そういや大学時代に盗難にあったよな、うん。二つあったので投下。
プチだけど。
あらすじ:ボケ老人に宅配とられてもらったお裾分けはうちのものだったんだよ?
15〜20年ぐらい前、バブル崩壊の直前直後ぐらいに大学時代は親元を離れアパート住まいしてた。
確か2年の時に冬の連休で帰郷したときのこと。
帰郷のちょい前に、ゼミの先生の家に親が乾燥芋を送ったんだが、先生はなんか言ってたか?とのこと。
いや、そんな話は聞いてない。だけど礼儀はしっかりしてる先生だし、いろいろと忙しい人だから、
連絡とか行き違いになってるのかもなあ?みたいな話になった。
そして、連休終わってゼミに行ったらお茶のときに
「そういや誰か、先日家に乾燥芋送った人いないか?」と先生がゼミ生に聞いてきた。
「なんか自分の家で送ったようなんですよ?」となんだかな?と思いながら答えると
「ああ、よかった、乾燥芋ありがとう。すまん、実は〜」と話し始めてくれた。
なんでも、先日のこと隣の家のお婆さんから乾燥芋を頂いたのだそうな。
「頂き物のお裾分け〜」だそうで。
先生の奥さんは先生と娘2人と一緒に「美味しく食べましたー」だったけど。
後日、先生の隣家が尋ねてきた。
「すみません、実はあの乾燥芋、留守だった時にどうやら先生の家に来た宅急便の中身の
ようなんのです。我が家のちょっとボケがあるお婆さんが、留守を守ってるときに
先生宅にきたの宅配便を業者から引き受けて開封してお裾分けしたもののようなのです。」
先生夫婦ぽかーん「え?ちょ?なに?」
お婆さんが先ほど「あらあの荷物は先生の家にきたものよ」と申しましたので。あわててゴミ箱
から伝票を確認したところこのとおり開封時に破損したようで相手先も判別しないのです」と。
(そのころの宅配便ってば、おおらかというか、ずぼらなとこもあったからなあ)
「こちらで食べてしまった乾燥芋は弁償いたします。申し訳ありません」と隣家。
「いえいえ、まあ、そういう間違いは誰にでもありますからねえ」と不問にして軽く流した先生。
この件は流したものの困ったのは先生。実は先生は弁護士で、その手の贈り物とかそれなりにあるもので、
送り主へと挨拶をしようにも不明ではどうしたものか?と、とりあえずゼミ生に聞いてみたそうで。
「送り主が見つかって良かったよ。これで誰から来たか判らなかったら送り主にお礼も出来なかった。
ある意味、挨拶って取り返しが付かなくなることがあるからねえ」と先生言ってたのは重かったな。
泥棒って時によってはモノばかりでなく、知らない間に自分の信頼まで盗んでいくもんなんだなあ、と。
厳密には泥棒じゃないけどこれが一つ目。
そして、次は3年生の夏。30度を超えた、ある晴れた熱い日の午後遅くのこと。
現金の手持ちの少なくなってた自分は自転車で郵便局へと向かいATMへと並んだ。
手数料がかかるようになる18時の20分ぐらい前だったかな?5人目ぐらいに並んだら、
1人が終わると1人並ぶぐらいな感じで常時4〜5人並んでる感じだった。
自分の番になった。熱くてかなりぼけらっとしてた覚えがある。
カード入れて2万円降ろしてカードと利用明細抜いて外に出て……あれ、金がない?
この間1分以内。ATMに駆け戻って最前列の人に「忘れ現金ありませんでしたか?」
と聞くも現金はなく、その人は自分の次の次の人の男の人だった。
「あなたの前に居た人は?」そうだ、自分の次の人は4〜50代の小太りのおばちゃんだったはず!
「もう出てったよ」との答えに慌てて駐車場に向かうと赤い軽自動車に乗り込んでる多分その人発見。
車に乗り込んだおばちゃんに向かって
「あの、ATMで自分お金取り忘れたんですけど、すみませんお金ありませんでしたか?」
「なかったわよそれじゃ」ドア閉まりまーす。
「あの、ちょ」急発進して逃げられましたよ?
……目も悪いし、走ってあたまスッカラカンになってるのでナンバーなんか覚えていない……
出てった方向は判るけどこれも証拠としてはアレだ、まったくの無意味。
「えーと、警察?」隣にあった派出所に行く。
「すいません、多分、お金とられました」
「え?」
「そこの郵便局のATMで」
「ああ、郵便ならユーセーカンサツキョクだ。郵便局へどうぞ」
「遊星観察曲?」
「ユーセーカンサツキョクです」
……たらいまわされましたか?
