【あられ、二度目のすばーばっくすへの挑戦】
Inいつもの公園!
あられ「ゴウキ!父ちゃんにおこずかい貰ったから、またあそこに行きたい!」
ゴウキ「あそこ?」
あられ「ほら、えっと……すばーばっくす!」
ゴウキ「あー、スターバックスな(もう完全にスバーバックスで覚えてら。こっちのが俄然言いにくいのに)」
あられ「また、あの甘くておいしい……ふぇらぺーちのが飲みたいんだぁ。あれ本当においしかったから」うっとり
ゴウキ「……分かった(フェラペチーノ。これは訂正しなくていいな)」スン
あられ「それに、こないだはゴウキに注文して貰ったから、今度はオレ一人でも注文できるようになりたい」
ゴウキ「なんで、別に俺が注文してもいいだろ」
あられ「オレも将来の事を考えて英語を喋れた方がいいかなって」
ゴウキ「……分かった(スタバの注文も全文日本語なんだが)」
あられ「がんばるぞー!」
ゴウキ(また、あの苦いコーヒーを飲む羽目になるのか……はぁ)
※ゴウキは、あられの前で格好つけたくて飲めもしないブラックコーヒーを注文するんだよ!ゴウキもただの十四歳だね!
【あられ、一人でできるもん!】
スタバの注文の列に並んでるよ!
あられ「あー、ドキドキしてきた。緊張する」そわそわ
ゴウキ(スタバの注文でこんなに緊張するなんて……可愛すぎだろ)盲目
あられ「オレが頼むのは……。だーく、もか、ちぷ、ふぇら。ぺちーの。とーる、さいず」ぶつぶつ
ゴウキ(スタバの注文が呪いの呪文みたいになってんな……可愛すぎだろ)盲目
あられ「くりーむ、オオメ。ちょこ、ソース、ツイカ」
ゴウキ「(日本語すらカタカナ発音に)……やっぱ俺と同じレジに行こうぜ、あられ」
あられ「ううん、オレはゴウキと少しでもお似合いになれるように……一人でやってみたいんだ」
ゴウキ「あられ……(俺、そんなスタバ行かねぇんだけど)」
店員「「こちらへどうぞー」」
あられ「行ってくる!」
ゴウキ「お、おう。何かあったらすぐに俺を呼べよ」
あられ「……うん」
ゴウキ(大丈夫か?あられ)
【いざ、注文へ!】
不儀「こちらへどうぞ……ん?」
あられ「は、は、はいっ!」タタタ
不儀(彼は、確か……)
——–あれ、不儀さん?
不儀「(俺の正体を見破った子だ。また来てくれたんだ)いらっしゃいませー。お待たせしました」にこ
あられ「こ、こんにちは(あ、あ、あ、不儀さんだ!また不儀さんに会えた!)」
——–あぁ?不儀さんが居た?いやいや、AV男優の不儀だんがなんでスタバで働いてんだよ。似てるだけだって。ったく。最近、あられが不儀さんの動画ばっかり見てるからだぞ。たまには他のタチの動画も見ろ。ほらっ。
あられ(ゴウキ、やっぱりこの人は不儀さんだよ!)バッ
≪ゴウキ側≫
ゴウキ(あられの前ではコーヒーを飲みたい……飲みたいがっ!正直苦すぎて、前回は飲むのがシンドかったんだよな)真剣
店員「どうされますか?(この子、格好良いわね)」
ゴウキ「あの、あんまり苦くないコーヒーってどれっすか」必死
店員「そうですね、飲みやすいモノでしたら……」
ゴウキ「苦くないヤツで!」こそっ
店員「あ、はい!(イケメンの学生の顔が眼前にっっ!眼福!!)」
≪あられ側≫
あられ(ゴウキ、こっち見て!ほら、不儀さんだよ……って全然コッチ見てない)しょぼ
不儀「キミ、こないだも来てくれた子だね?(ほんとにバレてるのか、ちょっと様子を見るか)」
あられ「……あっ、は、はい!そうです!(不儀さん、覚えててくれたぁっ!)」ぱっ
不儀「今日はどうされますか?(この子、ほんと可愛いな)」
あられ「あっ、えっとえっと(あ、あれ!何だったっけ!?忘れちゃった!)」
不儀(慌ててるな。前回の注文は、確か……ダークもかチップフラペチーノのトールサイズだったか)
あられ「ふぇら、ふぇふぇ、ふぇら。ふぇらをしてください」ぐるぐる
不儀「ん……フェラを?(これは、試されているのか?)」
あられ「ふぇら、ぺちの……(オレ、やっぱ、英語できないぃ)」泣
不儀「(そんなワケないか)ダークモカチップフラペチーノのトールサイズでいいですか?」
あられ「っっ!!は、はい!(通じたーー!)」ぱーー!
