復活した後に
イエスは、母とそのそばにいる愛する弟子とを見て、母に、「婦人よ、御覧なさい。あなたの子です」と言われた。それから弟子に言われた。「見なさい。あなたの母です。」そのときから、この弟子はイエスの母を自分の家に引き取った。
今日は「悲しみの聖母」の祝日です。福音(ヨハネ19.25-27)は十字架上のイエスがヨハネと母マリアに語りかける場面が読まれます。
この後聖書では、母マリアに関する記述はしばらく途絶えます。次にマリアが登場するのは、使徒言行録1章、イエスが天に帰った直後の場面です。つまり、復活したイエスが母マリアと出会う場面は、聖書には書かれていないのです。
復活したイエスは、天に帰るまで四十日間、度々弟子たちの前に姿を現したと聖書には書かれています。マリアは使徒ヨハネの家に引き取られていたのですから、イエスがマリアと出会う機会は何度もありそうです。そもそも、母親想いのイエスが、復活した後に母マリアに会わないということがあるでしょうか。
聖書に書き残されていない以上、真実は分かりません。しかし、分からないからこそ、私たちがそこに想いを巡らせ、黙想する余地が残されているとも言えるのではないでしょうか。