198: 2018/06/16(土) 14:15:59.41 ID:yczfQvz/0

最初から:【艦これ】暁が如く【極道】
前回:第十一話「はりきってまいりましょー! 結成、暁水会と陽炎連合」

  最終話
 「暁の水平線に」



―――夕雲組本部


秋雲「………………っ」ソワソワ…


萩風「秋雲? ……少し落ち着いたらどう?」


秋雲「う、うん。わかってはいるんだけどさ……」ソワソワ…


秋雲「……でもやっぱり、ここで待ってろっていうのは落ち着かないもんだねぇ。元々の原因は秋雲にあるのに……」


萩風「夕雲さんも私たちの事を考えてくれたのでしょう。私たちが付いていくということは、陽炎組を相手にするということ」


萩風「……かつての仲間に武器を向けるというのは、簡単な事ではありませんしね」


秋雲「………………」


秋雲「――……でも、だからこそ……っていうのもあるんじゃないかな?」


萩風「どういうこと?」


秋雲「……発端はこの秋雲にあるんだ。逃げて一人だけ安全地帯に居るなんて、やっぱり考えられない」


萩風「で、でも、そしたら陽炎組と戦うってことっ??」


秋雲「……いいや、戦わない。でも、見届けることはできる。……どんな結果になっても、秋雲はもう逃げない」


萩風「秋雲……」


秋雲「……萩風の姉貴はここに居なよ。秋雲の問題に巻き込まれただけなんだから、萩風の姉貴には安全なところに居てほしいんだ」


萩風「……馬鹿言わないで。妹分がそこまで言っているのに、今度は私だけなんて……。そんなこと出来るわけないわ」


萩風「萩風だって、陽炎組の端くれ。……通す仁義は持っています」ドンッ


秋雲「……わかった。それじゃ行こう……決戦の鎮守府へ!」



――――――

――――

――



艦隊これくしょん ‐艦これ‐ 水雷戦隊クロニクル(1) (角川コミックス・エース)
199: 2018/06/16(土) 14:16:41.38 ID:yczfQvz/0

―――宿毛湾鎮守府廃墟


ザザッ‼
ガチャガチャ…


陽炎「――ちゃんと来たわね。……暁水会、っていうのかしら?」


暁「…………そ……そうよっ!」ドーン‼


陽炎「正直、あなたを見くびっていたわ。……まさか、ここまでの勢力を持つとはね」


暁「……私もびっくりよ……」ボソッ


陽炎「…………?」



電「声が小さいのです!」ボソッ

雷「それじゃ聞こえないわよ!」ボソッ

暁「あぁもう、うるさいわねっ! ちょっと静かにしててっ!」ボソッ



陽炎「……ところで、秋雲と萩風はいないのかしら?」


夕雲「二人は私たちの本部に居ますよ。ご心配なさらず」


黒潮「へぇ、場所を教えてくれるなんて親切やなぁ」


夕雲「えぇ……。まさか、この状況で陽炎組が組員を向かわせる……なんてことはないでしょうしね」


陽炎「安心して、仁義は通すわ。――暁水会を壊滅させてから、ゆっくりと迎えに行くことにしましょう」



睦月「むむっ……!」

綾波「大した自信ですね」

吹雪「か、陽炎連合……。ちょ、ちょっと怖いかな……」

タシュケント「へぇ、これは面白い……」


時雨「……あの中で手ごたえがありそうなのは、夕雲組か綾波組かな。一応、暁組は陽炎組に譲ろうか」

ポイー‼
ウフフフ…

白露「時雨ー、これに勝てば一番になれるの?」

時雨「いいえ、まだ……。ですが、一気に近づくことでしょう」


朝潮「これは、陽炎組のため……。でも、本当に……」

神風「平和のために戦う……。いつの時代も変わらないものね」

レーベ「あれはソ連の……? ややこしいことになってきたかな……」



200: 2018/06/16(土) 14:17:17.42 ID:yczfQvz/0


暁「……本当に、やるのね」


陽炎「何を今さら……。まさか、まだ覚悟が出来ていないのかしら?」


暁「………………」


陽炎「へぇ、『会長』が聞いてあきれるわね。……暁水会の事は評価するけど、暁組については過大評価だったみたい」


暁「…………っ!」


夕雲「会長、耳を貸してはいけません。……安心してください、ここに居る皆さんは暁さんの人柄に着いてきているのですから」


暁「……えぇ、そう……よね」


暁(……そうよ、覚悟を決めたはずでしょう? 私は……。私がやらなくちゃいけないことは、もう決まってるんだから……!)


