2024年09月11日、韓国の国会予算政策処(略称「NABO」)が「2024年上半期の税収不振および下半期の財政・経済条件の点検」討論会で「2024年は約32兆ウォンの税収欠損が予想される」と警告を発しました。
税収欠損が32兆ウォン発生するとしていますが、Money1でもご紹介してきたとおり、この事態は現在進行中で、07月時点で対前年同期比で国税収入は「-8兆8,000億ウォン」。約9兆ウォン減少しています。
今回の討論会で、NABOのチェ・チョルミン予算分析総括課長が興味深い発言を行っていますので、以下に引きます。
「過去に税収不足が発生した際も、国会は編成された地方交付税教育と短期交付金を確保しようと要求しているが、昨年、政府は56兆ウォンの税収不足に対応して、地方自治体および地方教育庁に支払われるべき18兆6,000億ウォンの交付金を支払わなかった。
「2年連続で交付税を減らすことになれば、当面自立度の低い郡単位の自治体は相当な困難を経験するだろう」
韓国中央政府は、2023年に56兆ウォンの税収不足に直面して、地方交付税「18兆6,000億ウォン」を地方政府に支給しなかったというのです。
ひどい話もあったもので、こんなことをすれば地方政府の予算が成立しなくなります。
「2年連続……」とありますので、今年、2024年も同じことを行おうとしているわけです。
何度もご紹介しているとおり、韓国では政府・企業・家計それぞれ負債を増やし、韓国政府はキャッシュフローを回すのにアップアップとなっています。今回チェ課長が明らかにしたのは、韓国政府が火の車状態に陥っていることの証拠です。
韓国中央政府は、文在寅前大統領時代に支出を膨らませ過ぎたのです。
朴槿恵(パク・クネ)大統領時代は、今からは信じられないことですが、支出予算は400兆ウォン程度で、しかも収入・支出はバランスしていました。
それを「政府負債の対GDP比40%までというのは誰が決めたんだ」と一喝し、政府負債を異常に積んで、お金をばらまく施策を実施しました。そのため、政府支出は600兆ウォンを超えるようになりました。
尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領はこの文在寅政権時のいい加減な財政を引き継いだわけですが、政府予算には下方硬直性があるので、支出を急に減少させることはできません。
韓国政府は「さあ、どうするよ?」となっているのです。
政府最大野党『共に民主党』も「考えなし」のアンポンタンです。
尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領を引きずり下ろそうと策謀を巡らせているですが、それができたとしても、このどうしようもなくっている政府財政を引き継ぐことになるのです。
もともと文在寅が始めたことなので、『共に民主党』がケツを拭くことになるのは自業自得というか、ちょうどいい話ではありますが、誰がやっても特段よい解決策などありません。
仮に、また悪夢のような『共に民主党』政権ができたとして、「尹政権が財政を破綻させた」などと必死に喧伝すると予測します。違います。破綻への道筋をつけたのは、借金王・文在寅です。
韓国というのは本当に浅はかな国です。
(吉田ハンチング@dcp)