不儀「クリームは多めで、チョコソースを追加?」にこ
あられ「そ、ソレです!(注文出来た!オレの英語は通じたんだ!)」にこーー!
あられは父親からもらった千円札で、無事にフラペチーノの注文を完了したよ!
不儀「では、こちらのレシートを持って……ん(これは)」
あられ「あ、あ、あの、不儀さんですよね!?ハラムさんにいつもガン堀りしてる!」
不儀「っ!(これは完全にバレてるな。さて、どうしたものか。このまま放っておくと……)」チラ
あられ「あの、オレ、いつも見てて、す、すごいなぁ。かっこいいなぁって!」ぱぁっ!
不儀「(できれば周囲に人が居ない所で喋りたい。よし、それなら……)」
あられ「あっ、あっ、あの、だから!」
不儀「お客様、こちらのレシートはご存じですか?」
あられ「え、レシート?(すごく長いレシートだ)」
不儀「こちらのレシートをスマホで読み取って、ウェブ上のアンケートに答えて頂いたら、次回もトールサイズの飲み物が、今度はタダで飲めるんですよ?アタリです」にこ
あられ「っっっ!た、タダ!?すごい!あたり!?」パッ!
不儀「そうです。タダです。なので、今度はソレを持って……」
あられ「でも、オレ……スマホ持ってなくて」もじ
不儀「(あー、中学生なら持っていない事もあるのか)そうですか。だったら、それを持って。また明日、一人でお店に来てください」にこ
あられ「ひとりで?」
不儀「俺のスマホでアンケートに答えれば、そのまま注文が出来るでしょう?」
あられ「っっ!いいんですか!?」ぱっ!
不儀「ええ、もちろんです。その代わり、そのレシートは絶対に他人には見せてはいけません。見せたら効果がなくなってしまうので(この嘘でやり過ごせればいいが……)」
あられ「そうなんだ……じゃあ、隠します!」
不儀「いくら友達にも見せたらいけません(アッサリ嘘が通じてしまった。この子、大丈夫か)」
あられ「また明日もふぇらぺちーのが飲める」にこ
不儀「ふふ、俺が本当にキミの言う〝不儀さん〟かどうかは……その時教えてあげよう」にこ
あられ「はーい、不儀さん」にこ!
不儀「(完全に不儀で通ってる……俺ってそんなにバレバレなのか?)では、赤いランプの下でお待ちください」
あられ「はーい」にこー!
不儀(……うーん、困った状況ではあるけど。ほんと、あの子可愛いな)
【あられ、注文完了!】
ゴウキ「あられ、どうだった?出来たか?」
あられ「うん!出来た!ゴウキは今日もコーヒー?」
ゴウキ「おう(紙カップだと分からないからってココアにしてもらったぜ)」ほっ
あられ「ゴウキは大人だねー」にこ
ゴウキ「おう(あられが素直で可愛くて良かった)」
あられ、スタバのアンケートレシートが当たる!
今度は一人で不儀さんに会いに行くよ!
さて、どうなるんだろうね!(本当にどうなるんだ)