アンギラス「なんだかんだでお前のことがうらやましいよ。円谷さんのとこに行って、いろんな怪獣として使ってもらえたんだろ？」

バラゴン「予算節約のために着ぐるみを改造されて、いろんな怪獣をやらせられるのがそんなにいいのか？　
　　　　　こっちとしてはいい迷惑だぞ。パゴスにネロンガ、マグラー、ガボラ…」

バラン「贅沢言ってんじゃねえぞ。着ぐるみ使いまわしてもらえるだけありがたく思え」

アンギラス「そうだぞ。それだけお前の元の造形が優れている証拠なんだからな」

バラゴン「そうは言うがな、俺自身の個性が活きないから改造はちょっと嫌なんだよ。
　　　　　つーかアンギラス、お前はこのメンバーの中で一番キャラ立ってていろんな人に知ってもらえているだろ」

バラン「…俺なんて一度は主役怪獣だったのに…」

クモンガ「チーッス」

カマキラス「うーっす」

アンギラス「主役になれたってことが俺らからすればうらやましすぎるよ」

バラゴン「全くだ。俺の初登場は完全にフランケンシュタインの野郎に食われちっまたし」

アンギラス「フランケンシュタインならまだマシだろ。俺なんてゴジラと共演ってだけで主人公になれないのは確定事項だぞ」

バラン「主役の映画っていってもな、空の大怪獣ラドンの後なのに、白黒なんだぞ」

バラゴン「…そりゃあ、不憫だな…。ラドンはカラー映画なのに…」

バラン「ゴジラより兇暴！！　ラドンより巨大！！　って予告では謳われていたのに…」

アンギラス「実際の映画じゃ全然…」

バラゴン「しかもお前、よく考えたら明確な大きさや重さの設定がないんだよな」

バラン「そうなんだよ…。おかしい、こんなことは許されない」

アンギラス「死に方も照明弾を食うという習性を利用されて、特殊火薬をごっくん、そのまま体内からドッカーンだもんな」

バラン「他の怪獣と戦ったことないんだぜ、俺…」

バラゴン「なんかもう洒落ににならん不遇っぷりだな」

バラン「つーか、俺を倒した特殊火薬を作った、科学者を演じたのは、平田昭彦さんだからな」

アンギラス「またあの人か。最強すぎるだろ。初代ゴジラを倒した、オキシジェンデストロイヤーを作った芹沢博士を演じたのも、
　　　　　　平田昭彦さんだし」

バラゴン「ウルトラマン最終回でゼットンを倒した無重力弾を作った、岩本博士を演じているのも平田昭彦さんだからな」

バラン「個人的にモスラの存在が許せない。あいつ俺より後に出てきたくせに人気出やがって…。平成3部作なんかも制作されるし」

アンギラス「あいつは強いからな…。ゴジラ相手に何度も勝ってるし」

バラゴン「まあ仕方ないよ。人気怪獣だし…」

バラン「大怪獣総攻撃のときは、元々俺たちが護国三聖獣として出て、ゴジラと戦う予定だったんぜ？」

アンギラス「…結局、モスラとキングギドラに出番を奪われてしまったしな…。お前がうらやましいぜ、しっかり出演できて」

バラン「ホントだよ。俺は婆羅陀魏山神（ばらだぎさんじん）っていう神としての名まであるんだぞ。それなのに…」

バラゴン「どこがうらやましいんだ。モスラやキングギドラより先に覚醒して、最初にゴジラと戦うのはいいが、蹴られまくって、
　　　　　熱線を食らって爆発する簡単なお仕事だぞ。設定じゃゴジラの熱線に耐性があるってなってんのに…」

