パリのノートル・ダム寺院の火災とフランスの「三大」富豪
- 2019/04/19
- 19:07
前置き
パリのノートル・ダム寺院の火災に関する話題なのですが、この記事を分類するのに「ハンガリー」というカテゴリーを新設しました。理由は、記事の末尾で明らかになります。
本文
アルザスでは、今日は「聖金曜日」の祝日
今日は、カトリック教とプロテスタント諸宗教では、「聖金曜日」つまり復活祭(*)(**)の直前の金曜日です。フランスの中でも、ドイツ領だったことのある三県では祝日です(***)。F爺も今朝は、のんびりと過ごしています。
(*) キリスト教のうちでも、ユリウス暦によって復活祭の日を定める宗派では、日付が異なります。
(**) 日本では知らない人の多いことですが、キリスト教の最大のお祭りは、復活祭です。クリスマスではありません。
(***) 当ブログでも、何度も話題にしたことです。未読の方は、
〈復活祭〉
〈復活祭・雑感〉
などの記事をご覧ください。
パリのノートル・ダム寺院の火災
パリのノートル・ダム寺院が2019年4月15日(月)に炎上したことは、世界中でニュースになりましたから、皆様もご存じですよね。特にリンクは貼らないことにします。
巨額の寄付金
この寺院の再建に役立てるための巨額の寄付金について、日本語でもニュースになっています。
AFP/時事通信の2019年4月19日付けの「寄付と再建方法で論争 ノートルダム火災、仏社会結束ならず」と題した記事がF爺の目に留(と)まりました。
記事の記載は、決して間違いではないのですが、フランスの事情を知らない日本の読者は、一部を誤解してしまうと思います。
フランスの「三大」富豪
単に〈三大富豪〉と書くと
〈「三大夕日」の類だろう〉
と思われかねないので、わざと
〈「三大」富豪〉
と書きます。
フランスの長者番付の筆頭は、Bettencourtベタンクール家です。
二番目と三番目は、Arnaultアルノー家とPinaultピノー家です。
(フランスでは「周知のこと」ですので、リンクは貼りません。フランス語の読める方はご自分でお調べください。掃いて捨てるほどの記事が出て来ます)
Bettencourtベタンクール家はL’Oréal社の所有者、
Arnaultアルノー家はLVMH社、つまりMoët Hennessy Louis Vuitton社(*)の所有者、
Pinaultピノー家はKering社の所有者です。
(*) Vuittonを日本では「ヴィトン」とカタカナ転写する習慣のようです。不可解です。F爺には、「ヴュイトン」としか転写できません。
真っ先にPinaultピノー家が、月曜日から火曜日にかけての夜のうちに、一億ユーロ寄付すると発表し、
数時間遅れてArnaultアルノー家とBettencourtベタンクール家がそれぞれ二億ユーロ寄付すると宣言しました。
三家族合わせて五億ユーロです。
庶民の反応は、
「溜息しか出ない。お金って、ある所にはあるんだね」
「その金の百万分の一ずつでも自分たちがこき使っている労働者の給料を上げてやればいいのに」
「貧者の一灯で10ユーロぐらいでも寄付しようかと思ったけど、やーーめた」
「どうせ税金逃れの手段なんでしょ」
富豪たちの耳にも、貧乏人の歎きの一部は届いたようです。相次いで、「免税申請はしない」と宣言しました。
140年後の恩返し
フランスの庶民の心に響いたハンガリー発のニュースがあります。フランス語でRTL社などが伝えていますが、
【1879年、大洪水で壊滅状態にあった時にパリ市、ウィーン市、ロンドン市などから多額の援助を受けて再建することが出来たハンガリーのSzegedセゲッドの町が、恩返しとして、パリのノートル・ダム寺院の再建のために一万ユーロ寄付すると決めた】
のだそうです。
「140年前の恩を忘れていなかったんだって」
と話題になっています。
パリのノートル・ダム寺院の火災に関する話題なのですが、この記事を分類するのに「ハンガリー」というカテゴリーを新設しました。理由は、記事の末尾で明らかになります。
本文
アルザスでは、今日は「聖金曜日」の祝日
今日は、カトリック教とプロテスタント諸宗教では、「聖金曜日」つまり復活祭(*)(**)の直前の金曜日です。フランスの中でも、ドイツ領だったことのある三県では祝日です(***)。F爺も今朝は、のんびりと過ごしています。
(*) キリスト教のうちでも、ユリウス暦によって復活祭の日を定める宗派では、日付が異なります。
(**) 日本では知らない人の多いことですが、キリスト教の最大のお祭りは、復活祭です。クリスマスではありません。
(***) 当ブログでも、何度も話題にしたことです。未読の方は、
〈復活祭〉
〈復活祭・雑感〉
などの記事をご覧ください。
パリのノートル・ダム寺院の火災
パリのノートル・ダム寺院が2019年4月15日(月)に炎上したことは、世界中でニュースになりましたから、皆様もご存じですよね。特にリンクは貼らないことにします。
巨額の寄付金
この寺院の再建に役立てるための巨額の寄付金について、日本語でもニュースになっています。
AFP/時事通信の2019年4月19日付けの「寄付と再建方法で論争 ノートルダム火災、仏社会結束ならず」と題した記事がF爺の目に留(と)まりました。
記事の記載は、決して間違いではないのですが、フランスの事情を知らない日本の読者は、一部を誤解してしまうと思います。
フランスの「三大」富豪
単に〈三大富豪〉と書くと
〈「三大夕日」の類だろう〉
と思われかねないので、わざと
〈「三大」富豪〉
と書きます。
フランスの長者番付の筆頭は、Bettencourtベタンクール家です。
二番目と三番目は、Arnaultアルノー家とPinaultピノー家です。
(フランスでは「周知のこと」ですので、リンクは貼りません。フランス語の読める方はご自分でお調べください。掃いて捨てるほどの記事が出て来ます)
Bettencourtベタンクール家はL’Oréal社の所有者、
Arnaultアルノー家はLVMH社、つまりMoët Hennessy Louis Vuitton社(*)の所有者、
Pinaultピノー家はKering社の所有者です。
(*) Vuittonを日本では「ヴィトン」とカタカナ転写する習慣のようです。不可解です。F爺には、「ヴュイトン」としか転写できません。
真っ先にPinaultピノー家が、月曜日から火曜日にかけての夜のうちに、一億ユーロ寄付すると発表し、
数時間遅れてArnaultアルノー家とBettencourtベタンクール家がそれぞれ二億ユーロ寄付すると宣言しました。
三家族合わせて五億ユーロです。
庶民の反応は、
「溜息しか出ない。お金って、ある所にはあるんだね」
「その金の百万分の一ずつでも自分たちがこき使っている労働者の給料を上げてやればいいのに」
「貧者の一灯で10ユーロぐらいでも寄付しようかと思ったけど、やーーめた」
「どうせ税金逃れの手段なんでしょ」
富豪たちの耳にも、貧乏人の歎きの一部は届いたようです。相次いで、「免税申請はしない」と宣言しました。
140年後の恩返し
フランスの庶民の心に響いたハンガリー発のニュースがあります。フランス語でRTL社などが伝えていますが、
【1879年、大洪水で壊滅状態にあった時にパリ市、ウィーン市、ロンドン市などから多額の援助を受けて再建することが出来たハンガリーのSzegedセゲッドの町が、恩返しとして、パリのノートル・ダム寺院の再建のために一万ユーロ寄付すると決めた】
のだそうです。
「140年前の恩を忘れていなかったんだって」
と話題になっています。