1: 2024/08/03(土) 19:00:01 ID:???00
花帆「……って、どういうことですか!?」
梢「かほ」ギュッ
花帆「わわっ、ど、どうしたんですか梢センパイ?」
梢「かほ」
慈「ちょ……ふふっ……」プルプル
梢「めぐ」
慈「ふふふ……ダメだ、あの梢が、この喋り方って……面白すぎ……」プルプル
梢「めぐ」ムッ
梢「かほ」ギュッ
花帆「わわっ、ど、どうしたんですか梢センパイ?」
梢「かほ」
慈「ちょ……ふふっ……」プルプル
梢「めぐ」
慈「ふふふ……ダメだ、あの梢が、この喋り方って……面白すぎ……」プルプル
梢「めぐ」ムッ
2: 2024/08/03(土) 19:02:02 ID:???00
花帆「あの、全然状況が分からないんですけど……一体何があって、こうなったんですか?」
慈「あー、それはねー……いや、これは梢から言わなきゃ意味ないか」
慈「ねー、梢ー? 花帆ちゃんに、きちんと伝えなよ」
梢「……」
梢「かほ」スッ
花帆「梢センパイ?」
梢「……」
梢「……」ドキドキ
梢「……」ドキドキドキ
梢「むり」ダッ
花帆「梢センパイーーー!?!?」
慈「あー、それはねー……いや、これは梢から言わなきゃ意味ないか」
慈「ねー、梢ー? 花帆ちゃんに、きちんと伝えなよ」
梢「……」
梢「かほ」スッ
花帆「梢センパイ?」
梢「……」
梢「……」ドキドキ
梢「……」ドキドキドキ
梢「むり」ダッ
花帆「梢センパイーーー!?!?」
3: 2024/08/03(土) 19:04:01 ID:???00
慈「あははっ! やっぱ、梢はこういうとこあるもんねー……すぐには無理か」クスクス
花帆「?? どういうことですか?」
慈「んー? 梢はヘタレだなぁ、って話。まぁ、それはそうとして」
慈「花帆ちゃん、梢のこと、少しだけ待っててあげられる?」
花帆「? よく分かりませんけど……梢センパイのためなら、あたし、もちろんできます!」
慈「そっかそっか。時間はかかるかもしれないけど……梢なら、ちゃんと花帆ちゃんに伝えてくれるはずだから、ね」
花帆「はい! でもその……あたしに伝える、って一体何を……?」
慈「まぁまぁ! それは梢から聞くまでのお楽しみ、ってことで」クスッ
花帆「えぇー! 気になりますよー!」
花帆「?? どういうことですか?」
慈「んー? 梢はヘタレだなぁ、って話。まぁ、それはそうとして」
慈「花帆ちゃん、梢のこと、少しだけ待っててあげられる?」
花帆「? よく分かりませんけど……梢センパイのためなら、あたし、もちろんできます!」
慈「そっかそっか。時間はかかるかもしれないけど……梢なら、ちゃんと花帆ちゃんに伝えてくれるはずだから、ね」
花帆「はい! でもその……あたしに伝える、って一体何を……?」
慈「まぁまぁ! それは梢から聞くまでのお楽しみ、ってことで」クスッ
花帆「えぇー! 気になりますよー!」
4: 2024/08/03(土) 19:06:04 ID:???00
────
梢「かほ」
花帆「はいっ! 梢センパイ!」ピシッ
梢「ぎん」
吟子「はい。…………え?」
梢「みて」
梢「かほ」
花帆「はいっ! 梢センパイ!」ピシッ
梢「ぎん」
吟子「はい。…………え?」
梢「みて」
5: 2024/08/03(土) 19:08:01 ID:???00
梢「……」サッサッ
梢「……」クルクルクル
梢「……」スタッ
梢「これ」
花帆「うわぁ……! 次の曲の振り付けですね! 今日はこの部分を重点的に仕上げる感じですか?」
梢「そう」コクリ
花帆「それだったら……ここは、こうしてみるのはどうでしょうか?」サッサッ
梢「!!」
梢「かほ」
梢「……」サッサッ
梢「……」スタタ
花帆「なるほど! 確かにそっちの方がいいですね!」
梢「……」クルクルクル
梢「……」スタッ
梢「これ」
花帆「うわぁ……! 次の曲の振り付けですね! 今日はこの部分を重点的に仕上げる感じですか?」
梢「そう」コクリ
花帆「それだったら……ここは、こうしてみるのはどうでしょうか?」サッサッ
梢「!!」
梢「かほ」
梢「……」サッサッ
梢「……」スタタ