アンギラス「出番があっても、そういう役ってのは考え物だよな…」

バラン「それでも出番があるだけマシだろ。俺なんて、俺なんて…」

バラン「怪獣総進撃のDVDのパッケージを見てみろよ…」

アンギラス「しっかり俺は写っているな。ゴジラと大体同列だ」

バラゴン「俺もだ。ゴジラと同列、しかも真横だな」

バラン「じゃ、俺は？」

バラゴン「えーと、あれ？」

アンギラス「いや、ちょっと待って…」

バラン「ここの方を見てくれ…」

アンギラス「うわ、すごく小さく写ってる…」

バラゴン「さすがにこれはちょっと、目立たなさすぎでしょ…」

バラン「いくらなんでも、俺の扱いひどすぎないか？　本編でもちらっと出ただけだし…。ハァ…」

アンギラス「ま、まあ、さっきお前平成になってから出番ないって言ってたけど、確かファイナルウォーズに出てたじゃん」

バラゴン「そ、そうだよ、俺みたいに瞬殺されるよりマシだろ？」

バラン「…ファイナルウォーズでの俺の出番は、オープニングに過去の流用映像がちらっとあるだけだぞ…。
　　　　そんなもん出番と言えるのか？」

バラン「お前はたちいいよなぁ どうせ俺なんか…。もう主演作もリメイクもないんだよ…。アンギラス、
　　　　お前はファイナルウォーズで現代風にリアファインされて、めちゃくちゃ活躍してたし…」

アンギラス「お、おう…」

バラゴン「おい、やべえよ。もろに地雷踏んじまったぞ…」ﾎﾞｿﾎﾞｿ

アンギラス「フォローの言葉が思いつかねえよ…」ﾎﾞｿﾎﾞｿ

バラン「くそ、ゴジラやモスラ、ラドンと同じで単独主演作があったんだぞ…。それなのに、それなのに…。
　　　　あいつらは東宝特撮三大怪獣とか呼ばれて、ゴジラに至っては世界的スーパースター。なのに俺は…」

バラゴン「へこみまくってんな…」

アンギラス「下手に主演を務めた分、現在の不遇が堪えるんだろうな…。ここら辺は俺たちには分からない苦しみだ」

？？？「よお、お前ら。先に集まってたんだな」

アンギラス「おお、ゴジラ、久しぶりだな！！」

ゴジラ「ファイナルウォーズ以来か、バラゴンも元気そうで何よりだ」

バラゴン「お前とはGMK以来だな…」

ゴジラ「お前は、…バラン！？　何十年ぶりだ、おい！！　怪獣総進撃で会ったきりじゃねえか！！」

バラン「うるせえ、こっちはな、お前みたいな日本一有名な怪獣と違って、ずっと、ずっと…」

敵怪獣で最強なのってスペゴジ？

それでも俺はラドンが好きです

ゴジラ「まあまあ、そう気を落とすな。50年代に主役をやったお前は歴史に残る、立派な名怪獣だ」

バラン「けどな、俺はずっと出番がないんだぞ…」

ゴジラ「出番が無かったらどうした。お前は陸海空どこでも戦える個性を持っているんだ。それを大切にするべきなんだ。
　　　　逆に考えてみろ。下手にお前の出た映画がたくさん制作されなかったおかげで、今の地位があるのかもしれんぞ？」

バラン「今の、地位…？」

ゴジラ「そうだ。俺は主演作が多いが、そのせいで設定や役割がいろいろ変えられて大変なんだ。元恐竜だったり、怨霊だったりな。
　　　　それに出番が多いと、妙な役をやらされたりする。シェーをさせられたりな。けれど、お前はそういったこととは無縁だろ？」

バラン「確かにそうだけど…」

ゴジラ「主演作からずっと、お前は今のキャラクター性を保っていられるんだ。これは逆に考えたらすごいことだぞ。
　　　　最初の映画が、歴史に残る名演技だったってことだ。お前は数より質だ。怪獣には、そういう個性が重要なんじゃないかな？」

バラン「そうだよな、よく考えれば、下手に他怪獣のかませ犬や、やられ役になるより、今のままの方がずっといいよな…」

アンギラス「そうだぞ。俺なんて昭和の最後の出演作じゃ、メカゴジラに顎を裂かれて、そのままフェードアウトだ。
　　　　　　ファイナルウォーズでも、ギャグのノリでサッカーボールにされて、そのままKOだし…」

バラゴン「熱線2発で死んだ不遇怪獣に比べれば、お前はずっと輝いている。かっこいい神の名を持つ怪獣なんて、素晴らしいだろ？
　　　　　バラノポーダーっていう学名まであるし…」

バラン「そうだよな、俺、頑張る…！　うまくいけば、また銀幕に帰れるかもしれない…！」

ゴジラ「その意気だ。お前は自分の個性をもっと信じるんだ。むささび怪獣なんて、多分日本でもお前だけだ！！　
　　　　それをもっと誇れ！！」

アンギラス「…さすがだな、ゴジラの奴…。上手くバランの気分を盛り立てている…」

バラゴン「そういうことができるから、スーパースターなんだよな…。現にゴジラと戦った怪獣は、たいていの場合人気が出る…。
　　　　　それはゴジラが相手を立てるのが上手だからだろうな…」