暁「陽炎……! 私たち暁水会は――」



「ま、待ってくれっ!!」



暁「――絶対に……。……え?」


夕雲「あ、秋雲と萩風……?? ど、どうしてここにっ?」


秋雲「この勝負、ちょっと待ってくれ!」ハァハァ…


陽炎「……どうしたの秋雲。……もし、今さら落とし前つけに来たとしても、もう止められないわよ?」


萩風「く、組長! わかっています……。――でも、違うんです!」


秋雲「いま、ここの周りを人間の極道達が――」




「ふっふっふ……。バレちまっちゃあ仕様がねぇ」




暁「――えっ?」


モブ山「おうおう……。久しぶりじゃねぇか……暁組の皆さんよぉ」

ゾロゾロ…
ヘヘヘ…


雷「あ、あんた達は……っ!!」

電「はわ、はわわわ……!」

響「へぇ……」






暁「誰だっけ?」
雷「誰だったかしら?」
電「覚えてないのです」
響「ハラショー」


201: 2018/06/16(土) 14:18:05.75 ID:yczfQvz/0


モブ山「いい加減にしやがれッ!! お前らがいま使ってる事務所は、元々誰のだと思ってやがるっ!!?」


暁「えっ? ……あぁ、そういえば……」

雷「あっ、思いだしたわ」

電「たしか、モブ山組……とかだった気がするのです」

響「――で、こんなところでどうしたんだい?」


モブ山「ふっ! そんな余裕ぶっていられるのも今のうちだぜ? ――おい、全員出て来い!」

ヘヘヘ…
ゾロゾロ…
ヤッテヤルゼ…
ゾロゾロ…
カクゴシヤガレ‼


陽炎「……あら、アンタは確か……」

モブ田「よぉ、今度こそ潰しに来てやったぜ、陽炎さんよぉ!」

モブ藤「いけませんなぁ。我々の事を忘れてもらっちゃあ……」


モブ間「俺たちは……! お前らに復讐するために牙を磨いてきたんだ……!」

モブ口「叩き潰してやるぜぇ……!」

時雨「あぁ……。そう言えば居たね……」


朝潮「あなた達は……ッ!!」

モブ本「おうおう、俺たちのシマ……返してもらうぜ」


モブ木「へへへ……っ!」

初春「お、おぬし達まで……!? 

