1:2018/02/25(日) 10:37:37.39
ここは首都郊外のハイウェイ
一人の男が目的の場所に向け、車を走らせていた

ピピピピ!ピピピピ!

彡(゚)(゚)「もしもし、なんや?」
(○▽○)「もしもし!?きうりの値段でしだが、一本20円には落ちないそうです!!やっぱり、ここは25円で仕入れましょうか!?」
彡(゚)(゚)「ダメや!一本20円に落ちるまで粘っとけ!ウチの店は安売りを売りにしてるんやぞ!」
彡(゚)(゚)「他の店より高い値段で売ったら店の信用を失うんやで!20円切るまで粘っとけカス!」
ピッ、プープー


3:2018/02/25(日) 10:39:35.02
彡(゚)(゚)「んっ?」鏡チラー

彡(゚)(゚)「ヒゲ伸びてるなー、コート社にこんなヒゲで行ったらまずいかなぁ」

ブロロロロロロ…

彡(゚)(゚)「あっ!こんな僻地に理髪店があるやんけ!入ったろ!!!」
キキー バタン
ザッ ザッ…
8:2018/02/25(日) 10:40:43.68
彡(゚)(゚)「ん、なんやこの理髪店」
彡(゚)(゚)「営業してるのか分からんくらいボロっちいやんけ…まぁ、ヒゲ剃るだけやしええか」

ザッ ザッ ザッ

キイー バタン
12:2018/02/25(日) 10:41:46.91
('ω`)「いらっしゃいませ!」
(ヽ*´○`*)「いらっしゃいませ!!」
(o'ω'n)「いらっしゃいませ!!!」
( ´・ω・`)「いらっしゃいませ!!」
( ・`ω・´)「いらっしゃいませ!!!」
(`o´)「いらっしゃいませ!!」
(´Д` )「いらっしゃいませ!」
(^ν^)「いらっしゃいませ!!」
(・Д・)「いらっしゃいませ!!!!」
(O_O)「いらっしゃいませ!!」
( ? _ ? )「いらっしゃいませ!!」

スッ
店員一同はやきうに挨拶をすると、髪切り台へと手で指し示す
15:2018/02/25(日) 10:42:52.02
彡(゚)(゚)「な、なんやお前ら…ここ理髪店か?」

彡(゚)(゚)「皆店員か?にしてもようさんおるやんけ!」
彡(゚)(゚)「いち、にー、さんよぉん、ごー、ろく、なな、はち、きゅー、じゅういち!!!」
彡(゚)(゚)「11人もおるやんけ!!店長こんな従業員抱えて大変やないか??」
('ω`)「…上着を…」
スッ
やきうは髪切り台へと座らされる
彡(゚)(゚)「まあ、ええわ ヒゲだけそってくれ」
16:2018/02/25(日) 10:43:31.95 ID:WKY7fF7Qx.net
世にも奇妙な物語やっけ?星新一やなかったかもしれんわ
21:2018/02/25(日) 10:44:00.17
('ω`)「乱れています」
(○▽○)「整えなくてはいけません」
彡(゚)(゚)「これから大事な撮影会があるんや」
彡(゚)(゚)「なんでもいいから早くしてくれメンス」

店員達はやきうの話を聞かず、次々と散髪の準備を始める

('ω`)「…」スッ スッ
('ω`)「首元、苦しくありませんか?」
( ・`ω・´)「…」カチャカチャ
(ヽ*´○`*)「…」シュー シュー
無言で店員一同が一人の客の散髪の準備を進める
これには何か儀式的な雰囲気があった

シュー シュー
彡(゚)(゚)「髪は切らんでええわ!ええて!…はーつっかえ…」
23:2018/02/25(日) 10:44:50.15
彡(゚)(゚)「あんたもしかして有名な理容師か?こんな所に隠れて弟子育成でもしてるんか?」
('ω`)「一月に一人」

(●▲●)「2ヶ月も待ったことありますぞ」

彡(゚)(゚)「…なんやねん」

('ω`)「では、始めましょう!」
彡(゚)(゚)「まあ、少しならええけど、早くしてくれよなー頼むよー」
29:2018/02/25(日) 10:45:57.79
一同 やきうに近づく
('ω`)「ハサミを入れる前にその人の髪の性質を見極めます」
('ω`)「その人の髪の性質を見極める前に切ることは、無益なことです」