ラドン…相棒
モスラ…親友
アンギラス…舎弟

モスラ「久しぶりー！！　みんなー！！　元気そうで何よりだよ！！」

ゴジラ「おお、お前も来たのか。もうみんな集まってるぜ」

モスラ「アンギラスさんとはファイナルウォーズ以来だね！　あのときは共闘できなかったけど、
　　　　現場でいろいろ語り合えてよかったよ」

アンギラス「お前との話は、こっちとしても参考になる部分が多々あったよ」

モスラ「バラゴンさんとはGMKのときに共演したね！！」

バラゴン「まあ、俺たち2頭ともあの白目ゴジラにはほぼフルボッコにされたけどなw」

ヘドラが怖かったな

モスラ「えーっと、すみません、どちら様？」

バラン「…おい、おい。それはねえだろ。一応お前の先輩だぞ…」

モスラ「え？　私より先に出たんですか？　何の映画？　脇役怪獣ですか？」

バラン「うるせえ！！　主演映画があったんだよ！！　お前が銀幕デビューする3年前にな！！」

モスラ「…え？　嘘？　だって私、全然あなたのこと知らないよ？」

バラン「言っとくがな、俺はお前と怪獣総進撃のときに共演しているからな！！」

モスラ「…ああ、思い出した！！　みんながキングギドラさんと戦っているのに、
　　　　あなたは小さいのがちらっと出てきただけだったね！！」

バラン「おお、もう…」

ゴジラ「その辺にしておけ、モスラ。あまり先輩のことをdisるのは感心しないぞ」

アンギラス「そうだ。人気のない怪獣の気持ちも考えろ」

バラゴン「あいつは地味すぎるんだし…」

バラン「お前らもたいてい酷いな、おい！」

モスラ「はうう…。ごめんなさい、バランさん…」

バラン「…もういいよ。お前の言ってることは大体事実だしな…」

モスラ「ですよねー。私間違った事言っちゃたのかと思った！」

バラゴン「いや、そこでそうやって思いっきり肯定するのはどうかと…」

アンギラス「相変わらずいい性格しているよ、お前」

ゴジラ「すまんな、バラン…。モスラのこういった所は諭してもなかなか直せなくて…」

バラン「もういいよ…」

バラゴン「ああー、そういや、ラドンとかは今日どうしたんだ？」

アンギラス（強引に話題を切り替えたか…。この状況ではそれが一番いいな。俺も乗ろう）

アンギラス「そうだよ。ラドンがいないのはさびしいぜ」

ゴジラ「ラドンは今日用事だ。福岡の岩田屋にいる」

バラゴン「じゃあキングギドラは？　GMKのときから顔見てないし、また会っておきたいんだが…」

モスラ「ギドラさんは富士の裾野にいるみたいだよ。金星の文明を3日で滅ぼしたんだけど、
　　　　その疲れが出たからちょっと休みたいんだって」

アンギラス「ガイガンは？　あいつとはぜひもう一度話がしたいんだが…」

ゴジラ「体に埋め込まれたメカの調子が悪いみたいだから、今修理中だ。だから来れない」

バラン「ゴロザウルスは？　怪獣総進撃のときに仲良くなれたから、また顔を合わせたいんだが…」

モスラ「キングコングと戦う系の用事があるんだって」

バラン「そうか。しかし、ゴロザウルスと俺は本当に馬が合った。あいつとは地味同志だし…」

モスラ「けどゴロザウルスさんは怪獣総進撃で活躍してるよね。ギドラさんにキックしたし」

バラゴン「全くだ。ただ出てきた俺たちとは違う。どうして差がついたんだか…」

アンギラス「そうはいうが、あいつ、俺たち以上に日の目を見てないだろ」

ゴジラ「同じ恐竜系怪獣としては、さびしいな…」

モスラ「そういや、バラゴンさんもバランさんも設定上は恐竜の生き残りだよね」

バラゴン「そうだぜ。バラナスドラゴンってのが俺の正式名称だ」

アンギラス「そういうのはいいよなあ、あこがれるぜ。ゴジラにも大戸島の伝承じゃ呉璽羅って漢字表記があるし、
　　　　　　モスラもGMKじゃ最珠羅っていう名があったよな。普通にカタカナだけの俺にはものすごくかっこよく見えるぜ」