モブ村「洗脳できてると思ってたのか? おめでたいぜ!」


睦月「また来たのね……!」

モブ辺「あの遊園地はなぁ、金の生る木なんだよ。簡単に諦められるわけがねぇ!」



ハッハッハー‼
ニゲラレルトオモウナヨ‼
ゾロゾロ…
ブッタオシテヤルゼ‼



暁「こ、この数は……!」


モブ山「へへへ……! 同盟を組んでるのがお前ら艦娘だけだとでも思ってたのか?」


陽炎「あぁ、確か徒党を組んでるって噂があったような……」


モブ山「本来だったら、お前たちが争って疲弊しきってるところを叩きのめす作戦だったが……。まぁいい」



モブ山「――お前らの数は何人だ? 合わせても百もいかないだろう? ……俺たちは極道という極道を集めて、もはや何千人という勢力になった!!」



ウオォーー‼
カカッテコイヤー‼
オォーー‼



202: 2018/06/16(土) 14:18:57.23 ID:yczfQvz/0

ウォオオオ‼
ワーワー‼
カクゴシヤガレー‼


陽炎「くっ……!」


モブ山「周りは全部固めてる。もうお前たちに逃げ場なんかないぜ?」


暁「なんて数なの……!」


モブ山「ハァーハッハァ! 全員で土下座するなら、許してやってもいいぜぇ」


陽炎「…………暁会長?」


暁「な、なによ……」


陽炎「少しだけ、協力しないかしら? ……それとも土下座する?」


暁「ふ、ふざけないでっ! わかったわ、協力しましょう……!」


陽炎「――みんなっ、一時休戦よ! やることはわかってるわね?」


暁「――さぁ、みんな準備して!」

オォー‼
ガチャガチャ‼


モブ山「土下座するつもりはねぇみてぇだな……!」



モブ山「――よぉしっ!! 俺たち全員で、こいつ等を叩き潰してやれッ!!!」


ウォオオオオオオオ‼
ワァアアアアアアア‼


――――――

――――

――



―――CMへ


203: 2018/06/16(土) 14:20:00.27 ID:yczfQvz/0

―――CM⑫

『【劇場版】ボーキ戦隊・クウボレンジャー ~裏切りのブラック~』予告CM 前編


――それは、ある姉妹がクウボレンジャーの所に来たことから始まった……。


ガチャバン‼

天城「――助けてくださいっ! クウボレンジャーの皆さん!」

雲龍「………………」


蒼龍「うわっ! ……天城じゃない、どうしたの?」


天城「葛城が……。葛城が、悪の軍団タイホーンに捕まってしまったんですっ!!」


瑞鶴「葛城が……そんなっ!?」


天城「雲龍姉様も、ショックで喋れなくなってしまって……!」

雲龍「………………」


飛龍「なんてヒドイことを……!」


赤城「――みんな、すぐに準備して! 出動よ!」



――捕らわれた葛城。それを助けるため、クウボレンジャーが動く。



赤城「――リュウジョーン! 葛城を今すぐに返しなさいっ!!」


リュウジョーン「はっ! そう言われて素直に返すわけないやろ! 返してほしかったら力づくでやってみぃ!」


飛龍「ぐっ、行きますっ!」

蒼龍「全艦載機、発進!」


赤城「翔鶴ホワイト、瑞鶴ブラック! あなた達は葛城の元へ!」


翔鶴「はいっ!」
瑞鶴「わかりました!」



――葛城を追う翔鶴ホワイトと瑞鶴ブラック。しかし、その前には新たな敵が……。



ズイホーン「ここは通しませんっ! 攻撃隊っ!」


翔鶴「ぐっ……! ――瑞鶴、ここは私が止めるわ! だから先に行って!」

瑞鶴「――っ! ……わかった!」ダッ



――そして、ついに葛城へと追いついた瑞鶴ブラック。しかし……


葛城「……待ってましたよ? 瑞鶴先輩……」ニヤッ

瑞鶴「……えっ?」


―――しかし、それは悪の軍団タイホーンの罠だった。

後編へ続く

204: 2018/06/16(土) 14:36:25.89 ID:yczfQvz/0

ごめんなさい。
どうでもいいとは思うのですが、すごい違和感だったのでCM後半は下記に置き換えてください……。



―――葛城を追う翔鶴ホワイトと瑞鶴ブラック。その二人の前に新たな敵が立ちふさがる。


ズイホーン「ここは通しませんっ! 攻撃隊っ!」


翔鶴「ぐっ……! ――瑞鶴、ここは私が止めるわ! だから先に行って!」

瑞鶴「――っ! ……わかった!」ダッ



―――そして、ついに瑞鶴ブラックは葛城へと追いついた。しかし……


葛城「……待ってましたよ? 瑞鶴先輩……」ニヤッ

瑞鶴「えっ……?」


―――しかし、それは悪の軍団タイホーンの罠なのであった……。

後編へ続く


208: 2018/07/01(日) 23:38:10.33 ID:85EXeE8y0

―――CM明け


ウワァアアアアアアアアア‼
ドォン‼ドォン‼
ギャアアアアアアアアア‼
ドゴォッ‼


シーン…―


モブ山「――いや……あの……」


暁「……で、どうするのかしら?」




モブ山「ほ、本当に……、調子に乗ってすいませんでしたぁっ!!」ドゲザァ




陽炎「これだけの数を揃えたのはよくやったと思うけど、私たちに勝てるわけがないじゃない……」


神風「ま、準備運動にはなったわ」


夕雲「みんな大丈夫ですか? 怪我人は……」


長波「んーと、巻雲の姉貴が転んだぐらいかなぁ」


巻雲「うわーんっ! こんな時にぃ!」


暁「と、とりあえず、大きな怪我をした人はいないみたいね……」ホッ…


秋月「……それで、アナタはどうするんです? 他の皆さんはほとんど逃げちゃいましたけど」


モブ山「あ、あの……、もう手出ししないと約束しますんで、ここはどうか……!」


陽炎「……私はどうでもいいし、判断は任せるわ」


暁「……わかったわ。今回の事で懲りたでしょうし、もうしないのなら――」




時雨「――ちょっと待った」




朝潮「時雨さん……? いったい何をしようと……」


時雨「いや、別に海に沈めるとかそんな物騒な話じゃないよ。……ただ、気になることがあるんだ。――……ねぇ?」ズイッ


モブ山「ひぃっ!」ビクッ


時雨「聞きたいんだけどさ、どうやってこの場所を知ったの?」


時雨「これだけの大人数を僕たちにバレないように取り囲めた……ってことは、暁水会と陽炎連合がこの場で戦争するのを知っていたってことだよね?」


モブ山「そ、それは……」


時雨「……話してもらおうか?」ガチャ



209: 2018/07/01(日) 23:38:39.40 ID:85EXeE8y0


綾波「……時雨さん? 貴女は、私たちの中にそれを教えた艦娘が居る……と、そう言いたいのですか?」


時雨「あぁ、その通りさ」


吹雪「で、でも……? そんなことをしても、誰も得をしないような……?」


時雨「そう、それが不思議なんだ。……だから、知りたい。――ねぇ、誰からこの場所を聞いたの?」


モブ山「あ……て、手紙が、届いたんだ……」


レーベ「手紙……ね。差出人と内容は?」


モブ山「差出人は無かった……。で、でも内容は――」

モブ山「『忌まわしき艦娘共が戦争をするらしい。お互いが消耗する時を狙って、今こそ俺たちの力を合わせて潰してやろう』」

モブ山「――っていう内容と、場所と時間が……。他の組長たちに聞いたら、そいつらにも同じ手紙が届いていたようだったから、急いで兵を集めたんだ……」


睦月「んんっ?? それじゃ、誰が手紙を送ったのか疑問に思わなかったにゃしぃ?」


モブ山「あ、あぁ……。た、たぶん、俺たちの内の誰かが突き止めたんだろうって思って……」


タシュケント「ははっ。なんともお粗末だね、日本の極道というのは」


モブ山「ぐっ……!」


陽炎「――まぁ、まだ疑問は残るけど……。人間の極道と仲良くしてた組もあったみたいだし……」チラッ


初春「うぐっ……。で、でも待つのじゃ! わらわ達は教えたりなんか……っ」


陽炎「わかってるわよ。……ただ、何処から漏れてもおかしくないってこと」


陽炎「こいつはこれ以上叩いてもホコリは出なさそうだし……。もういいんじゃない?」


時雨「…………まぁ、しょうがないね」スッ


モブ山「そ、それじゃあ……!」


陽炎「――でも言っておくわ、もうこの街から去りなさい。次に見かけたら……言わなくてもいいわよね?」ゴゴゴ…



モブ山「す、すすす、すいませんでしたぁああああ――」ダダダダ…



神風「……さて。とんだ邪魔が入ったものだけど、これで仕切り直しかしら?」


暁「………………っ」


陽炎「そうね。もう邪魔も入らないでしょうし……。――まさか、『疲れた』とか言わないでしょうね?」フフッ…


暁「………………」グッ


雷「……組長?」

電「ど、どうしたのです?」

響「………………」



210: 2018/07/01(日) 23:39:56.47 ID:85EXeE8y0





暁「――……もう、やめましょう」





陽炎「…………いま、なんて?」


暁「やめましょうって言ったのよ。……こんな戦い、なんの意味もないわ」


夕雲「か、会長!? こ、ここに来て何を……っ!!」


時雨「ははっ! 急に何を言い出すのかと思えば……。――ふざけてるのかい?」ゴゴゴ…


暁「ふざけてなんかないわっ!!」


時雨「…………っ」


暁「私はいま、『会長』だなんて言われてるけどね……! 正直、こんなのやってられないのよっ!!」


睦月「あ、暁ちゃん……」


暁「……なんで、なんで仲良くできないのっ? 最初から争いなんかしたくなかった! だって、私たち……同じ艦娘じゃない……!!」


神風「……言いたいことは、まぁわからなくもないわ。それでも、覚悟をもってここに来たんじゃないの? どうして今さら……」


暁「今さらじゃないわ。……たった今、気付いたのよ」


綾波「………………」


暁「だって……。だって、いま私たち……一緒に戦えたじゃない」


朝潮「……それは……」


暁「……争う必要なんてないのよ。私たちは……みんなで、手を取り合える――」


陽炎「――それで終わりかしら? ……そんなの、理想でしかないのよ。貴女も組を背負っている身でしょ?」


暁「なんでそう決めつけるのよっ! 組同士の上下関係なんて無くせばいいわっ! みんなで……一緒に。それが一番よ!」


陽炎「…………そう」ニコッ



暁(え……笑った?)




