【【BL】隣りの2人がイチャついている 目次と各話紹介はコチラ】
不服そうに黙り込む有夏。
お茶をちびちび飲みながらジロリと幾ヶ瀬を睨み付ける。
「そんな顔したって怖くないもんね。馬鹿が話す怪談は怖くないって言うけど、本当だね……でっ!」
さすがに言い過ぎたと思った時にはもう遅かった。
避ける間もない。
側頭部に張り手を喰らって、幾ヶ瀬は「ひぃ」と短い悲鳴をあげる。
ずれた眼鏡を直しながら、まぁまぁと両手を振って宥める仕草をしてみせた。
「まぁまぁ、怒んないでよ。こないだ焼き鳥作ったでしょ」
「いつの話だよ。腹立つな」
「まぁまぁ…今度かき氷でも奢るから」
「かき氷かよ」
「いやいや、有夏が想像してるかき氷っていったら夜店の100円くらいのやつでしょ。今のかき氷は違うんだよ!? 平気で1,000円越えとかするんだよ? オシャレなんだよ?」
急に饒舌に語り出したところをみれば、幾ヶ瀬自身「今のかき氷」が気になって仕方がないのだろう。
「今のかき氷って言ってる時点で、けっこうなお歳なんだよ?」
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