花帆「なるほど! 確かにそっちの方がいいですね!」
6: 2024/08/03(土) 19:10:01 ID:???00
吟子「えぇ……? 梢先輩、ほとんど何も言ってないのに、花帆先輩は、なんで分かるん……?」
花帆「なんで……? うーん、梢センパイのこと、あたし、大好きだからかな?」
梢「!!」
吟子「……? 好きだとそうなるの……?」
花帆「うん! あたし、大好きな梢センパイのことよく見てるからね! 言葉じゃなくても、不思議と伝わっちゃうんだ!」ドヤッ
吟子「そうなんだ……いや、そもそも梢先輩の喋り方がおかしい今の状況からよく分からないけど……」
梢「……」
花帆「なんで……? うーん、梢センパイのこと、あたし、大好きだからかな?」
梢「!!」
吟子「……? 好きだとそうなるの……?」
花帆「うん! あたし、大好きな梢センパイのことよく見てるからね! 言葉じゃなくても、不思議と伝わっちゃうんだ!」ドヤッ
吟子「そうなんだ……いや、そもそも梢先輩の喋り方がおかしい今の状況からよく分からないけど……」
梢「……」
7: 2024/08/03(土) 19:11:58 ID:???00
梢「かほ」
梢「すき」
梢「うそ」
さやか「ヘタレポンチ先輩!?」
梢「すき」
梢「うそ」
さやか「ヘタレポンチ先輩!?」
8: 2024/08/03(土) 19:12:01 ID:???00
────
梢「さや」
さやか「はい。…………はい!?」
綴理「おー、こずがさやのこと、ボクと同じ呼び方してるね」
梢「これ」サッ
さやか「あ、次の部長会議の資料ですか……ありがとうございます、梢先輩」
梢「さや」サッ
さやか「ああ、この書類もですか……って」
さやか「いや、待って待って、待ってください! 梢先輩に何が起きてるんですか!?」
梢「さや」
さやか「はい。…………はい!?」
綴理「おー、こずがさやのこと、ボクと同じ呼び方してるね」
梢「これ」サッ
さやか「あ、次の部長会議の資料ですか……ありがとうございます、梢先輩」
梢「さや」サッ
さやか「ああ、この書類もですか……って」
さやか「いや、待って待って、待ってください! 梢先輩に何が起きてるんですか!?」
9: 2024/08/03(土) 19:14:02 ID:???00
さやか「なぜ梢先輩が、綴理先輩のような口調に……!?」
綴理「こずは、ボクになったのかも。あれ? こずがボクになったら、ボクは誰になればいいのかな?」
さやか「つ、綴理先輩は綴理先輩のままで、大丈夫です! これ以上わたしを混乱させないでいただけると!」
梢「さや」
綴理「さやー」ルンルン
さやか「ちょっ……いや、なんなんですか、なんなんですか!?」
綴理「こずは、ボクになったのかも。あれ? こずがボクになったら、ボクは誰になればいいのかな?」
さやか「つ、綴理先輩は綴理先輩のままで、大丈夫です! これ以上わたしを混乱させないでいただけると!」
梢「さや」
綴理「さやー」ルンルン
さやか「ちょっ……いや、なんなんですか、なんなんですか!?」
10: 2024/08/03(土) 19:16:04 ID:???00
綴理「ふふっ、これ、楽しいね」クスッ
さやか「綴理先輩は、完全に悪ノリしてますよね!?」
梢「……」
梢「つづ」チョンチョン
綴理「……こず? どうしたの?」
梢「その」チラッ
梢「……」
さやか「綴理先輩は、完全に悪ノリしてますよね!?」
梢「……」
梢「つづ」チョンチョン
綴理「……こず? どうしたの?」
梢「その」チラッ
梢「……」
11: 2024/08/03(土) 19:18:04 ID:???00
綴理「大丈夫だよ、こず」
梢「……」ハッ
綴理「ボクは、どんなこずでも好きだから」
梢「!!」
綴理「こずは、こずのまま、素直な気持ちをかほに伝えればいいんだ」
梢「……」
梢「……」コクリ
綴理「うん。頑張って、こず」グッ
梢「ええ」グッ
梢「……」ハッ
綴理「ボクは、どんなこずでも好きだから」
梢「!!」
綴理「こずは、こずのまま、素直な気持ちをかほに伝えればいいんだ」
梢「……」
梢「……」コクリ
綴理「うん。頑張って、こず」グッ