陽炎「――それもそうねっ」ポンッ




時雨「…………ッ!? な、何を言って……!」


陽炎「…………暁水会会長、暁」


暁「えっ?? は、はい……」


211: 2018/07/01(日) 23:41:39.72 ID:85EXeE8y0




陽炎「――私たち陽炎組を、暁水会に入れてもらえないかしら?」




暁「えっ」

時雨「なっ…………!!」


黒潮「く、組長っ!!?」


不知火「………………」



――ねぇ不知火。……最後まで私に、付いてきてくれる?



不知火「――……不知火も、賛成です」


黒潮「不知火姉さんまで……!」


陽炎「いやかしら、黒潮?」


黒潮「い、いやというか……。――ま、まさか、最初からこれを……?」ハッ…


陽炎「………………」


黒潮「……はぁ、まったく……。ええよ、ウチは組長に着いていく」


陽炎「他のみんなも……――」


ワァー‼
モチロンデス‼
クミチョー‼


陽炎「――いいみたいね。……それで、大丈夫かしら?」


暁「えっ、あ、あぁ……。だ、大丈夫……よ」


陽炎「……それじゃ、陽炎連合は今を持って解散よ」アッサリ


吹雪「あ、あの……?? い、いったい何が……」

白雪「わ、私も……よくわかりません……」


陽炎「――朝潮。……あなたはどうする?」


朝潮「陽炎さん……。ふふっ、争いのない……。そういうのであれば、私たちの答えは決まっています」


朝潮「――暁さん、朝潮組もお世話になってよろしいでしょうか?」


暁「え、えぇ……」


陽炎「神風組は?」


神風「はぁ……。なにか変だと思ってたけど……」


神風「――いいわ、神風組も暁水会に入りましょう。……もともと、私たちは平穏に暮らせればそれでいいのよ」

212: 2018/07/01(日) 23:42:54.72 ID:85EXeE8y0


初春「――そ、それなら! わらわ達も入ってやってもいいぞ」フンッ


夕雲「……これは……」

巻雲「はわわわ……」


レーベ「……正直、僕たちにはどうなっているのかよくわからないけど……」


レーベ「そちら側に付いた方が、色々と動きやすそうだね。……僕たちもいいかな?」


暁「も、もちろんよっ!」



時雨「………………ッ」ギリッ


陽炎「……さて、白露組はどうするのかしら?」


時雨「……やっとわかったよ。人間の極道達に手紙を送ったのはキミだったんだね……!」


陽炎「……さぁ? なんのことかしら――」



―――時間はさかのぼり 陽炎組・本部


島風「――わかった! それじゃ、この手紙を暁組に持ってけばいいのね!」

陽炎「あーいや、夕雲組に持って行ってくれる? 向こうも集まるとしたら夕雲組の本部で集まるでしょうし」

島風「ふんふん! それじゃ、今度こそ――」

陽炎「待って待って! ……実はね、この手紙を人間の極道の組長たちに送ってほしいの。……あなたならどこにいるかわかるでしょ?」スッ…

島風「えーっ!」

陽炎「……あー、届けてくれたら天津風に話しつけてあげようと思ったんだけど……」

島風「うぐっ……。――わかった、もう無いよねっ?」

陽炎「えぇ、無いわ」

島風「それじゃ、行ってきまーっす!」ドヒュン‼

陽炎「……さて、後はどうなるか。ちょっとした賭けね……――」



――――――

――――

――




陽炎「――で、どうするの? ……戦うの?」


時雨「………………」

夕立「ど、どうなるっぽい……?」

村雨「私はいいけど……。組長は守り切れないかしらねぇ……」



時雨「――はぁ……、キミも意地悪だね……。ここに居る全部の組を、白露組だけで相手にしろと言うのかい?」


時雨「……組長」



213: 2018/07/01(日) 23:43:39.22 ID:85EXeE8y0


白露「時雨ー? どうなってるの?」


時雨「え、えっと……説明し辛いのですが……」


白露「……白露組は一番になったの?」


時雨「………………」


――組同士の上下関係なんて無くせばいいわっ!


