『ディアブロ IV』の大幅な弱体化パッチは失敗だったと開発元が認める 全面的な変更を予定

Blizzardは、プレイヤーからの反発があった『ディアブロ IV』の弱体化パッチについて、変更点の多くを元に戻すパッチを配信すると約束した。

公式配信のなかで、副ゲームディレクターを務めるジョー・ピエピオラと、ゲームディレクターを務めるジョー・シェリー、コミュニティチーフのアダム・フレッチャーは、プレイヤーのパワーが大幅に低下したことから『ディアブロ IV』のコミュニティ内で不満の声が挙がった1.1.0パッチについて考えを語った。

「プレイヤーにとって最高の体験ではないと思います」とフレッチャーは述べている。「今後、このようなパッチは二度と行いません。皆さんの意見はしっかりと受け止めます」

「プレイヤーのパワーを低下させるのは決して良い体験ではないことはわかっています」とジョー・ピエピオラは言う。「でも、うまくやれないこともあるんです」

パッチ1.1.1は今後2週間以内に配信される予定で、現地時間7月28日に行われる公式配信の数日後に提供されると思われる。このパッチは、特に大幅に弱体化したソーサラーとバーバリアンのパワーを向上させることに重点を置いたものだ。Blizzardによると、なかでもソーサラーは生存率の向上が期待できるという。

また、エンドコンテンツである「ナイトメアダンジョン」と「ヘルタイド」のモンスターの密度も高くなる。インベントリに関しては、アイテムをしまえるスタッシュタブが追加される予定だ。エリクサーのスタック数も最大99に増加する。さらに、キャラクターのリスペックコストが約40％減少するため、新しいビルドを試しやすくなるはずだ。

特に重要な点としては、レベル70辺りからレベル上げに苦労するとの声を受けて、レベル50から100までの獲得経験値量が調整されることだろう。「ゲームの勢いを落とそうとしているわけではありません」とシェリーは言う。「レベル100までのレベル上げを“作業”だと感じるのではなく、達成感を得てもらいたいのです」

なお、現地時間7月21日中にはナイトメアダンジョンの難易度を下げるホットフィックスが展開。Blizzardによれば、ティア100のナイトメアダンジョンは多くのクラスにとって「耐え難いほど難しい」ため、プレイヤーはクリアのチャンスを得るために特定のビルドに頼る必要があるという。難易度の変更により、ティア100のナイトメアダンジョンは、現在のティア70のナイトメアダンジョンのように感じられるようになるはずだ。

「今後、このようなパッチは二度と行いません。皆さんの意見はしっかりと受け止めます」

Blizzardは配信のなかで、1.1.0のようにプレイヤーのパワーを大幅に低下させるようなパッチを二度と行わないように、新しいプロセスを作ったと明かした。今後は、魅力的な代替案を提供するまで、一部のビルドを強力なままにしておくという。「プレイヤーが求める魅力的な代替案を提供せずに、強力なビルドを弱体化させることはできません」とシェリーは語った。

こうした大きな変更を加えるパッチは、新シーズンの開始時など、決まったタイミングで発生するものだ。もちろんBlizzardは、ゲームを破壊するようなダメージやクラッシュを引き起こすバグには迅速に対応していく。

「結局のところ、ARPGというのはパワーに関するファンタジーであり、開発陣がプレイヤーにある程度ゲームを壊してもらうものなんです。そして、僕たちが作った楽しいおもちゃを見つけて、それでクレイジーなことをやってもらうのが目的であって、ゲームをプレイするプレイヤーを罰しないようにしなければなりません」とシェリーは語った。

なお、今後は実際にアップデートが行われる少なくとも1週間前には、「何があろうと」公式配信かブログでパッチノートが公開されるようになる。次回の「Campfire Chat」は現地時間7月28日に予定されており、パッチ1.1.1での変更について詳細が明かされるようだ。

さまざまな問題があったものの、6月には1000万人以上がプレイするなど、『ディアブロ IV』は素晴らしいローンチを記録した。本作はBlizzard史上最速の売り上げを記録し、同社の記録的な収益と利益につながっている。