゃ無い」

ダイヤ「…すみません。とはいえ、いつ発症するかわからない身。まだ外に出るわけにはいきませんわ」

コハク「あぁ」

善子「そうと決まれば行きましょうか」


一行は階段を降り外に出る。
不気味なくらい静かで果南による襲撃も無かった。
至る所に生徒の氏体が転がっている。

花丸「生きてる人はもういないずらか…」

彼方「…絶望的だね」

ダイヤ「校門が見えてきましたわね。そろそろこの辺で私は別れます」

ルビィ「お姉ちゃん…」

ダイヤ「ルビィ、希望を捨ててはダメよ。今は私たちの言うことを聞いて避難しなさい」

ルビィ「うん…!」

ダイヤ「良い子ね」



「あら、皆生きていたのね」



不意に後ろからダイヤ達にかけられる声。
今朝も聞いた声。
しかし、さまざまな出来事があり、久しぶりに聞いた気がした。

善子「鞠莉……!?」

21: 2024/07/18(木) 13:55:10 ID:???00
鞠莉「シャイニー!!お久しぶりね」

ダイヤ「バカな…………」

場の状況にそぐわ無いテンションの高い声。
仲間であるはずの彼女の声にかすかな狂気を感じ取り、感受性の高い花丸は震えていた。

ルビィ「え、鞠莉ちゃん生きてるじゃん!」

善子「あんた無事だったの!?ダイヤが氏んだとか言ってたから驚いたわ!」


ダイヤ「ありえないっ!!!!」


ルビィ「ピギャ!?」

善子「ダイヤ…?」

珍しく取り乱すダイヤに一年組は狼狽する。

ダイヤ「あなたは私の目の前で果南さんに心臓を刺されたはず………」

鞠莉「……」

善子「鞠莉?」

鞠莉「んもう!ダイヤは真面目ね!そんな事言ってる場合じゃ無いでしょう?早く脱出しないと」

善子「そ、そうね」

鞠莉「小原家が非常時に作っていた脱出通路があるので皆カモン!」

ルビィ「そんなものあったの!?」

善子「さっさと校内放送で周知しときなさいよ!」

鞠莉「ソーリーソーリー!」

22: 2024/07/18(木) 13:55:34 ID:???00
ダイヤは幽霊を見る様な目で鞠莉を見ていたが、善子とルビィは脱出通路で逃げる方が安全だと感じ鞠莉についていく。2人の後に花丸、ダイヤ、彼方、かすみ、コハクが続く。

かすみ「なんか体育館小さく無いですか?」

彼方「いや、これが普通だよ。ニジガクが大きすぎるだけ」

善子「アンタらの学校どんだけお嬢様校なの…」

彼方「そういうわけじゃないと思うけど…」

すっかり一行は気が抜け生還ムードに包まれていた。

ーーーーしかし

ガシャン!!!

体育館の扉が自動的に閉まってしまったのだ。

ダイヤ「扉が…!!」

善子「ちょっと鞠莉、どうなってんのよ!?」


「ぷ」


善子「は?」

鞠莉「ぷ、あははははははははははははははははは!!!!!!!!」

鞠莉「アハハハハハハハハ!!!!!面白ーい!!!」

ルビィ「な、なんなの?」

急な鞠莉の豹変に皆狼狽える。
目の前の女は本当に鞠莉なのか、別の誰かでは無いかと思うほど気味の悪い笑い声だった。

鞠莉「なんなのって!?こういう事よ!!!!」

鞠莉「来なさい!!果南ァンンンンンン!!!!!!!」


果南「ギャラオオオオオオォォォォオォォオオ!!!!!!」ドシン


天井を突き破り果南が降ってきた。

23: 2024/07/18(木) 13:55:58 ID:???00
善子「鞠莉アンタ…」

鞠莉「本当バカよねぇあなた達は!ぜーんぶ私の手のひらの上で踊ってただけなのよ!!」

ダイヤ「何がどうなってるんですの」

鞠莉「まぁいいわ。冥土の土産に教えてあげる。果南の豹変は小原家の開発したオハラウイルスによって引き起こされたものよ」

花丸「えっ!?」

ルビィ「花丸ちゃんが体操着に水ゴリラって書いたせいじゃないの!?」

鞠莉「花丸にも責任の一端はあるわ。何故ならこのウイルスが活動するのは宿主をある程度まで怒らせる必要があるからね!!」

花丸「!!」

鞠莉「本当バカなあなたのおかげで助かったわ。果南をどう怒らせるか迷ってたら勝手に暴れ始めたんですもの」

ダイヤ「……何故こんな事を」

鞠莉「落ち目の小原家の再興のため」

コハク「……」

鞠莉「コハクなら分かるでしょう?ウチの家系が前ほど世界に影響力を与えられなくなっていると。それを救うために西木野家と共謀して兵器用のウイルスを開発する事に成功した」

