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動物は「自殺」をするのか? 「犬が飛び降りる」橋の尽きない謎

篠田航一・ロンドン支局長
犬が飛び降りるとされるオーバートゥーン橋=英北部スコットランド・ダンバートンで2024年2月20日、篠田航一撮影
犬が飛び降りるとされるオーバートゥーン橋=英北部スコットランド・ダンバートンで2024年2月20日、篠田航一撮影

 英北部スコットランド・ダンバートンの森の中に、「オーバートゥーン橋」という不思議な橋がある。ここを通る犬が突然、約15メートル下を流れる川に次々に飛び降りるというのだ。英国では「犬が自殺する橋」として有名になり、これまで多くのメディアに取り上げられてきた。近隣住民の中には、怖がって犬の散歩をさせない人もいるという。

 飛び降りた先は岩だらけの谷底で、まず助からない高さだ。一方で橋の欄干から下をのぞき込むと、草がかなり生い茂っており、どこかに引っかかれば生き残りそうな気もする。実際に死ななかった犬もいるという。

「少なくとも100匹」

 これまでに何匹の犬が飛び降りたのか。この問題を調査している地元の高校教師のポール・オーウェンズ氏(59)はこう話す。

 「犬の飛び込み例が最初に報告された…

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ロンドン支局長

 1997年入社。甲府支局、東京社会部、ベルリン特派員、青森支局次長、カイロ特派員などを経て現職。著書に「ナチスの財宝」(講談社現代新書)、「ヒトラーとUFO~謎と都市伝説の国ドイツ」(平凡社新書)、「盗まれたエジプト文明~ナイル5000年の墓泥棒」(文春新書)。共著に「独仏『原発』二つの選択」(筑摩選書)。

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