いつか子供に伝えたいお金の話

インデックス投資(投資信託を使った国際分散投資)による資産運用・各種保険・クレジットカード・節約など「お金」に関することを書き綴るブログ

新しいNISA解説書の決定版!『大改正でどう変わる? 新NISA 徹底活用術』(竹川美奈子著)を読みました

NISAやiDeCoが改訂されるたびにその解説本を出版している(ようなイメージのある)竹川美奈子さんが、来年から新しいNISAを使えるようになるこのタイミングで、やはり一冊書き上げていました。




最近はつみたてNISA普及の影響などもあって、類書が数多く店頭に並んでいますが、竹川さんはNISA設定時からその最前線にいて、複雑な非課税制度の変遷を正確に分かり易く解説する第一人者のひとりです。

思い返せば10年以上前のまだNISAが始まる前に、金融庁の制度設計担当者と引き合わせてくださり、私が言いたい放題言う機会を設けてくださったのも竹川さんでした(参考記事)。あのとき、言いたい放題言った内容が少しずつ実現化していき、つみたてNISAとなり、来年からの新NISAとなっているような印象を受けます。

今回の著書は、来年バージョンアップする新NISAのことを正しく、詳しく学びたい人にとって最初に手に取るべき解説本だと思います。



◎制度・活用法などについてしっかり


投資可能期間と非課税期間は恒久化。つみたて型と成長投資枠を併用できて、年間の投資可能額は360万円。トータル1800万円の上限はあれど、売却しても翌年に取得価格分の枠が復活する新しいNISAが来年から利用できるようになります……という説明や、以下のリンク先の記事を読んでもイマイチ内容が理解できないという人は、竹川さんの今回の著書を読めばいいと思います。

【参考記事:新しいNISAは危険だ(使い方の基本方針を考える)


投資信託そのものの説明や「リスク」の話なども織り交ぜつつ、NISAについて根っこから丁寧に説明してくれます。

制度の説明と活用方法、あとは実際に利用する際に直面しそうな疑問などについてQ&A方式で、痒いところにも手が届くように解説してありました。



◎利用者目線の解説書


対象商品の調べ方や投資商品の入れ替え可否、金融機関の変更方法や株主優待・配当金の受け取り方法など、細かいところまでバッチリです。

さらにインデックスファンド・アクティブファンド・バランスファンドの違いなどの説明はもちろん、過去に積み立て投資をしていたらどうなっていたかなども、いくつかのパターンで数値を見せてくれます。途中でさり気なく公的年金の話もあったり。

来年からは新規投資できないジュニアNISAがどうなっていくのかなどについても、けっこう詳しく扱っていました。

この新著を読むまで、親のNISAを相続するときはどうなるのかは私も知りませんでした。



◎初心者向けの一冊


ただ、先述しましたが、基本的には未経験や初心者向けの内容だと思います。私のブログ記事を読んで意味が分かるような人には当たり前に感じる内容が多いかもしれません。

竹川さんは仕事とはいえ、本当に偉いと思います。
毎度毎度、新たな制度の解説に取り組んでいて。

私なんぞはブログを書き始めた頃は何かを分かり易く解説することに快感を覚えたりしていましたが、最近はメンドくさく感じてしまうことが多いですからね。

竹川さんは、他にもDC(確定拠出年金)や投資信託そのものについての詳しい解説本などを次々と出版していて、これまでの単行本合計販売数は60万部に迫る勢いです。

《竹川美奈子さんの著書レビュー例》
臆病な人でもうまくいく投資法 お金の悩みから解放された11人の投信投資家の話
『改訂版 一番やさしい! 一番くわしい! はじめての「投資信託」入門』(竹川美奈子著)を読んだ感想・レビュー
イデコの変更点を確認しましょう…『[改訂新版]一番やさしい!一番くわしい!個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)活用入門』(竹川美奈子著)を読んだ感想・レビュー




ちなみに竹川さんは、数年前「老後2000万円問題」で炎上した金融庁金融審議会「市場ワーキング・グループ」のメンバーでもありました。

誤解されたまま(もしくは意図的に曲解されて)選挙や政治の道具に利用されたり、とんちんかんなメディアにひっかきまわされたりして、色々と大変だったと思われます。

ただ、あの「2000万円」という金額が、新しいNISAの投資上限1800万円に影響していないとは思えないですし、あの騒ぎの影響を受けて積み立て投資を始めた20代30代は多いようなので、結果的には悪いことばかりでもなかったとは思いますが。

【参考記事:「人生100年時代の自助の話」の金融庁報告書騒ぎを見て思うこと



『大改正でどう変わる? 新NISA 徹底活用術』は、NISAについてよく分かっていないけど来年から始めてみたい、というような人にイチ押しの新著でした。


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プロフィール

虫とり小僧

Author:虫とり小僧


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子供の頃は、一日に800匹以上のバッタを捕まえるような虫とり少年でした。また、歩行中にはすべての家の「ピンポン」を必ず押すようないたずら小僧でもありました。今はただのザコです。

※好きなものは、歴史・格闘技(実践も観戦も)・筋トレ・秘湯めぐりなど



自分の全資産を「円」のみで保有していること(何もしないこと)は、それなりのリスクを伴う集中投資に近いものだと解釈して、私は購買力維持や資産形成を目的に、世界中の株式や債券なども保有しています。

約19年前から、なるべく手間とコストをかけずに実践している投資方法を、いつか我が子に伝えるかもしれないので、そのための備忘録を書いておくことにしました。

投資の実践といっても、ひと月に一度の自動積立と、たまにやるリバランスくらいですが…



※当ブログのエッセンスをまとめた記事はこちら

我が子に伝えたい5つの大切なお金のこと


※主なメディア掲載・出演履歴
NewsPicks:2024年7月16日
BSテレ東マネーの学び:2022年10月13日
投資信託完全ガイド:2021-22年版
日経新聞広告:2021年2月12日
東証マネ部!:2020年8月
JBpress:2020年7月7日
ダイヤモンドZAi:2020年5月号
Yen SPA!:2020年夏号
トウシル(楽天証券):2020年4月
日経ヴェリタス:2019年9月15日
FOUND:2019年8月
週刊エコノミスト:2019年4月23日号
金融庁コラム:2018-19年
ITmedia:2018年1月29日
モノクロ ザ・マネー:2018年12月号
トウシル(楽天証券):2018年10月
ほったらかし投資完全ガイド:2018年1月
日経電子版:2017年12月25日
ニューヨークタイムズ:2017年7月11日
REUTERS・ロイター:2017年7月7日
東証マネ部!・R25:2017年3月
Yen SPA!:2016年冬号
BIG tomorrow:2016年1月号
ザイ・オンライン:2015年9月18日
日経ヴェリタス:2015年7月26日
某大手テレビ局:2014年夏?
日経マネー:2013年10月号
日経新聞:2013年7月3日
NHK特報首都圏:2011年3月

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読みやすくてオススメの本

金融のプロが実はやっている 最もシンプルで賢い投資の結論
投資理論の基礎から実践まで学べる最高の教科書。→参考記事


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