社会面

「株推奨事件 抜け道なきインサイダー
 この程度ならいいと思っていた
 幹部の不正、会社も打撃」

 何となく、お粗末、というかだらしがない、と言うべきか、こんなものなのか、と思ってしまう記事でした。

 「上場企業の幹部には経営に関する重要情報が多く入る。株式相場に影響する未公表情報に基づいて株取引すれば インサイダー取引 の罪に問われる。だが、情報を伝えずに他人に取引を促す 推奨行為 も禁止されていることは十分浸透していないのかもしれない」
 昔は、妻が株取引をしていた、と言ってのける輩がいました。これだけコンプライアンスが叫ばれる現代、もうないかと思っていました。

 「朝9時までに売って」
 「明日の朝、早く売って。絶対に売って」
 「2021年4月15日夜、交際相手の男から電話で迫られた女性は通話を終えた直後、まだ売っていなかったアイ・アールジャパンホールディングス(HD)3200株を売り注文に出した」
 「男は同社の副社長で最高執行責任者だった。交際相手の女性に電話したころ、客として訪れた飲食店で知り合った別の女性と一緒にいた。 うちの株、下がるから売った方がいい。 同じことを伝えられた2人目の女性も、保有していた2000株すべてを売った」
 「検察側の主張によると、2人の女性は男から月25万~30万円をそれぞれ受け取る特別な関係だった。それまでも男からの 助言 に依存して株取引を続けていたという」
 
 注釈を加えます。調べたら今年5月に発覚した事件で、21年3月の犯行。副社長は野村証券出身の栗尾拓滋容疑者。今年の5月は56歳でした。

 「男は少し前から、自社の株について いい値段になっているから売ってもいいんじゃない とやんわりと女性に取引を促していた。株を手放さなかったことに徐々に焦りをにじませ なんで持ってるの 朝9時までに出しておいてね と畳みかけた」
 「男が株の売却を強く勧めた翌16日、同社は通期の売上高の業績予想を約14億円下方修正すると公表した。同社の株価は大幅に下落。女性2人が損失を回避できた額は計2000万円を超えた」
 業績悪化をもちろん知る立場にいました。愛人が2人もいたのですね。

 「業績悪化を教えるわけにはいかない。金融商品取引法はインサイダー取引の実行者だけでなく、利益獲得や損失回避の目的で未公表の重要事実を他人に伝えた人も規制対象としている。大手証券会社で勤務経験がある男も当然そのことは理解していた。抜け道だと考えたのが、重要事実を伝えないまま、株取引だけを促すことだった」  
 なんだかなあ、と思ってしまうのです。

 「金商法は14年から、情報そのものを伝えなくても株の売買を促す 取引推奨行為 を禁止の対象に加えている。男は法廷で 認識が甘かった。この程度ならいいと思っていた とつぶやいた」
 うわー、軽い。そんな気持ちで、と頭によぎります。  
 しかし、この手の犯罪は多いよう。

 「重要な情報に触れるため高い規範意識が求められる会社役員による不正は後を絶たない。証券取引等監視委員会によると、課徴金制度が導入された05~22年度でインサイダー取引をした人の5%は会社役員だった」
 信じられません。

 「上場会社の役員という責任ある立場の自覚を欠いていた。判決は男の姿勢を厳しく批判し、懲役1年6月、執行猶予3年の有罪判決を言い渡した。金融市場の第一線を走り、その手腕を買われて幹部に上り詰めた男は交際相手の歓心を買いたいという身勝手な動機と軽率な行為で立場を失った」
 当然です。  
 ちなみにアイアールジャパンは、上場企業の守護神、と言われていたそうです。
                                                                  
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