梢「ええ」グッ
12: 2024/08/03(土) 19:20:05 ID:???00
────
梢「……」スゥ
梢「かほ」
花帆「? どうしました、梢センパイ?」
梢「……」ドキドキ
梢「……」ドキドキドキ
梢「かほ」
梢「……」モジモジ
梢「……」モジモジ
梢「かほ」
花帆「? 梢センパイにたくさん名前呼んでもらえて、嬉しいです!」ニコッ
梢「……」スゥ
梢「かほ」
花帆「? どうしました、梢センパイ?」
梢「……」ドキドキ
梢「……」ドキドキドキ
梢「かほ」
梢「……」モジモジ
梢「……」モジモジ
梢「かほ」
花帆「? 梢センパイにたくさん名前呼んでもらえて、嬉しいです!」ニコッ
13: 2024/08/03(土) 19:22:06 ID:???00
梢「かほ」
梢「……」ドキドキ
梢「かほ」
梢「……」ドキドキ
梢「かほ」
花帆「はい! 花帆ですよー!」ニコニコ
梢「……」ドキッ
梢「……」ドキドキ
梢「かほ」
梢「……」ドキドキ
梢「かほ」
花帆「はい! 花帆ですよー!」ニコニコ
梢「……」ドキッ
14: 2024/08/03(土) 19:24:03 ID:???00
梢「かほ」
梢「かほ」
梢「かほ」
梢「かほ」
梢「かほ」
梢「かほ」
花帆「えへへ、梢センパイー♡」
吟子「あぁ……梢先輩がとうとうおかしくなった……」ハァ
梢「かほ」
梢「かほ」
梢「かほ」
梢「かほ」
梢「かほ」
花帆「えへへ、梢センパイー♡」
吟子「あぁ……梢先輩がとうとうおかしくなった……」ハァ
15: 2024/08/03(土) 19:26:02 ID:???00
────
数日後……
ガチャ
花帆「おはようございまーす! ……あっ! 慈センパイ!」
慈「おー、花帆ちゃん、おはめぐー!」ニコッ
花帆「おはめぐ、です! ふふふーん♪」ルンルン
慈「おー? 花帆ちゃん、ご機嫌だね?」
花帆「ふふっ、やっぱり分かっちゃいますかー?」ニコッ
慈「そりゃ、そんなニコニコしてたら、ねー。もしかして……梢のことで、何かあった?」
数日後……
ガチャ
花帆「おはようございまーす! ……あっ! 慈センパイ!」
慈「おー、花帆ちゃん、おはめぐー!」ニコッ
花帆「おはめぐ、です! ふふふーん♪」ルンルン
慈「おー? 花帆ちゃん、ご機嫌だね?」
花帆「ふふっ、やっぱり分かっちゃいますかー?」ニコッ
慈「そりゃ、そんなニコニコしてたら、ねー。もしかして……梢のことで、何かあった?」
16: 2024/08/03(土) 19:28:03 ID:???00
花帆「さすが慈センパイ、分かってますね! 実は最近、梢センパイにかほ、かほ……って、たくさんあたしの名前を呼んでもらえるんです!」ニコニコ
慈「あー……」
花帆「梢センパイにこんなにいっぱい名前を呼んでもらえるの、あたし、すっごく嬉しくて! いきなりだったので、理由はよく分からないんですけどね」ルンルン
慈「…………その感じだと、梢、まだ花帆ちゃんに伝えてないのか……」ハァ
花帆「伝える……? …………あ!」
花帆「そういえば、前に言ってた、梢センパイがあたしに伝えたいこと、まだ聞かせてもらってない!?」
慈「あー……」
花帆「梢センパイにこんなにいっぱい名前を呼んでもらえるの、あたし、すっごく嬉しくて! いきなりだったので、理由はよく分からないんですけどね」ルンルン
慈「…………その感じだと、梢、まだ花帆ちゃんに伝えてないのか……」ハァ
花帆「伝える……? …………あ!」
花帆「そういえば、前に言ってた、梢センパイがあたしに伝えたいこと、まだ聞かせてもらってない!?」
17: 2024/08/03(土) 19:30:05 ID:???00
慈「……はぁ、やっぱりかー……梢ってば、本当にヘタレというか、なんというか……ここまでとは思わなかったよ」ハハ
花帆「? えっと……慈センパイは知ってるんですよね? 梢センパイがあたしに伝えたいこと、っていうのを」
慈「まぁ、ね。梢がこうなったのも、それが言えなくてのことだし」
花帆「どうして梢センパイは、あたしにそれを伝えてくれないんでしょうか? あたしに伝えたくても口にできない言葉って一体……」