時雨「――暁さん」


暁「な、なによ……?」


時雨「組同士の上下関係を無くす……。それは本当かな?」


暁「……えぇ! レディは一度言ったことは曲げないわ!」


時雨「……そうか」


時雨「――組長、白露組は一番になれたかもしれません」


白露「本当っ?」


時雨「えぇ。……ただ、二番はいない。不思議な一番かもしれませんが」


白露「二番が居ない?」



白露「……そっか。そういうのも、いいかもね」ニコッ



時雨「……はいっ」


時雨「――暁さん……。僕たち白露組も、暁水会に入れてもらえるだろうか?」


暁「……もちろんよ!」


秋月「そ、それじゃあ、戦わなくていいんですねっ!」


綾波「……なるほど、暁さんはそのような方でしたか」フフッ…

敷波「なんだ、見た目よりやるじゃん」


夕雲「暁さん、あなたの器の大きさはこの夕雲には計り知れません……」

巻雲「わぁー! みんなで仲良くできるんですね!」




暁「――それじゃ、みんなで手を繋ぎましょ!」


神風「はぁ? なんでそんなこと……」


雷「まぁまぁ、いいじゃない!」


電「そうなのです!」


214: 2018/07/01(日) 23:45:03.83 ID:85EXeE8y0

ワーワー‼
ハワワッ‼


秋雲「ははっ……。まさか、みんな仲間にしちまうなんて……」


萩風「……そうね」フフッ…


陽炎「――秋雲、萩風」


秋雲「……っ! く、組長……」


陽炎「………………」


萩風「あ、あの……――」



陽炎「――苦労をかけたわ。不甲斐ない組長でごめんなさい。……よかったら、私の手を繋いでくれるかしら?」スッ…



秋雲「組長……っ!!」


萩風「……もちろんです!」グスッ…



ギャーギャー‼
アハハハ…‼
ワーイ‼


タシュケント「……良い組長だね、響」


響「……ふふっ。当然じゃないか」



ミンナツナイダー?
ワーワー‼
ウワーン、メガネガー‼




暁「――さぁっ! みんなで帰りましょう!」




暁「私たちの――――」






―――CMへ



215: 2018/07/01(日) 23:47:52.29 ID:85EXeE8y0

―――CM⑬

『【劇場版】ボーキ戦隊・クウボレンジャー ~裏切りのブラック~』予告CM 後編



翔鶴「――どうして……ッ!! どうしてなの……瑞鶴っ!!」



――翔鶴の前に立ちはだかったのは、実の妹……瑞鶴だった。



瑞鶴「…………翔鶴姉ぇにはわからないよ」



――仲間の裏切り。



蒼龍「ぐっ……! きっと卑怯な事をしたに違いないわっ!」


加賀「僥倖ね」


飛龍「か、加賀さん! 台詞がちが――」



――最後に勝つのは、悪か。それとも、姉妹の愛か。



赤城「うぐっ……!」ドサッ…


リュウジョーン「なーはっはっは! 仲間一人居ないとこんなに脆いんかクウボレンジャーはっ!」


ズイホーン「口ほどにもないわねっ! お、おーほっほっほ……」


瑞鶴「………………っ」グッ…



――その力を前に、ついに膝をつくクウボレンジャー。……しかし、そこへ――



「……久しぶりね、龍驤。……いえ、今はリュウジョーン……だったかしら?」


赤城「あ、あなたは……っ!!」


リュウジョーン「はっ……。今さら何しに来たんや……。――鳳翔ッ!!」



――あの、伝説のレンジャーが現れるっ!!



鳳翔「……あの日の誓いを果たしに――」



『【劇場版】ボーキ戦隊・クウボレンジャー ~裏切りのブラック~』 ○月△日、全国同時上映っ!!


飛龍「――そして、私たちの映画を見に来てくれた人には、入場者特典として私たちの飛行甲板ストラップがもらえるよっ!」

蒼龍「だから、絶対に見に来てねっ!」


※入場者特典は数量限定となっております。無くなり次第終了とさせていただきます。
※飛行甲板ストラップは全6種+シークレット1種となります。
※入場の時に袋に入れてお渡しします。種類は選べませんので予めご了承ください。


220: 2018/07/09(月) 22:41:26.71 ID:JnkEXGJ80

―――CM明け


暁「私たちの――――」



ついに一つとなった彼女たち。
もう、彼女たちの道を遮るものは無い……。
多くがそう思っていた。


――その時までは。



響「――っ! ……この音はっ!」ハッ‼

不知火「…………組長ッ!」



すぐさま気付いたのはごく少数。
しかし身構える暇もなく。その直後、轟音と共に彼女たちを衝撃が襲う。



吹雪「きゃあ――ッ!!」


神風「う……ぐっ……!」


タシュケント「い、今のは砲撃……!?」



先ほどの衝撃により濛々と砂ぼこりが立ち込める。
だが、さすがというべきか、彼女たちの多くがすぐに体勢を立て直していた。



朝潮「こ、これはいったい……!?」


夕雲「誰かっ、怪我をした人はっ?」



夕雲の問いかけに皆が応える。
幸いにも、その砲弾は近くに落ちただけのようで、怪我をした者は居なかった。
けれども安堵はできない。
その犯人が、まだそこに居るのだから。



雷「……砂ぼこりが晴れてきたわ……」


電「…………っ! あ、あれって……もしかして…………」


響「……間違いない」




暁「 レ、レキュウダーよっ!! 」




彼女たちの間にどよめきが走る。

そう、そこに居たのは悪の手先レキュウダーだったのだっ!!




レキュウダー「………………」ゴゴゴゴ…




221: 2018/07/09(月) 22:42:09.35 ID:JnkEXGJ80


その圧倒的な存在感と威圧感。
彼女たちの戦意はすでに折れかけていた……。


――しかしっ!!



陽炎「――みんな立ちなさいっ!! 立って武器を取るのよっ!」



他の駆逐艦たちが、陽炎を見つめる。



陽炎「たった今、私たちは一つになったじゃない! これぐらいの相手がなんだっていうの!? ――そうでしょう、暁!」


暁「……そうね。私たちはもう……ッ!! ――さぁ、みんなで立ち向かいましょう! 私たち暁水会の力を見せてやるのよ!」



その言葉を契機に、駆逐艦たちは立ち上がるっ!!



雷「そうだわっ!! 私たちがレキュウダーなんかに負けるわけないわ!」

電「はわわっ! 倒しちゃうのですっ!」

響「…………っ」ガチャン‼



彼女たちの目に、再び闘志の火が点いた。
そうして、レキュウダーとの戦いの火蓋が切られたっ!



時雨「……ちょうどいいじゃないか。僕たちはもともと戦う気で来たんだから! ――砲撃用意っ!」


レーベ「さぁ、行くよ!」

マックス「えぇ……!」



総勢九十名を超える駆逐艦の砲撃がレキュウダーを襲う!



