パラサイト・ペリドットは石鉄隕石の一種であるパラサイトの中に入っている宝石質のカンラン石のことです。
ペリドットは宝石質のカンラン石のことで比較的多く採れる宝石ですが、隕石に入ったペリドットは希少です。
金属鉄と鉱物が混じり合った状態にあり、重力のある地球上では生成が不可能と言われています
石鉄隕石とは
ほぼ等量の鉄、ニッケル合金(金属部分)と珪酸塩鉱物(岩石部分)からなる隕石のことです。
発見された隕石の約1%が石鉄隕石です。
パラサイト・ペリドットについて
パラサイト・ペリドットの名前の由来と和名
パラサイト(pallsite) とは岩石質部分がほぼカンラン石という鉱物だけでできた石鉄隕石のことです。
1772年にドイツの博物学者ペーター・ジーモン・パラス(Peter Simon Pallas)が珍しい石(当時は隕石とは知られていなかった石、パラサイト)を採取しました。
その後、同じ組成構造の岩石がみつかり始めパラスの名前をとってパラサイトと命名されました。
ペリドットは
13世紀の中期の英単語で「明るい点」や「明るいボタン」を意味する「ペリドート」が由来だという説や
アラビア語で「宝石」を意味する「ファリダット」から由来しているという説があります。
ペリドットの和名は橄欖石(カンランセキ)
オリーブに似た橄欖という果実に似ているということで命名されました。
パラサイト・ペリドットの成分
金属部分は
鉄とニッケルの合金です
岩石部分のほとんどはペリドットです。
ペリドットはマグネシウムを含む珪酸塩鉱物で
化学式は Mg2SiO4 と表されます。
パラサイト・ペリドットの硬度
モース硬度7
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パラサイト・ペリドットの光沢
ガラス光沢
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パラサイト・ペリドットと地球起源のペリドットの違い
・パラサイト・ペリドットは大きなものがありません。
隕石が地上に届くまでに摩耗してしまうのでしょう。
石鉄隕石は小惑星から2億3000万キロ〜15億キロ離れた地球に落下すると言われています。
・褐色のインクルージョンが入りやすい
地球に飛来する過程で傷がついたのか、赤色の傷のようなインクルージョンが入っているものが多く見られます。
日本にも落下したパラサイト・ペリドット
1898年(明治31年)高知県香美市に轟音と共に隕石が落下しました。
その後330gのパラサイト・ペリドットが発見されたそうです。
隕石とは
隕とは高いところ。天上。
つまり隕石とは高いところから落ちてくる石のことです。
隕石は何処からやってくるか
隕石は小惑星が起源であることがわかってきました。
小惑星は、多くが火星と木星の軌道の間にあって太陽のまわりを公転しているたくさんの小さな天体です。
この小さな天体は45〜46億年前の太陽系の誕生時に残った岩の残骸とされています。
隕石の種類
隕石は主に金属鉄と珪酸塩鉱物からなり、割合によって主に3種類に分けられます。
・石質隕石
全隕石の約90%にあたります。
石質隕石の主要鉱物は「かんらん石(olivine)」「輝石(pyroxene)」「ニッケルと鉄の合金」で、「かんらん石」と「輝石」は地球の岩石にもみられる鉱物ですが、「ニッケルと鉄の合金」は地球の岩石にはみられない鉱物です。
この「かんらん石」は宝石質のものではないことが多いようです。
・鉄隕石
全隕石の約5%にあたります。
主成分はニッケルと鉄の合金です。
これまでに発見された巨大隕石は全てこの鉄隕石で、どの隕石よりも大きく重く、また丈夫で風化や破砕に強い隕石です
約5000年前、空から落ちて来た鉄隕石を発見した古代エジプト人は鉄は宇宙からくると考えていたようです。
そして農機具を作る材料などに加工して利用していました。
・石鉄隕石
全隕石の約1%にあたります。
輝石・斜長石など異なる鉱物(珪酸塩鉱物)と鉄ーニッケルの合金からなるメソシデライトと
かんらん石(珪酸塩鉱物)と鉄ーニッケルの合金からなるパラサイト
に分けられます。
パラサイトは小さな惑星の鉄の核と珪酸塩でできたマントルとの境界部分にある物質が由来だと考えられていましたが、
核とマントルの物質が衝突して生成された混合物であるともいわれています。
地球起源のペリドットも、地球のマントルを構成する物質が結晶化したものだと考えられているので、惑星内部で生成されているという点では同じですね!
パラサイト・ペリドットの石言葉
・宇宙の真理
・変革
・悟り
パラサイト・ペリドット 誕生日石
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パラサイト・ペリドットの主な発見地
パラサイト・ペリドットの多くは
・ロシア🇷🇺
・インドネシア🇮🇩
などで発見されています。