一同 頷く
彡(゚)(゚)「弟子の指導は後にしてくれや、ワイには時間がないんやで!!」
('ω`)「時間ならあります」
彡(゚)(゚)「なんやと??とにかく急げや!時間がないんやぞ!!」バンバン!!
('ω`)「…」
34:2018/02/25(日) 10:46:25.18 ID:W87ytxPxF.net
注文の多い料理店か何か?
38:2018/02/25(日) 10:47:03.81
チョキッ チョキッ チョキ…



ーーーーーーーーーーーーー
彡(゚)(゚)「…終わったか?あーちかれた」

('ω`)「ありがとうございました!」

一同 「ありがとうございました!」

彡(゚)(゚)「きうりここに置いとくぞ 釣りはいらねぇからなー」

('ω`)「では、私はここで…」
キィー バタン
髪を切っていた店員を何故か物悲しい雰囲気で見送る店員達
彡(゚)(゚)「なんやお前ら!どけや!」
('ω`)「では、ありがとうございました さようなら」
一同「ありがとうございました!」
44:2018/02/25(日) 10:48:10.09
髪を切っていた店員が深々とお辞儀をすると、店の門へと歩き、不慣れな様子で外へ足を向けた

彡(゚)(゚)「あー!あー!もうなんやねん!俺ももう行くわってあれ?」
彡(゚)(゚)「……なんや?」

ザッザッザッザッザッ
彡(゚)(゚)「門の外に行けへんやんけ」
彡(゚)(゚)「ど、どういうことや!出られへんやんけ!!」

やきうは外に出られない
門の外には壁などはない
何か不思議な力でバリアが張られているようかのように、出られないのだ
彡(゚)(゚)「お、お前らこれはどういうことや!」
47:2018/02/25(日) 10:49:17.77
スッ
店員の一人が箒をやきうに差し出す
( ・`ω・´)「これで出られないことは分かりましたね?」
(●▲●)「私たちも出られないんです!」
(`o´)「一人の客が来て!一人の店員が去っていく!出るためには客を待ち、序列を上がっていく必要がある!」
一同「これがこの店の秩序なんです!」

彡(。)(;)「ファッ!なんやねんお前ら!!俺をここから出せやー!!」ガチョーン!ボゴー
(`o´)「やはり、こうするしかありませんね」縄で縛りー
彡(。)(;)「なんやねん…やめてくれ…やめてくれよ」
50:2018/02/25(日) 10:50:17.43
数日が経つが、やきうは店員達には心を開かず、働かなければ食料をもらえないため、やきうは徐々にやつれていった
そんなある日の夜の食堂
(●▲●)「やはりまだ分かりませんか?」
彡(。)(;)「…」
(`o´)「ただ、このままではもう…」
(○▽○)「あの、仮に私が働いて得たパンを分け与えるとしたら…」

一同 「………」
( ・`ω・´)「秩序をみだすのですか?」
(○▽○)「……………」


ーーーーーーーーーーーーー
深夜の食堂
テーブルにの上には皆が分け与えてるくれたパンの欠片があった

彡(。)(;)「はぁー!はぁー!はぁー!」
55:2018/02/25(日) 10:51:33.35
彡(。)(;)「…!!!」パクッ


彡(・)(;)「う、うまい…」
モグモグ!
彡(。)(;)「うまいよー!うまいよ!!美味しいよぉ!!」
パクッ パクッパクッ!!
彡(。)(;)「うまいょー!!」




ーーーーーーー
(○▽○)「じゃあ!初めは床掃除から」
彡(゚)(゚)「おかのした」
(○▽○)「汚れているのはあなたの心、一点の曇りもないように、拭き取るのですよ」
彡(゚)(゚)「…」きゅっきゅっ
60:2018/02/25(日) 10:52:25.38
ーーーーーーー

彡(゚)(゚)「(不思議な感じや 外であれだけ小競り合いになってた自分が馬鹿馬鹿しく見えてきたで)」

一か月後
(○▽○)「それでは、次は散髪台の清掃をしてもらいます」
彡(゚)(゚)「おかのした」きゅっきゅっ
(○▽○)「それではダメです それじゃ床掃除と変わらない」
(○▽○)「今度は清潔さとは何かを自分に語りかけてください」
彡(゚)(゚)「おかのした」
66:2018/02/25(日) 10:53:39.44
ーーーーーーーーーーーーー
彡(゚)(゚)「(白さとは何か、人間らしさとは何か…この疑問に自分なりの答えを見つけだし、楽しみが増えると、不思議と客がやってくるで)」
ーーーーーーー

彡(゚)(゚)「序列も段々と上がっていってる」
彡(^)(^)「ついにワイにも髪の切り方を練習させてもらえるんやな」
ーーーーーーー
74:2018/02/25(日) 10:54:40.52
彡(゚)(゚)「ついにワイの序列も8番目やな」

