こんにちは!トライアスリート見習いのコーヤマです!
今回はこちらの書籍、「覚醒せよ、わが身体」を読んでみました。サブタイトルは「トライアスリートのエスノグラフィー」、著者は八田益之さんと田中研之輔さんです。
八田益之さんはトライアスロン界では有名な方で、過去に国内ランキングを4連覇したこともあるエイジ最強レベルのトライアスリートです。ちなみに東大卒です。強すぎやろ。笑
そんな八田さんが書かれたこちらの一冊…目次は以下の通りです。
サブタイトルにある「エスノグラフィー」は本来文化人類学や社会学に用いられる調査手法のことですが、本書ではおそらく「多くのトライアスリートへの聞き取りやその他の調査・分析」「八田さんという一人のトライアスリートの変遷を深掘りした調査・分析(と物語)」のような2つの意味で使われていると思われます。多分。
この目次の時点で既に硬派な匂いがしていますよね。もうその通りでした。トライアスロンの哲学書といってもいいかもしれません。笑
余談ですが、私はこの本を読みたすぎて久しぶりにブックオフの格安中古本ではなくアマゾンで取り寄せました。売ってなすぎワロタ。笑
では感想など。
第一章「身体のマネジメント」
とありますが、どちらかというと「どんな人が、どのように、どんな理由でトライアスロンという一見過酷にしか見えない競技に魅了されるのか」みたいな内容です。「ドMだから」とかじゃないよw
全体的に文章が硬いという印象を受ける本書ですが、この第一章はそれが特に顕著で、結構集中力があるときじゃないと読みにくいですが、それがクセになりますw著者の理屈っぽさや哲学者っぽさ、思考力の高さが出ていると感じます。
私はもともとトライアスロンという分野に興味があるので非常に面白かったのですが、正直に言うとこの章で脱落してしまう方もいると思います。そんな方はこの章を一旦読み飛ばして、第二章から読み進めて、最後に還ってきてもいいと思います。
あとみんな年収高すぎてビビる。マジかよ。笑←ワロエナイ
大丈夫、私みたいなホント普通レベルの一般人でもできます。若干不利かもしれないけど気にすんな!w
第二章「覚醒の過程」・第三章「聖地への思考と戦略」
第二章からは本格的に八田さんの物語です。
トライアスロンと出会い、どのような過程で強く速くなることを願い、コナ(アイアンマン世界選手権)を目指すまでになったのか。
…めちゃくちゃおもしろいですね…!(小並感)
もともと「運動が苦手」と語る八田さんが30台後半から始めたトライアスロンでエイジ最強レベルになるまで。実はあまり長い時間はかかっていないんですよね…一気に上り詰めた感があります。
本人は苦手とおっしゃっていますが、学生時代に水泳とランの経験があるんですよね…私からしたらスイム50m50秒とかラン5,000m17分半とかかなり速いんですけど…笑
トレーニングやその他身体へのアプローチの考え方もある種独特なところがあります。もちろんこれをやれば誰でもトップに!というわけではありませんが、非常に参考になる部分が多いと感じます。
八田さんの考えを交えつつ、その強さ、「コナ」を目指す過程を追っていく物語としても非常におもしろく、どんどん読み進めていけました。
…短いスパンでレース出まくってんなぁ…と思ったりもしたw
第四章「ハワイ島コナ二二六kmの軌跡」
ついに世界選手権「コナ」に出場した八田さんの記録です。
競技中(前後も)の状態や心情について非常に細かく描写されており、まるで自分が競技を行っているかのような臨場感や没入感を感じました。
スイム3.86km、バイク180.2km、ラン42.2kmの長丁場にもかかわらず数km単位での細かい描写。それをハッキリ覚えているのもスゴいですし、それだけ特別な体験なのだろうということが伺えます。
めちゃくちゃ読み応えあります!!
ゴールシーンまで読み進めて、なにか熱いものを感じたそこのあなたは…トライアスロン(や持久系種目)に向いているかもしれませんね。笑
最後に
八田さんはアマチュアトップアスリートですが、誰しもがトップを目指しているわけではなく、またそうある必要もありません。
どんな順位でどんなタイムであろうと、はたまた完走できなかったとしても、そこには一人一人のドラマがあり、尊いものだと思います。
あとがきでの八田さんの言葉を借りれば、
「中途半端な日々の繰り返しの中であっても、自分なりの哲学を育てながら、自分だけのゴールへと走っていけばいい」のです。
最後に、田中さんはこう語っています。
「トライアスロン?なぜ、そんなに過酷なことに取り組んでいるの?」と不思議がる一般読者と、トライアスロンに没頭するアスリートとをつなぐ思考と身体の架け橋になってくれればいい。
実際そうなっていると思わせてくれたこの一冊、手にとってみてはいかがでしょう?
もちろん、トライアスロンだけでなく、ランや自転車等の有酸素系、持久系競技を趣味にしている方であれば読んで損をすることはないでしょう!
Rice On !!
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