レキュウダー「………………っ!」バッ‼


綾波「――あれは艦載機っ!? 対空射撃をっ!」


秋月「私たちにお任せくださいっ!!」



レキュウダーが放った無数を艦載機を、秋月組の対空射撃が迎え撃つ。
そのほとんどを撃ち落とすことに成功したが、しかしそれだけでは終わらない。
レキュウダーは、次はこちらの番とばかりに砲塔を向ける。



初春「先ほどの威力……。当たったらただではすまんのぅ」


睦月「そんなのわかってるにゃしぃ! 絶対に当たったらダメだよっ!」



砲撃の威力では勝てない。
だが、彼女たちには駆逐艦ならではの機動力がある。


……しかし――。


222: 2018/07/09(月) 22:42:48.37 ID:JnkEXGJ80


彼女たちは戦い続けた。
その艦載機を撃ち落とし、砲撃を避け続け……。
着実に砲撃を当てていた。

――はずであった。



風雲「はぁ……はぁ……!」


長月「くっ……。もう弾が……!」


朝風「そんな……っ」



レキュウダー「………………」ゴゴゴゴ…



しかし、明らかに疲弊しているのは駆逐艦の方だった。
弾も尽き、動けるだけの体力も使い切った。

しかし……っ! しかしそれでもレキュウダーは倒れない。



文月「もう……動けないよぉ……」


山風「…………うぅ……」



彼女たちの心には絶望が。



陽炎「……なんてこと……っ」


暁「私たちの力を合わせても……レキュウダーには敵わないの……っ!?」





もう無理だ。

諦めよう。


誰しもがそう思った……。



「諦めちゃダメだよッ!!!」



――だがその時っ!!

一人の駆逐艦――清霜がその声を張り上げた!




清霜「諦めちゃダメだよっ!! まだ……、まだ……私たちには、あの人が居るじゃんか……っ!!」


夕雲「あ、あの人……!? ――ま、まさかっ!!」ハッ‼




「ふははははっ!! 待たせたなっ!!」





223: 2018/07/09(月) 22:43:23.37 ID:JnkEXGJ80


暁「こ、この声は……!!」


雷「そうよ! 私たちにはまだ……!」


電「はわわっ! そうなのです!」


響「…………あれは――っ!!」





「「「「「 ナ、ナガモンだーっ!!! 」」」」」





ナガモン「私を求める声がする……。私の名を呼ぶ、駆逐艦の声がするッ!!」


ナガモン「――さぁ、悪の手先レキュウダーよっ!! 駆逐艦の娘たちはやらせはせん! 私と勝負だっ!!」



ついにやってきたスクモ戦士・ナガモン!!
さぁ! 駆逐艦を守るため、宿毛湾を守るため! 戦うのだ!



レキュウダー「………………ッ!」ブンッ‼


ナガモン「ふんっ! そんな攻撃は私には効かんっ!」


ナガモン「――うぉおおおお! ナガモン……パーンチッ!!」


レキュウダー「………………ッ!!!」ビキィ‼



ナガモンパンチがレキュウダーに直撃する!
先ほどまで駆逐艦たちの砲撃にはビクともしなかったレキュウダーも、ナガモンの攻撃は効いているようだ!!



暁「す、すごい……! 互角以上にやり合っているわ!!」

雷「ナガモーンっ! がんばってー!」



レキュウダー「………………っ!」バッ



しかし、レキュウダーも一筋縄ではやられない!
ご自慢の艦載機をナガモンに向けて飛ばしてきた!



ナガモン「むっ……!」


吹雪「あ、危ないっ! 秋月組は……っ」


照月「ご、ごめんなさい……! もう……弾が……」



ナガモン「――うわぁあああああ!!」ガクッ…


清霜「そ、そんな……! ナガモンが!!」



224: 2018/07/09(月) 22:44:12.23 ID:JnkEXGJ80

形勢逆転か。
レキュウダーの放った艦載機攻撃を前に、ナガモンがついに膝をついてしまった……!



ナガモン「ぐぅ……!」


レキュウダー「………………」ガチャリ…



白露「ナガモンがやられちゃうよ!」


電「はわわ……! た、助けてあげないと……」


響「ダメだっ! 迂闊に近付いたら、私たちまで……!」



ナガモンに迫るレキュウダー……ッ!!
駆逐艦たちはそれを眺めていることしかできないのか……!



陸奥(?)「――いけないわっ! このままではナガモンがやられてしまう!」


清霜「この声は……陸奥さんっ!」


陸奥(?)「みんな、今こそ力を合わせる時よっ! みんなで、心の底からナガモンを応援するの!」



それぞれの顔を見合わせる彼女たち。
みんなが力強く頷く。
いま、駆逐艦たちの心が一つになった。



陸奥(?)「さぁ、せーので行くわよっ! せーのっ――!」





「「「「「 ナガモンがんばれーっ!! 」」」」」





ナガモン「――――ッ!!!」ドクンッ‼


ナガモン「――うぉおおおおおおおおお!!!」グググッ‼



説明しようっ!!
スクモ戦士ナガモンは、駆逐艦や海防艦など小さい娘達からの心からの声援を受けるとパワーアップできるのだっ!!




ナガモン「――ナガモン……改・二ッ!!!」


レキュウダー「………………ッ!!?」


ナガモン「喰らえっ!!」



ナガモン「――ナガモン……ビッグセブンパーンチッ!!!!!」





225: 2018/07/09(月) 22:45:22.18 ID:JnkEXGJ80


レキュウダー「………………――ッ」



ナガモンの一撃が決まった……。
レキュウダーは飛ばされ、海へと静かに沈んでいった。

しかし、ナガモンだけでは勝てなかったであろう。
みんなの力があったからこそ、強敵レキュウダーに勝つことができたのだ。



清霜「す、すごいねナガモン! やっぱり強いんだ!」


ナガモン「はははっ! 当り前じゃないか!」


皐月「わーっ! ナガモーン!」


深雪「さすがだぜっ、ナガモン!」


ナガモーン‼
ワーワー‼
ナガモンハツヨイゾー‼
ギャーギャー‼
ワーイワーイ‼



ナガモン「――まったく……! 私の体は一つしかないのだぞ! ……それっ!」ダッ‼


暁「あっ、ナガモン待ってよっ!」


ナガモン「はははっ、私はここだぞっ! さぁ……みんなで、共に行こうじゃないか……――!」





ナガモン「――あの、暁の水平線に向かって!!」





こうして、ナガモンは駆逐艦たちと宿毛湾を救った。

すごいぞ、ナガモン。やったな、ナガモン。


しかし、ナガモンの戦いはまだ始まったばかりだっ!!




