バッハ パルティータ2番カプリッチョを先生に聞いてもらった
きょうは発表会以後で初めてのクラシックピアノレッスン。
レッスンの前半では、ここ2回ほどのレッスンでは発表会の曲を優先させていたためにやらなかったバーナムをみっちり(実は家でもほとんど弾いていなかったので、冷や汗ビッショリ)。
次に、「さあ、では曲にいきましょう」という段になって、私が譜面立て並べたコピー譜のあまりのしわくちゃ度と書き込み度にびっくりした先生が言った。
「この曲は前から、練習していたんですか?」
「いえ、7月から始めて、譜読みだけで一か月かかりました」
と言うと、
「へぇ~ それじゃ発表会の曲と平行してやってたんですね」
そんな余裕あるんやったら、もうちょっと発表会の曲練習せんかい!と先生は思わなかっただろうか。
とにかく私は初めて先生の前でバッハ パルティータ2番カプリッチョを、♩=90 ぐらいで弾いた。
言い訳をいうようだが、今や自己最高テンポは♩=93 、それもほとんどノーミスのところまで漕ぎつけたのだ。ただし家で弾いている場合。
そしてきょうは・・・かなりボロボロだった・・・
先生も方向性で迷うことがある
弾き終わったあと、先生はちょっと考えるようにして言った。
「どうしましょうかねぇ。今後の方向性を・・・
もうちょっとテンポを落として、完璧に粒を揃えるようにするか、それとも粗いところはあっても音楽性を重視してこのままでいくか・・・」
「とにかく、テンポをこれ以上あげる必要はありません」
そうだろうか、私の好きな實川風さんなんか、♩=115 ぐらいで弾いているよ!
その真似ができるとは思えないけど・・・
先生の意見では、あまり速く弾くと、特徴的な主題が聞こえにくくなってしまう、というものだった。
ギリシャ神話の罰のような練習
あれこれ話しているうちに、先生の気持ちも固まったようで、特徴的な16分音符のフレーズを全部取り出して、ゆっくりとしたテンポで何回も練習してから、全体のバランスをみようということになった。
つまり、あちこちの部品を取り出しては磨く。
磨いた部品を元通りにセットする。
セットしてから、「あれ、ここ磨いてなかった?」というところを発見したら、またそれを取り出して磨く・・・ この繰り返しである。
これってまるでギリシャ神話やん!
神々の怒りを買ったシーシュポスは山頂まで岩を運ぶ➡意地悪な神が岩を転がり落とす➡シーシュポスはまたその岩をえっちらおっちらと山頂まで運ぶ、の繰り返し。
私、こんな罰を受けるほど悪いことしたかしらん?
驚きのクラウディオ・アラウ・レオンの演奏
いえ、やりますよ。この練習。
だってそのためにおカネを払ってわざわざ習っているんやもんね。
しかしテンポがゆっくりのプロピアニストによるバッハ パルティータ2番カプリッチョを探していて、こんなのを見つけた!
20世紀を代表する巨匠と言われる、クラウディオ・アラウ・レオン(1903-1991)である。
テンポは♩=90 ぐらいだが、あまり一定していない。
ペダルでボワーンとなっているところもあれば、リタルダンドしているところもある。
こんなのありなのか?
もし私がコンクールでこれを真似して弾いたら、「インテンポで弾くように」「テンポ揺らしすぎ」「ペダル踏みすぎ」と手厳しくけなされると思うんだけど・・・
今度は私が方向性で迷ってきたよ。