バラン「マンダはどうした？　あいつも怪獣総進撃のとき、ギドラと戦ってなかったという俺の友なんだが…」

ゴジラ「自主トレ中だ。今度こそ轟天号に勝ちたいんだとよ」

アンギラス「キングシーサーは？　あいつ俺がメカゴジラにやられた後に出てきて、ゴジラと一緒に戦ってたんだけど…」

モスラ「沖縄で眠っているわ。力を大分使ったから、もうしばらく休憩したいんだって」

バラン「カマキラス、クモンガ、エビラ、チタノザウルス何かは？」

ゴジラ「ああ、実はそいつらとは連絡が取れなかったんだわ…」

バラン「マジで！？　無事だといいんだけど…」

モスラ「ヘドラは最近環境への意識が高まったから、自分の出番はもうなくなったって言ってたし…」

ゴジラ「ビオランテ、スペースゴジラ、デストロイア、オルガ、メガギラスなんかの平成組は一匹狼気質だし、
　　　　こういう集まりには基本参加しないからなあ」

モスラ「メカニコング、モゲラ、ジェットジャガー、メカゴジラなんかのロボット組も生物と一緒の集まりに参加するのは嫌みたいよ」

ゴジラ「他にも、ダガーラやデスギドラ何かとも連絡が取れないな。フランケンシュタインは、
　　　　サンダ、ガイラの双子怪獣と幸せに暮らしている。キングコングはアメリカでの仕事で忙しい」

バラゴン「フランケンシュタインが幸福そうで何よりだ。一応俺のライバル的ポジションの奴だし」

モスラ「そういやさ、みんなどんな必殺技が使えるの？」

ゴジラ「俺はやっぱり放射熱線だな。平成に入ってからは熱線の色を青から赤に変えた強化版や、接近戦の奥の手、体内放射がある」

モスラ「体内放射は強烈だよね。私も鱗粉フィールドをぶっ飛ばされちゃったよ」

アンギラス「俺はファイナルウォーズのときに暴龍怪球烈弾（アンギラスボール）って技を使ったな。元々はゲームの技だけど」

バラゴン「必殺技といえるかは分からないが、一応熱線は吐けるぞ、俺」

モスラ「私も平成になってからは綺麗な光線技がいっぱい使えるようになったんだよ！　川北特技監督のおかげだね！」

モスラ「で、あなたは？」

バラン「…」

モスラ「ねえ、どうして黙ってるの？　怪獣なら必殺技の一つや二つ持ってるよね？　教えてよ」

ゴジラ「…おい、モスラ、その辺にしておけ」

アンギラス「そうだぞ、そいつは他怪獣と戦った経験がないんだ…」

バラゴン「な、察しろよ、モスラ…」

モスラ「ええ！？　ひょっとしてあなた、必殺技が無いの！？」

バラン「…そうだよ、悪いか！　それでも俺は羽田空港をぶっ壊したんだぞ！！」

バラゴン「お、おお、す、すごいじゃないか。光線なしでそんなのができるなんて…」

ゴジラ「馬鹿、フォローになってねえよ」

バラン「で、でも光線技が無いのはお前も同じだよな、アンギラス！！」

アンギラス「…ごめん、俺ゴジラの逆襲のノベライズ版じゃ普通に光線吐けるんだわ…。白熱光って技名もあるし」

えええええアンギラスさんまじっすかｗｗｗｗｗ

モスラ「うっそー!！　ってことはこの中で全く光線技が使えないのはバランさんだけ！？　それって怪獣としてどうなの！？」

バラゴン「…ひどい毒舌だ」

モスラ「どくぜつ？　私、毒鱗粉は持ってるけど、そんな技は使えないよ？」

アンギラス「しかも天然か…。悪気がないだけさらに厄介だな…」

モスラ「うーん、天然ってバトラ君にもよく言われるけど、自分じゃよく分かんないや」

ゴジラ「…自覚が無いんならなおのことあまりぺらぺらと喋るな。いい加減口が過ぎるぞ、モスラ」

モスラ「でも、バランさんが微妙な怪獣だってことは事実だよね？」

バラン「」ﾌﾞﾁｨ

モスラＵＺＥＥＥＥＥ！

バラン「いい加減にしろ、モスラ、クォラアアアア！！！　円谷監督の恵まれたミニチュアセットが組まれた作品でデビューして、
　　　　それからスター街道を歩んできたお前に、俺のことが分かってたまるかあ！！！」

