SSブログ

片岡聡さんの聞く [聞く]

35.jpg
2022年7月17日更新

片岡聡さんの当事者の発表スライドがあまりに面白いので、予定を変更して「聞く」の話へ。






スライド8に園児の声が洪水の音に聞こえたと言う話。

781.jpg

これは、非常に重要な事項を含む事例だと私は考える。






人間は、不思議なモノで、例えばパチンコ屋の騒音の中でも、工場の中でも、それこそ片岡聡さんが
言う洪水の中でも、「選択的に音を聞き分け」会話をする事が出来る。






この能力はその状況下では選択的に音を聞き分けられても、これが一旦録音されると、すべて同じ
騒音に掻き消されて聞き取れなくなる。






それこそ、現場ではもっと騒音が大きかったのに、キチンと聞き取れて、さらにその場で会話をして
いたのだ。






つまり、音を聞き分けるのは、音の大きさでは無く、コミュニケーションの一つのパーツとしての声
だから、騒音の中でも、コミュニケーションの一部の声を選択して聞き出す事が出来たのだ。






ところが、録音になるとコミュニケーションツールの声では無く、騒音と同等の価値しか無い音の一種
として声が存在するから、簡単には聞き分ける事が出来なくなる






つまり、正常な人でも、一旦コミュニケーションの糸を切ってしまえば
声といえども、騒音と同じ音になる






ここからは、想像になってしまうのだが、恐らく片岡聡さんは自閉症の子供としても、言葉がおそく、
仮に言葉を発する様になっても、コミュニケーションの道具として、使える様になったのは、
相当遅かったと思われる。






保育園に行っていた頃は、声が時にはコミュニケーションツールになる事を
全く分かっていないから、園児の声だろうが、犬の吠え声だろうが洪水だろうが、同じ騒音にしか
聞こえないし、その価値も同等でしか無い






だから、今振り返っても、「園児の声が洪水」と言う表現になる。






実は、私の妻が片岡聡さんと同じタイプで、発語は異様に早かったのだが、それはオウムのオウム返し
と同じエコラリアが成した技






片岡聡さんの様に「洪水」とは表現しないが、騒音(特に人の声の渦)の中で選択的な声の抽出
なんて器用な事は全く出来ず、駅で名前を連呼しようと、デパートで呼び出しを掛けようと、とにかく
聞き分けと言う事が出来ないし、人間の騒音、人出の多いところに行くとすぐ弱ってしまう
2024年2月1日追記:選択的聞き分けについて、専門書にも同様の記述があった。流石専門家。



動画もみてねー
【自閉症テレビ29】ファンタジーと自閉症


nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

Facebook コメント

  翻译: