1: 2012/03/22(木) 13:37:42.01 ID:d3YrsIJK0
ウルフルン「ウルッフフ!!」

アカンベェ「あかんべぇ!!」

ハッピー「みんないくよ!!」

サニー「おっしゃぁ!!」

ピース「ま、まま、まけないもん!!」ガクガク

ビューティ「マーチ、今日家で作ったお漬物です。是非、ご家族で分けて」スッ

マーチ「あ、ありがとう……」

ビューティ「いえいえ」

マーチ「でも、今戦闘中だから」

ビューティ「忘れる前に渡したくて」

2: 2012/03/22(木) 13:41:01.29 ID:d3YrsIJK0
ウルフルン「やれぇ!!アカンベェ!!」

アカンベェ「あかーんべぇ!!」ゴォォ

ハッピー「おいしょー!!」ガシーン

サニー「くらえ!!」ドゴォ

ピース「きゃー!!きゃー!!!」

ビューティ「で、これはきゅうりのお漬物だから」

マーチ「ふーん」

ビューティ「味見してみて」

マーチ「だから、戦闘中……」

ビューティ「あーん」

マーチ「あーん……」

ビューティ「どうかしら?」

マーチ「まぁ、美味しいかな」

4: 2012/03/22(木) 13:44:09.16 ID:d3YrsIJK0
ハッピー「サニー!!」

サニー「まかせときぃ!!」

ウルフルン「ん!?」

ピース「きゃー!!きゃー!!」

サニー「プリキュア!!サニー・ファイヤー!!」ゴォォォ

ドォォォン!!!

ビューティ「また作ったら持ってくるわね」

マーチ「いつも悪いね」

ビューティ「気にしないで」

マーチ「さてと、あたしたちも戦わないと―――」

サニー「……もう終わったで」

ビューティ「あら。お疲れ様です」

ハッピー「やったねー、ピース!」

ピース「いえーい」キャッキャッ

サニー「……」

6: 2012/03/22(木) 13:47:26.77 ID:d3YrsIJK0
ふしぎ図書館

れいか「なお」

なお「どうしたの?」

れいか「ネクタイ、緩んでるわ」グッ

なお「苦しいんだけど……」

れいか「ダメよ、ちゃんとしないと」

なお「もう……」

あかね「……」

みゆき「さてと、そろそろ帰る?」

やよい「うん、そうだね」

あかね「なお、うちでお好み焼き食べていくか?」

なお「え?いいの?」

あかね「ええで」

なお「じゃあ、お邪魔しようかな」

あかね「よっしゃ、いこか」

7: 2012/03/22(木) 13:51:19.31 ID:d3YrsIJK0
なお「モダン焼きってできたっけ?」

あかね「いけるで~」

なお「じゃあ、それにしようかな」

れいか「なお」

なお「ん?」

れいか「あまり遅くならないようにね」

なお「分かってるよ」

あかね「なお、はよいこ」

なお「うん」

みゆき「やよいちゃん、やよいちゃん」

やよい「どうしたのー?」

みゆき「今度、また美術コンクールあるみたいだけど、どうするの?」

やよい「んー。私は……」

みゆき「そんなんじゃだめだよー。また、作品出してみようよ」

やよい「どうしようかなぁ……」

8: 2012/03/22(木) 13:55:25.02 ID:d3YrsIJK0
日野宅

あかね「ほっ!」ジュー

なお「いい匂いだね。お腹がすいてきたよ」

あかね「戦った後やしなぁ!―――はい、できたで」

なお「おいしそう!」

あかね「召し上がれ」

なお「……うん。やっぱり美味しいね。あかねのお好み焼き」

あかね「ま、こんなもんや」ドヤッ

なお「何枚かもって帰ってもいい?」

あかね「ええよ。なに焼く?」

なお「えっと……」

あかね「……」ニヤニヤ

なお「あかね?どうしたの?顔がにやけてるけど」

あかね「え!?そ、そうか?!」

なお「うん。なんか嬉しいことでもあった?」

9: 2012/03/22(木) 13:59:37.54 ID:d3YrsIJK0
あかね「ほい」

なお「ありがとう。みんな喜ぶよ」

あかね「また家族できてなー。サービスするから」

なお「うん。売り上げに貢献させてもらうよ」

あかね「ほななー」

なお「ありがとう!!またね!!」

なお(お好み焼きにお漬物か……)

なお(いつも貰ってばかりで悪いなぁ)

なお(何かお返しできればいいんだけど……)

なお「うーん……」

なお「ま、今度一緒に遊ぶときにでも何か奢っちゃえばいいかな」

なお「さ、早く帰らないと」タタタッ

11: 2012/03/22(木) 14:02:59.61 ID:d3YrsIJK0
翌日 学校

なお「あかねー、昨日はありがとう」

あかね「ええって。どやった?」

なお「みんな、美味しかったって」

あかね「せやろー。せやろなー」

なお「ふふ」

れいか「なお」

なお「れいか、おはよう」

れいか「ネクタイ、緩んでる」グッ

なお「ちょっと」

れいか「ボタンも……」

なお「苦しいんだってば」

れいか「ダメ」

なお「もう……れいかは厳しいなぁ」

あかね「……」

12: 2012/03/22(木) 14:07:26.93 ID:d3YrsIJK0
昼休み

みゆき「今日もみんなでふしぎ図書館集合ね!!」

やよい「はーい」

れいか「すいません。今日は生徒会があるので、少し遅れます」

みゆき「えー?」

あかね「うちも部活あるから」

みゆき「えー?!」

なお「みゆきもチアリーディングの練習はいいの?」

みゆき「あ」

なお「あ、じゃないでしょ。折角、入部したんだから練習にいかないと」

みゆき「えへへ」

なお「えへへ、でもない」

みゆき「はっぷっぷー、なおちゃんってお母さんみたい」

なお「おか……!?」

やよい「どちらかというとお父さんかな?」

15: 2012/03/22(木) 14:13:03.01 ID:d3YrsIJK0
なお「それ、失礼じゃない?!」

みゆき「だって、なおちゃんってかっこいいもん」

やよい「ねー?」

なお「かっこいいって……」

れいか「なおはいつも女の子にモテるものね」

みゆき「やっぱりー」

なお「いや、あれはただの好意みたいなものでしょ」

れいか「ラブレターを貰ったのも一度や二度じゃないでしょ?」

なお「それは……まぁ……」

やよい「なおちゃん、女の子からラブレターもらったの?!」

なお「なんでかわからないけど」

みゆき「すっごーい!!」

なお「すごいって、女としては複雑だけどね」

あかね「ふーん……」

みゆき「でも、なおちゃんと付き合えたら絶対にウルトラハッピーだよね~」

17: 2012/03/22(木) 14:18:35.09 ID:d3YrsIJK0
なお「なんで?」

みゆき「お料理できるし、優しいし……」

れいか「でも、何でも臆することなく物を言うから伴侶は大変ね」

なお「なんでよ?!」

れいか「時には衝突することにもなるから」

なお「自分の気持ちはきちんと相手に伝えたほうがいいときもあるでしょ?」

れいか「そうだけど。トラブルの種であることも確かだから、気をつけてね」

なお「はいはい」

あかね「なおのそういうところ、うちは大好きやで」

なお「えっ」

あかね「あっ……いや、ほら、気持ちええってことやで!!人間的に!!」

なお「ああ、うん。ありがとう、あかね」

みゆき「とりあえず、みんな!!放課後はふしぎ図書館に集合だから!!」

やよい「私、先に行ってるよ」

みゆき「うん!」

21: 2012/03/22(木) 14:23:46.19 ID:d3YrsIJK0
ふしぎ図書館

やよい「……」カキカキ

キャンディ「やよいー、なに描いてるクル~?」

やよい「え?あ、いや、なんでもないよ」ササッ

キャンディ「なんで隠すクル~?みせてクル~」

やよい「やー!!」

キャンディ「クル~クル~」

なお「はいはい、キャンディ。やよいが困ってるでしょ」グイッ

キャンディ「クル~!?」

やよい「なおちゃん?!部活は!?」

なお「軽く流してきた」

やよい「どうして……?」

なお「一人だと寂しいでしょ?」

やよい「いやいや!!私のことなんて気にしないでいいのに!!」

なお「そういうわけにもいかないよ。でも、絵を描いてるみたいだしお邪魔だったかな?」

23: 2012/03/22(木) 14:26:36.56 ID:d3YrsIJK0
やよい「ううん!!そんなことないよ!!」

なお「ホント?」

やよい「これは遊びで描いてただけだから!!」

なお「なら、いいけど」

やよい「……」

なお「……あたしは、外で筋トレでもしとくよ」

やよい「あ、待って!」

なお「なに?」

やよい「……絵のモデルになってくれない?」

なお「絵の?んー……そういうの苦手なんだけど」

やよい「……ダメ?」

なお「まぁ、いいよ。どうしたらいい?」

やよい「じゃあ、外にいこっ」

なお「オッケー」

25: 2012/03/22(木) 14:30:33.93 ID:d3YrsIJK0
やよい「もうちょっと……足を広げて……」

なお「くっ……」

やよい「ストップ!!そのまま!!」

なお「……」プルプル

やよい「……」カキカキ

なお「つら……」

あかね「よっと!!―――なおー、やよいー」

やよい「……」カキカキ

なお「あかね……」

あかね「なにしてんの?」

なお「絵のモデルに……」

あかね「ふーん……動いたら、あかんねんで?」

なお「そ、それが……?」

あかね「ふっふっふっふ……」ワキワキ

なお「あかね……!!くすぐったら怒るからね!!」

26: 2012/03/22(木) 14:35:39.28 ID:d3YrsIJK0
やよい「……」カキカキ

あかね「お腹すいてない?」

なお「ちょっと空いたかな」

あかね「ええもんあるねん。食べる?」

なお「今はちょっと」

あかね「うちが食べさせてあげるやん。ほら」

なお「もう……あーん」

あかね「あーん……どや?」

なお「ありがと、あかね」

あかね「うん……」

なお「……どうかした?」

あかね「今日もうちの店にこうへん?」

なお「流石に遠慮するよ。迷惑でしょ?」

あかね「そんなことないって」

なお「今度はあたしが何かする番だと思うし、気を遣わないでいいよ」

27: 2012/03/22(木) 14:38:53.76 ID:d3YrsIJK0
みゆき「よっと!!」

れいか「……」

あかね「おっ。二人も来たな」

みゆき「なにしてるのー!?」

なお「やよいの絵のモデルになってる」

れいか「まぁ」

みゆき「へー?あ、もしかしてやよいちゃん、コンクールに?」

やよい「えっ!?ち、ちがうの!!たまたまなの!!」

みゆき「隠さなくてもいいのにー」

やよい「みないでー!!」

なお「みゆき!邪魔しちゃだめ!」

みゆき「あ、そっかそっか。ごめん」

れいか「なお?お腹すいてない?」

なお「え?」

れいか「部活後はお腹が空いてるだろうと思って、おにぎりを持ってきたの」

29: 2012/03/22(木) 14:42:35.23 ID:d3YrsIJK0
なお「うん。ペコペコなんだ」

あかね「!?」

れいか「よかった。はい」

なお「えっと。今は動けないからあとで……」

れいか「食べさせてあげるわ」

なお「いいよ。やよいちゃんが描き終わったら食べるから」

れいか「はい、あーん」

なお「あ、あーん……」

れいか「どう?うめぼしのおにぎりだけど」

なお「うん。美味しい」

れいか「ふふ……」

あかね「……」

やよい「……」カキカキ

みゆき「やっぱり絵、うまいねー」

やよい「そ、そんなことないよぉ……」

30: 2012/03/22(木) 14:47:05.19 ID:d3YrsIJK0
やよい「できたー」

なお「はぁ……」

みゆき「おつかれさまー」

なお「どう?どんな感じ?」

やよい「えっと……こう……」

なお「おお、いいじゃない。流石はやよいちゃんだね」

やよい「え、えへへ……」

あかね「……」

れいか「なお?制汗剤は?」

なお「ああ、まだ」

れいか「女の子なんだから気を遣わないと」

なお「あはは。でも、みんな気にしないでしょ?」

れいか「そういうことじゃないの。はい」

なお「ありがとう」プシュー

あかね「二人、ほんま仲ええな」

31: 2012/03/22(木) 14:51:47.35 ID:d3YrsIJK0
なお「まぁ……仲がいいというより……」

れいか「幼馴染ですから」

あかね「ふーん……」

なお「あかね?」

あかね「なんでもあらへん」

みゆき「なーおちゃん!」

なお「どうしたの?」

みゆき「これ、いる?」

なお「わぁ♪かわいい、キーホルダーだね」

みゆき「なおちゃん、可愛いモノが好きってきいたから。渡そうと思って持ってきたの」

なお「でも、いいの?」

みゆき「うん。この前、ゲームセンターで同じのを二つも取ったから」

なお「ありがとう、みゆき!大事にするよ!」

みゆき「うんっ」

あかね「……」

35: 2012/03/22(木) 15:05:41.33 ID:d3YrsIJK0
やよい「なーおちゃーん、色つけてみたんだけど」

なお「お、やっぱり色がつくと見違えるね」

やよい「でしょー?」

なお「でも、ちょっと可愛すぎるね。あたしじゃないみたい」

やよい「そんなことないよー」

なお「そうかなぁ?」

みゆき「なおちゃん、ジュースいるー?」

なお「いるいる。あたしも手伝うよ」

みゆき「いいからー」

れいか「なお、宿題はちゃんとやった?」

なお「まだに決まってるでしょ」

れいか「ちゃんとやらないと」

なお「分かってるって」

あかね「なおはホンマモテモテやなぁ……」

なお「え?そう?」

37: 2012/03/22(木) 15:13:28.87 ID:d3YrsIJK0
みゆき「さーてと、今日も何事もなかったね」

れいか「ええ」

なお「それじゃあ、帰ろうか」

やよい「うん」

あかね「はー、何もないのがええなー」

なお「れいか、この前貰った漬物の容器を返すから家にきてよ」

れいか「ええ。いいわよ」

なお「あれ、すっごく美味しかったよ」

れいか「また作るわね」

なお「うん」

あかね「……」

みゆき「なおちゃんとれいかちゃんって傍から見てると、お似合いのカップルって感じだよね」

やよい「え!?そ、そうかな!?」

あかね「ないない」

みゆき「えー?そうかな?」

38: 2012/03/22(木) 15:15:38.62 ID:d3YrsIJK0
緑川宅 

なお「えっと……ここは……」

パァァァ

なお「え?」

あかね「よっと」

なお「ぶっ?!」

あかね「いやー、本棚から移動するの楽やなぁ」

なお「あかね!?何!?」

あかね「宿題、おしえてー」

なお「はぁ!?」

あかね「ええやろー?」

なお「いいけど……」

あかね「ありがと!!」

なお「もう……」

あかね「これができたら帰るって」

39: 2012/03/22(木) 15:21:04.43 ID:d3YrsIJK0
なお「で、こうなる」

あかね「なるほどー」

なお「はい。終わりね」

あかね「ありがと」

なお「いきなりこられたらびっくりするでしょ?」

あかね「ごめんごめん」

なお「ごめんじゃなくて―――」

パァァァ

れいか「よいしょ」

あかね「わぁ!?」

れいか「あれ?あかねさん?」

あかね「な、なんでれいかがくんの!?」

れいか「私はいつもこの時間にこうしてなおの家に来ていますが?」

あかね「なんでや!?」

なお「本棚から移動できるようになってからは、れいかが頻繁に来るようになったんだよね」

41: 2012/03/22(木) 15:27:00.67 ID:d3YrsIJK0
あかね「いつもなにしてんの……?」

なお「んー……特に」

れいか「話す事もないしね」

なお「そうだね」

あかね「じゃあ、なんで来てんの!?」

れいか「なんでといわれても……」

なお「そういえば意識したことなかったけど、なにしてたっけ?」

れいか「そうね……。ただ、なんとなく来ているだけって感じだから」

あかね「なんやねんそれ……熟年の夫婦か、あんたら」

なお「え」

れいか「夫婦……?」

なお「いやー、こんなお嫁さんはいらないよ」

れいか「なっ!?」

なお「いちいち小うるさいし」

れいか「私もなおみたいなだらしのない夫はいらないわ」

45: 2012/03/22(木) 15:38:37.16 ID:d3YrsIJK0
なお「だらしないだって!?」

れいか「服装はいつも乱れているし、お行儀もいいとは言えないし」

なお「なによ。れいかがきっちりしすぎなだけでしょ?」

れいか「そう?常識の範囲内だと思うけど」

なお「いーや、そんなことない」

れいか「なおは自分の行いを見つめなおしたほうがいいわ」

なお「れいかだって」

れいか「そもそも、かわいいものが好きならもっと服も女の子らしくして」

なお「兄妹が多いから、自然とお下がりを気にして買っちゃうだけ。男でも女でも着れる服を選ぶのよ」

れいか「私の服も提供しているのだから、いいじゃない」

なお「れいかにばっかり迷惑はかけられないよ」

れいか「気にしなくてもいいのに」

なお「れいかの優しさに甘えるのはもう卒業したつもりだから」

れいか「なお……」

あかね「……」イラッ

48: 2012/03/22(木) 15:47:19.89 ID:d3YrsIJK0
なお「だから、れいかはもう口を出さなくていいから」

れいか「そうはいかないわ。放っておいたらなおは暴走するから」

なお「するわけないでしょ」

れいか「やっぱり、私のようにブレーキになる人物が傍らに必要なのよ」

なお「そういっても、れいかだって結構突拍子もないことするからなぁ」

れいか「そう?」

なお「この前なんていきなりお風呂に入ってきたし」

あかね「お風呂?!」

れいか「あれはここに来たときになおがお風呂に入ってたからで」

なお「だからって普通は入ってこないでしょ」

れいか「小学校を卒業するまではよく入ってたじゃない」

なお「いや、だからって……」

あかね「もうええ!!!」

なお「え?」

あかね「お邪魔みたいやから、かえるわ!!」

49: 2012/03/22(木) 15:50:39.71 ID:d3YrsIJK0
なお「あかね?」

あかね「ふんっ!」

パァァァ

なお「どうしたんだろう?」

れいか「さぁ……」

なお「なんか怒らせるようなことしちゃったかな?」

れいか「謝ったほうがいいのでは?」

なお「そうだね」

れいか「それはさておき、お風呂は?」

なお「一緒には入らないよ?」

れいか「えー……」

なお「なんで……」

れいか「なおの成長を見たいのに……」

なお「背は伸びてないよ?」

れいか「そっちじゃないわ」

50: 2012/03/22(木) 15:54:10.62 ID:d3YrsIJK0
深夜 日野宅

あかね「……」

パァァァ

あかね「え?」

なお「あかね」

あかね「わぁぁぁ―――」

なお「静かに!」

あかね「むぐっ!?」

なお「しーっ」

あかね「……」コクコク

なお「……よし」

あかね「な、なに……?」

なお「あかね、怒ってたでしょ?その……謝ろうと思って」

あかね「え……」

なお「ごめんね。あたしは悪気なんてなかったんだけど、あかねを不快にさせたみたいだったから」

51: 2012/03/22(木) 16:00:50.23 ID:d3YrsIJK0
あかね「なお……」

なお「えっと……許してくれる?」

あかね「……いや、ウチもそこまで怒ったわけやないから……」

なお「そっか」

あかね「……」モジモジ

なお「それじゃあ」

あかね「あ。まって」パシッ

なお「え?」

あかね「……もう遅いし、今日はここで寝ていけば?」

なお「いや、一瞬で帰られるから」

あかね「あかんの……?」

なお「じゃあ、そうしようか」

あかね「うん。そうしいそうしい」

なお「じゃあ、お邪魔します」モゾモゾ

あかね「……♪」

53: 2012/03/22(木) 16:09:14.04 ID:d3YrsIJK0
あかね「な、なお?」

なお「んー?」

あかね「好きな人とかおったりするの……?」

なお「突然だね」

あかね「ほら、こういうのは定番やん」

なお「好きな人かぁ……。尊敬する人ならいるけど、好きな人は思い当たらないね」

あかね「そうなんや……。れいかは?」

なお「れいか?なんで?」

あかね「いや、なんか仲ええやんか……」

なお「ただの幼馴染だよ」

あかね「そっか……。そうなんや……」

あかね「なお、あのな……ウチ……」

なお「すぅ……すぅ……」

あかね「あ……」

あかね「もう……まぁ、いいけど……。なお……」ギュゥ

54: 2012/03/22(木) 16:13:18.05 ID:d3YrsIJK0
翌朝 学校

なお「ふわぁ……」

あかね「おはようさん!」

なお「おはよ」

あかね「もう、帰るんやったら起こしていってやー」

なお「一応、声かけたけど起きなかったの」

あかね「えー?そうなん?」

なお「そうそう」

れいか「おはようございます。なにやら楽しそうですね」

あかね「えー?まぁな」

なお「あかねの家に泊まっただけだよ」

れいか「……」ピクッ

あかね「別にいわんでええやーん♪」バンバン

なお「別に言ってもいいでしょ」

れいか「そう……そうなんだ……」

56: 2012/03/22(木) 16:20:16.16 ID:d3YrsIJK0
やよい「なになに?なんの話?」

みゆき「おっはよー!!」

なお「あたしがあかねの家に泊まった話」

やよい「えー?いついつ?」

あかね「昨日や」

みゆき「へー、そうなんだぁ!」

あかね「いやー、びっくりしたでぇ。いきなりなおが本棚からでてきたからなぁ」

みゆき「お泊り会とか楽しそう!!今度、みんなでやろうよ!!」

やよい「いいね」

なお「あたしは遠慮するよ」

みゆき「なんでー!?」

なお「友達とは言え、他人の家で寝るのって意外と疲れるから」

あかね「そうなん!?」

なお「勿論、楽しいけど大人数で泊まったり、頻繁に外泊するのはちょっとね」

れいか「……」

59: 2012/03/22(木) 16:28:08.93 ID:d3YrsIJK0
あかね「そうかぁ……」

みゆき「なら、なおちゃんの家に私たちが泊まれば!!」

なお「ダメダメ。こっちは家族が多いから」

みゆき「あぁ……そっかぁ……」

やよい「じゃあ、なおちゃん」

なお「なに?」

やよい「今度は私の家に泊まってください!!」

なお「ど、どうして?!」

やよい「えっとね……。美術コンクールに絵を出そうと思って……それで、モデルはなおちゃんがいいなぁって」

なお「別に学校でもいいし、あの図書館でやっても」

やよい「パジャマ姿とかがいい!!」

なお「あ……そうなんだ」

やよい「うん」

なお「か、考えとくよ」

やよい「約束だよ!!」

63: 2012/03/22(木) 16:36:15.65 ID:d3YrsIJK0
昼休み

みゆき「なおちゃん、なおちゃん。今度は私の家に来てほしいなぁ」

なお「もう、みゆきまで」

やよい「だめー!今度は私の家でお泊りするんだからぁ!」ギュゥ

みゆき「はっぷっぷー、なおちゃんはやよいちゃんのものじゃないでしょー?」ギュゥゥ

なお「こら、二人とも離して」

あかね「なお。またいつでもええから泊まりにきてなー」

なお「はいはい」

みゆき「あー!!あかねちゃんだけ特別なの?!」

やよい「ずっるーい!」

あかね「へへへ」

なお「特別って1回泊まっただけでしょ」

れいか「……私はなおと何度も寝ていますが?」

みゆき「え?」

れいか「それどころか、お風呂にだって一緒に入ったことがあります」

64: 2012/03/22(木) 16:43:37.83 ID:d3YrsIJK0
なお「れいか?何言ってるの?」

みゆき「そーなの!?」

なお「まぁ、小学校を卒業するまではね」

やよい「洗いっことかしたの?!」

なお「えっと……」

れいか「隅々までしました。ね?」

なお「へ、変な言い方はやめてよ!!」

あかね「隅々までって……」

れいか「私は、なお自身が知らないところまで見ていますから」

みゆき「知らないところ……?」

やよい「それ、どこになるの?」

れいか「なおのあれはとても可愛いのです……」

なお「れいか!!」

あかね「あれってなんやねん!!」

なお「あかねも興味もたなくていいから!!」

65: 2012/03/22(木) 16:49:23.30 ID:d3YrsIJK0
放課後 通学路

なお「もう、れいか。ああいう言い方はないよ」

れいか「ごめんなさい。ちょっとムキになっちゃって」

なお「どうして?」

れいか「それは……」

なお「もう……」

れいか「やよいさんの家に泊まるの?」

なお「約束しちゃったしね」

れいか「……私の家にはこないの?」

なお「え?いや、行ってもいいけど、何度も泊まってるじゃない」

れいか「でも、最近は一度もなかったわ」

なお「泊まる理由がないし」

れいか「あかねさんの家に泊まったのには訳があるの?」

なお「それを言ったら、れいかがいつもあたしの家に来る理由もないでしょ?」

れいか「それは……そうだけど……」

68: 2012/03/22(木) 17:03:22.73 ID:d3YrsIJK0
夜 緑川宅

パァァァ

れいか「よっと」

なお「……ふわぁぁ」

れいか「……」

なお「ふーん、今度はキャベツが安くなってるんだ……」ペラッ

れいか「なお?」

なお「なに?」

れいか「お風呂……」

なお「入らない」

れいか「私の家で」

なお「だから、一緒には入らないって」

れいか「どうして?」

なお「もう中学生だし、恥ずかしいでしょ?」

れいか「私は別に……」

71: 2012/03/22(木) 17:09:15.62 ID:d3YrsIJK0
翌朝 通学路

なお「……」スタスタ

れいか「なお。おはよう」

なお「おはよう」

れいか「ほら、またネクタイ緩んでる」

なお「あーもう……」

れいか「よいしょ。これでよし」

なお「苦しいのにぃ」

れいか「ダメよ。ちゃんとしてないと」

なお「小姑みたいだよね」

れいか「それは酷い言い方ね」

なお「ホントのことでしょ?」

れいか「なおっ!」

なお「早く行こうよ」

れいか「あ、ちょっと」

72: 2012/03/22(木) 17:13:48.19 ID:d3YrsIJK0
学校 教室

れいか「いい?なおは人気があるんだからちゃんとしておかないと」

なお「はいは―――あれ?」

れいか「どうかした?」

なお「机にラブレターが入ってた」

れいか「……」ピクッ

なお「誰からだろう……?」ペラッ

れいか「……」

なお「女の子みたいだ……。差出人の名前はなしかぁ」

みゆき「おっはよー!!なおちゃーん!!」ギュゥゥ

なお「よしよし、おはよう」ナデナデ

みゆき「えへへ~。ん?その手紙なに?」

なお「ラブレター」

みゆき「す、す、すごーい!!!だ、だれから?!」

なお「女の子っぽいね。名前は書いてないから誰か分からないけど」

73: 2012/03/22(木) 17:19:24.51 ID:d3YrsIJK0
やよい「えー?!」

あかね「ラブレターやとぉ!?」

なお「声が大きい!!」

あかね「あ、ごめん」

なお「もう」

みゆき「で、なおちゃん、どうするの?」

なお「勿論、断るよ」

れいか「そうなの?」

なお「気持ちは嬉しいけど、付き合えないでしょ?」

れいか「でも、愛があれば性別なんて……」

なお「何言ってるの?」

やよい「でも、そういう関係って憧れるよね~」

みゆき「うんうん」

なお「あたしは憧れない」

れいか「……」

74: 2012/03/22(木) 17:28:32.91 ID:d3YrsIJK0
放課後

「あの……私……」

なお「ごめんね。あたしのこと好きなのはよくわかったけど、付き合うことはできない」

「……」

なお「でも、あたしのことを好きって言ってくれた貴女となら友達になれると思う」

「緑川さん……」

なお「あたしも貴女のことを好きになるよ。だから、これからもあたしのことを好きでいてほしい」

「はい……」

みゆき「おぉー」

やよい「なおちゃん……ジゴロ」

あかね「なるほどなぁ……」

れいか「なおはいつもああいう風に断るの」

あかね「そっか……」

みゆき「なおちゃん……」

やよい「……」

76: 2012/03/22(木) 17:38:08.47 ID:d3YrsIJK0
ふしぎ図書館

なお「んー……」

やよい「なおちゃん、いつ泊まりにきてくれる?」

なお「え?そうだね。どうしようか……」

やよい「いつでもいいけど……」

なお「じゃあ、また連絡するよ」

やよい「うん、わかった」

みゆき「なおちゃーん、私の家にもきてよー!!」

なお「わかってるって」

あかね「ウチの家にもな!」

なお「わかったわかった」

れいか「……」イラッ

なお「れいか?どうかした?なんか怖い顔になってるけど?」

れいか「いいえ。なおは本当に人気があっていいなぁっと」

なお「れいかだって男子からモテモテじゃない。そっちのほうが羨ましいよ」

77: 2012/03/22(木) 17:44:03.66 ID:d3YrsIJK0
数日後 黄瀬宅

やよい「よいしょ……よいしょ……」パタパタ

パァァァ

なお「よっと」

やよい「なおちゃん!!」

なお「来たよ」

やよい「わーい!わーい!」

なお「で、何するの?」

やよい「パジャマは?」

なお「あるけど」

やよい「着替えて着替えて」

なお「もう?」

やよい「早速、絵を描きたいの」

なお「ああ、そうなんだ。うん、じゃあ着替えるね」スルスル

やよい「……」ドキドキ

81: 2012/03/22(木) 17:49:39.63 ID:d3YrsIJK0
なお「……こうしてお茶を飲んでたらいいの?」

やよい「うん、自然にしてて。そのままのなおちゃんを描きたいの」

なお「ふーん」

やよい「……」カキカキ

なお「……」ジーッ

やよい「……」チラッ

なお「ん?」

やよい「わぁぁ!?なんでこっちみてるの?!」

なお「いや、やよいちゃんがすごく楽しそうだから」

やよい「え?」

なお「何かに没頭してる人、結構好きだから」

やよい「そ、そうなんだ……」ドキドキ

なお「ほら、続けて」

やよい「う、うん……」カキカキ

なお「ふふ……」

82: 2012/03/22(木) 17:56:02.64 ID:d3YrsIJK0
やよい「……」カキカキ

なお「……」

やよい「……」チラッ

なお「……」

やよい「わわっ……」

なお「どうしたの?」

やよい「ね、ねえ……あの……」

なお「なに?」

やよい「お、お風呂……どうする?」

なお「できたら入りたいけど」

やよい「あ、あのね……一緒にはいる……?」

なお「どうして?」

やよい「水道代、もったいないし……なんちゃって……」

なお「まぁ、別にいいけど」

やよい「ほ、ほんとにぃ?!」

83: 2012/03/22(木) 18:01:39.48 ID:d3YrsIJK0
なお「やよいちゃんの家の事情があるなら、仕方ないかな」

やよい「じゃあ、今すぐはいろう!!」

なお「え?絵は?」

やよい「もうなんか大体完成したからぁ!!」

なお「あ、そうなんだ」

やよい「いこいこ、こっちだよ」

なお「はいはい」

やよい「ふんふーん」ルンルン

なお「嬉しそうだね。そんなにあたしとお風呂に入りたかったの?」

やよい「え!?ううん!!そういうんじゃないよ!!」

なお「そうなんだ」

やよい「うんうん!!」

なお「そうだ。背中、流してあげるよ」

やよい「えぇぇぇ!?!?!―――ありがとう」

なお「代わりにあたしの背中も流してね」

84: 2012/03/22(木) 18:07:22.72 ID:d3YrsIJK0
浴室

なお「ふー……温まるね」

やよい「なおちゃん……洗い方上手だね……」

なお「え?ああ。弟たちの面倒もよく見るから」

やよい「そうなんだ……」

なお「うん」

やよい「……」チラッ

なお「はぁ~」

やよい「なおちゃん……」

なお「なに?」

やよい「女の子に告白されるってどんな気分なの?」

なお「どんなって……」

やよい「気持ち悪いとか思っちゃう?」

なお「そこまでは思わないけど、でも理解の外だよね」

やよい「そうなんだ……」

85: 2012/03/22(木) 18:18:21.50 ID:d3YrsIJK0
なお「やよいちゃんも女の子に告白されたの?」

やよい「ううん!!違うの!!ただの興味本位だから!!」

なお「そっか」

やよい「ふぅ……」

なお「でもさ、正直なところそういうのってただの勘違いなんじゃないかなって思うよ」

やよい「勘違い?」

なお「好きにも色々あるからね。あの人はかっこいいから好きとか、優しいから好きとか」

やよい「……恋人として好きとか?」

なお「うん。だけどさ、あたしに告白してくる子はそういう好きじゃないんだと思う」

なお「ただ、理想のタイプがあたしに似ていただけで、好きというよりは憧れに近いんじゃないかな」

やよい「憧れ……」

なお「そんな気分で付き合っても、きっと途中で冷めるだろうし、嫌な思いしかしないと思うから」

やよい「じゃあ、なおちゃんは相手が本当に自分のことが好きなんだって分かれば、付き合っちゃうの?」

なお「あたしに特定の相手がいなければ考えるかもね」

やよい「なるほど……」

87: 2012/03/22(木) 18:23:54.59 ID:d3YrsIJK0
やよいの部屋

なお「さて、もう寝ようか」

やよい「うん。あ、一緒にねよ。折角だし」

なお「いいの?」

やよい「ぜんっぜん!」

なお「それじゃあ……」モゾモゾ

やよい「なーおちゃーん♪」ギュゥ

なお「なになに?!」

やよい「なおちゃは私の抱き枕なのー」

なお「抱き枕って……」

やよい「なおちゃん、かっこよくて、つよくて、やさしくて……」

なお「はぁ?」

やよい「だーいすき♪」

なお「ありがとう。あたしもやよいちゃんのこと大好きだよ?」

やよい「うれしい……」ギュッ

91: 2012/03/22(木) 18:39:07.44 ID:d3YrsIJK0
翌朝

なお「ん……?」

やよい「すぅ……すぅ……」

なお「今……何時……?」

なお「うわぁぁぁ!!?!?!」ガバッ

やよい「ふぇ?どうかしたぁ……?」

なお「もう7時半だよ!!」

やよい「えぇぇ!?―――普通じゃないの?」

なお「いや、あたしの家からだと微妙なんだ!!目覚ましかけたと思ったのに……?!」

やよい「あ、じゃあ、私の家からいけばいいよ」

なお「んー……直接学校の図書室にいくのもアリだけど」

やよい「でも、朝の図書室は人が多いから」

なお「そうだね……」

やよい「ここから私と一緒にいこ」

なお「そうしようか。じゃあ、待ってて、すぐに着替えてくるから!!」

95: 2012/03/22(木) 18:45:25.47 ID:d3YrsIJK0
通学路

れいか「……」ソワソワ

なお「……」スタスタ

れいか「あ―――」

やよい「なーおちゃーん」ギュゥ

なお「やよいちゃん、歩きにくいから」

やよい「えへへ~」

なお「もう……」

れいか「……なお、おはよう」

なお「れいか、おはよう」

やよい「おはよう、れいかちゃ―――」

れいか「……」ギロッ

やよい「ひぃ!?」ゾクッ

れいか「仲がよろしいのですね?」

なお「昨日、やよいちゃんの家に泊まってね。で、寝過ごしたからやよいちゃんの家から一緒に来たんだよ」

97: 2012/03/22(木) 18:50:56.95 ID:d3YrsIJK0
れいか「直接、学校に行けばよかったんじゃ」

なお「でも、この時間帯は人が多いから」

れいか「……」

やよい「えっと……」

れいか「ともかく、やよいさんはなおから離れてください」

やよい「は、はいぃ!!」

なお「どうかしたの?」

れいか「ネクタイ、緩んでる」

なお「おぉ……」

れいか「もう、私が―――」

やよい「私が―――」

れいか「……」ジロッ

やよい「ひぃ!?」

れいか「よいしょっ……とぉ!!!」キュッ

なお「ぐるじぃ?!」

98: 2012/03/22(木) 18:54:33.14 ID:d3YrsIJK0
学校 教室

なお「酷い目にあった……」

あかね「なーお。どしたん?」

なお「おはよ」

みゆき「なおちゃーん、やよいちゃんの家にお泊りしたのー?!」

なお「したよ」

あかね「たのしかった?」

なお「まぁね」

やよい「おかげでいい絵がいっぱいかけたの!」

みゆき「みせてー」

やよい「どーぞ」

れいか「なお?やよいさんに変なことしなかった?」

なお「変なことってなによ?!」

やよい「なおちゃん、また一緒にお風呂はいろーね♪」

れいか「!?」

99: 2012/03/22(木) 18:58:40.00 ID:d3YrsIJK0
なお「まぁ、機会があれ―――」

れいか「なお」

なお「え?」

れいか「ちょっと」

なお「なになに?」

れいか「いいから」グイッ

なお「れいか?!どうしたの!?ねえ!?」

あかね「やよい、なおと風呂はいったんかぁ!?」

やよい「うん。なおちゃんのお肌、すごくすべすべだったよ」

あかね「あー!!羨ましい!!!」

みゆき「この絵、すごく素敵っ!!なおちゃんの良さが前面に出てるきがするー」

やよい「普段のなおちゃんを描いてみたの」

あかね「ほー、傑作やなぁ」

みゆき「この絵ちょーだい!!」

やよい「だめだよー!!」

102: 2012/03/22(木) 19:04:34.41 ID:d3YrsIJK0
廊下

れいか「なお……」

なお「なによ?」

れいか「やよいさんのこと……好きなの?」

なお「好きは好きだけど」

れいか「私よりも?」

なお「そんなの比べられないって」

れいか「……」

なお「どうしたの?変だよ?」

れいか「……今晩、私の家に泊まりにきてほしいんだけど」

なお「どうして?」

れいか「どうしてもっ!!」

なお「……」

れいか「……」

なお「う、うん……そこまで言うなら、行くよ……うん……」

105: 2012/03/22(木) 19:15:39.50 ID:d3YrsIJK0
昼休み

みゆき「なおちゃーん!!」

れいか「……」グイッ

みゆき「おぉぉ!?」

れいか「食事中はお行儀よくしてください?」

みゆき「は、はい……」

あかね「なおー。今度はいつ泊まりにきてくれるん?」

なお「そうだね―――」

れいか「今日は私の家でお泊りです」

やよい「そうなの?!」

なお「それ、今言うことじゃないでしょ!?」

みゆき「はっぷっぷー、れいかちゃんずるい!!次は私のは―――」

れいか「え?」ギロッ

みゆき「ひっ?!」

なお(れいかの様子が変だ……。何かあったのかな……?)

106: 2012/03/22(木) 19:20:33.32 ID:d3YrsIJK0
放課後 通学路

れいか「じゃあ、9時ごろに来てね」

なお「れいか、今日は本当にどうしたの?」

れいか「……」

なお「ずっと苛々してない?」

れいか「してません」

なお「してるよ。あたし、なおのことならなんでも分かるんだよ?」

れいか「……っ」

なお「もし、あたしに原因があるなら―――」

れいか「……うそつき」

なお「え?」

れいか「何も分かってない」

なお「れいか……?」

れいか「なおは私のことなんてなにもわかってない!!」

なお「なにいってんの?」

108: 2012/03/22(木) 19:25:33.79 ID:d3YrsIJK0
れいか「……」

なお「れいか?」

れいか「私は……」

なお「わかったよ。今日の夜9時にいくから」

れいか「うん……」

なお「もう、変なれいか」

れいか「……」

なお「どうしたの?帰ろうよ」

れいか「ええ……」

なお「ほら、昔みたいに手を繋いでさ」

れいか「いいです」

なお「れいか、待ってよ」

れいか「ふんっ」スタスタ

なお「れいかってばー」

109: 2012/03/22(木) 19:32:13.01 ID:d3YrsIJK0
公園

「すきだよー」

「わたしもー」

イチャイチャ……

ウルフルン「……どいつもこいつも腑抜けた面ばかりだなぁ、おい」

ウルフルン「その夢を一瞬にして闇に染めてやるぜ!!!」

ウルフルン「この世界をバッドエンドに変える!!!」

ゴォォォ……

「どうせ一年で別れるし……恋人なんていらない」

「元カレのほうがよかった……」

「二次元がいい」

「独身のほうが楽だし……」

ウルフルン「ウルッフフ!!人間の発したバッドエナジーがピエーロ様を蘇らせる!!」

ウルフルン「ウルッフフ!!ウルッフフフ!!!」

112: 2012/03/22(木) 19:36:45.46 ID:d3YrsIJK0
緑川宅

なお「れいか……どうしたんだろう」

パァァァ

なお「ん?」

みゆき「なおちゃん!!急いで!!」

なお「どうしたの?」

キャンディ「バッドエンドに変わったところがあるクル~!!」

なお「え!?」

みゆき「はやく!!」

なお「わかったよ!!」

みゆき「たいへんだー!!たいへんだー!!」ギュゥゥ

なお「くっつくな!!」ググッ

みゆき「はにゃくいきょぉぉ!!」

なお「ああ、もう!!」

キャンディ「みゆき!!あそんでないではやくいくクル!!」

113: 2012/03/22(木) 19:42:30.46 ID:d3YrsIJK0
公園

ウルフルン「ウルッフフ……いいぞ!!」

みゆき「まって!!」

ウルフルン「あん?またか、お前か」

なお「あれ?!他のみんなは?!」

みゆき「キャンディが連れてくるよ!!」

なお「それまで二人で戦うの!?」

みゆき「うんっ!!」

なお「なんで!?」

みゆき「だって待ってたらもっと大変なことになるよ!?」

なお「……そっか」

ウルフルン「ふん。邪魔はさせねえぞ。―――いでよ!!アカンベェ!!!」ゴォォォ

アカンベェ「あかんべぇ!!!」

なお「みゆき!!」

みゆき「うん!!―――プリキュア!!スマイルチャージ!!!」

118: 2012/03/22(木) 19:50:35.38 ID:d3YrsIJK0
ハッピー「―――キラキラ輝く未来の光!!キュアハッピー☆」ピカーン

マーチ「―――勇気リンリン!!直球勝負!!キュアマーチ!!!」ゴォォ

ハッピー「恋人同士の幸せな時間を潰して、ゆるさないんだからぁ!!」

マーチ「ほんとだね」

ウルフルン「うるせえ!!何が恋人だ。虚勢を張るために恋人っていう肩書きが欲しいだけだろうがぁ!!」

アカンベェ「あかんべぇぇぇ!!!!」ブゥン

ハッピー「くっ!?」

マーチ「はぁぁぁぁ!!!」ダダダッ

ウルフルン「はっ!!」ドゴォ

マーチ「がっ?!」

ハッピー「マーチ!?」

アカンベェ「あかんべぇぇ!!」ガシッ

ハッピー「あぅ?!」

マーチ「しまった?!」

ウルフルン「さぁ、どうする?手を出せば、小娘は握り潰すぞ?」

119: 2012/03/22(木) 19:55:43.57 ID:d3YrsIJK0
アカンベェ「あかーんべぇぇ……!!」ギュゥゥ

ハッピー「あぐぅぅぅ……!!!」

マーチ「やめてぇ!!!」

ウルフルン「ウルッフフ……。じゃあ、大人しくキュアデコルをこっちに渡せ」

マーチ「それは……」

ウルフルン「やれ」

アカンベェ「……」メリメリ

ハッピー「あがぁぁ……!!!!」

マーチ「わかった!!渡す!!渡すから!!」

ウルフルン「そうだ……それでいい。ウルッフフ」

マーチ「……でも、ここにはないの」

ウルフルン「なに?」

マーチ「……今から持ってくるから」

ウルフルン「そんなの信じられるわけねえだろ。どうせ仲間を呼びに行くんだろ?」

マーチ「それは……」

121: 2012/03/22(木) 20:01:31.94 ID:d3YrsIJK0
ウルフルン「渡す気なんてないんだろう?」

マーチ「じゃあ、あたしが人質になるよ」

ウルフルン「はぁ?」

マーチ「ハッピーに取りに行かせる。それでいい?」

ウルフルン「いや、一緒じゃねーか」

マーチ「ハッピーは素直でいい子だよ」

ウルフルン「それがどうした?」

マーチ「言われたことは絶対に守る。それぐらいわかるでしょ?」

ウルフルン「……」チラッ

ハッピー「あぐぐ……!!!スマ、イル……スマイ、ル……!!」

ウルフルン「……よぉし。いいだろう。アカンベェ、そいつを放せ」

ハッピー「がっ……はぁ……はぁ……」

マーチ「大丈夫?」

ハッピー「なんとか……」

ウルフルン「人質交代だぁ!!小娘、てめえがキュアデコルを取りにいけぇ!!」

124: 2012/03/22(木) 20:05:13.22 ID:d3YrsIJK0
ハッピー「えぇ?!」

ウルフルン「仲間を連れてきてみろ。コイツはすぐに捻り潰す」

ハッピー「そ、そんなぁ!?」

マーチ「ハッピー……」

ハッピー「あの、あの……?!」

マーチ「頼んだよ」

ハッピー「う、うん!!まってて!!」ダダダッ

ウルフルン「ふん……」

マーチ「……」

ウルフルン「……」

マーチ「なによ?」

ウルフルン「仲間を信じるのか?」

マーチ「勿論だよ」

ウルフルン「くっだらねえなぁ、おい。お前はここで終わりだ」

マーチ「そんなことないよ……」

125: 2012/03/22(木) 20:09:06.15 ID:d3YrsIJK0
ふしぎ図書館

ビューティ「さ、行きましょう」

サニー「よっしゃ!!」

ピース「うん」

ハッピー「まって!!みんなぁ!!」

ビューティ「ハッピー?どうしたの?」

サニー「戦いおわったん?」

ハッピー「それが!!マーチが人質にされて!!キュアデコルを渡さないとマーチが……!!」

ピース「え……」

ビューティ「……ほう?」

サニー「なんやて……!?」

ハッピー「でも、みんなを連れてきたらマーチが捻り潰されちゃうって……」

キャンディ「たいへんクル!!キュアデコルを―――」

ビューティ「面白い。マーチを人質ですか……そうですか……」

ハッピー「ビューティ……?」

126: 2012/03/22(木) 20:16:56.71 ID:d3YrsIJK0
公園

「老後は介護士さんを雇おう……」

「恋人なんて金がかかるだけ……」

「俺は本当は男が好きなのに……」

「同性しか愛せない……でも……世間は認めてくれない……」

ウルフルン「ウッルフフ!!人間は本当にどうしようもないな!!」

マーチ「……」

ウルフルン「恋愛なんて心の発作みたいなもんだろう?!なぁ?!」

マーチ「……」

ウルフルン「相手に好意を寄せる。それは損得勘定でしかないだろう?」

ウルフルン「この相手と付き合えば、周囲の目を惹くことができる、贅沢ができる、体面が良く見える」

ウルフルン「人間はそうやって打算的に恋愛をしているにすぎん!!」

マーチ「……それは違うよ」

ウルフルン「あぁ!?」

マーチ「確かにみんな考えてる。でも、それは損得をじゃない。どうやったら相手が幸せになれるのか、それだけを必氏に考えてるだけだよ」

130: 2012/03/22(木) 20:23:56.95 ID:d3YrsIJK0
ウルフルン「ウルッフフ!!!バァーカ!!んなわけあるかぁ!!」

マーチ「……」

ウルフルン「損をする相手をわざわざ選ぶやつなんてこの世にいねーよ!!」

ウルフルン「借金抱えたヤツを生涯の相手に選ぶか?世間の目が厳しくなるような相手を選ぶか?」

ウルフルン「えらばねーだろ!!!なぁ!!!」

マーチ「……」

ウルフルン「ウルッフフ。友情も愛情もいっしょだ。得をするから傍にいる。それだけだろうが!!」

マーチ「違う。勇気がいるから、みんなは一歩踏み出せないだけ」

ウルフルン「勇気だぁ?」

マーチ「荒れた人生を共に歩んでいくだけの勇気が足りないだけなんだ」

ウルフルン「はっ!!でも、結局は選ばない。それは怖いからだろうが!!」

マーチ「そうだよ!!!」

ウルフルン「なっ!?」

マーチ「怖いよ。だって、自分のせいで相手がもっと不幸になるかもしれないんだから……」

マーチ「だから、みんなは尻込みする。でも、それは決して自分が損をするからじゃない!!好きだからこそ勇気が出ないんだぁ!!!」

133: 2012/03/22(木) 20:33:12.74 ID:d3YrsIJK0
ウルフルン「好きだからこそだと……?」

マーチ「そうだよ」

ウルフルン「ウルッフフ!!!何を言ってんだ。そこが既に打算的だってんだよ」

マーチ「だって……一緒になるって……家族になるってことだよ?」

ウルフルン「あ?」

マーチ「家族にはずっと笑顔でいて欲しいじゃない!!悲しむ顔を想像したら、勇気が萎むことだってある!!!」

ウルフルン「それが綺麗事だってんだよぉ」グッ

マーチ「くっ……」

ウルフルン「体の良いいい訳だなぁ?結局は自分が損しないように生きようとしているだけだろうがよ?」

マーチ「そうかもね……。うん……そうだ……」

ウルフルン「ウルッフフ……ようやく認めたか」

マーチ「あたしは直球勝負だ……。あたしが勇気を出さなきゃ……何を言っても、説得力なんてないよね……」

ウルフルン「あ?」

マーチ「―――れいかぁぁぁ!!!!大好きだよぉぉぉ!!!れいかぁぁぁ!!!あたし、れいかが一番好きだぁぁぁ!!!」

ウルフルン「なっ?!おい?!だまれ!!」

137: 2012/03/22(木) 20:39:54.20 ID:d3YrsIJK0
マーチ「ずっと言えなかった!!!怖かったから!!!女の子を好きなるなんておかしいってわかってたから!!!」

ウルフルン「おい!!!」

マーチ「でも、やっぱりあたしはれいかが―――」

ウルフルン「だまれ!!!」ドゴォ

マーチ「ごっ!?」

ウルフルン「てめえ……何を叫んでんだよ。気持ち悪い」

マーチ「あたしも勇気がなかった……でも、言わなきゃ……あたしが勇気を見せなきゃ、ハッピーエンドを守れない!!」

ウルフルン「こいつぅ……!!!もういい!!アカンベェ!!やっちまえ!!」

アカンベェ「あかんべぇ!!!!」メリメリ

マーチ「あぁぁ……!!!」

ウルフルン「ウルッフフ……!!くたばれ……!!!」

ビューティ「―――キュアデコル、もってきました。すぐにマーチを離しなさい」

ウルフルン「お?きたか……。って、あのハッピー娘はどうした?」

ビューティ「代理です。仲間はいません。貴方の要求通りのはずです」

マーチ「ビューティ……?!」

140: 2012/03/22(木) 20:47:41.90 ID:d3YrsIJK0
ウルフルン「先に渡せ。偽者かもしれねーからな」

ビューティ「……」ポイッ

ウルフルン「おぉ!!まさしく……!!」

ビューティ「さあ、早く」

ウルフルン「―――よし、アカンベェ。そいつを潰せ」

ビューティ「なっ!?」

アカンベェ「あかんべぇぇぇぇ!!!!!」ギュゥゥゥゥ

マーチ「あ゛ぁあ゛ああ゛ぁあ゛あぁ゛―――!!!!!」

ビューティ「マーチ!!!」

ウルフルン「ウルッフフフ!!!!だれが約束なんて守るか!!!間抜けがぁ!!!」

ビューティ「……」ピキッ

ウルフルン「さぁ、かえる―――な!?」

ビューティ「今頃、気づきましたか?―――間抜けな狼さん?」

ウルフルン「足が動かない……!?」

ビューティ「貴方の足下は完全に凍結させています。そこから動くのは骨でしょうね」

142: 2012/03/22(木) 20:51:43.67 ID:d3YrsIJK0
ウルフルン「いつの間に……!!!」

ビューティ「マーチに気を取られすぎましたね」

ウルフルン「ちっ……!!―――アカンベェ!!やっちまえ!!」

アカンベェ「あかん―――」

ビューティ「その汚い手をどけなさいっ!!!」ダッ

マーチ「え?」

ビューティ「でやぁああ!!!!」バキィィ!!

アカンベェ「あかんべぇぇ!?!?」

ドシィィィン!!

ビューティ「マーチ、大丈夫?」

マーチ「た、たすかったよ……」

ウルフルン「貴様……!!」

ビューティ「童話に出てくる狼は悉く間が抜けていましたが、貴方はそれに輪をかけて間抜けですね」

ウルフルン「なんだとぉぉ……!!!」

マーチ「ビューティ……こわい……」

144: 2012/03/22(木) 20:55:58.34 ID:d3YrsIJK0
ビューティ「みなさん!!アカンベェをお願いします!!」

ハッピー「う、うん!!」

ピース「やっちゃうよー!!」

サニー「そっちの狼はまかせたで!!!」

ビューティ「はい」

ウルフルン「ちくしょう……!!」ググッ

ビューティ「……」スタスタ

ウルフルン「足の裏が完全に凍って……くそ!!くそっ!!」

ビューティ「……」

ウルフルン「くっ!!足が動かなくても腕さえあれば―――」

ビューティ「ふっ!!!」ドゴォ

ウルフルン「ごほぉ!?!?」

ビューティ「……」

ウルフルン「ごっ……ごっほ……!?!」

マーチ「ビューティ……あの……」

146: 2012/03/22(木) 21:00:33.13 ID:d3YrsIJK0
ビューティ「はぁ!!!」ゲシィ

ウルフルン「ぎぃっ!?」

ビューティ「……」

ウルフルン「あっ……はぁ……ほっ……?!」ガクッ

ビューティ「立ちなさい」

ウルフルン「な……に……?」

ビューティ「膝をつくことすら許しません」グイッ

ウルフルン「がっ……!?」

ビューティ「はっ!!」ドゴォ!!

ウルフルン「おぉ!!おえっ?!ごほっ!!」

ビューティ「……」

ウルフルン「ま、まて―――」

ビューティ「ふんっ!!」ベキィ!!

ウルフルン「ぶっ!??!」

マーチ「顎に蹴り……うわぁ……」ガタガタ

147: 2012/03/22(木) 21:05:23.35 ID:d3YrsIJK0
ウルフルン「ぁぁ……!!ぅぅ!!!」

ビューティ「顎が砕けてはいつもの饒舌は出ませんか」

ウルフルン「……!!!」

ビューティ「なんですか?」

ウルフルン「ぉぉ……!!!ぃぃ!!!」

ビューティ「聞こえません。日本語でお願いします」

ウルフルン「ぁ……ぁ……ぉ……!!!」

ビューティ「もっと蹴ってほしいと?」

ウルフルン「がぁ……!!!」ブンブン

ビューティ「ふふ……」

ウルフルン「ぁぁぁぁ……!!!」

ビューティ「―――貴方にはバッドエンドすら生温いです」

ウルフルン「……!?!??!?!」

ドゴォ!!バキィ!!ボキィ!!