モスラ「ひっ！　で、でもあなたの作品も特技監督は円谷英二さんじゃないの…？　本編は本多猪四郎監督で…」

バラン「そうだけど、俺は白黒だし、お前の映画とは街のミニチュアのできに雲泥の差があるんだよ、ゴラァ！！！」

モスラ「はうぅぅ、バランさんすごく怒ってて、怖いよぉ…」

アンギラス「あーあ、ついにマジギレさせちゃった」

バラゴン「まあ無理ないわな。あそこまで言われちゃ…」

ゴジラ「…たまにはいい薬だろう。モスラも一度きちんと先輩に叱られるべきだ。今までちやほやされて、甘やかされすぎたんだし」

３部作入れるとモスラは技のデパートだからな
触覚ビームに顎ビームに鱗粉にツバサカッターにXビームに……

これが、あの、ゴジラやラドンを諌めて、単身でキングギドラに立ち向かったモスラの真の姿か…

バラン「平成三部作ってなんだよ！！　なんでお前はそんなに優遇されているんだ！！　空が飛べるからか！？　
　　　　水中モードに変身できるからか！？　俺なんて素で空も海オッケーなんだぞ！？　なのになんで俺は…！！」

モスラ「…まあ正直、平成バラン三部作なんて作っても誰も見に来ないよね？」

バラン「やかましい！！　事実だけに腹が立つんだよ、お前の一言は！！」

モスラ「…え、でも…」

バラン「それにバトラってなんだよ！！　彼氏みたいな怪獣が出てきやがって！！」

モスラ「ええ！？　私、バトラ君とはただのお友達だよぉ…。そんな関係じゃないよぉ…////」ﾃﾚﾃﾚ

バラン「頬なんか染めやがって！！　今流行の自虐風自慢か！！　このリア充怪獣が！！」

バラゴン「まあ俺たち、基本的に異性とは無縁だからな…」

アンギラス「…バトラとモスラの関係は微妙だけど、モスラは子供が出てくることが多いからな。やっぱりすることはしてるんだろ」

モスラちゃんうぜええｗｗｗｗ

アンギラス「子供っていえば、ゴジラ。お前ミニラはどうしたんだ？　今日は来てないけど」

バラゴン「つーかお前、平成じゃゴジラジュニアってのもいたよな。結婚してるのか？」

ゴジラ「…あいつらとは直接血がつながってるわけじゃねえよ。まあ数少ない同族の子供だから面倒見てるが」

アンギラス「…そうか。で、今日そいつらは？」

バラゴン「元気にしているかどうかが気になるぜ。大分会ってないしな」

ゴジラ「あいつらなら大丈夫だ。今は次期怪獣王になるための修行の旅に出ている。俺は成長して帰ってくるのを待つだけさ」

バラン「大体よ、お前はな…！！　お前はな…！！」ｳﾙｳﾙ

モスラ「はうぅぅ…。怒らせてしまってごめんなさい…」ｱｾｱｾ

アンギラス「…そろそろあの2頭の仲裁に入ったほうが良くないか？」

バラゴン「バランの奴、怒りを通り越して泣いてしまってるし…」

ゴジラ「…そうだな」

バラゴン「まあまあ、バラン。お前にはいいところもいっぱいあるってさっきゴジラが言ってただろ？」

アンギラス「そうだぜ、テーマ曲は最高だったじゃねえか」

ゴジラ「あの曲は素晴らしいな。威厳や恐怖とはまた別の、怪獣の存在感を感じさせる」

バラン「うるせえ！！　曲を言うなら、ゴジラもラドンもキングギドラもみんないいのばっかりじゃねえか！！」

モスラ「まあ、明確なテーマ曲がない怪獣よりはマシじゃない？」

ゴジラ「…だから、そういう発言はやめろ」

バラン「大体テーマ曲がいいっていったってな、それは俺の功績じゃなく伊福部昭先生のおかげだろ！！」

バラゴン「伊福部先生は日本最高クラスの作曲家だからな…。怪獣大戦争マーチは至高だ」

ゴジラ「俺のテーマ曲が日本中に受け入れられているのも、伊福部先生の力ゆえだからな」

アンギラス「俺的にはGフォースマーチがお気に入りだ」

モスラ「でも音楽関連でなら一番有名なのは私だよね？　モスラの歌は伊福部先生の作曲じゃないけど、ザ・ピーナッツや、
　　　　長澤まさみも歌ってるし」

ゴジラ「聖なる泉やマハラ・モスラは伊福部先生の作曲だけどな」

モスラ「ゴジラのテーマやモスラの歌は脳内再生できる人は多いだろうけど、バランのテーマでそれができる人って、
　　　　ほとんどいないよね？　やっぱり知ってる人が少なすぎるよ。バランさんの存在も含めてね」

バラン「」ｸﾞｻｯ

バラン「…もういやだ。何で俺はこんな扱いなんだ…」ｴｸﾞｴｸﾞ

アンギラス「泣きたい気持ちなのは痛いほどわかるぜ…」

バラゴン「有名怪獣だからって、そこまで地味怪獣のことをののしらなくていいだろ…」

モスラ「ののしる…？　私は本当のことを言ってるだけだよ？」

ゴジラ「正しければ何を言ってもいいもんじゃないんだ、モスラ。正論が相手を傷つけることは多い。それを学べ」

バラン「…俺だけじゃないぞ、怪獣っていうコンテンツ自体がオワコンに近いんだよ…。もう新作映画なんてほぼないし…」ｳﾙｳﾙ

アンギラス「それを言ってしまうか…」

バラゴン「…まあ実際、俺たちのことを知ってる子供がどれだけいるかって話だしな…」

バラン「モスラ、お前だってそうなんだぞ…。お前は人気があるから、子供たちの知名度だって高いかもしれないが、
　　　　もうすぐそれもなくなるぞ…。もう何年も新作が公開されていないんだからな…」