花帆「? えっと……慈センパイは知ってるんですよね? 梢センパイがあたしに伝えたいこと、っていうのを」
慈「まぁ、ね。梢がこうなったのも、それが言えなくてのことだし」
花帆「どうして梢センパイは、あたしにそれを伝えてくれないんでしょうか? あたしに伝えたくても口にできない言葉って一体……」
18: 2024/08/03(土) 19:32:04 ID:???00
慈「んー……本当に単純な、でも梢にとっては、たとえそれが、たった2文字でも……言いたくても、言い出せない言葉、かな」
花帆「2文字……それって、もしかして……」
慈「そう、多分花帆ちゃんの思ってる通りだよ。たった2文字で簡単に伝わる気持ち。……まぁでも、結局のところ」
慈「──梢はさ、怖がってるだけなんだよ」
花帆「2文字……それって、もしかして……」
慈「そう、多分花帆ちゃんの思ってる通りだよ。たった2文字で簡単に伝わる気持ち。……まぁでも、結局のところ」
慈「──梢はさ、怖がってるだけなんだよ」
19: 2024/08/03(土) 19:32:23 ID:???Sp
実際「かほ」だけで結構わかるな?
20: 2024/08/03(土) 19:34:07 ID:???00
花帆「怖がってる……ですか?」
慈「そうそう。梢は、自分の素直な気持ちを花帆ちゃんに伝えたら、今の関係が崩れちゃうって……怖がってるんだと思う」
慈「でも別に、怖がる必要なんて無いと思うんだけどねー? だって花帆ちゃんって、梢のこと、大好きでしょ?」
花帆「! それはもちろんですよ! 梢センパイは、あたしにとって運命の人ですし!」ブンブン
慈「うんうん、花帆ちゃんなら、そういうと思ってたよ」ニッ
慈「でもだからこそ、なぁ……ここまで時間をかけても、梢がヘタレちゃってるのが、予想外というか……」
花帆「うーん……そう考えると梢センパイって、意外と肝心なときに、臆病になっちゃうタイプかもですね……」
花帆「そんな梢センパイに、あたしから、寄り添うことができたなら……」ウーン
慈「そうそう。梢は、自分の素直な気持ちを花帆ちゃんに伝えたら、今の関係が崩れちゃうって……怖がってるんだと思う」
慈「でも別に、怖がる必要なんて無いと思うんだけどねー? だって花帆ちゃんって、梢のこと、大好きでしょ?」
花帆「! それはもちろんですよ! 梢センパイは、あたしにとって運命の人ですし!」ブンブン
慈「うんうん、花帆ちゃんなら、そういうと思ってたよ」ニッ
慈「でもだからこそ、なぁ……ここまで時間をかけても、梢がヘタレちゃってるのが、予想外というか……」
花帆「うーん……そう考えると梢センパイって、意外と肝心なときに、臆病になっちゃうタイプかもですね……」
花帆「そんな梢センパイに、あたしから、寄り添うことができたなら……」ウーン
21: 2024/08/03(土) 19:36:02 ID:???00
慈「あーあ、こっちからお膳立てしてあげなきゃ、正直になれない困ったちゃんなのかなー、梢ってば」クスッ
花帆「! お膳立て……」フム
慈「ま、こればっかりは、梢の決意が固まるまで、待つしかないかなぁー……」
花帆「……それ、良いかもしれませんよ、慈センパイ!」バッ
慈「え?」
花帆「! お膳立て……」フム
慈「ま、こればっかりは、梢の決意が固まるまで、待つしかないかなぁー……」
花帆「……それ、良いかもしれませんよ、慈センパイ!」バッ
慈「え?」
22: 2024/08/03(土) 19:38:03 ID:???00
花帆「そうですよ! 最初からあたしが、梢センパイの気持ちを引き出しちゃえばよかったんです!」ドンッ
慈「花帆ちゃんが……梢の気持ちを?」
花帆「はい! 梢センパイが、気持ちを伝える段階で戸惑っちゃうのなら……あたしがそれを、聞き出せばいいんです!」
慈「それは、そうだけど……でも、どうやって?」
花帆「──あたしに、考えがあります! 梢センパイの“ホントのキモチ”を教えてもらうための、とっておきの作戦が!」ニッ
慈「花帆ちゃんが……梢の気持ちを?」
花帆「はい! 梢センパイが、気持ちを伝える段階で戸惑っちゃうのなら……あたしがそれを、聞き出せばいいんです!」
