2025年04月08日、『韓国銀行』は「2025年02月の国際収支統計」を公表しました。
以下が経常収支です。
2025年02月
貿易収支:81億7,520万ドル
サービス収支:-32億800万ドル
第1次所得収支:26億2,350万ドル
第2次所得収支:-4億1,300万ドル
経常収支(上記4つの合計):71億7,770万ドル⇒データ出典:『韓国銀行』公式サイト「ECOS」
経常収支は「約71.8億ドルの黒字」となりました。当月は貿易収支が約81.8億ドルあったので、経常収支も黒字幅が大きくなりなりました。
韓国メディアは「22カ月連続の経常収支が黒字」などと書いています。
韓国の経常収支が最後に赤字だったのは、2023年04月ですので、2023年05月~2025年02月の22カ月連続黒字です。それは喜ぶべきことかもしれませんが、Money1でもご紹介しているとおり、経常収支だけ見ていると「軋み」が見えません。
なぜ資産が1カ月で「120億ドル」も減った?
なぜ韓国メディアは「金融収支(Financial account)」の方を分析しようとしないのでしょうか。
例えば当月の金融収支は、その他投資(Other investment)に見逃せない数字があります。以下をご覧ください。
↑黄色のセルが2025年02月のその他投資「資産」の部。なんと-119億6,470万ドルとなっています。
その他投資の資産の部が、この1カ月で約120億ドルもマイナスになっています。これに匹敵する数字は、2022年12月の「-144億4,760万ドル」まで遡らないとありません。
何が起こっているかというと――これは資産の部のマイナスなので、「海外に持っていた資産(預金など)」を一気に引き揚げたことになります。資金を急いで国内に戻す必要があった――のです。
もうひとつ。気になるのは金融収支の中の「外貨準備の増減」です。以下をご覧ください。
↑2025年02月の外貨準備の増減は「-27億2,690万ドル」。
Money1でもずっとご紹介してきましたが、韓国は外貨準備高を積み増せなくなっています。
2025年01月の外貨準備の増減は「-45億5,070万ドル」でした。01~02月で「-72億7,760万ドル」になります。
さあこの減少傾向はどこまで続くのでしょうか。
大丈夫なのかね――とポカンと見ている状態というので、こんな逸話を思い出しました。
伊東四朗さんが付き人と共に伊丹空港に向かい、飛行機に乗っていたときのこと。
窓際の席に座っていた付き人さんが伊東さんにこう言うのです。
「伊東さん、さっきから、あのプロペラ、止まってるんですけど……いいんですかね」
伊東四朗「いいわけないんだよ!」
「たとえ」が遠いかもしれませんが、「これマズいんじゃないの」というサインはすでに出ているのに、みんなが気付かないだけかもしれませんね。
(吉田ハンチング@dcp)