――完――








※今まで「暁が如く」のご視聴ありがとうございました。来週のこの時間からは、引き続き「スクモ戦士・ナガモン」を放送します。みんな、楽しみに待っててくれよなっ!


226: 2018/07/09(月) 22:46:14.80 ID:JnkEXGJ80

【クレジット】

<出演>
・スクモ戦士・ナガモン
 ・長門

・暁組
 ・暁 ・雷 ・電 ・響

・夕雲組
 ・夕雲 ・巻雲 ・風雲 ・長波 ・高波 ・藤波 ・浜波 ・沖波 ・朝霜 ・早霜 ・清霜

・睦月組
 ・睦月 ・如月 ・弥生 ・卯月 ・皐月 ・水無月 ・文月 ・長月 ・菊月 ・三日月 ・望月

・吹雪組
 ・吹雪 ・白雪 ・初雪 ・深雪 ・叢雲 ・磯波 ・浦波

・綾波組
 ・綾波 ・敷波 ・天霧 ・狭霧 ・朧 ・曙 ・漣 ・潮

・秋月組
 ・秋月 ・照月 ・涼月 ・初月

・陽炎組
 ・陽炎 ・不知火 ・黒潮 ・親潮 ・初風 ・雪風 ・天津風 ・時津風 ・浦風 ・磯風 ・浜風 ・谷風 ・野分 ・嵐 ・萩風 ・舞風 ・秋雲

・白露組
 ・白露 ・時雨 ・村雨 ・夕立 ・春雨 ・五月雨 ・海風 ・山風 ・江風 ・涼風

・朝潮組
 ・朝潮 ・大潮 ・満潮 ・荒潮 ・朝雲 ・山雲 ・霰 ・霞

・神風組
 ・神風 ・朝風 ・春風 ・松風 ・旗風

・初春組
 ・初春 ・子日 ・若葉 ・初霜

・ホテルガングート
 ・Ташкент

・ビスマルクファミリー
 ・Z1 ・Z3


・エキストラの皆さん(敬称略)
 ・モブ田 ・モブ間 ・モブ木 ・モブ山 ・モブ川 ・モブ藤
 ・モブ橋 ・モブ中 ・モブ辺 ・モブ本 ・モブ村 ・モブ口 ・モブ上



