欠点だらけの使徒たちが

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     今日の福音(マタイ20.17-28)で、ゼベダイの子(ヤコブとヨハネ)の母は、息子たちと一緒にイエスの下へ行き、「王座にお着きになるとき、この二人の息子が、一人はあなたの右に、もう一人は左に座れるとおっしゃってください。」とイエスに頼みます。これを聞いた他の十二使徒はこのことに腹を立てます。

     十二使徒といえば、イエスの弟子の中でも筆頭格、ヤコブとヨハネはペトロと並んで、その中でも特にイエスの側近くにいた人です。しかし、今日の福音に書かれているように、彼らは決して「いかにも聖人」という人物ではなかったようです。

     十二使徒も私たちと何ら変わらない人間でした。仲間を出し抜きたいという欲もありました。仲間に腹を立てることもありました。そして、イエスが説く「神の国」の意味を全く理解していませんでした。

     そんな使徒たちが、イエスの十字架による死と復活を経験することによって変えられていきます。ヤコブはスペインまで宣教に行き、最期はヘロデ・アグリッパによって首を刎ねられて殉教を遂げました。ヨハネは使徒の中で唯一殉教することなく、「あの人は死なないんじゃないか」と言われるほど長生きし、人々を信仰に導きました。

     欠点だらけの当たり前の人間が、イエスと出会い、その死と復活を経験して変えられていく。これこそ私たちにとっての希望なのです。

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