いつか子供に伝えたいお金の話

◎英樹さんのことに触れられずにはいられません

ご存じの方が多いと思いますが、とても残念なことに、今年1月1日に著者の旦那様である大江英樹さんがお亡くなりになってしまいました。

英樹さんの思い出や回想については、いずれ別の記事にしたいと思っています。ただ、昨年ちょうど同じくらいの時期に急病で数ヶ月の入院生活を送った者同士として、SNSで励ましあったりしていたので、訃報には大変驚きました。

最後まで生き続けることを前提にして諸々の発言されていた姿勢には、私も非常に勇気づけられました。とにかくご冥福をお祈りするばかりです。

気のせいかもしれませんが、今回の大江加代さんの著書でも英樹さんの赤ペンというかアドバイスが反映されたと思しき言い回しや構成が所々にあったように感じました。

◎構成と概要と印象

序章：NISA、iDeCoってそもそも何？
Capter1：老後資金づくりにおけるNISA、iDeCoの役割
Capter2：始める前に知っておくべきこと NISA編
Capter3：始める前に知っておくべきこと iDeCo編
Capter4：投資信託＋株で資産を積み上げる
Capter5：世代別のNISA＆iDeCo活用法
Capter6：こんな時どうする？ どうなる？ Q＆A

上記のような章立てになっています。

要するにNISA※とiDeCo※の仕組みや使い方、またそれに関連する事項について書かれた本です。

当たり前のことかもしれませんが、非常に真面目な本です。

投資そのものよりも制度の解説に重点が置かれているため、家電製品の説明書のようで、読み切るにはけっこうエネルギーを使うかもしれません。

20代30代向けというよりは、どちらかという50代や60代向けに書かれているような印象を受けました。

《※参考記事》
・新しいNISAは危険だ（使い方の基本方針を考える）
・確定拠出年金ってなによ？

◎制度そのものの詳しい解説書

文字数は多めの印象で、NISA・iDeCo両制度の成り立ちや目的などについても妥協なく記述してあります。

それもそのはず、著者の大江加代さんは、NISAには岸田総理肝いりの資産所得倍増分科会の委員として、iDeCoには厚生労働省社会保障審議会の企業年金・個人年金部会の委員として関わっているので、制度の枠組みや背景について熟知しています。

んで、やはりiDeCoに関する説明はお見事。プロ中のプロって感じです。さすがこの分野を解説する第一人者だと思いました。受け取り方の説明や税の説明とかメッチャ詳しく書いてあります。

例えば、今年の12月から拠出限度額が変わるかもしれない属性の私にも非常に参考になる内容にも触れてくれていました。

ただ、制度そのものについて正確で詳しい本であることと、投資を始めてみて継続するために必要な情報や心構えが詰まっている本であるかどうかはまた別の話です。未経験者や初心者が投資を始めるなら、本書以外にも体験談やデータの詰まった投資に関する基本的な解説本なども読んでおいたほうがいいように思いました。


・・大変なご状況の中で今回のような内容の濃ゆい著書を書き上げたことに敬意を表します。さすがです。

大江加代さんは、現場でのプレゼン力というか歯切れのよいトーク力もお見事なので、これからもっと多方面でご活躍されることと思います。



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