「この家で暮らす夏を思って胸が苦しくなった」 中禅寺湖畔に佇む〝別荘〟に羨望の1万いいね
「世界でいちばん美しい夏の住まいを見た」――。
2024年8月1日、とあるXユーザーがそんなつぶやきと共に投稿した写真が、多くの人々を圧倒している。
世界でいちばん美しい夏の住まい。それは、栃木・奥日光の入り口に位置する中禅寺湖のほとりにあるという。
投稿者は観光社会学を専門とする社会学者・中井治郎さん。自身のXアカウント「ジロウ」(@jiro6663)で、イタリア大使館の夏季別荘として作られた建物を紹介した。
リプライツリーでは、「東京は35℃の日にここは25℃。縁側に立つと冷涼な風が湖面から優しく吹き上がってくるのを感じる」ともつぶやいている。
中井さんが投稿した写真が、この場所がいかに爽やかなのかを伝えてくれる。
広縁のガラス戸は開いている。この時期に、日中に窓を開け放っているのだ。
毎日のように熱中症警戒アラートが発表されているエリアの住人にとっては、信じられない光景かもしれない。窓を閉めきり、カーテンも閉じ、ようやくクーラーが効いてくる毎日だ。
しかしここでは、その必要はない。広縁には自然と、涼しい風が吹き込んでくる......。
中井さんの投稿には、1万1000件を超える「いいね」が付けられ(6日昼時点)、見た人からはこんな声が寄せられている。
「清冽な空気と切なさに思いを馳せました。一瞬涼しくなれたようです」
「日本の夏の家の理想を詰め込んだような、美しい家よ」
「存在しない記憶が蘇る...」
「其処此処に用いられる杉皮や竹。湖水や遠くの山並みを取り入れた借景。ある意味で開放的なモダンジャパネスクの数寄屋造りだと思います」
この場所での体験は、どんなものだったのか。記者は中井治郎さんに詳しい話を聞いてみた。