櫻井翔、嵐の活動休止・40代迎えて訪れた変化――「幸せを感じている」今後のビジョン語る<「映画 ネメシス 黄金螺旋の謎」インタビュー>
2023.03.10 07:00
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嵐のメンバーとして国民的スターとなり、グループ活動休止後も、MC・キャスター・俳優とマルチに活動を続ける櫻井翔(さくらい・しょう/41)。学業と仕事を両立しながら、10代の頃からトップを走ってきた櫻井だが、40代を迎えてある変化が訪れているという。「映画 ネメシス 黄金螺旋の謎」の公開が3月31日に控える中、櫻井の現在地、そして“今の生き方“に迫った。<モデルプレスインタビュー>
広瀬すず&櫻井翔W主演「映画 ネメシス 黄金螺旋の謎」
天才的なひらめきで事件の真相を見破っていく探偵助手のアンナと、ポンコツだが人望に厚い自称天才探偵の風真が様々な依頼に挑む新時代の探偵物語「ネメシス」。2021年4月期に日本テレビ系にて放送され、1話あたり1700万人を超える視聴者数を記録(※ビデオリサーチ調べ、全国総合到達人数)したヒットドラマが、広瀬すず、櫻井のW主演、江口洋介共演で映画化。ドラマでお馴染みのチームネメシスのメンバーに加え、映画では最強の敵役で佐藤浩市や魔裟斗ら豪華キャスト陣の参戦が発表され大きな話題に。監督はサスペンス映画の傑作「22年目の告白―私が殺人犯です―」などヒット作を手掛け、ドラマシリーズの総監督も務めた入江悠。映画化にあたって新たに脚本家として起用されたのは「アンフェア」シリーズの原作者・秦建日子。サスペンス映画のヒットメーカーである入江監督がミステリーの名手として知られる秦氏と組み、数々の超難解な映像トリックを仕掛ける。
櫻井翔「ネメシス」チームに感謝 作品との向き合い方語る
最初に台本を読んだ時の印象について、「読み物としては複雑で、何層にも重なり合っていて面白いなと思ったのと同時に、映像でどうやって表現するんだろうと思いました」と語った櫻井。しかし入江監督との信頼関係が出来上がっていることから「むしろものすごく面白いエンターテインメントにしてくれるのではないかという期待値が高まった」という。劇中では、映画ならではの大掛かりなカーアクションシーンが描かれるが「つくばでのロケだったのですが、街を一区間封鎖しての撮影で、あの経験は初めてでした。映画でもなかなか観られないんじゃないかなというくらいのスケール感ですごかったです。撮影のために街を自由に使えるというのは、やっぱりテンションが上がりました」とキャリア25年以上での“初めての経験”を感慨深げに振り返り、完成した作品を観て「体感として本当にあっという間でした。ドラマの時にはなかった入江監督の表現の引き出しを開けて見せてもらったような感覚で、ワクワクしました」と感想を語る櫻井からは、期待値を超えた様子がうかがえた。
ドラマとしてヒットした作品が映画化することは珍しくないが、ドラマから少し期間が空いたことである“不安”を感じたことも明かす。「違う役柄を演じるならともかく、期間が空いて同じ役柄を演じるのは結構難しかったりするんです。目の動き、手の動き、声の出し方…あの時どんなふうにやっていたっけな、同じようにできるかな、という不安が、僕の場合は少なからずある」と吐露しながら、「アンナ(広瀬)に向ける愛情のベクトルや、栗田さん(江口)に向ける尊敬・敬愛のベクトル、そして2人と話している時に不意に見せる表情は忘れないようにしたいなと思って演じていました。広瀬さん、江口さんをはじめとしたキャストの方々やスタッフの皆さんとは、ドラマで培った関係値があるので、故郷に帰って来たような気持ちになり不安が払拭されて、安心感があったことが今回大きかったです」とお馴染みのチームワークで乗り切れたよう。
入江監督は、櫻井がAIに関する難解な言葉や長台詞もスッと頭に入れ、役を演じきったスキルを絶賛していたが、もちろんそれはたゆまぬ努力あってこそだ。
