ルーマニアはウクライナと南北に国境を接している国でとりわけ黒海に面したコンスタンツァは黒海を囲むようにロシア、ウクライナ、モルドバ、ブルガリア、トルコ、グルジアが並ぶ。ルーマニアはNATOに加盟しているのでロシアが侵攻してきたらNATO加盟国は共同して反撃する義務を負う。そしてロシアはNATO全体を敵に回す余裕は全くない。よってルーマニアは一切、ロシアの侵攻を心配していない。
とはいえ北にウクライナと国境を接するルーマニアは無影響とはいかない。ウクライナは60歳未満の成人男性は出国できないという話だが、国境で2000ユーロなりの賄賂を払うと出国できてしまうそうだ。結果、普通に健康そうな若いウクライナ人男性をルーマニアの街中でよく見かけるという。
ルーマニア政府から月1500ユーロの補助金が出るのでルーマニア人大家はウクライナ難民に部屋を貸したがるという。大家からしたらルーマニア人に貸す理由に乏しい。そんな背景で家賃相場が50%近く上がったそうだ。
高級車に乗り、余裕のある生活をしているウクライナ人を多く見かけるという。ショッピングセンターでは高そうな宝飾品を纏った裕福そうな女性を多く見かけるようになったという。土地建物や様々なものがウクライナ人に買われていったという。
難民という名目でウクライナ人の医療費は無料。義務教育に限定されるならまだしも、ルーマニア人が軽くはない教育費を負担して通わせている私立大学にも無料で通っていることには反感があるという。
貧しいウクライナ人の多くは逃げることができず、余裕のある裕福なウクライナ人は多くが国外脱出しているのが一つの事実だそうだ。
西側諸国の一端としてルーマニアもウクライナ人民を支援している。ルーマニア軍人も一時除隊してウクライナに義援兵として出向いている人もいるという。しかし市民レベルではおかしくないかと思える現実もあり、嫌厭気分も広がっているのも事実だ。
もともとウクライナは不正の少なくない国だ。(ルーマニアもだが)。対外的に発信される建前や正論とは異なる現実がある。持てる者は新しい地でそれなりな新しい生活を手に入れているが持たざる者は逃げることもできず砲撃に怯えている。