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待ってました!文庫化されるのを!といっても忘れてたけど!

店頭に並び始めた頃、パラパラしたのですが出だしから面白くてすぐ読みたくて。でも立ち読みだとちょっと読みきれなそうと断念していたこちらの本。

本を持参し忘れて出掛けた日の朝に文庫を発見し迷わず買いました🎵


「正欲」 朝井リョウ 著



「正欲」と書いてセイヨク。
「性欲」と同じヨミになります。

朝井リョウさんの造語らしいです。(天才か!・・って天才でしたね)

深すぎてまとめられませんので、毎度ながらの私の薄っぺらい大雑把すぎる感想になりますが。

LGBTQ、多種多様ということが謳われる近頃ですが、

「他者をわかろう、理解しよう、色んな人がいる。皆んな受け入れるよ!」

という一見広い心の、物分かりのいい、善人のような目線自体がダメなんだと言われている気がしました。
それ自体が上から目線の、大多数サイドの考えなのだと。

反省でした。この大多数のサイドにいる人は我々と違う変わった人を排除しようとしたり、分かったように「こういう人もいる」なんて括ってみたり。
誰もそんなことをできる立場には居ないのでしょうね。
人は人を裁けない、ということに少し似ているように感じました。

こんな感想を書くこと自体もどうなの?と自分の言動すべてを反省したくなるような内容でした。


あらすじはこんな(今からやっと。笑)


冒頭の次ぐらいに、児童ポルノで3人の男性が逮捕された記事が載っています。
そこへ向かうまでの長いようで短い月日です。


・不登校の小学生男子と愛する妻をもつ中年男性の寺井啓喜

・ショッピングモール内の寝具店の店員をする独身の美人、桐生夏月

・容姿にコンプレックスを持ち、男性が苦手な大学生の神戸八重子

・ダンスサークルに所属し、恵まれたルックスを持つ大学生男子の諸橋大也

・桐生夏月の高校時代のクラスメイトだった佐々木佳道


と、章ごとにメインな人が入れ替わり立ち替わり話が進み、この事件に至るまでのそれぞれの苦悩が描かれます。

すごく悪い人はいないのに、誰かにとっては憎むほど嫌いな人。ムカつく人。
それに本人は気がついていないというのも現実的です。

話のネックになってくる◯◯フェチやオリジナルな性癖、こんなものあるのか・・と知ることができてよかったです。
こんな風に苦しんでる人が世の中に一定数いるのでしょうか。

ブツッと切れたラストに救いはないですが、でも読後感は良いです。

後半、好意を寄せている男性に女性が思いをぶちまけ、男性もぶちまけ返すシーンがとても好きです。
周りをちょこちょこ他人が通るのに、2人だけの罵り合いのようなケンカがヒートアップしていき、そこだけくり抜かれた世界のようでした。

最後に1人の方が取り調べを受けるているシーンも好きでした。


冒頭に性犯罪事件が載っていて、そこに向かって話が・・というところが、
彼女は頭が悪いから
のようでした。

知らないことをたくさん知れました。とても面白いです。
大お勧めです。

秋に映画公開だそうです。帯にありました。

正欲
好きな俳優は1人も見当たりませんでしたが見ようかなぁ・・


朝井リョウさんありがとう!大好きです。

過去の朝井リョウ本もよろしくお願いします。

  時をかけるゆとり
  この部屋で君と
  星やどりの声
  スペードの3
  世にも奇妙な君物語
  少女は卒業しない


自分は年イチぐらいの頻度で読んでるみたいでした、朝井リョウの本。(そんなに好きなのかどうなのか微妙な頻度)
ちなみに、今回の「正欲」はこの中で最も面白いです。

良い一週間をお過ごしください。

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2023.07.09 Sun l 小説 l コメント (0) l top

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