227: 2018/07/09(月) 22:47:25.87 ID:JnkEXGJ80

<CM出演>

・CM①「スクモ戦士・ナガモン」
 ・長門

・CM②「MyOUKO-TANMEN アシガラ」
 ・妙高 ・那智 ・足柄 ・羽黒

・CM③「ボーキ戦隊・クウボレンジャー」
 ・赤城 ・加賀 ・飛龍 ・蒼龍 ・翔鶴 ・瑞鶴 ・龍驤

・CM④「パスタの国から」
 ・Italia ・Roma ・Aquila ・Zara ・Pola ・Libeccio ・Luigi torelli

・CM⑤「グリーンリーフ探偵事務所」
 ・青葉

・CM⑥「ヒェーハウス・COnGO弐番亭」
 ・金剛 ・比叡 ・榛名 ・霧島

・CM⑦「健康青汁 ~鹿島さんver~」
 ・香取 ・鹿島

・CM⑧「アイオワのテレビショッピング」
 ・Iowa ・Saratoga ・Intrepid ・Gambier Bay ・Samuel B.Roberts

・CM⑨「サーチ♥ライト」
 ・川内 ・神通 ・那珂 ・球磨 ・多摩 ・北上 ・木曾

・CM⑩「メイド喫茶 アガにゃん」
 ・阿賀野 ・能代 ・矢矧 ・酒匂 ・天龍 ・龍田

・CM⑪「ウォースパイトの3分クッキング」
 ・Warspite ・Ark Royal

・CM⑫「ボーキ戦隊・クウボレンジャー ~裏切りのブラック~」
 ・赤城 ・加賀 ・飛龍 ・蒼龍 ・翔鶴 ・瑞鶴 ・鳳翔 ・雲龍 ・天城 ・葛城 ・龍驤 ・瑞鳳



<大道具・小道具・舞台製作>
 ・明石 ・夕張


<撮影>
 ・青葉


<原作・脚本>
 ・クラウド・アキ


<現場監督>
 ・大淀



<総監督>

 ・長門




228: 2018/07/09(月) 22:48:34.65 ID:JnkEXGJ80

<スポンサー>

この番組は――。


「改修の限界を目指して……」
 『AKASHI GARAGE COMPANY』


「確かな編成を、確かな海域へ」
 『大淀マネージメント事務所』


「明日は、今日よりもいい鎮守府を」
 『バリバリ夕張製作所』


「大切な一瞬を逃したくないアナタに」
 『スクリーンショット・アオバ』


――御覧のスポンサーの提供でお送りしました。





プツッ―





長門「――ってドラマを作ってみたんだが……。どうだろうか、陸奥?」


陸奥「ちょっと待って、ちょっと待って……。あ、頭の整理が追いつかないわ……」



229: 2018/07/09(月) 22:49:35.47 ID:JnkEXGJ80


―――鎮守府・執務室


陸奥「――えぇっと……。まず聞きたいんだけど、最後のは編集ミスかしら? 十二話の後半だけど」


長門「えっ? いや、編集ミスじゃないぞ」


陸奥「じゃ、じゃあ最後のアレは何?」


長門「ふふふっ! 実はな、スクモ戦士ナガモンは私なのだ!」


陸奥「そんなこと聞いてるんじゃないのよ。はっ倒すわよ」ゴゴゴ…


陸奥「――というか、いつの間にこんなの撮ったのよ、CMとかまで作って……。私、全然気付かなかったわ……」


長門「あぁ、陸奥にはバレないようにスケジュールを調整したからな」


陸奥「えっ……なんでよ?」


長門「まぁまぁ。それよりどうだろうか、面白かったか?」


陸奥「ま、まぁ……。内容は色々と疑問はあるけど、いいんじゃないかしら」


陸奥「――ただ、最後に突然長門が出てくるのはなんなの?」


長門「それはだな、話自体は秋雲に作ってもらったんだが、私の出番がなかったから付け足したんだ」


陸奥「そ、そう……、まぁみんなが納得してるならそれでいいわ。あと、最後の私の声は……?」


長門「あぁ、あれか! ふふっ、あれは私が陸奥の声を真似してみたんだ! どうだ、似ていなかったか?」


陸奥「え、えぇ……。ちょっとビックリしたわ」


長門「そうそう。だから、後で陸奥の声が欲しいって大淀が言ってたぞ」


陸奥「…………そう。――……それで、これを私に見せたのはどうして?」


長門「じ、実はだな……。これをぜひ放送したいと思って……」


陸奥「……いいんじゃない? もちろん、提督の許可は貰ってるんでしょ? まったく、提督も私に秘密にしなくてもいいのに……」


長門「いや……」


陸奥「えっ?」


長門「………………」


陸奥「………………」


長門「いや…………」


陸奥「……ね、ねぇ、まさかとは思うんだけど――」



陸奥「む、無許可なの……??」



230: 2018/07/09(月) 22:50:18.39 ID:JnkEXGJ80


長門「――お願いだっ! 秘書官である陸奥から、ぜひ提督に一緒にお願いしてくれっ!!」ドゲザァ‼


陸奥「ちょ、ちょっと待ってよっ! 提督は今日出張から帰ってくるのよっ!? な、なんで許可も取ってないのにこんなこと……!」


長門「い、いや、だって……。明石と大淀が……――」


――えっ、許可? いやぁ、撮影してからでいいんじゃないです?

――さぁさぁ! 張り切って行きますよっ!


長門「――って言ってて……。私もこんな大事になるとは……」


陸奥「あの二人は暇だっただけでしょ……。てか、最後は貴女もノリノリじゃない。同罪よ」


長門「で、でもどうだろうか? これを放送すれば、この鎮守府のアピールに……」


陸奥「なんのアピールになるのよっ!?」


陸奥「――しまったわね……。提督が居ない分私がしっかりしなきゃと思って、あの二人を野放しにしちゃったわ……」


陸奥「今すぐ呼び出して――! ……って、あの二人は今日休みを取ってたかしら。逃げたわね……、まぁいいわ。夕張と青葉を呼びましょ」


長門「ちょ、ちょっと待ってくれ! その二人は……その……知らないんだ」


陸奥「…………は?」


長門「いや……その……。提督の許可を得てると……思ってるんだ」


陸奥「…………待って。……それじゃ、このドラマに出演してるみんなも……?」


長門「………………」コクッ




トントンッ…




陸奥「――――ッ!」ビクッ‼


長門「ま、まさか提督が……?」


暁「……あれ、陸奥さーん? ……居ないのかしら?」ガチャ…


陸奥「あ、あぁ! ごめんなさいね、暁。どうしたの?」アセアセッ


暁「えっと、今日の遠征について聞こうと思って……」


陸奥「そ、そうね! 今日は……ちょっと待機しててもらえる? ほら、提督も帰って来るでしょうし」


暁「そっか! 提督も今日帰ってくるのよねっ!」パァアア‼


暁「――あれ、長門さん……。もしかして……」


長門「……あぁ! そうだ、たったいま陸奥にドラマを見てもらったんだ!」




231: 2018/07/09(月) 22:51:28.48 ID:JnkEXGJ80


暁「そ、それじゃあ……」


陸奥「えっ……?」


暁「どうだったかしら! 私たちの演技は!」グワッ‼


陸奥「あ、あぁ……えっと……」


暁「なんで司令官がドラマの撮影なんて……って思ってたけど、レディとして立派にやりきったわ!」


陸奥「そ、そうね……」


暁「そ、それで……、どうだった……かしら?」


陸奥「………………」


暁「………………」キラキラ


陸奥「………………」


暁「………………」


陸奥「………………」


暁「…………だ、ダメ……だった?」ウルウル


陸奥「………………――」




陸奥「――とても、上手だったわっ!!」グッ‼




暁「ほ、ホントっ!? えへへ、雷達にも伝えないと! それじゃ、私たちは待機してるわっ!」パタパタ…


陸奥「え、えぇ……そうね……」

ポンッ

長門「ふふふ……」


陸奥「はぁ……」


長門「それじゃあ陸奥よ……――」


陸奥「――あぁわかったわよっ! 一応提督にお願いはしてみるけど、結果は期待しないことよ?」


長門「あぁ、それでいい! 頼んだぞっ!」



――――――

――――

――


お わ り



233: 2018/07/09(月) 23:00:37.42 ID:JnkEXGJ80

とりあえずこれでおしまいになります。
長い間お付き合いいただきありがとうございました。

正直なこと言うと、CMをやりたいだけでした。
「オチが納得いかないよ」という方は、12話前半で終わりだと思っていただければ。


この後は需要がありそうでしたら、各話の裏話や提督の帰還など1レス程度で終わる話を書いていこうかなと思っております。

何はともあれ、最後まで読んでくださってありがとうございました。

234: 2018/07/09(月) 23:36:13.80 ID:/WM9414C0
乙 
楽しく読めたよ!

引用: 【艦これ】暁が如く【極道】