マツタケが絶滅危惧種に 日本ならではの秋の味覚として守って欲しい By - 押阪 忍 公開:2020-08-27 更新:2020-08-27 エッセイ押阪忍 Share Post LINE はてな コメント こんにちは、フリーアナウンサーの押阪忍です。 ご縁を頂きまして、『美しいことば』『残しておきたい日本語』をテーマに、連載をしております。宜しければ、シニアアナウンサーの『独言』にお付き合いください。 匂いマツタケ、味しめじ。 味覚の秋ですが、日本ならではのマツタケの味がかなり遠のいています。以前は 故郷岡山(津山)の松林を持っている友人が、毎年数本送ってくれていたのですが、10年程前からバッタリ途絶えてしまいました。 元気な松林が減って来ているという話でした。数年前 形の良いおおぶりのマツタケが、1本1万円という話を聞き、度肝(どぎも)を抜かれたことを思い出します。 そのマツタケが 更に遠のくようです。先日 マツタケが絶滅危惧種として指定された という新聞記事を読みました。 かつて若かりし頃、竹籠(かご)を腰にぶら下げて、松茸狩りに出掛けたこともありますし、大き目のものを焼いて食べ、どびん蒸しや、マツタケごはんで舌鼓(したつづみ)を打ったことなどは、もう遠い記憶となりました。昭和も遠くなりにけり…。 ところで 今回の絶滅危惧種の発表では、太平洋のクロマグロもニホンウナギも、絶滅危惧種に指定されており、日本人が馴染んだ美味しい食材が、ドンドン遠のいています。 秋を迎え色づく山に、そろそろ マツタケやしめじが出る頃だな…と思いを馳せたことでしたが、今は夢のまた夢…。でもこのマツタケの味を 次の世代に贈るためには、松林を管理し、マツタケが生える環境を作ることも必要ではないかと思いますね。 これも漁獲量が減りつつある秋刀魚(さんま)は、まだ何とか庶民の味として残っていますので、マツタケも日本ならではの、とって置きの秋の味覚として 守って欲しいと願います。 匂いマツタケ味しめじ というものの、マツタケの味は格別です。負け惜しみで、味はしめじの方が上だと庶民が言う表現ですが、どうやら今年も、その表現の秋になるような気がしております。 <2020年8月> フリーアナウンサー 押阪 忍 1958年に現テレビ朝日へ第一期生として入社。東京オリンピックでは、金メダルの女子バレーボール、東洋の魔女の実況を担当。1965年には民放TV初のフリーアナウンサーとなる。以降TVやラジオで活躍し、皇太子殿下のご成婚祝賀式典、東京都庁落成式典等の総合司会も行う。2020年現在、アナウンサー生活62年。 日本に数多くある美しい言葉。それを若者に伝え、しっかりとした『ことば』を使える若者を育てていきたいと思っています。 GACKT「キミは誰かから嫌われてない」 続く言葉に「腑に落ちた」「心が軽くなった」の声GACKTさんが、心のバランスを崩しそうな人へ送った言葉は?ネット上で反響が上がっています。 『クリスマス・イブ』は竹内まりやのために書いた曲だった しかし、ボツになり…『クリスマス・イブ』は、山下達郎さんが竹内まりやさんのアルバムのために書いた曲だった!? Share Post LINE はてな コメント
こんにちは、フリーアナウンサーの押阪忍です。
ご縁を頂きまして、『美しいことば』『残しておきたい日本語』をテーマに、連載をしております。宜しければ、シニアアナウンサーの『独言』にお付き合いください。
匂いマツタケ、味しめじ。
味覚の秋ですが、日本ならではのマツタケの味がかなり遠のいています。以前は 故郷岡山(津山)の松林を持っている友人が、毎年数本送ってくれていたのですが、10年程前からバッタリ途絶えてしまいました。
元気な松林が減って来ているという話でした。数年前 形の良いおおぶりのマツタケが、1本1万円という話を聞き、度肝を抜かれたことを思い出します。
そのマツタケが 更に遠のくようです。先日 マツタケが絶滅危惧種として指定された という新聞記事を読みました。
かつて若かりし頃、竹籠を腰にぶら下げて、松茸狩りに出掛けたこともありますし、大き目のものを焼いて食べ、どびん蒸しや、マツタケごはんで舌鼓を打ったことなどは、もう遠い記憶となりました。昭和も遠くなりにけり…。
ところで 今回の絶滅危惧種の発表では、太平洋のクロマグロもニホンウナギも、絶滅危惧種に指定されており、日本人が馴染んだ美味しい食材が、ドンドン遠のいています。
秋を迎え色づく山に、そろそろ マツタケやしめじが出る頃だな…と思いを馳せたことでしたが、今は夢のまた夢…。でもこのマツタケの味を 次の世代に贈るためには、松林を管理し、マツタケが生える環境を作ることも必要ではないかと思いますね。
これも漁獲量が減りつつある秋刀魚は、まだ何とか庶民の味として残っていますので、マツタケも日本ならではの、とって置きの秋の味覚として 守って欲しいと願います。
匂いマツタケ味しめじ というものの、マツタケの味は格別です。負け惜しみで、味はしめじの方が上だと庶民が言う表現ですが、どうやら今年も、その表現の秋になるような気がしております。
<2020年8月>
フリーアナウンサー 押阪 忍
1958年に現テレビ朝日へ第一期生として入社。東京オリンピックでは、金メダルの女子バレーボール、東洋の魔女の実況を担当。1965年には民放TV初のフリーアナウンサーとなる。以降TVやラジオで活躍し、皇太子殿下のご成婚祝賀式典、東京都庁落成式典等の総合司会も行う。2020年現在、アナウンサー生活62年。
日本に数多くある美しい言葉。それを若者に伝え、しっかりとした『ことば』を使える若者を育てていきたいと思っています。