「撮影スケジュールを見たら、明らかに僕がミスしないことを前提に作られたスケジュールだったんですよ。完全にミスしたらダメだな、というプレッシャーに打ち勝ちました(笑)。台詞を覚えるコツというのはこれと言って特になく、何でもそうだと思うのですが、やっぱり練習あるのみです。言ってしまえば現場は試合会場で、そこで基礎練習を始めるわけにはいかない場なので、じゃあどこで練習するのかと聞かれたら、家で練習して、準備していくしかないです。カンペを出してもらうわけにもいかないですし(笑)、他に方法がないので、“やる”一択なんです。やるしかない。連続ドラマだと最初の2週間くらいは全然覚えられないのですが、途中からポンポン覚えられるゾーンに入るんです。頭の中が自然とそういう回路になっていくと思うので、やっぱり結局練習なんでしょうね。ここ何年かは長台詞のある役が多いので、そんなふうに思っています」と明かしつつ、劇中での“サクラップ”ならぬ“カザラップ”について話が及ぶと「カザラップをやっている時は、長台詞の解放感でいっぱいでした(笑)。あれはほぼアドリブです」と笑わせた。
櫻井翔、キャリア25年以上で感慨「長く続けているといいもんだな」
20代の頃から作品で主演を張ることも多かった櫻井。40代になり、現場での意識や立ち振る舞いなどの変化を尋ねると、年齢やキャリアを積み重ねる中で、最近しみじみ感じていることがあるのだという。「年齢やキャリアを重ねると、僕が過去に出た番組や作品を小さい頃に観ていたという若いスタッフの方と関わる機会が増えてくるんです。今撮っているドラマの合間に、とあるスタッフの方と話をしていると、15年以上前にやっていた『まごまご嵐』というバラエティーを観ていましたとか、嵐のあの曲が好きでしたとか言ってもらえて。当時テレビで僕のことを見ていた側だった方たちと、今一緒に仕事ができているというのは、皆さんが思っている以上にとても嬉しいことです。ここで人生が交わるのかと不思議な気持ちになります。最近そんなことがすごく多いので、長く続けているといいもんだなと感じます。なので僕は、現場の士気を高めるというと恐れ多いですが、ちょっとしたサービス精神というかコミュニケーションの一環として、当時の裏話をしたりするんです」と目を細めた。
さらに「そんな話も、どこで誰が触れてくれるかなんて本当にわからないから面白いです。東京パラリンピックの時には、ブラインドサッカーの現場で、とある女性記者の方と出会ったのですが『櫻井さんのパラリンピックの取材を見て、パラスポーツに関わりたいと思い、今この仕事をしています』と声を掛けてくださったんです。それが本当に嬉しくて、幸せなことだなと思いました」と感慨深げに話す櫻井に、嵐の初の冠レギュラー番組「真夜中の嵐」が好きで観ていたことを伝えると「よく起きてましたね!あれは大変なロケでした(笑)」ととびきりの笑顔が返ってきた。
そして、グループ活動が休止したことにより、仕事との向き合い方にも変化が。
「単純に物理的なことだけで言うと、グループとして活動していた時は、レギュラー番組、コンサート、リハーサル、レコーディング、打ち合わせ…という年間のスケジュールだったので、今のスケジュールと比べると、全く違います。突然大切な仕事が飛び込んで来てもいいように、40代になったら肉体的にも精神的にも障害がないように準備しておきたいとずっと思っていたので、20代後半くらいからトレーニングをしていました。なので40代になった今は、20代、30代の時より少し仕事が落ち着いて、体を動かしておく準備段階の時間が増えたようなイメージです。時間の使い方は本当に変わりました。若い時はお昼くらいまで寝ていたけど、今は朝早く起きてその時間で自分のために何ができるかを考えるようになったので、働き方はもちろん、時間の流れも変わったと感じています」
一方で、仕事への取り組み方は「変わっていないと思います。むしろあまり変えたくないと思っている」といい、「年齢やキャリアを重ねると、最短距離で進むことを覚えてしまうと思うのですが、僕はなるべくそうありたくないと思っています。結果は一緒なんだろうけど、“汗をかく”という、そのプロセスにどれだけ時間をかけてきたかは、見ている人には伝わってしまうものだと思うので、できるだけ楽をせず、きちんと段階を踏んで、準備をするというプロセスを大事にしたいなと。それは年齢を重ねるごとに自分を律するという意味で意識していることです」と真っ直ぐな眼差しで語った。
