映画「逃走迷路」あらすじと感想【ネタバレあり】バトルフィールド : 自由の女神
ヒッチコック監督の、巻き込まれ型サスペンスです。
主人公は「ダイヤルMを廻せ！」にも起用されたロバート・カミングスが演じます。
そしてヒロインを「毒薬と老嬢」のプリシラ・レインが務めました。
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あらすじ
カリフォルニアの航空機製造工場で働くバリー・ケイン。
昼休みになったので、仲のいい同僚ケン・メイソンと一緒に食堂に向かう。
工員たちが一斉に移動している通路は狭く、混雑していた。
よそ見をしていたケンに、後ろからきた人物がぶつかってしまい、その男の手から複数の手紙やメモが床に散らばってしまった。
バリーも手伝ってかき集め、その際に手紙の宛名から男の名前がフランク・フライだと知る。
数分後、昼食中に工場から火の手が上がり、バリーも現場に駆け出した。
フライが渡してきた消火器をケンに渡し、ケンが消火を始めるが火の手が回ってしまい、ケンは火に巻かれて焼死する。
バリーはケンの家に行き、遺された母親を慰めるが、そこに刑事たちがやってきた。
キッチンでメイドと話していたバリーは、ケンの母から、バリーがテロリストとして工場に火をつけてケンを殺した、という疑いを掛けられていることを知る。
消火器の中にガソリンが入っていたのだ。
フライから手渡された、と伝えるが、そんな名前の従業員は存在しないという。
すでに指名手配をされているバリーは、ヒッチハイクでトラックに乗せてもらった。
フライが落とした手紙に書いてあったディープ・スプリングス牧場に向かう。
牧場主のチャールズ・トビンは、フライのことは知らないとは言うものの、愛想の良い応対でバリーを安心させた。
しかし彼のジャケットからフライとやりとりしている手紙類が見つかり、罠にかかったことを知る。
結局バリーはトビンの通報で逮捕されてしまった。
パトカーに乗せられて橋の途中に来たところで、トラックの立ち往生に遭遇。
バリーは隙をついて川に飛び込んで逃げ延びる。
手錠を掛けられたまま、ある一軒家に助けを求めると、家主の男性は盲目だった。
一安心したバリーだったが、男性の姪パトリシアがやってきて、手錠を見て逃亡中の指名手配犯だと知られてしまう。
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感想
都合の良い展開と唐突な場面転換に、ちょっと面食らうところがチョコチョコありました。
この盲目の紳士、目は見えないけど音でいろんなことを認識し、バリーが手錠を掛けられている逃亡犯だと見抜いていました。
そのうえで「悪い人じゃない」と無実を信じています。
文字通り盲目的に。
危険を感じて、警察に連絡しよう、というパトリシアの感覚のほうが普通だと思うけど (;´Д｀)
で、知り合いの鍛冶屋に手錠を外してもらうように進言し、パトリシアに案内をさせます。
伯父と違ってバリーを警戒するパトリシアは、鍛冶屋に行くフリをして警察に向かいました。
ここから珍道中。
軽くロードムービー風味に変わります。
喧嘩を繰り返す二人… というか、とにかく警察に言おうとするパトリシアとそれを引き留めるバリーの攻防。
サーカスのキャラバントラックに乗り込んで団員たちに抗議されますが、パトリシアがバリーを信じて寄り添っていることに感激した女性団員によって助けられます。
え…？ 今の今までずっと喧嘩してたけど…
全然バリーを信用している雰囲気なかったけど…
いつの間にやらロマンスが発生していました。
唐突なロマンスはヒッチの十八番でしたね (;´∀｀)
そして裏切りも十八番。
ソーダシティという荒野の廃町で身を隠していたパトリシアが、いつの間にやら脱出して警察に飛び込んでいました。
この場面が急だったんで、戸惑ったんですよね～ (汗
で、この刑事がトビンと通じていて、バリーとパトリシアはそれぞれ別々にピンチに陥ります。
トビンは間違いなくヴィランなんだけど、結局彼は放置。
どうなったのか分からないまま、ラストはフライとの対決になりました。
その場所は、自由の女神像。
後の「北北西に進路をとれ」でのラシュモア山での戦いを想起しますが、こちらのほうはそんなに戦いません。
内部で上っている最中に、フライが銃を落としていますからね。
その銃をバリーが向ければ、丸腰のフライは必然的に後ずさって落ちてしまうわけで。
女神さまの持つトーチ部分から指の間に転落。
必死にこらえてバリーも助けようとしましたが、手首ではなく袖口を掴んだのが運の尽き。
ミリミリと破れていって、悪は成敗され主人公はヒロインの腕の中へ。
典型的なラストだし及第点かな、と思う作品ですが、テンポが良く、ご都合主義でも「人の親切心」というものを描いていて見どころもありました。
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