2024-08-01から1ヶ月間の記事一覧
みそ汁に込められたメッセージ 台風10号が過ぎ去り、九州北部は青空が広がった。 少しだけ秋の気配を感じる8月最後の日。 いつものように午前5時に起床。 妻の遺影に手を合わせる。 彼岸が近いからだろうか。 今さらだが、「どうして、君が先なんだ。順番が…
「食べていい」とは言ってない 寿司を食べるならば、娘をアルバイトで雇ってくれている店に行くと決めている。 くるくる回るアレではない。一軒家の隠れ屋のような小さな店だが、魚や酒、器、大将の腕も何もかもが本物だ。 娘の彼氏、ねすたは家庭教師のアル…
謎のフィギュア アルバイト帰りの娘にスーパーで食材を買ってくるように頼むことがある。 いつも、娘の彼氏ねすたが途中で合流する。 ねすたは「これはお父さんが好きそうだね」などと都合の良いことを言って、自分好みの冷蔵加工食品を買い物かごに入れる。…
してあげたくなるタイプ 娘が、先日のウナギの蒲焼きに続いて、今度は毛ガニをアルバイト先から持ち帰ってきた。「パパ、カニ好きでしょ。ひとりで全部食べていいよ」と娘。毛ガニなんて何年ぶりだろうか。買えば、5,000円以上はするであろう高級食材。滅多…
死ぬまで遊ぶぞ 20代の頃、小型船舶操縦免許を取得した。ジェットスキー(水上バイク)を運転したかったのだ。 だが、なかなか、乗る機会がなかった。 60歳になって、ついにそのときがきた。 youtu.be この日、付き合ってくれたのは26歳の女子3人。1人はウェ…
古いものを見つめながら未来を思う 資産運用を目的に、すぐに必要のないお金は、NISAを活用している。 主な保有ファンドは、半導体、自動運転、ロボットテクノロジーなど。 どれも、未来の暮らしを感じさせる株式ファンド。 つい、株価をチェックしてしまう…
大容量の冷凍庫 お盆前から、冷蔵庫の調子が悪かった。 製氷機の動きが鈍く、缶ビールが冷えない。 わが家の冷蔵庫はパナソニック製の550リットル。 型番を確認すると、2010年製だった。14年。ぼちぼち寿命なのかもしれない。 妻を亡くして2年目の夏だった。…
もう一度、登場人物紹介 漫画「はなちゃんのみそ汁」のイラストを描いてくれていた加島綾乃さん(がっちゃん)が男の子を出産。育児で時間が確保できず、創作活動をしばらく休んでいたが、「ぼちぼち動けそう」ということで、漫画の連載(不定期)を仕切り直…
亡き妻が始めた音楽イベント 気づけば17回目。 年に一度の音楽イベント「いのちのうた」。 今年は10月14日(月・祝)に福岡市のライブハウスで開催する。 よくぞ、ここまで続いたものだ。 2006年、がんで亡くなった中学生の女の子を追悼するコンサートとして…
まるで“タイムカプセル” 日曜日の昼下がり。ひと仕事終えて、ぼーっとスマホを見ていたら、Amazon Photos(写真や動画を保存できるオンラインストレージサービス)が17年前の「今日の出来事」を知らせてくれた。 スマホの画面に出てきたのは、家族3人で温泉…
心とお腹が満たされた夜 腰が痛くて、寝たきりの日が続いていた。 ライブの動画撮影で2日間、中腰のままだったことと長時間の編集作業が原因かもしれない。夕食の支度をする時間だったが、何もしたくなかった。腰の痛みは気力も奪った。 ベッドに横になって…
お盆の食卓 「ばあばの唐揚げが食べたい」 妻の墓参りの帰り道、娘の発案で福岡県宮若市の実家に向かった。 高速道路を西から東に走って約1時間。 実家に到着すると、僕と娘の好物が食卓に並んでいた。 「あんたたちがお盆の間に来て食べるやろうと思って、…
興奮気味に「全マシ」注文 ずっと前から行きたかった二郎系。博多の豚骨ラーメン店ならば、お初の店でも緊張しないのだが、東京発の二郎系は何となくアウエー感があり、1人で入店できなかった。注文の方法や暗黙のルールがあることも、足が向かいにくい理由…
60歳の挑戦 ウェイクボードの季節がやってきた。 今年は、娘の彼氏ねすたも初参加。 娘と3人、友人にプレジャーボートを出してもらって、芦屋の海を滑った。 60歳の勇姿↓ youtu.be ウェイクボード初挑戦のねすた。スノーボードの経験があるだけにバランス良…
8月5日 月曜の朝は、ドウダンツツジの水を替える。 水を替えた後、枝葉を剪定していたら、娘と娘の彼氏ねすたが亡き妻の祭壇の前に座った。 「どうしたの?」 「何かの記念日?」 2人に尋ねると、娘が「パパとママの結婚記念日やろ」と教えてくれた。 そうだ…
折りたたんで持ち運びもできる ずっと欲しかった椅子をついに買った。 ニーチェア。 シンプルな構造で組み立て簡単。約一畳のスペースでゆっくりとくつろげる折りたたみ椅子。徳島県出身の新居猛さんが1970年にデザインし、50年以上経った今も、国内外を問わ…
「まさか」が起こった その日は異常に暑く、熱中症警戒アラートが発表されていた。 朝食後、僕はいつものようにベランダで洗濯物を干した。掃き出し窓の鍵が緩くなっていることは知っていたが、冷房の効いた部屋の温度を上げたくなかったので、洗濯物をベラ…
父90歳、プラモ作りに熱中 父は昭和9年生まれの90歳。 体は健康。頭脳明晰。薬も飲んでない。悪いところは歯ぐらいか。 そんな父に、僕の弟がプラモデルをプレゼントした。 ボケ防止対策である。 弟がプレゼントしたプラモデルは、父の好きな城。 姫路城と松…
「笑い合える日」が来ることを信じて あの日、僕は、体の一部をもぎ取られるような寂しさを感じた。 最愛の妻を亡くし、激しい喪失感にさいなまれ、運命を呪い、酒におぼれる日々を過ごした。 夜になると、ぼろぼろと涙がこぼれた。 自分のせいで、妻を死な…