鞠莉「浦の星ではいい実験データが取れたわ。ウイルスを独裁国家に売り捌き再び我が家は世界に返り咲く」

ダイヤ「あなたがそこまで自分の家柄に拘る方と思いませんでした。どちらかというとそういうのを嫌がっていると思ってましたが」

鞠莉「あぁ、そういえばまだこの姿のままだったわね」

グニャグニャ…

花丸「ひぃっ!!」

鞠莉の顔がスライムみたいに変形していく。
それだけでなく、髪も服装まで変化していく。

それは一度だけ見たことのある小原鞠莉の母親だった。

鞠莉ママ「ハーイクソガキども。これが私の真の姿デース!!」

コハク「私は夢でも見ているのか…?」

ルビィ「鞠莉ちゃんのお母さん!」

かすみ「顔が変わった!?」

24: 2024/07/18(木) 13:56:24 ID:???00
善子「本物の鞠莉はどうしたの?」

鞠莉ママ「あぁ、くたばってたから脳みそだけ頂きマシタwおかげで記憶も奪えたというわけデース!」

ダイヤ「自分にもウイルスを投与していたのですか」

彼方「鞠莉ちゃんはあなたの子でしょう!?」

鞠莉ママ「貧乏人と金持ちの価値基準を一緒にしてくれるなよ小娘が!!!成り上がる人間にとって自分以外は全て道具なのデス!!」

ルビィ「あなたは抗体は持ってないの!?」

ダイヤ「!!」

ダイヤと果南がウイルスに感染している今、抗体があれば助かるのではないかと思い鞠莉ママに問うルビィ。

鞠莉ママ「アハハハハッ!!これの事ぉ?」チラッ

鞠莉ママはポケットから注射を取り出す。

ルビィ「あっ!」

鞠莉ママ「抗体サンプルで使うはずだったけど使う機会がなかったからね。デスワァに渡しても……言い訳無いデショォォォォが!!!!!!」

鞠莉ママ「デスワァには個人的に子供の頃からイラつかせられてきたからね。惨めにゾンビに成り果てなさい⭐︎」

ルビィ「そんな…」

鞠莉ママ「ちなみにハグゥは諦めなさい。ここまで進行した個体はもう手遅れよォ」

善子「はっ」

ルビィ「善子ちゃん?」

善子「抗体を渡したくない?そんなもん力づくで奪えばいいだけでしょ」

善子「ずっと私は何に怒っていいのか分からなかった。果南を怒らせた花丸か、常軌を逸した果南なのか」

鞠莉ママ「……」

善子「元凶が目の前にいる……もう全ての怒りをアンタにぶつけても良さそうねぇ!!!!」

鞠莉ママ「ジャリガキ共が!!100年早いという事を思い知らせてあげマス!!!!」

25: 2024/07/18(木) 13:57:13 ID:???00
彼方がショットガン、かすみがハンドガンを使い果南に銃弾の雨を降らせる。

果南「ガァァァァァァァ!!!」

彼方「果南ちゃんは私とかすみちゃんに任せて!!」

かすみ「にこ先輩の仇です!!」バァンバァン

コハク「一撃も喰らわない様に注意しろ!!花丸さんとルビィさん、善子さんは後ろに下がってて!」

善子「私は猟銃で戦うわよ。もうこの状況で守られるとか守るとか…そういう次元の話は飛び越えているの!」

花丸「そうずらね…意識をずらす事くらいならオラとルビィちゃんでもできるよ」

コハク「流れ弾が危ないんだよ!」

ルビィ「うゆ…」

善子「……」

花丸「(あ、あんなにカッコよく啖呵切ったのに善子ちゃんはお留守番ずら…)」

ダイヤ「コハクさん、ハンドガンを一丁いただけますか?」

コハク「ダイヤ…」

ダイヤ「鞠莉さんのお母様は私が始末します」

鞠莉ママは体育館の舞台の上の椅子に腰掛け優雅にワインを飲みながら戦いを鑑賞している。

コハク「分かった。気をつけて」

ダイヤ「行ってまいります」

鞠莉ママ「ふふん。何考えてるかお見通しデース」ポチッ

鞠莉ママがスイッチを押すと舞台に防弾シールドが降りてきた。

ルビィ「何か降りてきたよ!」

ダイヤ「くっ!!」バァンバァン!!

