旧統一教会”密接交際議員”が「清和会」ばかりの「納得の理由」 | FRIDAYデジタル

旧統一教会”密接交際議員”が「清和会」ばかりの「納得の理由」

清和会(安倍派)のパーティで挨拶をする安倍元総理
清和会(安倍派)のパーティで挨拶をする安倍元総理

旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)と国会議員を巡る報道が連日なされている。自民党を中心とした国会議員の名前が取り沙汰されているが、中でも清和会(安倍派)は、安倍晋三元総理を筆頭に細田博之衆院議長(78)や岸信夫防衛相(63)、下村博文元文科相(68)など“ズブズブな仲”が報じられている。

“旧統一教会系議連”には100名近い自民党議員が名を連ねているが、その中で、清和会の議員は35名で、全体の4割と他派閥を圧倒している。

清和会は、2000年以降、森喜朗氏、小泉純一郎氏、福田康夫氏、安倍氏と4人の総理を輩出し、現在でも100名近い最大派閥で存在感は群を抜いている。清和会ベテラン議員がこう説く。

「25年前は経世会(橋本派)が全盛期で、清和会は傍流派閥の一つでした。財務相や外務相など重量閣僚や農林相、経産相、国交相など利権のあるポストは回ってこず、文教族の森会長が文科省の大臣ポストを何とか手に入れた。文科省の外局の文化庁の宗務課が宗教法人を所管しています。安倍元総理は文科省を通じた宗教法人の活用をした数少ない政治家の一人なのです」

宗教法人は税制面で優遇され、例えばお布施に税金がかからない。また法人名義で不動産登記ができ、礼拝用の建物やその敷地の登記をすると差し押さえ禁止が保障される。無論、任意団体にはこのような特例はなく、宗教団体が宗教法人となるために、そしてその法人格の維持のために、文教族の有力議員に近づくのは道理と言えよう。ここに目をつけたのが安倍元総理の慧眼だ、と前述の議員は語りこう説く。

「第二次安倍政権以降の文科相を見れば一目瞭然」

2012年の安倍政権下以後の文科相は、下村氏、馳浩氏、松野博一氏、林芳正氏、柴山昌彦氏、萩生田光一氏、末松信介氏の7人となる。宏池会(岸田派)の林氏を除けば、全員が清和会だ。

「安倍元総理の葬儀が増上寺で開かれたように宗派は別。ただ、安倍元総理は選挙のコツを心得ており、宗教法人を動かすためには文科相ポストを維持することが重要だと知っていました。安倍政権以後の菅・岸田政権でも文科相ポストは清和会で牛耳った。宗教法人が学校を作りたければ、陳情してくる。法人格の維持も必要。その対価として“選挙マシーン”として宗教団体を活用したのです」(前述の議員)

国政選挙では、カネもさることながら、無料で働いてくれるマンパワーこそ必要という。「電話かけ」「ポスター貼り」「戸別訪問」、この3つは一般の運動員から敬遠されがちで、ボランティアでは心が折れてしまうことは想像に難くない。

「信者は布教活動で戸別訪問や電話かけなどを日常的に行っている。布教活動と政治活動は通じるものがあり、信者は極めて優秀な“選挙用運動員”となる。安倍元総理は国政選挙6連勝を果たしているが、この連勝の裏には彼らの下支えがあったわけです」(前述の議員)

旧統一教会は政治家にとって有益な“選挙マシーン”として機能した。一方で、過剰な献金で家庭崩壊が引き起こされたケースがクローズアップされている。立憲民主党や日本維新の会は所属議員と旧統一教会との関わりについて調査を始めた。一方、7月26日、茂木敏充幹事長は会見で、こう述べた。

「自民党として組織的関係がないことをしっかりと確認している。党としては一切関係ない」

関係があるのはあくまで清和会であり、彼らが泥をかぶればいいーー、そう言いたいのだろうか。

  • 取材・文岩崎大輔
  • 撮影共同通信社

岩崎 大輔

ライター

1973年、静岡県三島市生まれ。講談社『フライデー』記者。政治を主軸にしているものの、格闘技やビジネスレポートなどの取材もしている。著書に『ダークサイド・オブ・小泉純一郎 「異形の宰相」の蹉跌』(洋泉社)、『激闘 リングの覇者を目指して』(ソフトバンク クリエイティブ)、『団塊ジュニア世代のカリスマに「ジャンプ」で好きな漫画を聞きに行ってみた』(講談社)がある。

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