慈「それは、そうだけど……でも、どうやって?」
花帆「──あたしに、考えがあります! 梢センパイの“ホントのキモチ”を教えてもらうための、とっておきの作戦が!」ニッ
23: 2024/08/03(土) 19:40:03 ID:???00
────
梢「……」チラッ
『梢センパイへ。お昼休み、部室で待ってます。』
梢「……」ペラッ
梢「……」スタスタ
ガチャ
「──あ、待ってましたよ!」
梢「……」
梢「かほ」
花帆「ふふっ、書き置き、見てくれたんですね、梢センパイ!」ニコッ
梢「……」チラッ
『梢センパイへ。お昼休み、部室で待ってます。』
梢「……」ペラッ
梢「……」スタスタ
ガチャ
「──あ、待ってましたよ!」
梢「……」
梢「かほ」
花帆「ふふっ、書き置き、見てくれたんですね、梢センパイ!」ニコッ
24: 2024/08/03(土) 19:42:04 ID:???00
梢「その」キョロキョロ
花帆「大丈夫ですよ、梢センパイ。ここには、あたしと、梢センパイの二人しかいません」
花帆「……だから梢センパイ、あたしへの気持ち、隠さなくていいんですよ」
梢「!!」
花帆「大丈夫ですよ、梢センパイ。ここには、あたしと、梢センパイの二人しかいません」
花帆「……だから梢センパイ、あたしへの気持ち、隠さなくていいんですよ」
梢「!!」
25: 2024/08/03(土) 19:44:02 ID:???00
梢「その」
梢「……」
花帆「……梢センパイ」ギュッ
梢「!!」
花帆「少しだけ、あたしのわがまま……聞いてくれませんか?」
梢「……」
花帆「……梢センパイ」ギュッ
梢「!!」
花帆「少しだけ、あたしのわがまま……聞いてくれませんか?」
26: 2024/08/03(土) 19:46:01 ID:???00
花帆「……あたし、梢センパイって本当は魔法使いなんじゃないか、って時々思っちゃうんです」クスッ
梢「……」
花帆「梢センパイに初めて会ったあのときから、あたしはずっとずーっと梢センパイに惹かれてて、目が離せなくて」
花帆「そんな魔法に魅せられて……あたしは大好きな梢センパイに、大好きの気持ちを今まで、たっくさん伝えてきました」
梢「かほ」
梢「……」
花帆「……でも、思ったんです」
花帆「──あたしだって、梢センパイからの“好き”が聞きたい!」
梢「!!」
梢「……」
花帆「梢センパイに初めて会ったあのときから、あたしはずっとずーっと梢センパイに惹かれてて、目が離せなくて」
花帆「そんな魔法に魅せられて……あたしは大好きな梢センパイに、大好きの気持ちを今まで、たっくさん伝えてきました」
梢「かほ」
梢「……」
花帆「……でも、思ったんです」
花帆「──あたしだって、梢センパイからの“好き”が聞きたい!」
梢「!!」
27: 2024/08/03(土) 19:48:02 ID:???00
花帆「だって不公平ですよ! あたしからの好きを、梢センパイはいっぱいもらえて、梢センパイからの好きはあたし、全然もらえないなんて!」プンプン
梢「……」アワアワ
梢「かほ」
梢「……」ワタワタ
梢「……」
花帆「ふふっ、なーんて。大丈夫ですよ、梢センパイ」クスッ
花帆「梢センパイが、言いたくても素直に言い出せない一面を持っているのも……あたし、分かります」
梢「……」
梢「……」アワアワ
梢「かほ」
梢「……」ワタワタ
梢「……」
花帆「ふふっ、なーんて。大丈夫ですよ、梢センパイ」クスッ
花帆「梢センパイが、言いたくても素直に言い出せない一面を持っているのも……あたし、分かります」
梢「……」
28: 2024/08/03(土) 19:50:01 ID:???00
梢「かほ」
梢「……」
花帆「心配いりません、梢センパイ! この花帆に、任せてください!」ドンッ
梢「??」
花帆「梢センパイはこれから、あたしがする質問に、ただ答えてくれるだけでいいんです!」
花帆「言いたくても言えない気持ち……あたしが、聞き出してみせます!」
梢「??」
花帆「それじゃあ、まず最初の質問いきますね! 第一問!」デデン!
