黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「あさナビ」（1月26日放送）に去年（2021年）、現役を引退したサッカー元日本代表の大久保嘉人が登場。引退を決意した本当の理由、支えてくれた家族の絆、そして、大阪での三男との2人での生活、主夫としての奮闘について語った。

画像を見る（全5枚） 料理はイメトレから。 わからなかったらYouTube。

黒木瞳が、さまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「あさナビ」。1月24日（月）～1月28日（金）のゲストはサッカー元日本代表の大久保嘉人。3日目は、三男・橙利くんとの大阪での2人暮らしについて…

黒木）去年までサッカー選手として大活躍されておりました大久保さんです。一方、私生活では9歳の三男橙利くんと大阪で二人暮らし。その奮闘ぶりを綴った本『俺は主夫。職業、現役Ｊリーガー』が大きな話題となっています。私も拝見しましたけれども、プロサッカー選手が子連れで単身赴任、「飯どうするんだ、ああ俺がつくるのか」って……最初のページにピカチュウのお弁当の写真が掲載されています。これは奥様の莉瑛さんが「ピカチュウ、つくったら」とおっしゃったのですって？

大久保）そうです。「つくったら」と言われて写真も送られて来ました。

黒木）初めてのお弁当をつくる前の晩は眠れなかったということですが。

大久保）お弁当のことを考えたら、つくり方のイメージ、海苔をどこに置くかとか考えると、全然眠れなくて。

黒木）普通はサッカーのことを考えるのでは？

大久保）普通はね。普通はそうなのですけど、その日は初めてだったので。

黒木）（お弁当の写真を見ながら）このピカチュウの黄色は玉子ですか？

大久保）玉子です。

黒木）頬っぺたはハムですか？

大久保）ハムです。

黒木）チーズでしょ、ピーマン……上の茶色いのは何ですか？

大久保）ひき肉を炒めたやつです。

黒木）ああ、そぼろみたいな。かわいらしいですね。できたときはご自分で写真を撮りましたか？

大久保）かなり撮りました。本当にすごいと思って。

三男・橙利くんの存在に「俺、 救われたな」と思うことが何度もあった

黒木）橙利くんはどうでしたか？　その日は遠足だったのですよね。

大久保）橙利はまた寝ていました。起きるまでにつくって、蓋をして、遠足に行くときに渡したのですよ。だから中身を見ずに出たのです。

黒木）橙利くんはピカチュウご飯だって知らなかった。

大久保）そうです。知らないまま遠足に行きました。だから帰って来たときが楽しみでしたね。帰って来て、すぐに「どうだった？　」と聞きました。そしたら、行く途中で揺すられて、中身が跡形もなく崩れてしまっていたそうです。

黒木）行く間に。

大久保）「パパがつくってくれたから」って、みんなに見せようと思っていたらしいのですよ。でもグシャグシャになっていて恥ずかしいからすぐ食べたって言っていました。

黒木）原形をとどめてなかったのでね。あらら。

大久保）写真撮っておいてよかったです。「これだったんだ」と帰ってから見せられたので。

黒木）この写真をツイッターに載せたら、他のJリーガーの方からブーイングがあったということですが。

大久保）そうなんです。みんなから「絶対やめてください」って。家に帰ったら、奥さんから「嘉人さんがやってるんだから、あなたもやってよ」って怒られたらしいです。

洗濯物は橙利くんがシワを伸ばして、 大久保選手が干す係に。

黒木）橙利くんとの2人暮らし、印象に残っているエピソードはありますか？

大久保）2段ベッドだったんですよ。でも2段ベッドの意味がなくて、2人で下の段で一緒に寝ていました。毎日一緒に寝られて、楽しかったですね。

黒木）でも橙利くんが夜中に何度もお手洗いに行かれるのですって？

大久保）4回くらい行くのですよ。しかも奥に寝ているので、毎回、自分をまたいで行くもので、毎回起きてしまう。最初の方はトイレに行くのが怖いというので、トイレの前まで一緒に行って、トイレの前で待ちながら寝ていました。

黒木）次の日試合があるときも？

大久保）ええ。でもそれは最初だけでしたね。

黒木）でもそういう2人暮らしを体験されて、いかに大変だったか。そういうことが身に染みたと書かれていましたが。

大久保）そうですね。バスタオルは、以前は1回使ったら、すぐに洗っていたのですよ。でもいまは、1回使っただけで洗うのは勿体ないなと。

黒木）もう主婦の苦悩が身に染みて。

大久保）染みましたね。だから自分が使ったバスタオルを長男に「使ってね」と言うのですが、長男も新しいタオルを使いたいから嫌だと。でも洗濯が大変だから「使ってね！」と言って使わせます。

黒木）随分お変わりになりましたね。でもそれは橙利くんのおかげでもありますよね。

大久保）そうですね。橙利が来なければわかってなかったですから。本当によかったと思います。

「俺は主夫。 職業、 現役Jリーガー」大久保嘉人／講談社・刊

大久保嘉人（おおくぼ･よしと）／ サッカー元日本代表

■1982年6月9日生まれ。福岡県出身。
■国見高校（長崎）3年生の時に「高校3冠」を達成し、インターハイと高校選手権では大会得点王を獲得。
■2001年にJリーグ「セレッソ大阪」でプロキャリアをスタートさせると、闘争心溢れるプレーで存在感を発揮。
■2003年に日本代表デビュー、2004年にはU-23日本代表の一員としてアテネ五輪に出場、2010年には南アフリカ･ワールドカップ･ベスト16進出に貢献。
■マジョルカ（スペイン）、ヴォルフスブルク（ドイツ）でのプレーを挟みながらヴィッセル神戸に通算6シーズン在籍後、2013年に川崎フロンターレに移籍。2013年以降、史上初のJリーグ3年連続得点王の偉業を達成した。
■2021年のシーズンから古巣･セレッソ大阪に復帰。歴代最多･J1通算191得点。
■2021年11月19日に現役引退を発表。
■2004年に妻･莉瑛（りえ）さんと結婚。長男･碧人（あいと）、次男･緑二（りょくじ）、三男･橙利（とうり）、四男･紫由（しゆう）。4人の男の子のお父さん。
■ラストシーズンとなった2021年には三男･橙利くんと大阪で2人暮らし。

2021年11月に著書『俺は主夫。職業、現役Jリーガー』（講談社）を出版。