閉鎖されたTango Gameworksなどを称える広告がLAで掲示 「幕を閉じても忘れられることはない」というメッセージとともに

毎年恒例の主要な夏のショーケースに先立ち、閉鎖されたArkane AustinやTango Gameworksなどのスタジオを称え、「幕を閉じても忘れられることはない」として米ロサンゼルスで広告が掲示された。

XユーザーのStephen Totiloが、残酷なゲーム業界の人員削減やスタジオ閉鎖を受けてゲーム販売元のNew Blood Interactiveが制作した電子公告を発見した。

公告には「幕を閉じても忘れられることはない」と表示されており、人員削減の影響を受けたスタジオ（Arkane Austin、Roll7、Tango Gameworks、Volition、ソニーのロンドンスタジオ）とそれぞれの活動期間がそれに続いている。あわせて、「皆、解雇され、規模が縮小され、余剰人員と見なされた」とも書かれている。

“We love you. We miss you. We hate money.”

An electronic billboard from New Blood Interactive in downtown LA mourns the closure of Arkane Austin, Tango Gameworks, Roll7, Sony’s London Studio, Volition and more

“Gone but not forgotten” pic.twitter.com/1zCeD4KEEw — Stephen Totilo (@stephentotilo) June 7, 2024

「友であるNew Bloodより、素晴らしいゲームを作ってくれたことへ感謝の意を表します。大好きです。寂しいです。金が心底憎い」

マイクロソフトは2024年5月、『Redfall』の開発元であるArkane Austinや『Hi-Fi RUSH』を開発したTango Gameworksなどのスタジオを閉鎖し、業界関係者やファンから衝撃と怒りの声が上がった。Xboxを所有するマイクロソフトは最新の収益報告書で、収益が17％増、利益は219億ドル（約3兆円）だったことを明らかにしている。Xboxの幹部らはこの措置について、ビデオゲーム業界の成長不足と、ほかのゲームやスタジオを優先する必要性によるものだとしている。

一方、『オリオリワールド』を開発したRoll7は親会社のテイクツー・インタラクティブによって閉鎖されたようだが、IGN USが同社のCEOを務めるストラウス・ゼルニックにインタビューをした際に同氏はこの事実を否定し、追加の質問も避けていた。なおIGN USでは、『Kerbal Space Program 2』の開発元であるIntercept GamesとRoll7の閉鎖が、テイクツー・インタラクティブのインディーレーベルであるPrivate Divisionの売却、あるいは完全閉鎖に向けた大規模な動きの一環であることを報じている。

"友であるNew Bloodより、素晴らしいゲームを作ってくれたことへ感謝の意を表します。大好きです。寂しいです。金が心底憎い

多くの問題を抱えたEmbracer Groupは、2023年に「セインツロウ」シリーズを開発したVolitionを閉鎖。ソニーは、PlayStation事業に携わる900名のスタッフが影響を受ける人員削減の一環として、2024年3月にロンドンスタジオを閉鎖している。

ロサンゼルスのダウンタウンにそびえ立つこの広告は、終了してしまったE3に代わるイベントとして注目の発表が行われるSummer Games Festなどの夏のイベントが続くなかで、多くのゲーム業界関係者が目にすることになるだろう。マイクロソフトは、日本時間6月10日2:00よりXbox Games Showcaseと『Call of Duty: Black Ops 6』をお披露目するCall of Duty Directを配信。

Summer Games Fest 2024の発表内容は、こちらの記事にまとまっている。

Image Credit: Stephen Totilo on X/Twitter