花帆「梢センパイ、あたしのこと……可愛いと思いますか?」
梢「!?」
梢「……」
花帆「心配いりません、梢センパイ! この花帆に、任せてください!」ドンッ
梢「??」
花帆「梢センパイはこれから、あたしがする質問に、ただ答えてくれるだけでいいんです!」
花帆「言いたくても言えない気持ち……あたしが、聞き出してみせます!」
梢「??」
花帆「それじゃあ、まず最初の質問いきますね! 第一問!」デデン!
花帆「梢センパイ、あたしのこと……可愛いと思いますか?」
梢「!?」
29: 2024/08/03(土) 19:52:02 ID:???00
花帆「どうですか、梢センパイ! 日野下花帆は、可愛いでしょうか?」グイッ
梢「……」アワアワ
花帆「梢センパイ!」ジー
梢「……」
梢「ええ」コクリ
花帆「! えへへ、嬉しいです! もっと梢センパイの気持ち、あたしに聞かせてください!」ニコニコ
花帆「それじゃあ、どんどん行きますね! まだまだ、質問はたくさんあるので!」
梢「!?」
花帆「それじゃあ次、第二問──」
梢「……」アワアワ
花帆「梢センパイ!」ジー
梢「……」
梢「ええ」コクリ
花帆「! えへへ、嬉しいです! もっと梢センパイの気持ち、あたしに聞かせてください!」ニコニコ
花帆「それじゃあ、どんどん行きますね! まだまだ、質問はたくさんあるので!」
梢「!?」
花帆「それじゃあ次、第二問──」
30: 2024/08/03(土) 19:54:02 ID:???00
────
花帆「──ふぅ、結構いっぱい質問しちゃいましたねー」ニコッ
梢「……」カァァ
梢「……」
梢「かほ」
梢「……」テレテレ
花帆「あはは、梢センパイ、真っ赤になっちゃいましたね」クスッ
梢「かほ」
梢「……」ワタワタ
花帆「ふふっ、でも、これで……梢センパイからあたしへの気持ち、たくさん知れました」
花帆「──ふぅ、結構いっぱい質問しちゃいましたねー」ニコッ
梢「……」カァァ
梢「……」
梢「かほ」
梢「……」テレテレ
花帆「あはは、梢センパイ、真っ赤になっちゃいましたね」クスッ
梢「かほ」
梢「……」ワタワタ
花帆「ふふっ、でも、これで……梢センパイからあたしへの気持ち、たくさん知れました」
31: 2024/08/03(土) 19:56:02 ID:???00
梢「……」
花帆「梢センパイ。あたしは……梢センパイの言葉を、気持ちを聞くのが好きです」
花帆「あたしは絶対、たとえ梢センパイにどんなことを言われたって、センパイの前からいなくなったりはしません」
花帆「だから……怖がらないでください、梢センパイ」ギュッ
梢「……」
梢「かほ」
梢「……」
花帆「梢センパイ。あたしは……梢センパイの言葉を、気持ちを聞くのが好きです」
花帆「あたしは絶対、たとえ梢センパイにどんなことを言われたって、センパイの前からいなくなったりはしません」
花帆「だから……怖がらないでください、梢センパイ」ギュッ
梢「……」
梢「かほ」
梢「……」
32: 2024/08/03(土) 19:58:04 ID:???00
花帆「……次が、最後です。あたしに、梢センパイの素直な気持ちを教えてください」
梢「……」ドキッ
梢「でも」
梢「……」
花帆「大丈夫です。あたしがどれだけ梢センパイのこと、大好きだと思ってるんですか! もっと、花帆のことを信じてください」
梢「……」ハッ
花帆「ふふっ、梢センパイ、それじゃあ……最後の質問、いきますね」
梢「……」ドキッ
梢「でも」
梢「……」
花帆「大丈夫です。あたしがどれだけ梢センパイのこと、大好きだと思ってるんですか! もっと、花帆のことを信じてください」
梢「……」ハッ
花帆「ふふっ、梢センパイ、それじゃあ……最後の質問、いきますね」
33: 2024/08/03(土) 20:00:02 ID:???00
花帆「──梢センパイは、花帆が?」
梢「……」
梢「……」
梢「……」
梢「すき」
梢「……」