モスラ「うぅー…。バランさんから漂ってくる負のオーラが凄すぎるよ…」

アンギラス「だがこれもまた本当のことだ。ファイナルウォーズ以降、東宝特撮は…」

バラゴン「辛いです…。怪獣映画が好きだから…。新作が欲しい…。でももう需要がないのかなあ…」

ゴジラ「…俺はそんな風には思わねえ。むしろ、今だからこそ新作映画が必要だと感じている」

バラン「どういうことだ、ゴジラ？」

ゴジラ「確かに怪獣映画は劣勢かもしれない。しかし怪獣映画から始まった日本の特撮は、普通に今も子供たちに受け入れられている」

アンギラス「…確かに、仮面ライダーやスーパー戦隊は大人気だな」

バラゴン「怪獣が出てくる特撮なら、ウルトラシリーズも健闘している…」

モスラ「ゴジラシリーズだって、今はクオリティの高いアクションフィギュアが出てるよね。大きいお友達には人気なのかも…」

ゴジラ「最初に俺がスクリーンに現れたとき、評論家からは酷評された。けど大ヒットし、人々に受け入れられた」

アンギラス「偉い人の評価と、実際に売れるかどうかは別だしな」

バラゴン「確かに今の風潮じゃ、ヒーローの出てこない怪獣映画は受けない、というのはあるのかもしれない」

バラン「けれど、制作してみなければ結果は分からない…。大ヒットする可能性だって十分にあるってことか…」

モスラ「でも怪獣映画って予算がかかるから、じゃあ作ってみようって訳にもいかないよね？」

バラゴン「ヒット云々以前にその問題があるか…」

アンギラス「金の話はやめろ…。憂鬱な感情しかわいてこない」

バラン「新作一本作る余裕が、会社にあるかどうか…」

ゴジラ「それでも俺は、怪獣映画は必要だと思う。まだ俺たちのことを、好きなってくれる子供がいるかもしれない」

アンギラス「…そうだよな。もう一度しっかり人々の前に現れないといけないよな、俺たちも」

バラゴン「今度こそ主演をもらうんだ、俺…」

モスラ「私もまた変身したいなあ…」

バラン「次に出る時までに光線技を覚えたい」

ゴジラ「時勢から考えて、俺が復活するのは今しかないと思うんだ」

バラゴン「そういや、ハリウッドでゴジラの新作が作られるとかの情報は聞くな」

モスラ「正直ハリウッドっていう時点で、嫌な予感しかしないよね？」

アンギラス「そういうなよ。クローバーフィールドみたいなまともな怪獣映画を、向こうだって作ってるわけだし」

バラン「マグロ食ってる奴の二の舞にならないことを祈るばかりだな」

ゴジラ「核の警告者としての怪獣は、今の世の中には絶対に必要だ」

アンギラス「そうだよな。怪獣映画を見て、現実の問題に目を向ける人が出てくるかもしれない」

モスラ「まあ、フィクションと現実をごっちゃにするのはどうかと思うけど、リアルの事件を考えるとっかかりには映画は必要だよね」

バラゴン「怪獣映画のテーマは重いものが多いからなあ。俺たちを見て、人間が色んなことに目を向けるようになってほしい」

