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【騎手の種牡馬辞典】ディープインパクト・キングカメハメハ編 ──おっとり系とツンツン系!? 産駒の特徴が対極にあるレジェンド2頭/前編

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  • 2023年01月05日(木) 18時01分
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▲いよいよディープインパクト&キングカメハメハを解説!(撮影:榎本良平)


“超”のつく競馬オタクの坂井瑠星騎手が、豊富な知識と自身の経験から種牡馬を解説する「使える種牡馬辞典」。第二弾の今回は、リーディングを賑わす注目の種牡馬から、自身の中央GI初制覇のコンビとなったスタニングローズの父・キングカメハメハなど、レジェンド種牡馬もお届けします。

今回取り上げるのはレジェンド種牡馬2頭、ディープインパクトにキングカメハメハ。ほとんど同時期に種牡馬として台頭した2頭ですが、産駒に出る性格の特徴はほとんど対極にあるそう。

ディープ産駒にはツンツンした仔が多いとのことで、坂井騎手も調教で何度も跨ったというラヴズオンリーユーもその典型だと話します。一方でキンカメ産駒は大人しく、坂井騎手に「重箱の隅をほじくっても何も出ない」と言わしめるほど。そんなレジェンド2頭の特徴を前後編に分けて紹介します。

(取材・構成=不破由妃子)

◆大反響!「種牡馬辞典」第一弾はこちらから

ザ・オールマイティーなキングカメハメハ産駒


 netkeibaをご覧のみなさん、明けましておめでとうございます!

 新年一発目にして、この種牡馬辞典もいよいよ最終章。最後は種牡馬界のレジェンド、ディープインパクトとキングカメハメハを2回にわけてお届けしたいと思います。

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▲第72代ダービー馬ディープインパクト(撮影:下野雄規)


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▲第71代ダービー馬キングカメハメハ(撮影:下野雄規)


 ディープインパクトが天国に旅立ったのが2019年7月30日。そのわずか10日後の8月9日、まるでディープを追いかけるように、キングカメハメハも18年の生涯に幕を閉じました。

 その年、キンカメは種付けをお休みしていたため、2019年生まれの明け4歳世代がラストクロップ。ディープは2020年生まれの明け3歳世代が最後になります。まだまだ産駒たちの競走生活は続きますが、少なくとも、レジェンドたちの“新しい才能”にはもう二度と出会えない。とても寂しく、ひとつの時代が終わったことを嫌でも思い知りますね。

 キンカメのラストクロップといえば、僕が秋華賞で初めてGIを勝たせてもらったスタニングローズもその1頭です。レジェンドの功績のひとつとして名前を残せたこと、非常に光栄に思っています。

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▲秋華賞を制したスタニングローズと坂井騎手(c)netkeiba.com


 キングカメハメハの種牡馬としてのイメージは、「ザ・オールマイティー」。芝・ダートはもちろん、距離も問わない活躍ぶりは、凄まじいものがあります。産駒たちの性格もおっとりしていて、乗り手に従順。調教でも競馬でも、本当に乗りやすい馬が多いです。

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1997年5月31日、東京都生まれ。父・坂井英光は大井競馬所属として地方通算2000勝を達成した名手(現調教師)。同期は藤田菜七子、荻野極、木幡巧也ら。2016年に栗東・矢作芳人厩舎所属でデビュー。2019年ノーワンのフィリーズレビューで重賞初制覇。2020年ダノンファラオのジャパンダートダービーで交流GI初制覇。また、2017年のオーストラリア長期遠征を皮切りに、ヨーロッパや中東など世界各国で騎乗。

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