▲いよいよディープインパクト&キングカメハメハを解説!(撮影:榎本良平)
“超”のつく競馬オタクの坂井瑠星騎手が、豊富な知識と自身の経験から種牡馬を解説する「使える種牡馬辞典」。第二弾の今回は、リーディングを賑わす注目の種牡馬から、自身の中央GI初制覇のコンビとなったスタニングローズの父・キングカメハメハなど、レジェンド種牡馬もお届けします。
今回取り上げるのはレジェンド種牡馬2頭、ディープインパクトにキングカメハメハ。ほとんど同時期に種牡馬として台頭した2頭ですが、産駒に出る性格の特徴はほとんど対極にあるそう。
ディープ産駒にはツンツンした仔が多いとのことで、坂井騎手も調教で何度も跨ったというラヴズオンリーユーもその典型だと話します。一方でキンカメ産駒は大人しく、坂井騎手に「重箱の隅をほじくっても何も出ない」と言わしめるほど。そんなレジェンド2頭の特徴を前後編に分けて紹介します。
(取材・構成=不破由妃子)
◆大反響!「種牡馬辞典」第一弾はこちらからザ・オールマイティーなキングカメハメハ産駒
netkeibaをご覧のみなさん、明けましておめでとうございます!
新年一発目にして、この種牡馬辞典もいよいよ最終章。最後は種牡馬界のレジェンド、ディープインパクトとキングカメハメハを2回にわけてお届けしたいと思います。
▲第72代ダービー馬ディープインパクト(撮影:下野雄規)
▲第71代ダービー馬キングカメハメハ(撮影:下野雄規)
ディープインパクトが天国に旅立ったのが2019年7月30日。そのわずか10日後の8月9日、まるでディープを追いかけるように、キングカメハメハも18年の生涯に幕を閉じました。
その年、キンカメは種付けをお休みしていたため、2019年生まれの明け4歳世代がラストクロップ。ディープは2020年生まれの明け3歳世代が最後になります。まだまだ産駒たちの競走生活は続きますが、少なくとも、レジェンドたちの“新しい才能”にはもう二度と出会えない。とても寂しく、ひとつの時代が終わったことを嫌でも思い知りますね。
キンカメのラストクロップといえば、僕が秋華賞で初めてGIを勝たせてもらったスタニングローズもその1頭です。レジェンドの功績のひとつとして名前を残せたこと、非常に光栄に思っています。
▲秋華賞を制したスタニングローズと坂井騎手(c)netkeiba.com
キングカメハメハの種牡馬としてのイメージは、「ザ・オールマイティー」。芝・ダートはもちろん、距離も問わない活躍ぶりは、凄まじいものがあります。産駒たちの性格もおっとりしていて、乗り手に従順。調教でも競馬でも、本当に乗りやすい馬が多いです。