樋口真嗣監督の映画「シン・ウルトラマン」を観ました。
現代の日本が舞台。
前触れも無く日本に人類の脅威と成る巨大生物が出現し始める。政府は巨大生物を禍威獣と呼称する。自衛隊などの活躍により禍威獣3体の駆除に成功するが、4体目を逃がしてしまった事もあり、政府は防災庁を設立し、防災庁内に専門家による禍威獣特設対策室、通称「禍特対」を設置する。禍特対には室長の宗像龍彦(田中哲司)の下、現場で指揮を執る班長の田村君男(西島秀俊)、作戦立案担当官の神永新二(斎藤工)、非粒子物理学者の滝明久(有岡大貴)、汎用生物学者の船縁由美(早見あかり)が所属した。禍特対の活躍により、続けて出現した2体の禍威獣の駆除に成功する。
首都圏郊外に新たな禍威獣が出現する。普段は透明で、発電所で電気を捕食するその禍威獣を、防災庁はネロンガと命名する。禍特対の指示により自衛隊がネロンガを攻撃するも通じず、ネロンガは電撃を使って暴れ始める。禍特対も打つ手の無い中、神永はモニターで逃げ遅れた子供を発見し、一人救助へ向かう。その直後、大気圏外より謎の飛翔体が現れ、ネロンガの前に降下する。神永は子供を保護するものの、謎の飛翔体の着地による大きな瓦礫が神永に直撃してしまう。飛翔体は巨大な銀色の人型生物だった。ネロンガは人型生物を電撃で攻撃するが、人型生物は電撃を受け流し、やがて手から光線を発射してネロンガを消し飛ばす。人型生物は空へと飛び上がると姿を消し、直後に子供を保護した神永が禍特対へ戻って来た。
政府は巨体人型生物をウルトラマンと仮称し、ウルトラマンに対応させる為、公安調査庁より分析官の浅見弘子(長澤まさみ)を禍特対に出向させる。浅見は禍特対に歓迎されるが、コンビを組む神永だけは素っ気ない態度を見せる。
続いて、地下を放射能を帯びながら進む禍威獣ガボラが出現する。禍特対が対策に当たり、宗像室長の手配で米軍の地中貫通型爆弾で攻撃するが、ガボラには通じず、ガボラは地下核廃棄物貯蔵施設へ到着しようとしていた。絶望的状況の中、神永は密かに対策本部を抜け出し、森の中で走りながらカプセルを取り出しスイッチを押すとウルトラマンが出現する。ウルトラマンは飛んで地下核廃棄物貯蔵施設へ行き、到着したガボラを蹴り飛ばす。ウルトラマンはガボラによる放射能被害を防ぐかの様にガボラと戦う、といったあらすじです。
円谷を愛する次男(中1)のたっての願いで公開初日(5月13日)に観に行って参りました。
一言でいえば、めちゃくちゃ面白い!
私は幼少の頃よりウルトラマンに親しみ、子供達(高1&中1)と共に現在のシリーズに至るまでウルトラ・シリーズを楽しんでいますが、私達親子にとっては、初代ウルトラマンこそが孤高の存在です。そんな私達にとって、最高の贈り物といえる作品なのです。
様々な設定は現代に合わせてブラッシュアップされていますが、基本は初代ウルトラマンのテレビドラマにオマージュされているのです。音楽も補完的に鷺巣詩郎のものも挿入されていますが、殆ど(しかも主要なシーンでは)宮内國郎の曲(編曲はされています)が使われているのです。
さらには、ウルトラマンはCGではありますが、その体型はテレビドラマでスーツアクターを務めた古谷敏がモデルに成っており、動きも古谷をモーションキャプチャして作られているのです。シン・ウルトラマンとは真ウルトラマンで間違い無いのです。
私の様な長年のウルトラ・ファンが興奮・感激しっぱなしの作品なのです。
純粋な映画としても、アングルの面白さが際立ちました。事前にテレビでメイキング番組を観ましたが、役者にiPhoneを持たせる等して撮影した登場人物目線の映像は際立っていました。そして、
ウルトラマンといえば
実相寺昭雄という事か、
実相寺監督作を思わせる構図の数々が嬉しかったです。
1年以上公開を延期して手を入れたと思われる映像の仕上がりも良かったです。しかも所々、特撮を思わせる仕上がりにしてあるのが心憎い。
そしてデザインが素晴らしかったです。成田亨の本来のデザインを思わせる禍威獣や外星人の造形は美しい。そうきたかと感心するザラブ(声:津田健次郎)、最高に格好良いメフィラス(山本耕史)、光り輝き余分な物の無いウルトラマン(声:高橋一生)、成田も草葉の陰で喜んでいる事でしょう。
私の様なウルトラ・ファンで無い人がどう思うかは分かりませんが、圧倒的に強いウルトラマン、健全なセクシー・シーン(笑)を連発してくれる長澤まさみが登場する本作、きっと誰もが楽しめると思います。