62146SonyKessan
 現状だとPS5の販売台数がやや計画の2500万台に届かないペースになる感じですかね。

スポンサーリンク


[ソニーグループ: 2024年3月期 第3四半期決算短信〔IFRS〕(連結) / 決算説明資料 / 補足資料](pdf)

 ソニーグループの2024年3月期第3四半期決算は、売上高が前年同期比20.2%増の9兆5398.02億円、営業利益が15.3%減の9793.89億円、純利益が9.6%減の7864.69億円と増収するも減益。

 SIEが管掌するPalyStationプラットフォームのゲーム&ネットワークサービス(G&NS)分野は、決算短信において

ゲーム&ネットワークサービス(G&NS)分野
 売上高は、為替の影響及びアドオンコンテンツを含む自社制作以外のゲームソフトウェア販売増加を見込むものの、主に販売台数減少によるハードウェアの減収により11月時点の見通しを下回る見込みです。営業利益及び調整後OIBDAは、プロモーション等によるハードウェアの損失拡大を見込むものの、主に前述の自社制作以外のゲームソフトウェア販売増加の影響により、11月時点の見通しから変更ありません。

 …と説明されています。
 この場合の“販売台数減少”は見通しに対する物であって、前年同期比では普通に増えているのですが。


62146SonyKessan1
 G&NS分野は第3四半期単独では売上高1兆4444億円の営業利益861億円で、為替影響を含めても前年同期比で増収、一方で営業利益は減っていますね。

 任天堂決算記事でどう書いたっけ…
 任天堂の同期間(2024年3月期第3四半期)と比べるとあっちのゲーム専用機関連売上高が5737億円くらいなので、売上高は2.5倍差でSIEの勝ちですね。
 一方でMS(ABの売上高を足した物)はざっくり売上高1兆円程度と書いた通り、見かけはそんなに差がないのですが…あちらはXboxプラソフトウェア売上高が大分ゲーパスになっている筈なので、実際にはそれなり以上の差がある物と思われます。


62146SonyKessan2
 第3四半期連結でのG&NS分野は売上高が3兆1704億円、営業利益が1842億円とこちらも増収減益ですね。
 任天堂全体との差は売上高1.8兆円くらいですか、ダブルスコアは余裕ですね。


62146SonyKessan3
 資料におけるG&NS分野の説明によると、増収は主として自社制作以外のゲームソフト販売増加による物との事。
 FFXVIとか色々出ましたからね。

 一方で減益要因にはプロモーション等によるハードウェア損失拡大、自社ソフトウェア販売減少の影響が挙げられていますが。
 見通しについてもハードウェア関連の損失拡大が減益要因とされている物の、自社以外のゲームソフトが想定よりよく入れているようで、営業利益予想は横這いとなっています。

 現状で任天堂の通期業績予想と比較すると売上高差が2.5兆円差に戻った感じですか、ダブルスコアは余裕ですね。
 そもそも第3四半期までの時点で任天堂の通期業績予想の二倍弱ですから。


62146SonyKessan4
 音楽分野は増収増益していますが、傘下のアニプレックスが手がけるゲームに関する言及は無し。
 通期予想は以前の物とほぼ据置ですね。

62146SonyKessan5
 電器やスマが含まれるエンタテインメント・テクノロジー&サービス分野はやや減収減益。
 テレビの台数減が要因として挙げられています。

62146SonyKessan6
 半導体を含むイメージング&センシング・ソリューション分野は増収増益。
 スマが谷間を抜けたのか販売数量が増、また高価格製品がよく売れているようです。


62146SonyKessan7
 分野/製品カテゴリ別売上高を見ると…G&NS分野は後で詳しく取り上げますが、音楽分野のアニプレックスが属するビジュアルメディア&プラットフォームは前年同期比やや減少と。
 パッとしない所はありますかね、任ッチなんかにソフト出すから。


62146SonyKessan8
 第2四半期時点で1兆円近い棚卸資産ガーと言われていたG&NS分野に関しては第3四半期末時点で6412億円まで減少していますが、前年同期比だと1300億円程度多いので、これがPS5の部品を減算すると報じられた一因なのかもしれません。


62146SonyKessan9
 G&NS分野の細かい売上高ですが、第3四半期はハードウェア、ソフトウェア、ネットワークサービス、その他(周辺機器とPSVR含む)の売上高が全て前年同期比で増収。

 ソフト売上高の内訳を見るとフィジカル版ソフト売上高が減少する一方でデジタルソフト売上高がそれ以上に増加、追加コンテンツ売上高が大幅増、その他ソフトウェア(PC向けSIEファーストタイトル)の売上高が減少と。
 当たり前の話なのですが、(パソニシが大袈裟に)言うほどPCソフト売れていないんですよね。

 PS5本体は第3四半期に820万台を販売(出荷)、累計販売(出荷)台数は5480万台に達しています。
 前年同期の数字は普通に上回っているのですが、PS4が発売されて4年度目の第3四半期販売台数である970万台には及ばず。
 当時のPS4はPS4Proを発売して通常モデルは値下げされている中、年末商戦期にはプロモーションも大きく打たれていたので単純な比較は難しいですが…多分素の売れ行きはPS5の方がまだ上でしょうし、第4四半期の結果次第ですかね。

 ソフトは8970万本を販売してデジタル本数比率は66%と、ファーストソフトは二割程度減少と。
 PS4の4年度目の第3四半期比ではやや増加程度ですが、今は基本無料の運営型タイトルが大きな比率を占めているので全体のボリュームは増えている物と思われます。

 期末時点の月間アクティブユーザー数1.23億人と前年同期比で1100万人も増加。
 MAUガー減ったんだガーとか騒いでいた自称証券会社野郎辺りはどう繕うつもりなのでしょうか。
 多分“PS5販売台数ガー”と喚き散らす一方でこちらには口を噤んで終わりだろうな、とは思ってますよ。


62146SonyKessan10
 細かな販売本数発表はしていないSIEですが、今回の決算では2/4時点で「Marvel's Spider-Man 2」の販売本数が累計1000万本を突破したと発表されています。
 これは発売から107日での達成との事で、前作と比べるとほぼ同等程度のペースですかね。


 という事で、ハードのコスト削減ペースが鈍化し値下げが難しくなっている中で一気に台数を稼ぐことが難しくなっているようですが、その中でもコア層を掴むことに成功している事がソフト売上高の増加とアクティブユーザ数の増大に寄与していると言えそうです。
 前世代機の長寿命化もありますかね、1.23億人いるなら未だに半分以上がPS4という事になりますし。

 今後PS5への移行が進むと共に、PS5世代専用タイトルの売上も一層伸びていくことが期待できそうです。

PlayStation 5(CFI-2000A01)
・PlayStation 5(CFI-2000A01)
(Amazon)
 .