鞠莉ママ「ノーコンデースwww」

ダイヤの銃弾は虚しくも鞠莉ママに当たることはなく、舞台にはシールドが降り切ってしまった。
音も阻害するのか、シールドの向こうで鞠莉ママは大笑いしているが声は聞こえない。

26: 2024/07/18(木) 15:23:30 ID:???00
一方広間では彼方、かすみと果南が熾烈な戦いを繰り広げていた。
かすみが果南に銃弾を当てて牽制、果南がかすみの方を向いたら彼方がショットガンでダメージを与える。
元々同じアイドルユニットQU4RTZのメンバーという事もあり息はぴったりだ。

かすみ「この戦いに勝って…またニジガクでアイドルをするんです!!」バァンバァン

果南「グルルルル……」

中々攻撃に転じることのできない果南は、苛立ちを感じているのか低く唸っていた。
果南は足の筋肉が浮き出るほど力を込めると、その場で跳躍した。
たったの一飛びで体育館の天井に張り付く。

彼方「ショットガンは50mも射程距離があるんだよ~」ズガァンズガァン!!

かすみ「かすみんもショットガンで攻撃します!」ズガァンズガァン!

果南が上に飛んだことで流れ弾の心配がなくなった2人は銃口を天井に向け撃ちまくる。
得意の爪で防御しようとするが夥しい数の弾を防ぐことは不可能。
果南は悲鳴を上げ地面に落下してくる。

コハク「彼方!手榴弾!!」

彼方「了解~」ピンッ

身動きのできない果南に手榴弾を投げ、距離を取り再び射撃。
直後に大爆発。

ドゴォォォォン!!!

善子「うわぁ!!」

花丸「ずらぁぁぁ!!」

ルビィ「み、耳がキンキンする」

果南「が、あああああああ!!!」ブシャブシャ

果南は手榴弾の直撃を受け体の三分の一を失っていた。

27: 2024/07/18(木) 19:04:27 ID:???Sd
鞠莉ママ「オーノー!!この役立たずが!何やってるんデス!!!無能ハグゥ!!」


善子「アイツなんか言ってるけど防弾ガラスのせいで何も聞こえないわね…」

果南「ガァァァァァ!!!!!」ビキビキ

瀕氏の果南は雄叫びを上げる。
しかしそれは断末魔ではない。

ビキビキ…

果南のかけた肉体部分が再生する。
それだけでなく体全体の筋肉が大幅に増長していく。

果南「オッ…オッ…!!!」

善子「な、なんじゃあれ…」

果南の身長は162センチ。
しかし今は背丈まで伸び、ゆうに2メートルはあるだろう。
服も破け、身体中赤い血管と筋肉だらけ。もはや果南の面影はポニーテルのみとなっていた。

やっとの思いで破壊した爪は全て再生していた。

鞠莉ママ「オー!スバラシイ!このウイルスの性質でしょうか?氏の淵にあるほど強くあろうとするとは!!」

ダイヤ「これは…まずいですわね」

コハク「怯むな!撃てぇ!!!」

かすみ「勿論です!!」ズガァンズガァン

果南「…」ズゥン!

かすみ「はやっ…」

一瞬でかすみの前に移動する果南。
そのままかすみの腹を蹴り飛ばした。

かすみ「ぶばっ!!!」

隊員は皆防弾チョッキを着ている。
しかしそれすら木っ端微塵に砕かれ体育館の壁まで吹っ飛ばされるかすみ。

血を吐きながら壁に激突し意識を失う。

彼方「くそっ!!!」

彼方は悪態をつきながらショットガンに弾を込める。

果南「グルァッ!!」


ーーー気がつくと果南がもう目の前に


彼方「(あ~ヤバいぜこれ…)」

ババババババ!!