櫻井翔、今後のビジョンを語る「フィクションとノンフィクションの中に同時にいることに幸せを感じている」
先日、初の個展を開催することを発表した櫻井。インタビューは発表前に実施したが、マルチに活動を続ける櫻井に今後のビジョンを聞くと「それは僕も知りたいです。どうしたらいいんだろう(笑)」と、意外にもチャーミングな答えが返ってきた。「僕は報道番組に携わっている中で、“ノンフィクション”を伝えているけれど、ドラマや映画では“フィクション”を表現していて。その2つをアウトプットできる立場にいるというのは、周りを見ても決して多いわけではないので、仕事を選ぶということよりも、そのフィクションとノンフィクションの中に同時にいる、あるいは表現する、伝えるということができていることに幸せを感じているんです。なので、どの仕事をメインに、というのは今のところ考えていないです。…でももしかしたら、来年はまた違うことを言っているかもしれないですけどね(笑)」
櫻井翔が怒り・悲しみを乗り越えたエピソード
櫻井のこれまでの人生の中で、「怒りを乗り越えたエピソード」や「悲しみを乗り越えたエピソード」について尋ねると、「悲しみに触れるということで言うと、圧倒的に報道の現場が多いです」といい、「悲しみはこんなに深いところまであるのかと、絶望に近いかもしれません。戦争や震災、心を潰されそうになる時が何度もあります。僕は当事者ではないので、どう乗り越えていくのかについてはわからないのですが、先程のフィクションとノンフィクションの話のように、当事者ではないからこそ、伝えていくということを大切にしたいです」と話した櫻井。「怒り」については、「僕はあまりネガティブな感情を覚えていないのですが、悔しさの近くに怒りがあるのだとしたら、それがモチベーションになりうるのかなと思います。大人になるにつれて怒るようなこともなくなってくるので、最近はあまりないですが、今思い返してみると嵐としてデビューした最初の数年間は、ずっともがいてるような時期が続いていたので、その時の悔しい思いを自分たちの燃料にしながら、前に進んでいたのだと思います」と駆け出しの頃を思い出しながら、ひとつひとつ言葉を紡いだ。
最後に、変わらず多忙な日々を過ごす櫻井のリフレッシュ方法を聞いた。
「僕らの仕事はありがたいことに、忙しければ忙しいほど会う人が増えるので、空いた時間に皆さんと話をしているだけで、リフレッシュになりますよ。今もドラマの現場で共演者の方やスタッフの方と他愛もない話をすることがすごく楽しいです。何か趣味でもあれば、忙しいとそれができなくてフラストレーションが溜まっていくんだろうけど、僕はこれと言って趣味がないので、その辺は何も影響がないです。“無趣味”の強みですね(笑)。仕事をしているだけで楽しいですし、それが1番なのかなと思います」
―――自身の思いを丁寧に伝えながらも、度々オチをつけて笑わせてくれる姿が印象的だった。仕事や、仕事で携わる周りの人たちとの繋がりを大切にしながらも、力を入れすぎず常にフラットな状態でこなしていく。櫻井の言葉の端々からは、そんな“生き方”を感じとった。(modelpress編集部)
櫻井翔(さくらい・しょう)プロフィール
1982年1月25日生まれ、東京都出身。1999年11月3日、嵐のメンバーとして「A・RA・SHI」でCDデビュー。2003年1月、「よい子の味方 ~新米保育士物語~」(日本テレビ系)で連続テレビドラマ初主演を果たす。ほか主な出演作に、ドラマ「木更津キャッツアイ」(2002、TBS系)、「山田太郎ものがたり」(2007、TBS系)、「謎解きはディナーのあとで」(2011~2013、フジテレビ系)、「家族ゲーム」(2013、フジテレビ系)、「ネメシス」(2021、日本テレビ系)など。現在放送中の「大病院占拠」(日本テレビ系、毎週土曜よる10時~)で主演を務める。MCやキャスターなど多岐にわたって活躍中。
【Not Sponsored 記事】
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