答えはYESのみ? 後編
「お前、俺とロンドン行くの嫌なのか?」
「嫌も何も・・・」
「何か日本を離れられない理由でもあるか?
好きな男でもいるのか?
まだ司に未練がある?」
あたしは日本で働いて、日本に住んでるんだから、ここにいるの。
好きな男?
あたし、好きな人なんかいたっけ?
そりゃ、あれ以来お付き合いなんかしたことないけれど。
なんで今更道明寺が出て来ちゃうの?
「未練なんてある訳ないじゃん。
もうすっかり友達なの、美作さんだって知ってるでしょ。」
「じゃあ、類か?」
「あたしと類はそんなんじゃない。」
「総二郎か?」
「はぁ? 有り得ないし。」
「じゃあ、俺だろ。」
「どうしてそうなるのっ?」
「俺たち4人以外なんて、牧野は好きになれないんだよ。」
美作さんがふふふっと鼻で笑ってる。
人を鼻で笑うなんて失礼しちゃうわ。
「俺は牧野が好きだよ。」
は? またまた何言っちゃってるの?
新手の『優しいお兄ちゃま攻撃』?
妹みたいに可愛いよってか?
「牧野が考えてるような好きじゃない。
本気で、一人の女性として好きなんだ。
お前、俺の事お兄ちゃま扱いするの、もう止めろ。
ロンドン行ってお前と離れて気が付いたんだよ。
そのうちお前が俺の事見てくれたらいいって思ってたけど、そんなのウソだった。
1年以上離れていて大丈夫な訳ない。
俺は牧野がいなきゃダメなんだ。
牧野だけが大切なんだ。」
時間が止まる。
なんか息がうまくできない。
苦しい。
なんで涙が出てるんだろ?
止まらない。
身体に力が入らない。
気が付いたら、美作さんの腕の中だった。
美作さん愛用の甘い香りを吸い込むうちに、段々落ち着いてきた。
これって精神安定剤?
「大丈夫か?」
「ん・・・」
「俺の話、分かった?」
「うん、多分・・・」
「なんだ、多分って?
まぁ、牧野の気持ちは、後から俺に追いついてくれればいいよ。」
「美作さんってこんな強引な人だっけ?」
「牧野の前ではずっといいお兄ちゃまでいてやってただろ?」
美作さんの手が、優しくあたしの髪を梳いている。
なんだか落ち着く。
「あれって、世を忍ぶ仮の姿だったの?」
「そうなのかもな。
俺ってば、気遣いのヒトだから、お前の求める姿を演じてた。
でも本当の俺は、かけがえのないものにはこんなに熱くなれちゃう男だったんだよ。
って、俺も今初めて知ったんだけどな。」
「あのー、えーっと、あたし、美作さんと付き合うの?」
「そうしたいから、一緒に来てくれって言ってるの。
ロンドンでは一緒に住みたいんだけど。」
「どどどどど、同棲っ?」
思わず美作さんの腕の中から飛び出た。
「牧野も知らない国で1人で暮らすより、俺と暮らす方が安心だろ?」
そりゃまあそうなんですけど。
「おじ様やおば様になんて思われるか・・・」
「そんな外堀、もう埋めてきたよ。
1年何やってたと思う?
お前を迎えにくる準備が出来たから、今日帰ってきたんだ。
親父もお袋も双子も大歓迎だってさ。
お袋なんて、もうウェディングドレスのデザイン考えてたぞ。」
ウェディングドレス?
結婚式?
結婚?
んんん?
「結婚っ?」
頭の中にはクエスチョンマークが飛び交う。
「あぁ、いつかはそうなるだろ?
でも俺焦ってないから。
ちゃんと待つよ、牧野が俺と結婚したくなるまで。」
美作さんがあたしの手を取る。
とろけそうに甘い笑みを浮かべてあたしを見てる。
「牧野、俺と付き合って。
一緒にロンドンへ行こう。
返事はYESしか受け付けない。」
「YESしか答えがないの?」
「そうだよ、YESだけ。
大丈夫。牧野は俺の事、もっともっと好きになる。
俺にはそうさせる自信がある。
ほら、返事は?」
なんじゃ、この俺様発言は。
でも妙に納得させられちゃうのは、なんでなの?
多分あたしは美作さんの術中にはまってる。
催眠術なのかもしれない。
だって口が勝手に動くもの。
「・・・YES・・・。」
「ありがとう、牧野。
もうこの手、離さないから。覚悟して。」
手をぎゅっと握られ、美作さんが近づいたと思ったら、優しいキスが降ってきた。
-fin-
あ、甘いよ、あきらー!