マーチ「あぁ……あ……」ブルブル

149: 2012/03/22(木) 21:09:47.93 ID:d3YrsIJK0
ビューティ「ふぅ……」

マーチ「あ……あぁ……」

ビューティ「マーチ、怪我はない?」

マーチ「な、ないよ……」

ビューティ「よかった……」ギュッ

マーチ「……」ガクガク

ビューティ「こんなに震えて……怖かったのね……可哀相に……」ナデナデ

マーチ「うぅ……」ブルブル

ハッピー「こっちは浄化できたよー」

ピース「やったね」

キャンディ「マーチも無事だし、よかったクル~」

ハッピー「うん!!ハッピーエンドだね!!」

ピース「わーい!わーい!」ピョンピョン

サニー「うわぁ?!なんやこれ?!血だらけの毛皮が落ちとるで?!」

ハッピー「きゃぁ!!気持ち悪い!?」

153: 2012/03/22(木) 21:13:35.97 ID:d3YrsIJK0
ふしぎ図書館

みゆき「今日もなんとかなったねー!!」

あかね「ちょっと危なかったけどな」

やよい「なおちゃん!!」

なお「な、なに?」

あかね「かっこよかったで?」

なお「え?」

みゆき「れいかー!!だいすきだぁー!!」

なお「きゃぁ!?それいわないで!!」

やよい「あんな告白されてみたいよねー」

あかね「ほんまやなー」

なお「やめてよー!!あれはちがうのー!!あれは勢いで……!!」

れいか「へー、違うんだ」

なお「……」

れいか「違うの?」

155: 2012/03/22(木) 21:17:59.16 ID:d3YrsIJK0
なお「えと……」

れいか「では、あの告白は嘘だったというわけね?」

なお「いや……その……」

れいか「どうなの?」

なお「えと……」モジモジ

れいか「私のこと……好き?」

なお「……うん」コクッ

れいか「私もよ、なお」

なお「……」カァァ

あかね「あーあ、やっぱ幼馴染には勝てんなぁ」

みゆき「いいなー……なおちゃん独り占めできて……」

やよい「……二人とも!!」

なお「え?」

れいか「なんですか?」

やよい「そのまま見つめ合ってて!!」

157: 2012/03/22(木) 21:22:17.80 ID:d3YrsIJK0
なお「……」

れいか「んー……」

なお「ちょっと!!近い近い!!」

れいか「もう……」

やよい「―――できたぁ!!」

あかね「どれどれ?」

みゆき「おぉ!!すっごーい!!」

なお「その絵……どうするの?」

やよい「背景に百合をいっぱい描いて、コンクールにだすよ!!」

なお「それは……!!」

れいか「やよいさん?」

やよい「え……やっぱりダメ……かな?」

れいか「―――優勝しないと許しませんよ?」

やよい「は、はいぃ!!」

なお「れいか?!」

159: 2012/03/22(木) 21:28:22.94 ID:d3YrsIJK0
夜 青木宅

なお「もうれいか!!あれはなんていうか……衆目に恥を晒すような絵だったよ?!」

れいか「いいじゃないの。なおと私の関係が公に晒されても、なおは胸を張ってくれるのでしょう?」

なお「ぐっ……」

れいか「勇気を出してくれるんでしょ?」

なお「そうだけど……」モジモジ

れいか「なお、こちらへ」

なお「……」

れいか「きっと私たちの関係を批判する人もいるでしょう。でも、私は貴女となら進んでいける自信があります」

なお「れいか……」

れいか「なお……お風呂、はいりましょう?」

なお「でも……はずか―――」

れいか「はいるわよね?」

なお「……うん」

れいか「ふふ……久しぶりね。嬉しい」ギュッ

162: 2012/03/22(木) 21:33:07.71 ID:d3YrsIJK0
浴室

れいか「やっぱり、一年も見てないと気づかないところが成長しているわね」

なお「ど、どこみてるの?!」

れいか「ほらほら、背中を洗ってあげるわ」

なお「もう……」

れいか「……」ゴシゴシ

なお「はぁ……れいかには逆らえないよ……」

れいか「ほんとに?」ゴシゴシ

なお「うん」

れいか「じゃあ……あー、手が滑ってしまいましたぁー」モミモミ

なお「ひゃぁああああああ!!!!!!」

165: 2012/03/22(木) 21:36:48.23 ID:d3YrsIJK0
れいかの自室

れいか「電気を消すわね」

なお「うん」

れいか「……もっとこっちに」

なお「う、うん……」モゾモゾ

れいか「どうしたの?震えてるけど、寒いの?」

なお「ううん……大丈夫」

れいか「そう……」

なお「……」

れいか「……」モゾモゾ

なお(あぁ……もうだめ……)

なお(あたし……もう……)

れいか「……」ゴソゴソ

なお「あ―――」

167: 2012/03/22(木) 21:40:16.65 ID:d3YrsIJK0
翌朝

れいか「ふぅ……もう朝ね」

なお「……」ピクピク

れいか「シャワー、浴びてくる?」

なお「……」ピクピク

れいか「……学校いけそう?」

なお「……」フルフル

れいか「そう……じゃあ……」

なお「ひっ?!」

れいか「今日は自主休校でいいわね、なお?」

なお「れいか……」ガクガク

れいか「……」

なお「あぁ……!!」

れいか「なーお……♪」

なお「もう……好きにして……」

171: 2012/03/22(木) 21:44:27.58 ID:d3YrsIJK0
数日後 朝 通学路

なお「んー……!!」

れいか「なお、おはよう」

なお「おはよう」

れいか「ネクタイ、緩んでるわよ」

なお「もう……」

れいか「……」キュッ

なお「……ありがとう」

れいか「……最近、気づいたけど。わざとでしょ?」

なお「?!」ドキッ

れいか「ふふ、気がついてないと思った?」

なお「……ふんっ」

れいか「私としてはずっと緩めててほしいけど」

なお「はいはい……」

れいか「さ、行きましょうか。手を繋いで、ね?」ギュッ

175: 2012/03/22(木) 21:48:46.54 ID:d3YrsIJK0
学校 廊下

ザワザワ……

なお「なんだろう?」

れいか「さぁ……?」

あかね「あ、ご両人!!こっちやこっち!!」

なお「え?なになに?」

「あ、あの人だ」

「会長の心を射止めた人?」

「サッカー部の緑川じゃん」

「まじでー!?」

なお(嫌な予感……)

れいか「なんですか……?」

みゆき「じゃーん!!!」

やよい「みてみてー!!私の絵『百合の花』が見事、大賞をとりましたー!!!」ムフー

なお「やっぱり!?」

178: 2012/03/22(木) 21:53:55.56 ID:d3YrsIJK0
あかね「ここまで堂々とされると、ぐうの音もでえへんなぁ」

みゆき「二人はほんとにウルトラハッピーだね!!」

やよい「やったね!!なおちゃん!!れいかちゃん!!」

なお「なにがやったね、なの?!恥ずかしいだけだよ?!」

れいか「なお?」

なお「うっ……!?」

れいか「勇気、出してくれるんでしょ?」

なお「……」

ザワザワ……

なお「わかった!!」

れいか「なお……」

なお「れいかー!!!だいすきー!!!」ギュッ

れいか「わたしもっ♪」ギュッ

「マジだった?!」

「私の緑川さんがぁー!!!」

181: 2012/03/22(木) 22:00:36.18 ID:d3YrsIJK0
昼休み

れいか「はい、あーん」

なお「あーん……」

みゆき「熱々すぎて近づけないね」

あかね「サニーファイヤーもびっくりやで」

やよい「また、二人の絵を描きたいなー」

れいか「やよいさん、ギャラは高いですよ?」

なお「はぁ……これからどうしよう……」

れいか「大丈夫よ。いつも通りで」

なお「え?」

れいか「だって、あれだけの勇気を見せてくれたんですもの。貴女は真っ直ぐ進めばいい」

なお「―――うん、そうだね。もう告白しちゃったし、悩んでもしかたないか」

れいか「ええ」

なお「勇気凛々直球勝負!!だもんねっ!―――れいか、好きだよ」

れいか「……なお。愛してるわ」
                            FIN

185: 2012/03/22(木) 22:02:33.23 ID:FIR93odE0
ウルフルンは犠牲となったのだ…幸せの犠牲にな……

187: 2012/03/22(木) 22:11:36.87 ID:r0UelxDd0

188: 2012/03/22(木) 22:12:21.60 ID:9zgeLvU40
オツデスワー

引用: キュアビューティ「マーチ、こちらへ」キュアマーチ「ん?」