2008年03月19日

Gシリーズ 第1弾 Φは壊れたね

Φは壊れたね (講談社ノベルス)Φは壊れたね (講談社ノベルス)
森 博嗣

講談社 2004-09-10
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森博嗣『Φは壊れたね』
マンションの一室で芸大生の宙吊り死体が見つかる。
その部屋は密室。
森博嗣の新シリーズが始まる。

買ったまま3年放置していました。読みだすと意外にあっさり読めてしまった。S&Mシリーズの萌絵や国枝先生や犀川助教授も登場。連綿と続く森博嗣の作品たち。どの作品も少しずつ兼ね合いがあるという。今回、登場した海月(くらげ)及介も意味がありそうだ。トリックそのものより、キャラクターが重要な気がしてならない。
森博嗣はブログで、今年限りで作家活動を辞めると発表した。まだ、解明されない森ワールドを知りたいから、少しずつ読んでいこう。
しかし、Φ(ファイ)は読めない。小文字のφでφ・・で「メモ」と顔文字にするくらい。
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posted by 美結 at 11:03 | Comment(6) | TrackBack(0) | 森博嗣 | 更新情報をチェックする

2007年01月11日

天才 真賀田四季の内面 森博嗣『四季 冬』

四季 冬四季 冬
森 博嗣

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森博嗣『四季 冬』。
四季シリーズの最終章。
犀川助教授は真賀田四季を尋ねる。

読んでいて、不思議な感覚になりました。ここに書かれている内容は、現実のことなのか、空想のことなのか、過去、現在、未来、表と裏が繋がってクラインの壺みたいでした。
『すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER』からのS&Mシリーズ、Vシリーズ、そして『四季』。24冊読み終えて、この本を読むきっかけを懐古する。ノベルズの『四季』が発売したときに、『ダ・ヴィンチ』で特集があった。このシリーズはキーワードのひとつしてあがっていたのでが、ダニエル・キイスの『アルジャーノンに花束を』。映画や舞台、ドラマにもなった不朽の名作。あらすじを語ることは無用でしょう。
クールな印象の四季が、ある場面で気持ちを吐露したとき、目頭が熱くなった。そういうことだったのね。『すべてFになる』から『有限と微小のパン―THE PERFECT OUTSIDER』の印象的だった会話や場面が、ここに集約していた。
この後のGシリーズはゆっくり読もうと思う。

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2006年12月20日

四季の世界 森博嗣『四季 秋』

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森博嗣『四季 秋』読了。
S&Mシリーズ、Vシリーズの主要人物が一同に会す。
みなの関心は天才の真賀田四季。
『すべてがFになる』と深い関わりがあります。

ネタバレしないで書くのは難しいです。
森博嗣が書こうとしているテーマは多分「生と死」。
そのテーマのためだけに、20冊以上から連なる作品を執筆しているのであろう。
天才が考える叙事詩。
ピースが揃いだしているが、全容はまだ。
真賀田四季の脳と思考は見えるんだろうか?
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2006年11月17日

頭脳明晰な少女 森博嗣『四季 春』『四季 夏

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四季 夏四季 夏
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森博嗣『四季 春』『四季 夏』読了。
「春」では、5歳の真賀田四季。
父親の書斎で、本を読み漁っていく。
周囲からも天才と噂される。
そして、病院での密室殺人が起きる。

「夏」では、13歳の真賀田四季。
頭の中でのシュレーションを実現するため、色々と要求が出始める。
身体は13歳だけど、並大抵にオトナでは太刀打ちできない頭脳の持ち主として、世間で騒がれる。
叔父と遊園地に行くと、誘拐される。
また、彼女はある決定を自分自身に下した。

四季は本当に天才なのだと痛感した。
レポートや会話は彼女にとっては無駄な時間を排除して行いたい。
例えば、「マトリックス」や「攻殻機動隊」のように、身体にUSBケーブルがあって、パソコンに瞬時に伝送できたらいいな、と考えていそう。
S&MシリーズとVシリーズが繋がる記述は、うすうす気づいていました。
興味と連鎖は増幅していくのでしょう。
続編の「秋」「冬」が12月発売なので、楽しみ。
特に「秋」は「すべてがFになる」と重要な位置となる作品であるはず。

書きたいことは沢山あるけど、ネタバレしちゃマズイことばかり。
22冊も読めば、今後の展開を予想したり、まったく違うことと連結したり、思考回路が暴走しそうになる。

なんでかな?
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posted by 美結 at 21:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | 森博嗣 | 更新情報をチェックする

2006年11月09日

未来での理想と現実と夢の間 森博嗣『迷宮百年の睡魔』

迷宮百年の睡魔迷宮百年の睡魔
森 博嗣

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森博嗣『迷宮百年の睡魔』読了。
『女王の百年密室』の続き。
22世紀。
ミチルと相棒のロイディは、一夜にして森が海に化したという伝説をもつ島、イル・サン・ジャックを訪れた。
女王との面会でその容姿に驚くミチル。
それは生き写しだった。
ミチルを別の人と勘違いする人。
そして、首を切り落とす殺人事件が起き、容疑者にミチルが疑われる。
戦争もなく、なんの不安もない世界での隠された秘密とは?


前作が「生」がテーマで、今作は「死」がテーマ。
そして不老不死。
医学が進歩して、生と死の概念が変わりそうな未来。
しかし、現実に目を向けるとこの1ヶ月間、色んな人々が悩んで命を絶っている。
生きることも、死ぬことも軽んじている気がする。
わたしだって、悩んだり、泣いたり、その状況をうまく把握できない、いや、できれば目をそむけたくなることも、何度かあった。
動いても好転しない。
じっと時を待つ。
やがて、気持ちが溶解する。
人は色んなことを経験して、成長していくものだと思っている。

この2作はSFという立場をとりながら強いメッセージを発している。
終盤の展開に驚いた。
そして、わたしが好んで読んでいるある作家さんの作品が思い浮かんだ。
これ以上書くとネタバレになるので、この辺で。
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posted by 美結 at 09:51 | Comment(0) | TrackBack(0) | 森博嗣 | 更新情報をチェックする
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