これぞデザイナー北斎!葛飾北斎が作ったオリジナル文様の古文書「新形小紋帳」を全ページ紹介!
世界的にも人気の高い江戸時代の絵師「葛飾北斎(かつしかほくさい)」。名作「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」が新千円札の裏面のデザインにも採用され、あらためて注目されています。
北斎は浮世絵作品のほかにも、「北斎漫画(ほくさいまんが)」をはじめとする絵手本集やスケッチ集なども積極的に手掛けていました。
今回はそんな北斎の作品を紹介するわけですが、本記事で紹介するのは、北斎のデザイナーとしての一面を伺うことができる作品集。文政8(1825)年に刊行された「新形小紋帳(しんがたこもんちょう)」という文様集です。
「新形小紋帳」は北斎がオリジナルで考えた文様が紹介されている文様集で、主に着物のパターンを考える際に活用されていました。単なるデザイン集ではなく、描かれた文様をどのように描くのか解説していたりもして、北斎先生の技術がつまった手習い書とも言えるでしょう。
北斎のデザイナーとしての一面が伺える作品としては、以前紹介した図案集「今様櫛きん雛形」もあります。これは北斎がデザインした櫛(くし)や煙管(きせる)の図案集です。合わせてご覧ください。
櫛やキセルを葛飾北斎がデザインしたらこうなっちゃう「図案集 今様櫛きん雛形」無料公開
江戸時代の浮世絵師は、版元に絵の仕事を依頼され、依頼主の要望に沿った絵を描きあげるのが基本的な仕事の流れでした。依頼される仕事には書物の中に描く挿絵もあれば、お寺に依頼されて天井画や壁画を描く大きな仕…
話を戻して、「新形小紋帳」は明治時代に入っても再版されていたそうで、「新形小紋帳」に描かれた文様たちは後に「北斎模様」とも呼ばれるようになります。
現在販売されている着物や和雑貨の模様の中にも、もしかすると「新形小紋帳」に描かれた「北斎模様」が隠れているかもしれませんね。
現代の染物屋さんでも「北斎模様」を参考にしている方はいるようなので、「新形小紋帳」を見ながら、みなさんの着物の柄をチェックしてみるのも面白いかも。
それでは、葛飾北斎による「新形小紋帳」をごらんください!