ある晩
(○▽○)「やきうさん、起きてますか?」
彡(-)(-)「起きてるでー」
(○▽○)「随分とこの店にも慣れてきましたね」
彡(-)(-)「せやなー」
(○▽○)「ところで、ある世界に入る時、人は四つの段階を踏むそうです」
彡(-)(-)「ん?」
(○▽○)「その段階とは、一つ目がその世界への興味、二つ目の段階はその世界への拒絶、三つ目はその世界への知ったかぶり、その世界の住人になるんです」
(○▽○)「四つ目は実はよく分からないんです」
彡(-)(-)「はぇーそうなんか」
彡(-)(-)「四つ目か、ワイはここを出たら、新しい段階を踏むんやな?」
彡(-)(-)「楽しみにしてるでー」
80:2018/02/25(日) 10:55:49.36
ーーーーーーー
とうとうやきうに一番目の序列が回ってきた

彡(゚)(゚)「髪を切る前に、その人の髪の毛の質を見極めます」
彡(゚)(゚)「見極める前にハサミを入れることは、無益なことです」
彡(゚)(゚)「襟足を持ち上げて、空気を送り込み、そして断ち切ります」

ーーーーーーー
87:2018/02/25(日) 10:56:29.63
彡(゚)(゚)「よ、ようやくワイも出る番やな!」
(●▲●)「お疲れ様でした!」
(`o´)「お疲れ様でした!!!!」
彡(。)(;)「お前ら、ありがとう!!」
彡(。)(;)「新しい段階、踏み出してみるでー!!」

ザッザッザッ

やきうはそう言い、理容室を後にして、出れなかった外の世界へと足を運ぶ

彡(。)(;)「やっと出れたで!!ワイはもう自由やー!!ー」
93:2018/02/25(日) 10:57:20.37
ピロピロピロピロ
彡(゚)(゚)「ん?」ピッ
(○▽○)「もしもし~!きうり19円まで行きました!ここで2050ケース買いましょう!!!」
彡(゚)(゚)「は?」
(○▽○)「これで他店との差をつけれますよ!!ここで勝負しましょう!!!」
彡(゚)(゚)「…どういうことや?なんのことやねん」
(○▽○)「聞いてますか?大勝負ですよ!」
彡(゚)(゚)「お前の言っている意味が分からんで」
携帯ポトー
彡(゚)(゚)「……」
108:2018/02/25(日) 10:59:25.22
彡(●)(●)「!!ー」ダッタッ


やきうは反転し、理髪店へと向かう


しかし、理髪店はもう跡形も残っていなかった


彡(●)(●)「も、もう一度!もう一度入れてくれ!頼むよー!!!」

理髪店へと続く道でやきうは叫ぶが、理髪店など、存在しない

彡(●)(●)「入れてくれ!!入れてくれ!!!!見えない!見えない!!!見えないよぉーーーー!!!!ー!」

彡(●)(●)「見えない!!!見えないよぉーーー!!!」






the end
109:2018/02/25(日) 10:59:51.82 ID:Gk6SgBLn0.net
寒気した
110:2018/02/25(日) 10:59:55.06 ID:nmGRGBHt0.net
サンガツ
111:2018/02/25(日) 10:59:59.85 ID:MK8aWoyMM.net
どういうことや
意味がわからんわ
115:2018/02/25(日) 11:00:21.93 ID:W3x2+giPa.net
>>111
代償として視力を失ったんや
123:2018/02/25(日) 11:01:38.14 ID:hnSlMSz90.net
>>115
理不尽すぎ内
127:2018/02/25(日) 11:02:42.42
ふと思い出して書いてみたんやが、やっぱり動画で見るのが一番ええな
気になる人はググってどうぞ

ワイはこの話が世にもで一番好きな話やで

ちなみに、今日この他にも違う話投稿してるから、よければ見てくれよなー頼むよー
133:2018/02/25(日) 11:03:28.84 ID:YbnQeJa9d.net
>>127
タイトルはなんや?
140:2018/02/25(日) 11:05:51.40 ID:13Kmzx9S0.net
秩序があるってことは
一見、不合理なルールで窮屈そうやねんけど
他者との小競り合いも起きない分、ある意味、争いのない平和な世界ってことやねんな
外に出たことで世の中が争いだらけの競争社会と気がついたから
あんなに出たかった店の中に戻りたくなったわけや
143:2018/02/25(日) 11:06:33.63 ID:1rKiXpVq0.net
>>140
ほーん
42:2018/02/25(日) 10:47:50.60 ID:EJTmQ0UQa.net