梢「……」
梢「……」
梢「すき」
34: 2024/08/03(土) 20:02:01 ID:???00
梢「すき、好き、大好き……大好きなのよ、花帆……」
花帆「! 梢センパイ……文字数が……!」
梢「あぁ、花帆……やっと、伝えることができた……今日こそ、伝えられるかしら、って……ずっと、ずっと思っていたの」
花帆「梢センパイ……」
花帆「! 梢センパイ……文字数が……!」
梢「あぁ、花帆……やっと、伝えることができた……今日こそ、伝えられるかしら、って……ずっと、ずっと思っていたの」
花帆「梢センパイ……」
35: 2024/08/03(土) 20:04:03 ID:???00
梢「花帆。今までずっと、伝えることができなくて……ごめんなさい」
梢「花帆は何度も、私に“好き”を伝えてくれて……その度に私も花帆に“好き”を伝えなくては、そう思っていた」
梢「それなのに私は……花帆に失望されるのが怖くて、気持ちを、隠してしまっていたの」
梢「花帆は何度も、私に“好き”を伝えてくれて……その度に私も花帆に“好き”を伝えなくては、そう思っていた」
梢「それなのに私は……花帆に失望されるのが怖くて、気持ちを、隠してしまっていたの」
36: 2024/08/03(土) 20:06:03 ID:???00
花帆「……でももう大丈夫、ですよね、梢センパイ?」
梢「ええ。私はもう……迷わない。花帆、もう一度、私から伝えてもいいかしら?」
花帆「! もちろんです、梢センパイ!」
梢「ふふっ、ありがとう。……大好きよ、花帆」ギュー
花帆「梢センパイ……! あたしも、大好きです!」ギュー
梢「ええ。私はもう……迷わない。花帆、もう一度、私から伝えてもいいかしら?」
花帆「! もちろんです、梢センパイ!」
梢「ふふっ、ありがとう。……大好きよ、花帆」ギュー
花帆「梢センパイ……! あたしも、大好きです!」ギュー
37: 2024/08/03(土) 20:08:02 ID:???00
────
梢「花帆、花帆、花帆、花帆、花帆、花帆……」スリスリ
花帆「えへへ、梢センパーイ!」ギュー
吟子「あぁ……また梢先輩がおかしくなった……」
慈「うーん……いや、あれは通常運転かな」
吟子「えぇ……? あれが……?」
梢「花帆、花帆、花帆、花帆、花帆、花帆……」スリスリ
花帆「えへへ、梢センパーイ!」ギュー
吟子「あぁ……また梢先輩がおかしくなった……」
慈「うーん……いや、あれは通常運転かな」
吟子「えぇ……? あれが……?」
38: 2024/08/03(土) 20:10:01 ID:???00
梢「私はもう、花帆に対する気持ちを、絶対に隠しはしない。そう決めたのよ」キリッ
花帆「梢センパイ……!」
吟子「……」ハァ
慈「……とはいえ、ヘタレが治ったと思えば、今度は付き合いたてのカップルみたいな雰囲気になっちゃったか……」
吟子「これからのスリーズブーケ、私はどんな距離感で活動していけばええんやろ……」ハァ
花帆「梢センパイ……!」
吟子「……」ハァ
慈「……とはいえ、ヘタレが治ったと思えば、今度は付き合いたてのカップルみたいな雰囲気になっちゃったか……」
吟子「これからのスリーズブーケ、私はどんな距離感で活動していけばええんやろ……」ハァ
39: 2024/08/03(土) 20:12:02 ID:???00
花帆「梢センパイ、梢センパイ!」ピョンピョン
梢「あら? 花帆、どうしたのかしら?」フフッ
花帆「梢センパイ! あたし、ずっとずーっと、梢センパイのこと、大好きです!」ギュー
梢「ふふっ、私も花帆のこと、大好きよ」クスッ
おしまい
梢「あら? 花帆、どうしたのかしら?」フフッ
花帆「梢センパイ! あたし、ずっとずーっと、梢センパイのこと、大好きです!」ギュー
梢「ふふっ、私も花帆のこと、大好きよ」クスッ
おしまい
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