自分で書いてて、息がつまりそうでした(笑)
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「嫌も何も・・・」
「何か日本を離れられない理由でもあるか?
好きな男でもいるのか?
まだ司に未練がある?」
あたしは日本で働いて、日本に住んでるんだから、ここにいるの。
好きな男?
あたし、好きな人なんかいたっけ?
そりゃ、あれ以来お付き合いなんかしたことないけれど。
なんで今更道明寺が出て来ちゃうの?
「未練なんてある訳ないじゃん。
もうすっかり友達なの、美作さんだって知ってるでしょ。」
「じゃあ、類か?」
「あたしと類はそんなんじゃない。」
「総二郎か?」
「はぁ? 有り得ないし。」
「じゃあ、俺だろ。」
「どうしてそうなるのっ?」
「俺たち4人以外なんて、牧野は好きになれないんだよ。」
美作さんがふふふっと鼻で笑ってる。
人を鼻で笑うなんて失礼しちゃうわ。
「俺は牧野が好きだよ。」
は? またまた何言っちゃってるの?
新手の『優しいお兄ちゃま攻撃』?
妹みたいに可愛いよってか?
「牧野が考えてるような好きじゃない。
本気で、一人の女性として好きなんだ。
お前、俺の事お兄ちゃま扱いするの、もう止めろ。
ロンドン行ってお前と離れて気が付いたんだよ。
そのうちお前が俺の事見てくれたらいいって思ってたけど、そんなのウソだった。
1年以上離れていて大丈夫な訳ない。
俺は牧野がいなきゃダメなんだ。
牧野だけが大切なんだ。」
時間が止まる。
なんか息がうまくできない。
苦しい。
なんで涙が出てるんだろ?
止まらない。
身体に力が入らない。
気が付いたら、美作さんの腕の中だった。
美作さん愛用の甘い香りを吸い込むうちに、段々落ち着いてきた。
これって精神安定剤?
「大丈夫か?」
「ん・・・」
「俺の話、分かった?」
「うん、多分・・・」
「なんだ、多分って?
まぁ、牧野の気持ちは、後から俺に追いついてくれればいいよ。」
「美作さんってこんな強引な人だっけ?」
「牧野の前ではずっといいお兄ちゃまでいてやってただろ?」
美作さんの手が、優しくあたしの髪を梳いている。
なんだか落ち着く。
「あれって、世を忍ぶ仮の姿だったの?」
「そうなのかもな。
俺ってば、気遣いのヒトだから、お前の求める姿を演じてた。
でも本当の俺は、かけがえのないものにはこんなに熱くなれちゃう男だったんだよ。
って、俺も今初めて知ったんだけどな。」
「あのー、えーっと、あたし、美作さんと付き合うの?」
「そうしたいから、一緒に来てくれって言ってるの。
ロンドンでは一緒に住みたいんだけど。」
「どどどどど、同棲っ?」
思わず美作さんの腕の中から飛び出た。
「牧野も知らない国で1人で暮らすより、俺と暮らす方が安心だろ?」
そりゃまあそうなんですけど。
「おじ様やおば様になんて思われるか・・・」
「そんな外堀、もう埋めてきたよ。
1年何やってたと思う?
お前を迎えにくる準備が出来たから、今日帰ってきたんだ。
親父もお袋も双子も大歓迎だってさ。
お袋なんて、もうウェディングドレスのデザイン考えてたぞ。」
ウェディングドレス?
結婚式?
結婚?
んんん?
「結婚っ?」
頭の中にはクエスチョンマークが飛び交う。
「あぁ、いつかはそうなるだろ?
でも俺焦ってないから。
ちゃんと待つよ、牧野が俺と結婚したくなるまで。」
美作さんがあたしの手を取る。
とろけそうに甘い笑みを浮かべてあたしを見てる。
「牧野、俺と付き合って。
一緒にロンドンへ行こう。
返事はYESしか受け付けない。」
「YESしか答えがないの?」
「そうだよ、YESだけ。
大丈夫。牧野は俺の事、もっともっと好きになる。
俺にはそうさせる自信がある。
ほら、返事は?」
なんじゃ、この俺様発言は。
でも妙に納得させられちゃうのは、なんでなの?
多分あたしは美作さんの術中にはまってる。
催眠術なのかもしれない。
だって口が勝手に動くもの。
「・・・YES・・・。」
「ありがとう、牧野。
もうこの手、離さないから。覚悟して。」
手をぎゅっと握られ、美作さんが近づいたと思ったら、優しいキスが降ってきた。
-fin-
あ、甘いよ、あきらー!
自分で書いてて、息がつまりそうでした(笑)
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