バラン「そうすれば、もっと住みよい世の中になるかもしれないな、怪獣にとっても、人間にとっても」

バラゴン「核の警告者として怪獣が必要か…。さすがに日本特撮映画のパイオニアのいうことには説得力があるな」

ゴジラ「まあ正確には、俺がデビューする前の日本で、キングコングの映画なんかも作られているようだから、
　　　　俺が日本最初の着ぐるみ怪獣って訳じゃないみたいだけどな」

アンギラス「それでも、その後の日本、いや世界に特撮技術の素晴らしさを伝えたお前の功績は大きいよ」

バラン「時代を超えて永遠に語り継がれるべきだな、ゴジラは」

モスラ「私もね、そういう怪獣になりたいな！！　バランさんもそうなる可能性はあると思うよ！！」

バラン「俺が、か？」

ゴジラ「お前の主演作には、失われていく山村の信仰などの文化と、都会的な科学技術の対比がテーマとしてあるからな」

アンギラス「凄いじゃないか、バラン。1950年代にそんなことができる映画なんて、多分超少数だぜ」

バラゴン「俺も思う。お前はやっぱり超一流の怪獣だよ」

モスラ「だからね、私はバランさんに頑張ってほしいの。そして、今度は一緒に映画に出ましょ？」

バラン「…そうだな、俺、やるよ！！　ゴジラやモスラに劣らぬ人気を持つ怪獣に、なってみせる！！」

ゴジラ「その意気だ、バラン。お前の銀幕での活躍、楽しみにしているぞ！！」

アンギラス「次のお前の映画には、俺も呼んでくれよな！！」

バラゴン「俺とも対決しようぜ！！」

バラン「そうと決まったら早速自主トレだ！！　自分を鍛えてくる！！」

ゴジラ「…さて、今日の集まりはこの辺でお開きにするか。次はみんなで、映画の撮影現場で会おう」

モスラ「私はもっときれいになって、みんなを驚かせるからね！！」

アンギラス「俺ももっと強くなる！！　もう舎弟的なパシリポジションからは卒業するんだ！！」

バラゴン「俺も自分だけの個性を活かせる、怪獣になってみせるんだ！！」

ガイガン「うっす」

ドゴラ「あれ、ゴジラたちは？」

ガバラ「もう帰った後じゃないのか？」

メガロ「ええ！？　マジかよ…」

ドゴラ「そんな、ひどい…。俺たち、集まりのときの連絡すらなかったんだぜ…」

ガバラ「…しょうがないよ。他の怪獣にゴジラたちの集まりがあることを聞いて、参加しようと思ったんだけどな…」

ドゴラ「やっぱり、俺たちの知名度の無さは致命的だな…。俺は日本最初の宇宙怪獣なのに…」

メガロ「俺なんか映画の出来もさんざんだしな…。ダム破壊シーンには自信があるけど」

ガバラ「はぁ、仕方ねえか。次の映画には間に合うように精進しようぜ」

ドゴラ「帰って、トレーニングの続きでもするか…。今度こそ、みんなに俺の存在を知らしめてやる」


終わり

乙
懐かしい気分になった

乙　なんだかジンときた

乙！
なんかわからんが元気が出た

>>152
メガロ以外聞いたこともねえ

ドゴラがわからん　宝石とかくうクラゲみたいのだっけ

スペースゴジラ誕生の原因の複雑さが好き