果南「っ!!」

彼方「!」

コハク「私が援護する。続けるんだ彼方!」

彼方「頼みますよリーダー…!」

28: 2024/07/18(木) 19:05:35 ID:???Sd
一方一年組は、意識を失ったかすみの救出にあたった。

善子「ふぅ~、ひとまず安心ね。外傷はないみたい」

花丸「けど肋骨とかはバキバキなんだろうな…」

スッ…

ルビィ「ちょっと!かすみさんの拳銃、今取ったでしょう!」

善子「う…今は私が使った方が効率的よ!」

ルビィ「効率的って…あの戦闘に混じる気?」

善子「いや、ダイヤの抗体を奪う」

花丸「けどどうやって…防弾ガラスがあって中には入れないんだよ?」

善子「これを使う」

ルビィ「手榴弾!」

善子「かすみの手榴弾でガラスをこじ開け抗体を奪う」

花丸「…分かったずら。オラもやる」

ルビィ「け、けど私たちが近づいたらアイツ抗体を壊したりしないかな?」

花丸「確かに…」

善子「大丈夫。さっきアイツ『抗体サンプルで使うはずで持って来た』って言ってたじゃん。アイツにとっても多分あの抗体は大事なものの筈。ホイホイ作れるんだったらダイヤの目の前であの時破壊してもおかしくないじゃない」

ルビィ「うゆ…」

花丸「そうずらね」

善子「そうと決まれば浦の星一年組始動よ!!!」

「「「おー!」」」

善子「どりゃあああああ!!!」ポイッ

善子はかすみの手榴弾を防弾ガラスに投げる。
数秒後ドォォォォン!!と爆発が起きる。

ダイヤ「な、何やってるんですのあの子たち」

コハク「抗体を奪う気か…勝手な事を」

彼方「けど、仲間思いなところ嫌いじゃないぜ~」バァンバァン!!


爆風が晴れ、鞠莉ママのいる壇上に上がろうとしたが…


善子「うっそ!!割れてないじゃん!?」

ルビィ「うゆゆ…頑丈すぎるよ」

鞠莉ママ「ジャリガキ共が!!この防弾ガラスは小原家特製のもの!!ロケットランチャーの一撃にも耐えるのデス!!」

花丸「善子ちゃん、ちゃんと見て」

善子「え…?」

花丸「よく見たら小さな穴が空いてるずら。あの中にもう一個嵌めれば…」

善子「いけるわね…!」

29: 2024/07/18(木) 19:05:56 ID:???Sd
一方で彼方とコハクは進化した果南相手にギリギリで踏ん張っていた。
彼方に関しては体力を消耗しているらしく動きが先ほどと比べてかなり鈍い。

彼方「オイオイ…まだくたばらないのかいお嬢ちゃん~」ハァハァ

果南「グォォォォオオオ!!!」ブゥン!!

彼方「うおっ!!」ゴロン

果南の横振りの爪攻撃を身を投げ出し回避する。
起きあがろうとした彼方に前蹴りを放つ果南。

果南「ガルァアア!」

咄嗟にショットガンを盾にしたが、人外の力が上から加わる事で彼方の体が宙を舞う。

彼方「ぐっ!!」

バキッ!!

ショットガンが負荷に耐えきれずに真っ二つに折れてしまった。
折れたのは銃だけでない。

彼方「(やばっ…左肩逝ったかな…)」

追撃しようとする果南の膝関節にコハクはAKで銃弾を浴びせる。

果南「グオッ!!」ガクッ

関節をやられ体勢を崩す果南の頭を目掛け攻撃し続けるコハク。

彼方「彼方ちゃんダッシュ!!!」ダダダダ

彼方は全力でかすみの元に走り出し、彼女のショットガンを手に取る。

コハク「彼方!!もう私のAKの弾が無くなった!!」

彼方「マジか~!!!」ジャキン

残りはコハクの連射ハンドガン、手榴弾2個。
かすみのショットガン、ハンドガン、手榴弾1個。
彼方のハンドガン、手榴弾1個。

ーーーそして


「水ゴリラ!!こちらを向きなさいッ!!」

30: 2024/07/18(木) 19:06:13 ID:???Sd
果南「ガルァアアアアアアアアアアア!!!!!!!!???」ピキピキ

声のする方を彼方とコハクは確認する。
果南は「水ゴリラ」と呼ばれたせいか、怒りの余り血管が先ほど以上に盛り上がっている。

コハク「ダイヤ!?」

ダイヤは手に善子が使っていた猟銃を持っている。
そして彼女の数メートル先の地面には……。

彼方「(手榴弾が二つ!?果南を誘き寄せる気か!)」

コハク「あ、私の手榴弾が無い!いつのまに…」

果南「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!!!!!!!!!!!!」

果南はダイヤに向かって時速60キロを超える速さで走り出す。

ダイヤ「SHOT!!ですわぁぁぁぁぁぁ!!!!!」ズガァンズガァン!!

