コーエーテクモ、今後もオープンワールドゲームへ挑戦していくことを明らかに 生成AIの活用についても言及
『Rise of the Ronin』は「『仁王』シリーズを超える滑り出し」になっているそうだ
コーエーテクモゲームスは今後もオープンワールドゲームの開発に挑戦していくようだ。また、生成AIなど新技術を活用した制作工程についても言及している。これらは同社の2024年3月期決算説明会の資料にて明らかになった。
資料では、成長戦略のひとつとして「成長ジャンルへの挑戦(オープンワールド)」と記載されており、オープンワールドを重要視していることがわかる。なお、およそ1年ほど前の資料では、「成長ジャンルへの挑戦(GPS、バトルロイヤル)」と記載されていた。位置情報ゲームである『信長の野望 出陣』のリリースがこれにあたるだろう。
コーエーテクモゲームス開発の幕末オープンワールドゲーム『Rise of the Ronin』は、SIEによるパブリッシングで2024年3月に発売された。同作は資料にて「『仁王』シリーズを超える滑り出し」として言及され、ユーザーからの評価が高いとのことである。
SIEがパブリッシングしているためか同作の販売本数については言及されていないものの、同作は資料にて「500万本級パッケージゲーム(新規IP)」のひとつとして扱われているようだ。もうひとつの500万本級パッケージゲームは『Wo Long: Fallen Dynasty』で、こちらは実際にGame Passを含めると500万ユーザーを突破している模様だ。
資料では『Rise of the Ronin』の評価についても言及されており、批評家による平均レビュースコアを示すメタスコアは76点となっている。Metacriticにおけるユーザースコアについては8.7点であり、たしかにユーザーからの評価が高いのがわかる。
さらには、主要メディア各社のレビューから同作の評価が分析されている。同作はアクションやストーリー、ビジュアルは高く評価されていたそうだが、課題としては「オープンワールドとしての新規性」とグラフィック品質が挙げられている。IGN JAPANの同作のレビューでも9点を獲得したが、短所として「見返りの少なさなど、数多くの問題を抱えるオープンワールド」と書かれていた。
資料では同社が新たにAAAスタジオを立ち上げることについて書かれており、オープンワールドゲームが新規スタジオで開発されるのかもしれない。生成AIについては資料にて、「新技術(生成AIなど)を活用した制作工程のイノベーション」として言及されている。今後のゲーム開発において、部分的に生成AIの技術が使われていくのかもしれない。なお、大手のゲーム会社で生成AIを活用する事例としては、レベルファイブの生成AI活用方法が2023年に話題になっていた(レベルファイブの2023年12月公開の資料を参照)。