まだ郵便窓口が開いてた郵便局へ行って事情を話しユーセーカンサツキョクへ書類を繋いで貰った。
「郵政監察局、こういうのもあるんだ」寺社奉行みたいなものですか違いますかそうですか。
そして、少なくなった口座から更に2万を引き出し、親にピンチ振り込みを依頼しバカにされるorz
「いつもイツモぼけっとしてるから!」
おかんのいうとおりやー
後日、正式に県庁所在地の郵政監察局に行って手続き。市内だけど遠いorz
手続きをしたときに担当と話す
「こんな場合、なかなか現金は出てきませんよ」
「はあ」
「ATMに監視カメラは付いているのですけど……閲覧の許可がなかなか下りません」
「はあ」
「監視カメラの画像も(一般的に)不鮮明で……あと、解決にも時間か掛かります」
「はあ」
「何か質問は」
「もってったの後の人だと思うんですけど」
「その可能性も併せて調べます」
……自分バカみたいですよ?
秋も深まり論文のラストスパートに追われるようになったある日、郵政監察局から電話が。
「そちらのご自宅に向かいます都合の良い日時は明日ですよ16時ですかよいですね」
ちょw
部屋を片付ける時間も無し、開き直って迎え入れる。外は暗かった気がする。
「すいません、論文中なもので」資料と紙とが6畳一杯ですよ。
「ええ、はい。ではこちらをご覧ください。許可が下りましたので」郵政監察局の人、部屋の中がいやんな雰囲気、すまん。
「なんですか?……L版サイズの印画紙?なにこれ?」
「これは、あなたの直後の人を監視カメラが撮影した写真です」今の監視カメラの進歩はすごいわ。
「こんな10回もダビングしたビデオ以下の画質のが?色も薄いし悪いし」当時はビデオ?だったな
「どうです、これで後にいた人であると断言出来ますか?」ともかく技術の進歩はすごいなあ。
「……質問です、どちらが上ですか?」
「たしかこっち……あ、しるしがついてるからこっちだ」
……こまりましたよ?
その他もろもろ聞いてお帰りいただきました。ご苦労様でしたよ、本気で。
「えー、例の盗難というか紛失ですが」
「捕まえましたか?」
「ウチは警察じゃありませんから」
「はあ」
「確たる証拠は 全 く な い に も か か わ ら ず 後にいた方が返金を申し出てくれました」
「えーとつまり」
「お金は戻ってきますが、罪には問いませんというか問えません」
「えー」
「証拠がないんです。とりあえず郵政監察局でお返ししますからハンコと身分証もってきてください」
「はい」
その日、ちょっと良いビールをちょっと多めに呑む。
そして数日後に郵政監察局へ行く。ああ、もう初夏を過ぎてましたな、これ。
「証拠はありませんけど、なんどかご家庭を訪問して返してくれることになりました」
「……つまり白状した?」
「そのへんが微妙でして、ええ。」
「はあ」
「……注意してくださいよ、現金はとっさに出来心を生むのです」
「はい」
「危うくあなたの不注意のために、前科が普段は善良な主婦につくところだったのです」
「とっさにちゃっちゃと逃げ出したけど善良なのかなあ」
「善良なのです」
「むう、では書類書いてハンコついて」
「では、こちらをお返しいたします」
「ありがとうございました」
手元にある現金は、なんともよいものですよ?ほとんど1年近くかかりましたけど。
謝罪とか賠償とか遅延利息とか法廷論争とか劇的なことは無かったけど戻ってくる現金万歳。
ああ、ちなみに確証はないけど盗ったのはママだと思ったから、ですよ?印象だけど。
まぁ乙
本人は面白く書いたつもりなんだろうなwww
そして皆の感想レスを読んで、やっぱり読まなくて正解だった自分は勝ち組w
面白く書こうとして滑りまくり。
まぁでもお金が返ってきてよかったよかった。
「危うくあなたの不注意のために、前科が普段は善良な主婦につくところだったのです」
だと?
郵政監察局の言い分が正しいとしたら
被害者の不注意<加害者の出来心
で悪が成り立つんでしょう?
このスレでよくある泥ママと同じ言い訳じゃない
被害者の不注意(大悪)>加害者の出来心(小悪)
郵政監察局に関わるときは録音必須だね。
警察ではないからなんか怖いね。