果南が手榴弾の上に来たタイミングで引き金を引くダイヤ。

手榴弾2個分の大爆発が起こる。

果南「ア…ガ…」

果南は両脚2本、左腕、心臓の一部が見えるほどの大ダメージを負っていた。脳に至っては半分が欠けている。

もう再生の兆しも見えなかった。

果南「ガ…ダ…」

ダイヤ「え?」

果南「ダ……イ…ヤ…?」

果南「ガハッ」

果南「」ドサッ

ダイヤ「か、果南さん…」

コハク「まさか最後に意識を取り戻したのか?」

ダイヤ「何て残酷なんでしょう…」

彼方「彼方ちゃんは珍しく怒ってるよ。あとは首謀者だけだね…覚悟しなよ」

31: 2024/07/18(木) 19:06:38 ID:???Sd
鞠莉ママ「ク…ソ…!この役立たずのハグゥが!!」

防弾ガラスの中で鞠莉ママは焦っていた。
鞠莉ママは果南が大嫌いだったがその腕力だけは評価していた。
黒澤家の特殊部隊ごとき余裕で蹴散らせると思っていたが、慢心だったようだ。

ドガァァァン!!!

再び爆発音が体育館に鳴り響く。

善子「おはよーソロー」

鞠莉ママ「ジャリガキ…どもぉ…!?何故…」

善子「うるさい!!!」パァン!

鞠莉ママ「ぎゃあああああ!!!!」

善子の撃った弾丸は鞠莉ママの肩に命中した。
ウイルスを自身に投与しているとは言っていたが果南のような人間離れした力はないようだ。

怯んだ鞠莉ママに花丸がすかさずタックルして押し倒した。

鞠莉ママ「ぐあああ!!」ドサ

ルビィ「あったウユ!!!!」

ルビィが鞠莉ママのポケットから薬を取り出して善子に投げた。

善子「こらルビィ!!投げて落としでもしたらどうするの!?」

ルビィ「ご、ごめんなしゃい」

32: 2024/07/18(木) 19:07:19 ID:???Sd
鞠莉ママ「ガパァ!!!!!」

鞠莉ママが見るも悍ましいほど大きな口を開けて近くにいた花丸に襲いかかった。
力は弱いとはいえ彼女はウイルスには感染している。
もし噛まれたら感染は確実だ。

バババババ!!!!!!!

鞠莉ママ「がっは……………」

それより早くコハクが鞠莉ママの頭、心臓を目掛けて連射ハンドガンで撃ち抜いた。

花丸「あ、危なかったずら…………」

善子「ダイヤ!!さっさとこれを体に打ちなさい!」

ダイヤ「!!」

善子が抗体をダイヤに渡す。
コハクが慣れた手つきでダイヤの腕に注射を刺した。

ダイヤ「ッッッ!!!」

コハク「お前は昔から注射が嫌いだったな。ルビィの前では去勢を張っていたようだったが」

ダイヤ「ルビィの前で姉の威厳を削ぐような事言わないで」

コハク「ふ……」

ルビィ「………」


グルアアアアアアア!!!!!!

アアアアアアアオオアオアオアアア!!!!!


彼方「!?」

善子「ゾンビ化した生徒達が扉を叩いているわ!!」

花丸「何人もいるずら!」

ドガン!!!

