サッカーJ1・サガン鳥栖が降格危機…監督交代も立て直せず、残留目指し残り8試合
サッカーの明治安田J1リーグで、サガン鳥栖が降格の危機に立たされている。9月1日の第29節終了時点で最下位の20位に沈み、13日の第30節・川崎フロンターレ戦も敗れ、チームは7勝3分け20敗(勝ち点24)。2012年のJ1昇格以降、一度も降格を経験したことがないクラブが残留にこぎ着けるか――。残り8試合の動向が注目される。(古島弘章) 【表】今季開幕戦以降に加入・移籍した選手
総失点はリーグワースト57点
8月31日にホームであった湘南ベルマーレ戦は、今のチーム状況を如実に表す試合展開だった。持ち味の攻撃力は鳴りを潜め、シュートはわずか6本。得点はパリ五輪に日本代表として出場したDF木村誠二選手のヘディングのみだった。
一方、守備陣の連係は粗かった。DFラインの裏にできたスペースを突かれて失点。2点目はセンターライン付近でプレスに失敗し、パスでゴール前に運ばれた後に決められた。チームは1―2で敗れた。
クラブは8月8日付で、成績不振を理由に川井健太監督を事実上解任。後任に、11年に鳥栖がJ1昇格を決めたときのメンバーだった木谷公亮テクニカルダイレクターを充てた。だが、立て直しはうまくいっていない。
特に守備の脆弱さが顕著となっている。9月1日現在、総失点は57点でリーグワースト。被シュート総数も最多の389本に上る。セットプレーを与える機会も多い。木谷新監督は「ブロックした後にどう(ボールを)奪うかなど、個人、DF陣、チームとして色々と課題がある」と指摘する。
エースストライカー不在に主力移籍
攻撃面では、FWマルセロヒアン選手が8月11日の浦和レッズ戦までに12ゴールを挙げていたが、16日の北海道コンサドーレ札幌戦で左脚を負傷し、エースストライカーが不在となった。
さらに追い打ちをかけたのが、主力の移籍だ。今季5得点を挙げていたFW横山歩夢選手がイングランド3部・バーミンガムに、4得点のMF長沼洋一選手が浦和にそれぞれ移った。
中盤を支えていたMF河原創選手やMF手塚康平選手らもJ1のライバルチームに籍を移した。副主将のMF福田晃斗選手は「試合に出るメンバーが5、6人は変わった」と、顔ぶれの変化に戸惑いを隠せない。