生徒達がドアを押し倒し、ダイヤ達に走り出す。

コハクは気絶したかすみの手榴弾を手に取り、ゾンビの集団に投げる。
ゾンビは木っ端微塵になるもまだ数匹生きていた。

コハク「ちっ…走れ皆んな!!かすみは私が運ぶ!!」

33: 2024/07/18(木) 19:08:34 ID:???Sd
彼方がロックされたドアを手榴弾で破壊して一斉に外へ出た。

花丸「ど、どこから逃げるずらか!?」

浦の星に入るためにはたった1本の坂を登る必要がある。
その坂が今は巨大な岩に阻まれており、その他の出口も一緒だ。

銃弾はもう少ない。

そんな時………。

バババババババババ

善子「何の音!?」

梨子「皆ーー!!上よ!!!」


皆が上を向くと梨子がヘリに乗って大声で叫んでいた。
運転手はダイヤの母だ。

ダイヤ「お母様……!!」

ルビィ「お母しゃん!!」

ヘリからロープを投げる梨子。
コハクと彼方が迫り来るゾンビ達を撃ち、その隙に非戦闘員がヘリに登っていく。

梨子「みんな!!無事でよかった!!」

善子「………」

梨子「善子ちゃん?」

花丸「う、うううう!!」

ルビィ「ピギィ……ピギィ………!!!」


ついに保護された1年組。
気の緩みから自然と涙が溢れ出た。

34: 2024/07/18(木) 19:10:10 ID:???Sd
ダイヤ「お母様、なぜ貴方が運転を?」

ダイヤ母「後で説明します。エンジンが少ないから早く出発したいのですが」

ダイヤ「………」

コハク「よいしょ……私で最後です。会長、ヘリを出してください」

ダイヤ母「よし、行きますよ」


バババババババ

ヘリの中では皆無言であった。
1日でたくさんの悲劇を見た。
友人もクラスメイトも氏んだ。

花丸、ルビィ、善子は互いに身を寄せ合い泣いていた。

35: 2024/07/18(木) 19:10:36 ID:???Sd
ヘリは小原家のヘリポートに着地した。

ダイヤ「お母様?何故我が屋敷ではなく鞠莉さんの家に止めるのですか?」

ダイヤ母「………」

ダイヤ「お母様?」

ダイヤ母「………沼津はもう終わりなのよ」

コハク「どういう意味ですか?」


かすみ「う………」

その時かすみがようやく意識を取り戻した。

彼方「かすみちゃん!!よかった……起きたんだね!」

かすみ「え、えぇ……骨は折れてそうですけど」

かすみ「ん、あれは何ですか?」

花丸「あれずら?」

かすみ「いや、向こう岸に人集りができていて何故かこちらに向かって叫んでいますよ」


コハク「ッ!!!バッ
かすみの言葉にコハクはいち早く反応して双眼鏡を覗いた。

コハク「嘘だろ………」

ガチャン

珍しく呆然とするコハク。
手に持っていた双眼鏡を落としてしまった。

ダイヤがすかさず拾い上げ、対岸を見る。
そこには浦の星で果南の手に落ちた生徒たちのような顔をした住民達がいた。


グルアアアアアアア!!!

ギャオオオアアアアアア!!!!


血走った目でダイヤたちを見て大声で叫んでいた。
よく見ると歯が犬歯のように尖っていた。

ダイヤ「嫌……」


ルビィ「おねえちゃあ?」

36: 2024/07/18(木) 19:11:22 ID:???Sd
ダイヤ「どういう事ですの!?お母様!!果南さんは私たちの手で討ちましたのよ!??

善子「な、なんなの!?」

ダイヤ母「小原家の特殊部隊が昨晩から内浦のあちこちにゾンビ化ウイルスを散布していたのです。それが今になり住民がゾンビ化。内浦は混沌としています」

彼方「マジか……」

花丸「ま、マルのママは………!!」

ダイヤ母「花丸さんのお母様は淡島ホテルで保護しています」

ダイヤ母「ここに避難している皆には小原家が隠し持っていた抗体を既に打ってもらっています。まだ打っていないものは…………」

『次のニュースです』

その時ラジオから静岡エフエム放送が流れ出す。

『住民がゾンビのような顔になり、人を襲うという信じがたい凶行が行われていた内浦ですが沼津駅周辺でも被害が起きています。感染者はダッシュで人間を襲い、噛み付いてくるようです。ゾンビを見つけた場合は安全なところに避難をお願いします』

少女達の地獄はまだ続く。


終わり

37: 2024/07/18(木) 21:47:16 ID:???00
キャラの扱いひでえけど戦闘面白かった

引用: 【SS】花丸「水ゴリラが本気で怒った日」